適正使用ガイド - エーザイの一般生活者向けサイト | Eisai.jp

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販売開始後6ヵ月間
適正使用ガイド
本資料では、フィコンパを適正に使用していただくため、発
現する可能性のある副作用とその対策等について解説し
ています。
本剤をご使用いただく前に最新の添付文書とともに必ず
本資料をご熟読いただき、本剤の適正で安全な使用のた
めにご活用ください。
習慣性医薬品:注意-習慣性あり
処方箋医薬品:注意-医師等の処方箋により使用すること
抗てんかん剤
Fycompa®〈ペランパネル水和物製剤〉
【禁 忌】
(次の患者には投与しないこと)
1. 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
2. 重度の肝機能障害のある患者〔使用経験がなく、ペランパネルの血中濃度が上昇するおそれがある。〕
東京都文京区小石川4- 6 -10
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CODE DI-J-563
2016年5月作成
CODE DI-J-563
目次
Ⅰ. 適正使用のためのフローチャート ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 4
Ⅱ. フィコンパを投与する前に ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 5
Ⅲ. フィコンパの特徴 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 6
1. フィコンパの作用機序‥ ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 6
2. フィコンパの有効性・安全性の概要‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 7
2-1. 部分てんかん患者における試験
(335試験)結果‥ ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 7
2-2. 難治性強直間代発作患者における試験
(332試験)結果‥ ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 8
Ⅳ. フィコンパの使用に際して注意を要する患者 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 9
1. 慎重投与(次の患者には慎重に投与すること)
2. 重要な基本的注意
3. 高齢者への投与
4. 妊婦、産婦、授乳婦等への投与
5. 小児等への投与
Ⅴ. 適応となる患者とフィコンパの使い方 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 10‥
1. 効能・効果
2. 用法・用量
3. 用法・用量に関する使用上の注意
Ⅵ. フィコンパとの併用に注意する薬剤(相互作用)‥ ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 11‥
1. 併用抗てんかん薬との相互作用‥ ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 11‥
2. その他の薬剤への影響‥ ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 12
Ⅶ. フィコンパの注意すべき有害事象/副作用とその対策 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 13‥
1. 浮動性めまい‥ ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 13
2. 運動失調、平衡障害等及び転倒‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 14
3. その他の中枢神経系関連事象‥ ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 16
4. 敵意・攻撃性‥ ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 18
5. 自殺関連事象‥ ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 20
6. 筋弛緩関連事象‥ ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 21
Ⅷ. 臨床成績 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 22‥
1. 難
治性部分発作を有するてんかん患者を対象とした第Ⅲ相プラセボ対照無作為化二重盲検比較試験
(日本を含む国際共同試験、335試験)
‥ ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 22
2. 難治性強直間代発作を有するてんかん患者を対象とした第Ⅲ相プラセボ対照無作為化二重盲検比較試験
(日本を含む国際共同試験、332試験)‥ ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 30
Ⅸ. 乱用・依存性に関する試験結果 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 37
Ⅹ. その他 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 39‥
1. 記憶・学習への影響‥ ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 39
2. ペランパネル14C 標識体投与時の蓄積‥ ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 40
添付文書情報 ‥ ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 41
Ⅰ. 適正使用のためのフローチャート
Ⅱ. フィコンパを投与する前に
1. 投与開始前の確認事項
【禁 忌】
(次の患者には投与しないこと)
「効能・効果」
「 用法・用量」
「 重要な基本的注意」
「 禁忌を含む使用上の注意」
「 副作用」など
フィコンパ投与を検討する際には添付文書情報を必ずご確認ください。
1. 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
2. 重度の肝機能障害のある患者
〔使用経験がなく、ペランパネルの血中濃度が上昇するおそれがある。〕
2. 投与患者の選択
禁忌
P.5
注意を要する患者
効能・効果
P.9
P.10
3. 投与にあたって
用法・用量
P.10
用法・用量に関する
使用上の注意
P.10
フィコンパとの併用に
注意する薬剤
P.11 - P.12
4. 症状観察
フィコンパの注意すべき有害事象/副作用とその対策
P.13 - P.21
4
5
Ⅲ. フィコンパの特徴
1. フィコンパの作用機序
2. フィコンパの有効性・安全性の概要
フィコンパの有効成分であるペランパネル水和物(以下、ペランパネル)は、シナプス後膜に主として
存在する AMPA(α -amino-3-hydroxy-5-methyl-4-isoxazolepropionic acid)型グルタミン酸受容体
に選択的な非競合的拮抗剤である。AMPA 受容体は、てんかん波の発生並びにシナプスを介した伝播に
重要な役割を持つと考えられており、ペランパネルはそれらを抑制することにより抗てんかん作用を発
揮すると推定されている。
既存の抗てんかん薬の中で、トピラマートもグルタミン酸受容体の機能を抑制することが知られてい
るが、トピラマートの抗てんかん作用には複数のメカニズムが関与すると考えられている。ペランパネ
ルとトピラマートの抗てんかん作用の作用機序の比較を表に示す。
*本邦未承認(2016年2月現在)
●既存抗てんかん薬及びペランパネルの主な作用点
電位依存型Na+チャネル
電位依存型Ca+チャネル
(α2δサブユニット)
Na+
シナプス小胞タンパク
(SV2A)
Ca+
興奮性抑制
GABA
シナプス前終末
グルタミン酸
抑制系賦活化
GABA作動性神経伝達の促進
NMDA AMPA
受容体 受容体
ペランパネル
神経興奮性抑制
シナプス前終末からの
グルタミン酸遊離抑制
シナプス後膜の受容体
を介する興奮性の抑制
シナプス後膜
●ペランパネルとトピラマートの抗てんかん作用機序の比較
ペランパネル
作用機序
• AMPA 型グルタミン酸受容体拮抗作用
トピラマート
• AMPA/カイニン酸型グルタミン酸受容体機
能抑制作用
• 電位依存性ナトリウムチャネル抑制作用
• 電位依存性 L 型カルシウムチャネル抑制作用
• GABA A 受容体機能増強作用
• 炭酸脱水酵素阻害作用
• 作用メカニズムは単一ではなく、複数のメカ
ニズムが関与する。
特徴
• AMPA 型グルタミン酸受容体に
選択的な非競合的拮抗剤
• AMPA/カイニン酸型グルタミン酸受容体機
能抑制作用:AMPA 型に比べカイニン酸型
への関与が大きい。受容体のリン酸化状態を
調節することによる非可逆的な機能抑制(仮
説)。
6
ペランパネルは主に CYP3A により代謝されるため、その有効性及び安全性は CYP3Aを誘導又は阻害
する薬剤の影響を受けることが考えられる。ペランパネルの臨床試験において、CYP3A 誘導作用を有し、
本剤の代謝を促進する抗てんかん薬(Inducer:カルバマゼピン、フェニトイン、オクスカルバゼピン*)及
び誘導作用を有しない抗てんかん薬との併用時のペランパネルの曝露量の変化について「Ⅵ .フィコンパ
との併用に注意する薬剤(相互作用)」の項に記載したが、ペランパネルの曝露量は、Inducer との併用に
より約1/2~1/3に低下しており、Inducer 併用有無による用法用量の調節など適切な使用が求められる。
以下に、部分てんかん患者を対象とした臨床試験(335試験)及び難治性強直間代発作患者を対象とし
た臨床試験
(332試験)
における、Inducer 併用の有無別に有効性及び有害事象発現率について概略を示す。
2-1
部分てんかん患者における試験(335試験)結果
部分てんかん患者を対象とした臨床試験(335試験)の治療期において、ペランパネル2mg 又はプラセボの投与を開
始した。その後、ペランパネル群では1週間ごとに2mg ずつ、目標用量(4mg、8mg、12mg)又は最大耐量まで漸増した。
2-1-1. 発作頻度変化率
部分てんかん患者を対象とした臨床試験(335試験)における Inducer 併用有無別の発作頻度変化率及
び発作頻度変化率のプラセボ群との群間差を表に示した。Inducer 併用なしでは、併用ありと比べて発作
頻度の変化率の低下が大きい傾向が認められた。
●335試験における Inducer 併用有無別の発作頻度変化率
発作頻度変化率 a)
プラセボとの群間差 b)
ペランパネル
ペランパネル
プラセボ
4mg
8mg
12mg
4mg
8mg
12mg
−10.01 (119)
−12.38 (118)
−21.44 (119)
−29.77 (118)
−0.63
−13.25
−21.33
あり
(−90.4, 400.0) (−91.6, 473.4) (−100.0, 809.4) (−100.0, 242.2) [−11.39, 10.24] [−24.59, 1.83] [−32.27, −10.53]
−13.21 (56)
−30.91 (56)
−40.01 (56)
−47.15 (62)
−14.80
−23.17
−31.15
なし
(−90.1, 219.8) (−97.1, 410.0) (−100.0, 140.4) (−100.0, 456.8) [−32.58, 3.28] [−38.35, −6.77] [−45.35, −16.75]
a)発作頻度変化率={(治療期の発作頻度)-(観察期の発作頻度)}/(観察期の発作頻度)×100
中央値(評価例数)、
(最小値、最大値)
b)中央値の差(Hodges-Lehmann 推定量[95% 信頼区間])
Inducer
併用
2-1-2. 有害事象発現状況
335試験における有害事象発現率を表にまとめた。本剤投与群の有害事象発現率は、Inducer 併用あり
と比較し、併用なしの時に高い傾向が認められた。
●335試験における Inducer 併用有無別の有害事象発現状況
ペランパネル
8mg
あり
なし
あり
なし
あり
なし
120
56
120
56
119
56
75(62.5) 42(75.0) 77(64.2) 44(78.6) 83(69.7) 46(82.1)
0
5(8.9)
2(1.7)
3(5.4)
3(2.5)
4(7.1)
5(4.2)
5(8.9)
4(3.3)
2(3.6)
6(5.0)
1(1.8)
3(2.5)
3(5.4)
3(2.5)
5(8.9) 9(7.6)
11(19.6)
3(2.5)
4(7.1)
16(13.3) 3(5.4)
18(15.1) 8(14.3)
12mg
あり
なし
118
62
101(85.6) 55(88.7)
3(2.5)
8(12.9)
6(5.1)
6(9.7)
8(6.8)
17(27.4)
31(26.3) 28(45.2)
8(6.7)
0
0
1(0.8)
0
0
プラセボ
Inducer 併用
評価例数
全ての有害事象
高度の有害事象
死亡及び重篤な有害事象
中止に至った有害事象
減量又は休薬に至った有害事象
注意すべき有害事象
浮動性めまい
運動失調
平衡障害
易刺激性
攻 撃 性
怒 り
例数(発現 %)
2(3.6)
0
0
0
0
1(1.8)
4mg
23(19.2)
2(1.7)
1(0.8)
3(2.5)
1(0.8)
0
17(30.4)
0
3(5.4)
5(8.9)
3(5.4)
0
31(26.1)
0
0
6(5.0)
2(1.7)
1(0.8)
19(33.9)
1(1.8)
1(1.8)
4(7.1)
3(5.4)
0
46(39.0)
5(4.2)
2(1.6)
6(5.1)
2(1.7)
1(0.8)
30(48.4)
2(3.2)
2(3.2)
3(4.8)
4(6.5)
2(3.2)
7
Ⅳ. フィコンパの使用に際して注意を要する患者
2-2
1. 慎重投与(次の患者には慎重に投与すること)
難治性強直間代発作患者における試験(332試験)結果
難治性強直間代発作患者を対象とした臨床試験(332試験)の治療期において、ペランパネル2mg 又は
プラセボの投与を開始した。その後、ペランパネル群では1週間ごとに2mg ずつ、目標用量(8mg)又は最
大耐量まで漸増した。
2-2-1. 発作頻度変化率
難治性強直間代発作患者を対象とした臨床試験(332試験)における Inducer 併用有無別の発作頻度
変化率及び発作頻度変化率のプラセボ群との群間差を表に示した。332試験の Inducer 併用例は、プラ
セボ群で18例、
ペランパネル群で9例であり、
ペランパネル群の被験者数が少数
(10例以下)
であったため、
Inducer 併用例の部分集団の成績からは明確なことは言えなかった。Inducer 併用なし
(プラセボ群64例、
ペランパネル群72例)では、ペランパネル群における発作頻度変化率の中央値はプラセボ群に比べてよ
り大きな減少を示した。
●332試験における Inducer 併用有無別の発作頻度変化率
プラセボとの群間差 b)
発作頻度変化率 a)
Inducer
併用
プラセボ
ペランパネル
ペランパネル
あり
−41.51(18), (−100.0, 123.5)
−25.41(9), (−100.0, 23.4)
4.07, [−40.98, 46.24]
なし
−37.25(63), (−100.0, 1546.3)
−79.05(72), (−100.0, 184.5)
−36.30, [−51.89, −19.80]
a)発作頻度変化率={(治療期の発作頻度)-(観察期の発作頻度)}/(観察期の発作頻度)×100
中央値(評価例数)、
(最小値、最大値)
b)中央値の差(Hodges-Lehmann 推定量[95% 信頼区間])
332試験における有害事象発現率を表にまとめた。Inducer 併用ありの例数が少なく、比較は困難であっ
たが、易刺激性についてはペランパネル群で Inducer 併用なしが高い結果であった。
プラセボ
全ての有害事象
あり
ペランパネル
なし
18
あり
64
なし
9
72
11(61.1)
48(75.0)
8(88.9)
59(81.9)
0
6(9.4)
1(11.1)
5(6.9)
1(5.6)
6(9.4)
1(11.1)
5(6.9)
中止に至った有害事象
0
5(7.8)
1(11.1)
8(11.1)
減量又は休薬に至った有害事象
0
6(9.4)
1(11.1)
8(11.1)
1(5.6)
4(6.3)
6(66.7)
20(27.8)
運動失調
0
1(1.6)
2(2.8)
平衡障害
0
1(1.6)
1(1.4)
易刺激性
0
2(3.1)
0
9(12.5)
攻 撃 性
0
0
0
1(1.4)
激 越
0
2(3.1)
0
1(1.4)
高度の有害事象
死亡及び重篤な有害事象
注意すべき有害事象
浮動性めまい
(1)易刺激性、攻撃性・敵意、不安等の精神症状があらわれ、自殺企図に至ることもあるので、本剤投与中は患者の状態
及び病態の変化を注意深く観察すること。
(2)患者及びその家族等に攻撃性・敵意、自殺企図等の精神症状発現の可能性について十分説明を行い、医師と緊密に
連絡を取り合うように指導すること。
(3)運動失調(ふらつき)等が高頻度で認められ、転倒等を伴うおそれがあるので、あらかじめ患者及びその家族に十
分に説明し、必要に応じて医師の診察を受けるよう、指導すること。特に高齢者ではこれらの症状により転倒しや
すいと考えられるため、十分に注意すること。
〔「高齢者への投与」の項参照〕
(4)本剤を増量した場合に易刺激性、攻撃性・敵意、不安等の精神症状、運動失調(ふらつき)等が多く認められ、特に本
剤の代謝を促進する抗てんかん薬(カルバマゼピン、フェニトイン)を併用しない患者では多く認められるため、
患者の状態を慎重に観察すること。
(5)めまい、眠気、注意力・集中力・反射運動能力等の低下が起こることがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運
転など危険を伴う操作に従事させないよう注意すること。
(6)連用中における投与量の急激な減量ないし投与中止により、発作頻度が増加する可能性があるので、投与を中止
する場合には徐々に減量することも考慮し、患者の状態を慎重に観察すること。
一般に高齢者では生理機能が低下しているので、注意して投与すること。
〔「薬物動態」の項参照〕
臨床試験において、高齢者は非高齢者と比較して転倒のリスクが高いという結果が得られているので、観察を十分に
行うなど慎重に投与すること。
4. 妊婦、産婦、授乳婦等への投与
●332試験における Inducer 併用有無別の有害事象発現状況
評価例数
2. 重要な基本的注意
3. 高齢者への投与
2-2-2. 有害事象発現状況
Inducer 併用
(1)軽度及び中等度の肝機能障害のある患者
〔本剤のクリアランスが低下し、消失半減期が延長することがある。
「用法・用量に関連する使用上の注意」及び「薬物動態」の項参照〕
(2)重度の腎機能障害のある患者又は透析中の末期腎障害患者
〔使用経験がなく、本剤及び代謝物の排泄が遅延するおそれがある。〕
(3)高齢者
〔「高齢者への投与」の項参照〕
0
2(22.2)
(1)妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合のみ投与する
こと。
〔ラットの妊娠及び授乳期間中に投与したとき、一般状態の悪化の認められる用量(3mg/kg/ 日以上)で分娩及び
哺育状態の異常、死亡産児数の増加、出生率及び生存率の減少、10mg/kg/ 日で出生児に体重抑制と形態分化の
遅延がみられ、妊娠ウサギに投与したとき、体重及び摂餌量の減少が認められる用量(10mg/kg)で、早産がみら
れた。〕
(2)授乳中の婦人には投与することを避け、やむを得ず投与する場合には授乳を中止させること。
〔授乳ラットに投与したとき、ペランパネル又はその代謝物が乳汁中へ移行することが報告されている。〕
5. 小児等への投与
(1)低出生体重児、新生児又は乳児に対する安全性は確立していない。
〔臨床試験において使用経験はない。
〕また、
2歳以上12歳未満の小児に対する安全性は確立していない。
〔国内臨床試験において使用経験はない。〕
(2)臨床試験において、小児(12歳以上)における易刺激性、攻撃性・敵意等の精神症状の発現割合が成人に比べて高
くなることが示唆されているので、観察を十分に行うこと。
〔「重要な基本的注意」及び「重大な副作用」の項参照〕
例数(発現 %)
8
9
Ⅴ. 適応となる患者とフィコンパの使い方
1. 効能・効果
他の抗てんかん薬で十分な効果が認められないてんかん患者の下記発作に対する抗てんかん薬との
併用療法
部分発作(二次性全般化発作を含む)
強直間代発作
2. 用法・用量
通常、成人及び12歳以上の小児にはペランパネルとして1日1回2mg の就寝前経口投与より開始し、そ
の後1週間以上の間隔をあけて2mg ずつ漸増する。
本剤の代謝を促進する抗てんかん薬を併用しない場合の維持用量は1日1回8mg、併用する場合の維持
Ⅵ. フィコンパとの併用に注意する薬剤(相互作用)
●本剤は主として CYP3A で代謝される。
●本剤は、
カルバマゼピン、
フェニトイン、CYP3A 誘導作用を有する薬剤
(リファンピシン、
フェノバルビタール、
セイヨウオトギリソウ
(St. John’s Wort、
セント・ジョーンズ・ワー
ト)含有食品等)、CYP3A 阻害作用を有する薬剤(イトラコナゾール等)、レボノルゲスト
レルを含む経口避妊薬、アルコールは併用注意とされている。
●カルバマゼピン、フェニトインはペランパネルの血中濃度をそれぞれ66%、49% 低下さ
せた。フェノバルビタール、トピラマートのペランパネルの血中濃度への影響は18% 以
内であった。クロバザム、クロナゼパム、レベチラセタム、ラモトリギン、バルプロ酸及び
ゾニサミドの影響は認められなかった。
●ペランパネル併用によるカルバマゼピン、クロバザム及びバルプロ酸の血中濃度の変動
は10% 以内であった。
用量は1日1回8~12mg とする。
なお、症状により1週間以上の間隔をあけて2mg ずつ適宜増減するが、1日最高12mg までとする。
3. 用法・用量に関する使用上の注意
1.本剤は他の抗てんかん薬と併用して使用すること。
〔国内外の臨床試験において、本剤単独投与での使用経験はない。〕
2.本剤の代謝を促進する抗てんかん薬(カルバマゼピン、フェニトイン)との併用により本剤の血中濃度
が低下することがあるので、本剤の投与中にカルバマゼピン、
フェニトインを投与開始又は投与中止す
る際には、慎重に症状を観察し、必要に応じて1日最高用量である12mg を超えない範囲で適切に用量
の変更を行うこと。
〔「相互作用」の項参照〕
3.軽度及び中等度の肝機能障害のある患者に本剤を投与する場合は、ペランパネルとして1日1回 2mg の就寝前経口投与より開始し、その後2週間以上の間隔をあけて2mg ずつ漸増すること。また、症
状により2週間以上の間隔をあけて2mg ずつ適宜増減するが、軽度の肝機能障害のある患者について
は1日最高8mg、中等度の肝機能障害のある患者については1日最高4mg までとする。
〔「慎重投与」及び「薬物動態」の項参照〕
1. 併用抗てんかん薬との相互作用
[ペランパネルの血漿中濃度に及ぼす抗てんかん薬の影響]
プラセボ対照試験でペランパネル12mg/ 日までの用量を投与された日本人を含むてんかん患者(部
分発作又は強直間代発作)を対象とした母集団薬物動態解析において検討した。
[抗てんかん薬の血漿中濃度に及ぼすペランパネルの影響]
外国で実施されたプラセボ対照試験でペランパネル12mg/ 日までの用量を投与されたてんかん患者
(部分発作)を対象とした母集団薬物動態解析において検討した。
結果は下記の通りである。
●抗てんかん薬との相互作用の一覧表 a)
抗てんかん薬
ペランパネルの血漿中濃度に及ぼす
抗てんかん薬の影響
抗てんかん薬の血漿中濃度に及ぼす
ペランパネルの影響
カルバマゼピン
66% 低下
<10% 低下
クロバザム
影響なし
<10% 低下
クロナゼパム
影響なし
影響なし
ラモトリギン
影響なし
<10% 低下
レベチラセタム
影響なし
影響なし
フェノバルビタール
18% 低下
影響なし
フェニトイン
49% 低下
影響なし
トピラマート
18% 低下
影響なし
バルプロ酸
影響なし
<10% 低下
ゾニサミド
影響なし
影響なし
a)母集団薬物動態モデルからの予測値
10
11
Ⅶ. フィコンパの注意すべき有害事象/副作用とその対策
2. その他の薬剤への影響
●本剤はミダゾラムの血中濃度を低下させる可能性がある。
●本剤はレボノルゲストレルを含む経口避妊薬の薬物動態に影響を及ぼし、血中濃度を
低下させる可能性がある。
1. 浮動性めまい
■ 有害事象の発現状況
国内試験(231試験、233試験)及び日本人を含む国際共同試験(335試験、332試験)の併合集計注)にお
いて、浮動性めまいの全集団における発現状況、日本人集団における発現状況及び Inducer 併用有無別
の発現状況をそれぞれ表に示した。Inducer 併用の有無で大きな差は見られていないが、浮動性めまい
の発現はプラセボ群と比較し、本剤群で高頻度に認められるとともに、因果関係ありと判断された症例
1) ケトコナゾール(外国人データ)
健康成人26例において、ケトコナゾール400mg/ 日を反復経口投与時にペランパネル1mg を単回経
が多かった。
●全集団における浮動性めまいの発現状況
口投与したとき、単独投与時と比較してペランパネルの AUC(0-inf) は20% 増加し t1/2は15% 延長した。
Cmax に影響は認められなかった。
2)ミダゾラム(外国人データ)
健康成人35例において、ペランパネル6mg/ 日を反復経口投与時にミダゾラム4mg を単回経口投与
したとき、単独投与時と比較してミダゾラムの Cmax は15% 低下し AUC(0-inf) は13% 減少した。
3) 経口避妊薬
(エチニルエストラジオール30μ g 及びレボノルゲストレル150μ g 合剤)
(外国人データ)
有害事象
事象名
ペランパネル
プラセボ
プラセボ
4mg
8mg
12mg
全体
4mg
8mg
12mg
全体
(n=258)
(n=258)
(n=176)(n=256)(n=180)(n=860)
(n=176)(n=256)(n=180)(n=860)
浮動性めまい
影響は認められなかった。ペランパネル12mg/ 日を反復経口投与時に経口避妊薬を単回投与したとき、
単独投与時と比較してレボノルゲストレルの Cmax 及び AUC(0-24hr) がそれぞれ43% 低下及び41% 減少し
た。エチニルエストラジオールの Cmax の低下幅は20% 未満であり、AUC(0-24hr) は影響を受けなかった。
したとき、アルコール単独投与時と比較して精神運動機能の低下が認められた。健康成人22例において、
ペランパネル12mg/ 日を反復経口投与時にアルコールを単回経口投与したとき、アルコール単独投与
79(44.9)
有害事象
事象名
プラセボ
(n=66)
浮動性めまい
1(1.5)
98(38.3)
83(46.1) 348(40.5)
副作用
ペランパネル
ペランパネル
プラセボ
4mg
8mg
12mg
全体
4mg
8mg
12mg
全体
(n=66)
(n=61) (n=66) (n=63) (n=282)
(n=61) (n=66) (n=63) (n=282)
24(39.3)
21(31.8)
18(28.6)
99(35.1)
1(1.5)
24(39.3)
20(30.3)
16(25.4)
94(33.3)
発現例数(発現 %)
● Inducer 併用有無別の浮動性めまいの発現状況
有害事象
Inducer
浮動性めまい
副作用
全集団
事象名
4) アルコール(外国人データ)
健康成人35例において、ペランパネル4~12mg/ 日を単回経口投与時に、アルコールを単回経口投与
14(5.4)
●日本人集団における浮動性めまいの発現状況
健康成人女性24例において、経口避妊薬を反復投与時にペランパネル6mg を単回経口投与したとき、単
独投与時と比較してペランパネルの Cmax 及び AUC(0-72hr) に影響は認められなかった。
81(46.0) 105(41.0) 87(48.3) 367(42.7)
17(6.6)
発現例数(発現 %)
健康成人女性28例において、ペランパネル8mg/ 日を反復経口投与時に経口避妊薬を単回投与したと
き、単独投与時と比較してエチニルエストラジオール及びレボノルゲストレルの Cmax 及び AUC(0-24hr) に
副作用
ペランパネル
日本人
全集団
日本人
プラセボ
ペランパネル
プラセボ
ペランパネル
プラセボ
ペランパネル
プラセボ
なし
n=120
n=354
n=23
n=89
n=120
n=354
n=23
ペランパネル
n=89
あり
n=138
n=506
n=43
n=193
n=138
n=506
n=43
n=193
なし
7(5.8)
152(42.9)
1(4.3)
30(33.7)
6(5.0)
147(41.5)
1(4.3)
30(33.7)
あり
10(7.2)
215(42.5)
0
69(35.8)
8(5.8)
201(39.7)
0
64(33.2)
発現例数(発現 %)
時と比較して精神運動機能は低下し、怒り、混乱及び抑うつは増悪した。
■ 対処法
本剤投与中は自動車の運転等、危険を伴う操作に従事させないように注意すること。
注)本項における有害事象/副作用は、国内試験(231試験、233試験)及び日本人を含む国際共同試験(335試験、332試験)において継続投与期を
含めた併合集計の結果を示す。各投与群の被験者数は以下を対象として集計した。
・プラセボ群:335試験及び332試験の治療期でプラセボ投与時に発現した被験者の合計
・ペランパネル群:231試験、233試験、335試験及び332試験で治療期及び継続投与期を含めてペランパネルを投与された被験者で各投与量群
は下記を含む
・4mg 群及び12mg 群:335試験の治療期に4mg 及び12mg に割り付けられていた被験者
・8mg 群:335試験の治療期に8mg に割り付けられていた被験者及び332試験で治療期又は継続投与期を含めてペランパネルを投与された 被験者の合計
・全体:335試験及び332試験の治療期にペランパネル群に割り付けられた被験者並びにプラセボ群に割り付けられ、継続投与期にペランパ
ネルを投与された被験者及び231試験、233試験の被験者の合計
12
13
転倒については、海外で行われた難治性部分てんかんを対象とした国際共同第Ⅲ相試験(304、305及
2. 運動失調、平衡障害等及び転倒
び306試験)
の転倒・傷害関連有害事象の併合集計で、
プラセボ群より本剤群で高い傾向が認められた
(表)
。
また、本剤の代謝を促進する抗てんかん薬を併用していない患者及び65歳以上の高齢者で発現割合が高
■ 有害事象の発現状況
国内試験(231試験、233試験)及び日本人を含む国際共同試験(335試験、332試験)の併合集計にお
いて、運動失調、平衡障害等及び転倒関連の全集団における発現状況、日本人集団における発現状況及び
Inducer 併用有無別の発現状況をそれぞれ表に示した。
い傾向が認められている。
●海外試験(304、305及び306試験)
における転倒・傷害関連有害事象の発現状況
ペランパネル
プラセボ
●全集団における運動失調、平衡障害等及び転倒関連有害事象の発現状況
有害事象
事象名
評価例数
副作用
ペランパネル
転倒・傷害関連有害事象
ペランパネル
プラセボ
プラセボ
4mg
8mg
12mg
全体
4mg
8mg
12mg
全体
(n=258)
(n=258)
(n=176)(n=256)(n=180)(n=860)
(n=176)(n=256)(n=180)(n=860)
運動失調
1(0.4)
6(3.4)
4(1.6)
10(5.6)
27(3.1)
1(0.4)
6(3.4)
4(1.6)
10(5.6)
26(3.0)
平衡障害
1(0.4)
7(4.0)
4(1.6)
4(2.2)
19(2.2)
0
7(4.0)
3(1.2)
4(2.2)
18(2.1)
転 倒
3(1.2)
2(1.1)
5(2.0)
0
14(1.6)
0
0
1(0.4)
0
2(0.2)
主な事象
Inducera)
年齢(歳)
発現例数(発現 %)
●日本人集団における運動失調、平衡障害等及び転倒関連有害事象の発現状況
有害事象
プラセボ
(n=66)
運動失調
0
1(1.6)
0
1(1.6)
5(1.8)
0
1(1.6)
0
1(1.6)
4(1.4)
平衡障害
0
3(4.9)
2(3.0)
2(3.2)
10(3.5)
0
3(4.9)
2(3.0)
2(3.2)
10(3.5)
転 倒
1(1.5)
0
2(3.0)
0
5(1.8)
0
0
0
0
4mg
8mg
12mg
全体
(n=61) (n=66) (n=63) (n=282)
8mg
12mg
180
172
431
255
42(9.5)
12(6.7)
10(5.8)
55(12.8)
54(21.2)
転倒
15(3.4)
2(1.1)
3(1.7)
22(5.1)
26(10.2)
挫傷
6(1.4)
1(0.6)
0
8(1.9)
6(2.4)
あり
26/255(10.2)
4/105(3.8)
6/93(6.5)
20/250(12.0)
24/162(14.8)
なし
16/187(8.6)
8/75(10.7)
4/79(5.1)
25/180(13.9)
30/93(32.2)
12≦ <18
4/45(8.9)
0
0
3/44(6.8)
4/20(20.0)
18≦ <65
38/389(9.8)
12/156(7.7)
9/158 (5.7)
50/378(13.2)
46/228(20.2)
65≦
0
0
1/1(100.0)
2/9(22.2)
4/7(57.1)
ペランパネル
事象名
プラセボ
(n=66)
4mg
発現例数(発現 %)
a) 発現例数 / 評価例数(発現 %)
副作用
ペランパネル
442
2mg
4mg
8mg
12mg
全体
(n=61) (n=66) (n=63) (n=282)
0
発現例数(発現 %)
■ 対処法
●
転倒に注意するよう、患者あるいは家族に十分な説明を行い、必要に応じて医師の診察を受ける
よう指導すること。
●
特に高齢者はふらつきにより転倒しやすくなると考えられるため、十分に注意すること。
● Inducer 併用有無別の運動失調、
平衡障害等及び転倒関連有害事象の発現状況
有害事象
Inducer
事象名
運動失調
平衡障害
転 倒
副作用
全集団
日本人
全集団
日本人
プラセボ
ペランパネル
プラセボ
ペランパネル
プラセボ
ペランパネル
プラセボ
ペランパネル
なし
n=120
n=354
n=23
n=89
n=120
n=354
n=23
n=89
あり
n=138
n=506
n=43
n=193
n=138
n=506
n=43
n=193
なし
1(0.8)
10(2.8)
0
1(1.1)
1(0.8)
10(2.8)
0
1(1.1)
あり
0
17(3.4)
0
4(2.1)
0
16(3.2)
0
3(1.6)
なし
1(0.8)
10(2.8)
0
6(6.7)
0
10(2.8)
0
6(6.7)
あり
0
9(1.8)
0
4(2.1)
0
8(1.6)
0
4(2.1)
なし
2(1.7)
8(2.3)
0
2(2.2)
0
2(0.6)
0
0
あり
1(0.7)
6(1.2)
1(2.3)
3(1.6)
0
0
0
0
発現例数(発現 %)
14
15
● Inducer 併用有無別のその他の中枢神経系関連事象の発現状況
3. その他の中枢神経系関連事象
有害事象
Inducer
■ 有害事象の発現状況
国内試験
(231試験、233試験)
及び日本人を含む国際共同試験
(335試験、332試験)
の併合集計におい
併用有無別の発現状況をそれぞれ表に示した。
その他の中枢神経系関連事象として傾眠や嗜眠等の眠気、頭痛、構語障害、感覚鈍麻などの発現が、
プラ
セボ群と比較して本剤群で高い頻度で認められた。特に、傾眠については発現頻度も高く、また Inducer
の併用ありと比較し、併用なしの時に発現が高かった。
構語障害
有害事象
事象名
副作用
ペランパネル
ペランパネル
プラセボ
プラセボ
4mg
8mg
12mg
全体
4mg
8mg
12mg
全体
(n=258)
(n=258)
(n=176)(n=256)(n=180)(n=860)
(n=176)(n=256)(n=180)(n=860)
傾 眠
26(10.1) 46(26.1) 48(18.8) 37(20.6) 1
81(21.0) 19(7.4)
44(25.0) 46(18.0) 36(20.0) 1
74(20.2)
頭 痛
20(7.8)
18(10.2) 28(10.9) 17(9.4)
79(9.2)
7(4.0)
17(6.6)
7(3.9)
36(4.2)
構語障害
1(0.4)
5(2.8)
6(2.3)
4(2.2)
21(2.4)
4(2.3)
3(1.2)
4(2.2)
17(2.0)
感覚鈍麻
2(0.8)
4(2.3)
1(0.4)
4(2.2)
10(1.2)
1(0.4)
4(2.3)
1(0.4)
嗜 眠
2(0.8)
1(0.6)
4(1.6)
2(1.1)
8(0.9)
1(0.4)
1(0.6)
2(0.8)
10(3.9)
0
0
2(1.1)
感覚鈍麻
嗜 眠
日本人
全集団
日本人
プラセボ
ペランパネル
プラセボ
ペランパネル
プラセボ
ペランパネル
プラセボ
ペランパネル
なし
n=120
n=354
n=23
n=89
n=120
n=354
n=23
n=89
あり
n=138
n=506
n=43
n=193
n=138
n=506
n=43
n=193
なし
10(8.3)
90(25.4)
6(26.1)
47(52.8)
8(6.7)
86(24.3)
6(26.1)
45(50.6)
あり
16(11.6)
91(18.0)
5(11.6)
51(26.4)
11(8.0)
88(17.4)
4(9.3)
49(25.4)
なし
10(8.3)
25(7.1)
7(5.8)
10(2.8)
あり
10(7.2)
54(10.7)
3(2.2)
26(5.1)
なし
0
2(4.7)
2(2.2)
22(11.4)
0
1(2.3)
0
10(5.2)
0
10(2.8)
0
2(2.2)
0
8(2.3)
0
2(2.2)
3(1.6)
0
9(1.8)
0
3(1.6)
0
0
0
0
6(3.1)
0
2(0.4)
0
1(0.8)
3(0.8)
0
0
0
3(0.6)
0
0
あり
1(0.7)
11(2.2)
0
なし
1(0.8)
1(0.3)
0
あり
1(0.7)
9(1.8)
0
なし
1(0.8)
4(1.1)
0
0
あり
1(0.7)
4(0.8)
0
0
0
4(2.1)
発現例数(発現 %)
6(0.7)
6(0.7)
発現例数(発現 %)
■ 対処法
傾眠や嗜眠などの眠気があらわれることがあるので、本剤投与中は自動車の運転等、危険を伴う操
作に従事させないように注意すること。
●日本人集団におけるその他の中枢神経系関連事象の発現状況
有害事象
事象名
傾 眠
頭 痛
●全集団におけるその他の中枢神経系関連事象の発現状況
全集団
事象名
て、その他の中枢神経系関連事象の全集団における発現状況、日本人集団における発現状況及び Inducer
副作用
プラセボ
(n=66)
副作用
ペランパネル
4mg
8mg
12mg
全体
(n=61) (n=66) (n=63) (n=282)
プラセボ
(n=66)
ペランパネル
4mg
8mg
12mg
全体
(n=61) (n=66) (n=63) (n=282)
傾 眠
11(16.7) 25(41.0) 21(31.8) 21(33.3) 98(34.8) 10(15.2) 23(37.7) 21(31.8) 21(33.3) 94(33.3)
頭 痛
2(3.0)
4(6.6)
4(6.1)
7(11.1) 24(8.5)
1(1.5)
2(3.3)
3(4.5)
1(1.6)
10(3.5)
1(1.6)
5(1.8)
構語障害
0
1(1.6)
1(1.5)
1(1.6)
5(1.8)
0
1(1.6)
1(1.5)
感覚鈍麻
0
2(3.3)
1(1.5)
2(3.2)
6(2.1)
0
2(3.3)
1(1.5)
嗜 眠
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
4(1.4)
0
発現例数(発現 %)
16
17
●日本人集団における敵意・攻撃性関連有害事象の発現状況
4. 敵意・攻撃性
有害事象
■ 有害事象の発現状況
況及び Inducer 併用有無別の発現状況をそれぞれ表に示した。敵意・攻撃性関連事象の発現は、プラセボ
群と比較して本剤群で高く、また、Inducer 併用なしで高い傾向が認められた。
敵意・攻撃性関連事象を患者の年齢別に解析した結果、特に攻撃性については成人と比較して18歳未
満の患者で発現が高い傾向が見られており、小児では攻撃性に注意が必要と考えられた。
有害事象
副作用
ペランパネル
易刺激性
1(1.5)
7(11.5)
5(7.6)
3(4.8)
24(8.5)
1(1.5)
6(9.8)
4(6.1)
3(4.8)
21(7.4)
攻 撃 性
0
0
1(1.5)
2(3.2)
5(1.8)
0
0
1(1.5)
2(3.2)
5(1.8)
不 安
0
1(1.5)
1(1.6)
4(1.4)
0
1(1.6)
1(1.5)
0
2(0.7)
怒 り
0
0
0
0
0
0
0
0
激 越
0
0
0
1(1.6)
0
0
0
1(1.6)
プラセボ
プラセボ
4mg
8mg
12mg
全体
4mg
8mg
12mg
全体
(n=258)
(n=258)
(n=176)(n=256)(n=180)(n=860)
(n=176)(n=256)(n=180)(n=860)
3(1.2)
14(8.0)
24(9.4)
12(6.7)
68(7.9)
2(0.8)
12(6.8)
18(7.0)
7 (3.9)
53(6.2)
攻 撃 性
0
4(2.3)
8(3.1)
6(3.3)
26(3.0)
0
3(1.7)
8(3.1)
5 (2.8)
23(2.7)
不 安
3(1.2)
2(1.1)
13(5.1)
3(1.7)
20(2.3)
1(0.4)
1(0.6)
10(3.9)
1 (0.6)
12(1.4)
怒 り
1(0.4)
1(0.6)
3(1.2)
3(1.7)
11(1.3)
1(0.4)
3(1.2)
2 (1.1)
9(1.0)
激 越
3(1.2)
1(0.6)
1(0.4)
1(0.6)
5(0.6)
3(1.2)
1 (0.6)
4(0.5)
0
1(0.6)
0
発現例数(発現 %)
Inducer
事象名
易刺激性
●敵意・攻撃性関連有害事象の年齢別発現状況
有害事象
12≦ <18
易刺激性
攻 撃 性
不 安
怒 り
激 越
18≦ <65
不 安
副作用
全集団
日本人
全集団
日本人
プラセボ
ペランパネル
プラセボ
ペランパネル
プラセボ
ペランパネル
プラセボ
ペランパネル
0
8/94(8.5)
0
6/46(13.0)
0
6/94(6.4)
0
5/46(10.9)
1/54(1.9)
16/233(6.9)
3/233(1.3) 60/756(7.9)
1/54(1.9)
1(1.6)
0
1(0.4)
4mg
8mg
12mg
全体
(n=61) (n=66) (n=63) (n=282)
有害事象
攻 撃 性
年齢(歳)
4mg
8mg
12mg
全体
(n=61) (n=66) (n=63) (n=282)
プラセボ
(n=66)
0
1(0.4)
● Inducer 併用有無別の敵意・攻撃性関連有害事象の発現状況
ペランパネル
易刺激性
事象名
ペランパネル
プラセボ
(n=66)
発現例数(発現 %)
●全集団における敵意・攻撃性関連有害事象の発現状況
事象名
ペランパネル
事象名
国内試験
(231試験、233試験)
及び日本人を含む国際共同試験
(335試験、332試験)
の併合集計におい
て、敵意・攻撃性関連有害事象の全集団における発現状況、年齢別発現状況、日本人集団における発現状
副作用
18/233(7.7) 2/233(0.9) 47/756(6.2)
65≦
0
0
0
0
0
0
0
0
12≦ <18
0
6/94(6.4)
0
4/46(8.7)
0
6/94(6.4)
0
4/46(8.7)
18≦ <65
0
19/756(2.5)
0
1/233(0.4)
0
16/756(2.1)
0
1/233(0.4)
65≦
0
1/10(10.0)
0
0
0
1/10(10.0)
0
0
12≦ <18
1/21(4.8)
0
0
0
0
0
0
0
18≦ <65
2/233(0.9) 20/756(2.6)
0
4/233(1.7)
0
2/233(0.9)
1/233(0.4) 12/756(1.6)
怒 り
激 越
副作用
全集団
日本人
全集団
日本人
プラセボ
ペランパネル
プラセボ
ペランパネル
プラセボ
ペランパネル
プラセボ
ペランパネル
なし
n=120
n=354
n=23
n=89
n=120
n=354
n=23
n=89
あり
n=138
n=506
n=43
n=193
n=138
n=506
n=43
n=193
なし
2(1.7)
42(11.9)
あり
1(0.7)
26(5.1)
なし
0
あり
0
なし
0
15(16.9)
1(0.8)
37(10.5)
1(2.3)
9(4.7)
1(0.7)
16(3.2)
1(2.3)
6(3.1)
19(5.4)
0
3(3.4)
0
18(5.1)
0
3(3.4)
7(1.4)
0
2(1.0)
0
5(1.0)
0
2(1.0)
2(1.7)
11(3.1)
0
0
1(0.8)
7(2.0)
0
あり
1(0.7)
9(1.8)
0
4(2.1)
0
5(1.0)
0
なし
1(0.8)
6(1.7)
0
0
1(0.8)
5(1.4)
0
0
あり
0
5(1.0)
0
0
0
4(0.8)
0
0
なし
2(1.7)
5(1.4)
0
1(1.1)
2(1.7)
4(1.1)
0
あり
1(0.7)
0
0
0
1(0.7)
0
0
0
15(16.9)
0
2(1.0)
1(1.1)
0
発現例数(発現 %)
■ 対処法
●
易刺激性や攻撃性などが見られた場合には、症状に応じて減量あるいは投与中止等の適切な処置
を行うこと。
65≦
0
0
0
0
0
0
0
0
12≦ <18
0
1/94(1.1)
0
0
0
1/94(1.1)
0
0
●
18≦ <65
1/233(0.4)
8/756(1.1)
0
0
1/233(0.4)
6/756(0.8)
0
0
●
65≦
0
2/10(20.0)
0
0
0
2/10(20.0)
0
0
12≦ <18
1/21(4.8)
1/94(1.1)
0
0
1/21(4.8)
0
0
0
18≦ <65
2/233(0.9)
4/756(0.5)
0
1/233(0.4)
2/233(0.9)
4/756(0.5)
0
1/233(0.4)
65≦
0
0
0
0
0
0
0
0
特に小児では攻撃性の発現に注意すること。
易刺激性や攻撃性等のリスクについて家族等に十分に説明するとともに、兆候が認められた場合
には医師に連絡するよう指導すること。
発現例数/評価例数(発現 %)
18
19
5. 自殺関連事象
6. 筋弛緩関連事象
■ 有害事象の発現状況
■ 有害事象の発現状況
て自殺関連事象の全集団における発現状況、日本人集団における発現状況及び Inducer 併用有無別の発
て筋弛緩関連事象の全集団における発現状況、日本人集団における発現状況及び Inducer 併用有無別の
国内試験
(231試験、233試験)
及び日本人を含む国際共同試験
(335試験、332試験)
の併合集計におい
現状況をそれぞれ表に示した。
●全集団における自殺関連有害事象の発現状況
事象名
有害事象
ペランパネル
4(1.6)
5(2.8)
8(3.1)
2(1.1)
19(2.2)
2(0.8)
2(1.1)
3(1.2)
2(1.1)
自殺企図
1(0.4)
0
4(1.6)
4(2.2)
9(1.0)
1(0.4)
0
3(1.2)
3(1.7)
7(0.8)
0
0
1(0.4)
1(0.6)
3(0.3)
0
0
0
1(0.6)
2(0.2)
自傷念慮
0
1(0.6)
1(0.4)
0
2(0.2)
0
1(0.6)
1(0.4)
0
事象名
自傷行動
0
0
0
0
1(0.1)
0
0
0
0
副作用
ペランパネル
ペランパネル
プラセボ
プラセボ
4mg
8mg
12mg
全体
4mg
8mg
12mg
全体
(n=258)
(n=258)
(n=176)(n=256)(n=180)(n=860)
(n=176)(n=256)(n=180)(n=860)
筋力低下
1(0.4)
0
5(2.0)
2(1.1)
7(0.8)
1(0.4)
0
4(1.6)
2(1.1)
6(0.7)
2(0.2)
無 力 症
1(0.4)
3(1.7)
4(1.6)
2(1.1)
12(1.4)
0
3(1.7)
2(0.8)
2(1.1)
10(1.2)
1(0.1)
発現例数(発現 %)
発現例数(発現 %)
●日本人集団における筋弛緩関連有害事象の発現状況
●日本人集団における自殺関連有害事象の発現状況
プラセボ
(n=66)
有害事象
9(1.0)
自殺行為
事象名
発現状況をそれぞれ表に示した。
●全集団における筋弛緩関連有害事象の発現状況
副作用
ペランパネル
プラセボ
プラセボ
4mg
8mg
12mg
全体
4mg
8mg
12mg
全体
(n=258)
(n=258)
(n=176)(n=256)(n=180)(n=860)
(n=176)(n=256)(n=180)(n=860)
自殺念慮
国内試験
(231試験、233試験)
及び日本人を含む国際共同試験
(335試験、332試験)
の併合集計におい
有害事象
ペランパネル
有害事象
副作用
ペランパネル
プラセボ
4mg
8mg
12mg
全体
4mg
8mg
12mg
全体
(n=66)
(n=61) (n=66) (n=63) (n=282)
(n=61) (n=66) (n=63) (n=282)
事象名
プラセボ
(n=66)
副作用
ペランパネル
4mg
8mg
12mg
全体
(n=61) (n=66) (n=63) (n=282)
プラセボ
(n=66)
ペランパネル
4mg
8mg
12mg
全体
(n=61) (n=66) (n=63) (n=282)
自殺念慮
0
2(3.3)
1(1.5)
0
3(1.1)
0
1(1.6)
1(1.5)
0
2(0.7)
自殺企図
1(1.5)
0
1(1.5)
3(4.8)
4(1.4)
1(1.5)
0
0
3(4.8)
3(1.1)
筋力低下
0
0
2(3.0)
1(1.6)
3(1.1)
0
0
2(3.0)
1(1.6)
3(1.1)
自殺行為
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
無 力 症
0
2(3.3)
0
0
4(1.4)
0
2(3.3)
0
0
4(1.4)
自傷念慮
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
自傷行動
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
発現例数(発現 %)
発現例数(発現 %)
● Inducer 併用有無別の筋弛緩関連有害事象の発現状況
● Inducer 併用有無別の自殺関連有害事象の発現状況
Inducer
事象名
自殺念慮
自殺企図
自殺行為
自傷念慮
自傷行動
有害事象
全集団
有害事象
日本人
プラセボ
ペランパネル
プラセボ
なし
n=120
n=354
あり
n=138
n=506
なし
4(3.3)
あり
副作用
全集団
Inducer
日本人
ペランパネル
プラセボ
ペランパネル
プラセボ
ペランパネル
n=23
n=89
n=120
n=354
n=23
n=89
n=43
n=193
n=138
n=506
n=43
n=193
9(2.5)
0
1(1.1)
2(1.7)
4(1.1)
0
1(1.1)
0
10(2.0)
0
2(1.0)
0
5(1.0)
0
1(0.5)
なし
0
7(2.0)
0
2(2.2)
0
6(1.7)
0
2(2.2)
あり
1(0.7)
2(0.4)
1(2.3)
2(1.0)
1(0.7)
1(0.2)
1(2.3)
1(0.5)
なし
0
2(0.6)
0
0
0
2(0.6)
0
0
あり
0
1(0.2)
0
0
0
0
0
0
なし
0
0
0
0
0
0
0
0
あり
0
2(0.4)
0
0
0
2(0.4)
0
0
なし
0
1(0.3)
0
0
0
1(0.3)
0
0
あり
0
0
0
0
0
0
0
0
発現例数(発現 %)
事象名
筋力低下
無 力 症
副作用
全集団
日本人
全集団
日本人
プラセボ
ペランパネル
プラセボ
ペランパネル
プラセボ
ペランパネル
プラセボ
ペランパネル
なし
n=120
n=354
n=23
n=89
n=120
n=354
n=23
n=89
あり
n=138
n=506
n=43
n=193
n=138
n=506
n=43
n=193
なし
1(0.8)
1(0.3)
0
0
1(0.8)
1(0.3)
0
0
あり
0
6(1.2)
0
3(1.6)
0
5(1.0)
0
3(1.6)
なし
0
8(2.3)
0
4(4.5)
0
8(2.3)
0
4(4.5)
あり
1(0.7)
4(0.8)
0
0
0
2(0.4)
0
0
発現例数(発現 %)
■ 対処法
●
筋弛緩に伴う転倒に注意するよう、患者あるいは家族に十分な説明を行い、必要に応じて医師の
診察を受けるよう指導すること。
■ 対処法
●
特に高齢者は筋弛緩に伴い転倒しやすくなると考えられるため、十分に注意すること。
患者の状態を十分に観察し、これらの症状があらわれた場合には、減量又は中止するなどの適切な
処置を行うこと。また、自殺関連事象等のリスクについて家族等に十分に説明するとともに、兆候が
認められた場合には医師に連絡するよう指導すること。
20
21
Ⅷ. 臨床成績
1. 難
治性部分発作を有するてんかん患者を対象とした
第Ⅲ相プラセボ対照無作為化二重盲検比較試験
(日本を含む国際共同試験、335試験)
■ 方 法
●
群(4mg 群、8mg 群、12mg 群)では1週間に2mg ずつ用量を漸増し、目標用量(4mg、8mg、12mg)到
達後、同用量を治療維持期の完了まで投与した。
●
1. 試験概要
継続投与期は、継続移行前期(4週間)、継続移行期(6週間)及び継続維持期の3期から構成された。継続
移行前期中は、Core Studyの治療維持期中に投与された用量を盲検下で継続投与した。次の継続移行期
(6
週間)では、Core Study でプラセボ群に割り付けられた被験者は盲検下でペランパネル2mg の投与を開
■ 目 的
12歳以上の難治性(薬剤抵抗性)部分てんかん患者に対する併用療法として、ペランパネル(4mg、8mg、
始し、最高12mg 又は至適用量が判明するまで個々の忍容性に応じて1週間に2mg ずつ増量した。
●
12mg)
の有効性及び安全性を評価する。
発作頻度は、試験期間中、発作日誌に記録された発作回数を28日間換算して算出した。また発作頻度変
化率は治験薬投与開始前(観察期)の28日間あたりの発作回数と治験薬投与開始後の28日間あたりの
発作回数を比較して変化率を算出した。
■ 試験デザイン
●
観察期
治療期
Core Study
観察期
ペランパネル
投与
12
無作為化
2
4
6
8
0
2
継続投与期
治療維持期
❶
10
■ 評価項目
主要評価項目:治療期における28日間あたりの発作頻度の観察期からの変化率
副次評価項目:● 発作頻度50% 減少達成率(50% Responder Rate:治療維持期における28日間あたり
治療期
治療漸増期
速やかに再度増量することは可とした。目標用量に到達できなかった被験者では、最大忍容用量を維持した。
❶ 継続移行前期:4週間(盲検下)
❷ 継続移行期:6週間(盲検下)
❸ 継続維持期:46週間以上(オープンラベル下)
(プラセボ対照無作為化二重盲検比較試験)
忍容できない有害事象を発現した場合には、治験担当医師の判断により同用量を継続すること、あるいは以
前の忍容用量まで減量することは可とした。また、一度減量された被験者であっても、忍容性が改善されれば
継続投与期
❶ 治療漸増期:6週間
❷ 治療維持期:13週間
6週間
週 -6
来院(回)1
治療漸増期に、ペランパネル2mg 又はプラセボを1日1回、就寝前に経口投与を開始した。その後、実薬
❷
継続移行前期
継続移行期
❶
12
10
6
4mg/日
2
プラセボ投与
6
5
19
8
❸
ペランパネル
12mg/日
8mg/日
継続維持期
❷
23
9
8
4
12
10
6
8
の発作頻度が観察期に比較して50% 以上減少した被験者の割合)
●
の観察期からの変化率
●
治療期における複雑部分発作と二次性全般化発作を合わせた28日間あたりの発作頻度
全般改善度評価(医師評価)
探索的評価項目:Inducer 併用有無による発作頻度変化率
12
10
29
12
75 以降
【主な選択基準】
● ILAE *1)の診断基準で二次性全般化発作の有無を問わず、部分発作を伴うてんかんと診断された者。
● 2年以内に、2種類以上の標準抗てんかん薬で12週間以上治療を受け、コントロール不良であったことが確
認された者。
● 6週間の観察期中に計5回以上(少なくとも3週間あたり2回以上)の部分発作を発現し、観察期間中に25日
間以上の無発作期間が認められないことが、被験者日誌で確認されている者。
運動徴候を伴う単純部分発作、複雑部分発作及び二次性全般化発作のみを部分発作としてカウントする。
運動徴候を伴わない単純部分発作はカウントしない。
● 1ヵ月以内に、抗てんかん薬の用法用量を変更していない者。
● 1~3種類の承認済み抗てんかん薬を一定の用法用量で使用中の者。CYP3A 誘導作用を有する抗てんかん
薬
(Inducer:本治験における規定ではカルバマゼピン、
フェニトイン又はオクスカルバゼピン*2)のいずれか)
は、最大3剤の抗てんかん薬中1剤のみ使用を認める。
●
●
■ 対 象
12歳以上の薬剤抵抗性部分てんかん患者(710例)
無作為化された710例のうち、707例(プラセボ群176例、4mg 群176例、8mg 群175例及び12mg 群
180例)に治験薬が投与された。このうち日本人被験者は、プラセボ群60例、4mg 群61例、8mg 群61例
及び12mg 群63例であった。
【主な除外基準】
● 運動徴候を伴わない単純部分発作のみを呈する者。
● 全般てんかん又は全般発作(二次性全般化発作を除く)を呈する者(欠神及び/又はミオクロニーなどが認め
られる者)。
● レノックス・ガストー症候群の既往歴がある又は合併している者。
● 1年以内に、てんかん重積状態の既往歴がある者。
● 個々の発作がカウントできないクラスタ(群発)がある者。
*1)ILAE:国際抗てんかん連盟
*2)本邦未承認(2016年2月現在)
22
23
3. 日本人における発作頻度変化率
2. 有効性
1. 治療期における28日間あたりの発作頻度の観察期からの変化率
(ITT *解析対象例、主要評価項目)
●
●
p<0.0001
発作頻度変化率
(中央値)
発作頻度変化率
発作頻度変化率 プ( ラセボ群と中央値の差)
-28.95
〔-25.683, -7.251〕
-30
-17.32
-20
-10
〔-33.878, -16.235〕 (%)-40
p=0.0003
p値
(vs.プラセボ群)
rank ANCOVA検定
-10.76
-30
-24.95
-20
-16.45
-10
(n)(175)
(174)
(175)
(180)
(175)
〔95%信頼区間〕
-47.15
-30.91
-10
0
(n)
-10.01
-13.21
-29.77
プラセボ群
(119)
(56)
4mg群
(118)
(56)
8mg群
(119)
(56)
ペランパネル
24
12mg群
(118)
(62)
〔承認時評価資料〕
0
6.48
4mg群
(n) (61)
8mg群
(61)
12mg群
(63)
ペランパネル
差は、4mg 群では正の値を示したが、8及び12mg 群ではプラセボ群に比べて減少傾向が示された。
発作頻度変化率
(中央値)
発作頻度変化率(プラセボ群と中央値の差)
(%)-70
-63.71
-60
-50
-40
-30
-20
10
-12.38
-10
(63)
-9.25
-15.11
-5.82
0
-21.44
-20
(61)
-21.16
-20
10
12mg群
-28.28
ITT 解析対象例の治療期における18歳未満の患者における発作頻度変化率の中央値は、プラセボ群
-9.25%、4mg 群 -5.82%、8mg 群 -15.11%及び12mg 群 -63.71%であった。プラセボ群との中央値の
-10
-40.01
-30
(61)
8mg群
注 : プ ラ セ ボ 又 は 本剤
2mg/ 日 か ら 投 与 を
開始 し、本剤4、8及 び
12mg 群 で は1週間 ご
と に 2mg/ 日 ず つ そ
れ ぞ れ 最 高 4、8 及 び
12mg/ 日 ま で 6 週 間
かけて増量した後、目
標用量又は最大耐量で
13週間経口投与した。
プラセボ群
(n) (12)
4mg群
(23)
8mg群
(25)
ペランパネル
(%)-70
発作頻度変化率(プラセボ群と中央値の差)
発作頻度変化率
-40
4mg群
-30
ペランパネル
発作頻度変化率
Inducer併用の有無による発作頻度変化率
(中央値)
Inducer 併用例
Inducer 非併用例
プラセボ群
(%)-40
4. 小児における発作頻度変化率
Inducer 併用有無別の発作頻度変化率について、事後的かつ探索的に検討した。
ITT 解析対象例の Inducer 併用例における発作頻度変化率の中央値は、プラセボ群 -10.01%、4mg 群
-12.38%、8mg 群 -21.44%及び12mg 群 -29.77%であったことに対し、併用なしは、プラセボ群
-13.21%、4mg 群 -30.91%、8mg 群 -40.01%及び12mg 群 -47.15%と、いずれの群も Inducer 併
用なしは併用ありと比べて減少傾向が示された。
Inducer 併用例におけるプラセボ群との中央値の差は、4mg 群、8mg 群及び12mg 群でそれぞれ -0.63%、
-13.25%及び -21.33%であったことに対し、併用なしは、4mg 群 -14.80%、8mg 群 -23.17%及び12mg
群 -31.15%と、いずれの群も Inducer 併用なしは併用ありと比べて減少傾向が示された。
(%)
-50
0.18
(180)
2. Inducer 併用有無による発作頻度変化率(ITT 解析対象例、探索的評価項目)
●
-10.53
12mg群
* ITT(Intent to Treat:無作為化された全症例を解析対象として割り付けられた試験治療で評価する考え方)
●
-10
(n) (60)
ペランパネル
ペランパネル
●
-20
10
(n) (174)
-26.53
0
-5.09
0
0
*:ITT(Intent
to Treat:無作為化された全症例を解析対象として割り付けられた試験治療で評価する考え方)
プラセボ群
8mg群
12mg群
4mg群
8mg群
4mg群
-36.84
-30
発作頻度変化率(プラセボ群と中央値の差)
-38.03
発作頻度変化率(プラセボ群と中央値の差)
(%)-40
発作頻度変化率
(%)-40
発作頻度変化率
(中央値)
発作頻度変化率(プラセボ群と中央値の差)
ITT 解析対象例の治療期における発作頻度変化率の中央値は、プラセボ群 -10.76%、4mg 群 -17.32%、
8mg 群 -28.95%及び12mg群-38.03%であり、いずれの実薬群もプラセボ群に比べて減少傾向が示された。
実薬各群における発作頻度変化率のプラセボ群との差について、rank ANCOVA により検定した結果、
8mg 群及び12mg 群において有意差が認められた(p=0.0003及び p <0.0001)。
ITT 解析対象例の治療期における日本人集団の発作頻度変化率の中央値は、プラセボ群 -10.53%、4mg
群0.18%、8mg 群−26.53%及び12mg 群 -36.84%であり、4mg 群では正の値を示したが、8及び12mg
群ではプラセボ群に比べて減少傾向が示された。
12mg群
(14)
-60
-51.62
-50
-40
-30
-20
-12.68
-10
0
10
4.09
4mg群
(n) (23)
8mg群
(25)
12mg群
(14)
ペランパネル
25
5. 発作頻度50% 減少達成率(ITT 解析対象例、副次評価項目)
●
●
●
3. 安全性
ITT 解析対象例の治療維持期 LOCF における発作頻度50% 減少達成率は、プラセボ群19.4%(34/175
例 )、4mg 群23.0%(40/174例 )、8mg 群36.0%(63/175例 )及 び12mg 群43.3%(78/180例 )で あ
り、8mg 群及び12mg 群における達成率はプラセボ群に比べて有意差が認められた(p=0.0005及び
p<0.0001;CMH 検定)。
複雑部分発作と二次性全般化発作を合わせた発作頻度50% 減少達成率は、プラセボ群20.3%(32/158
例 )、4mg 群25.2%(38/151例 )、8mg 群41.4%(65/157例 )及 び12mg 群46.7%(78/167例 )で あ
り、8mg 群及び12mg 群における達成率とプラセボ群における達成率の間に有意差が認められた(各
p<0.0001;CMH 検定)。
二次性全般化発作のみの発作頻度50% 減少達成率は、プラセボ群27.4%(17/62例)
、4mg 群35.1%(20/57
例)、8mg 群54.4%(31/57例)及び12mg 群59.7%(40/67例)であり、8mg 群及び12mg 群における達成
率とプラセボ群における達成率の間に有意差が認められた(p=0.0062及び p=0.0003;CMH 検定)。
*
* LOCF(Last Observation Carried Forward analysis:欠測データを直近の先行観測値で補完する解析方法)
発作頻度 %減少達成率
50
50 40
30
20
19.4
20.3
27.4
p=0.0003
p=0.0062
■ ■ 全部分発作
■ ■ 複雑部分発作+二次性全般化発作
■ ■ 二次性全般化発作
p値(vs.プラセボ群)、CMH検定、
LOCF
p=0.0005
35.1
p<0.0001
54.4
43.3
41.4
36.0
p<0.0001
59.7
p<0.0001
46.7
25.2
23.0
プラセボ群
4mg群
8mg群
12mg群
(n)(34/175)
(32/158)
(17/62) (40/174)
(38/151)
(20/57) (63/175)
(65/157)
(31/57) (78/180)
(78/167)
(40/67)
有害事象
事象名
いずれかの
有害事象
ペランパネル
ペランパネル
プラセボ
プラセボ
4mg
8mg
12mg
全体
4mg
8mg
12mg
全体
(n=176)
(n=176)
(n=176)(n=175)(n=180)(n=531)
(n=176)(n=175)(n=180)(n=531)
117(66.5) 121(68.8) 129(73.7) 156(86.7) 406(76.5) 52(29.5) 81(46.0) 97(55.4) 128(71.1) 306(57.6)
7. 継続投与期の発作頻度変化率
本治療期のあとに最大12mg/ 日まで投
与した結果、有効性は長期(最大75週間)
にわたり維持された。
8(4.5)
39(22.2) 49(28.0) 73(40.6) 161(30.3)
傾 眠
23(13.1) 28(15.9) 31(17.7) 32(17.8) 91(17.1) 17(9.7)
27(15.3) 30(17.1) 30(16.7) 87(16.4)
易刺激性
頭 痛
疲 労
●最終投与時の投与量
最終投与量
(mg)
2
4
6
8
10
12
mg
mg
mg
mg
mg
mg
4mg
(n=176)
18(10.2)
158(89.8)
0
0
0
0
ペランパネル
8mg
(n=175)
2(1.1)
10(5.7)
19(10.9)
144(82.3)
0
0
12mg
(n=180)
2(1.1)
7(3.9)
13(7.2)
19(10.6)
26(14.4)
113(62.8)
発現例数(発現 %)
●継続投与期の発作頻度変化率
例数 b)
治療期
投与開始20~23週目 a)
投与開始24~29週目 a)
投与開始30~47週目 a)
投与開始48~55週目 a)
投与開始56~63週目 a)
投与開始64~75週目 a)
529
440
434
407
338
121
114
1(0.6)
40(22.7) 50(28.6) 76(42.2) 166(31.3) 8(4.5)
10(5.7)
9(5.0)
27(5.1)
1(0.6)
7(4.0)
7(4.0)
6(3.3)
20(3.8)
13(7.4)
12(6.8)
13(7.4)
10(5.6)
35(6.6)
5(2.8)
3(1.7)
10(5.7)
3(1.7)
16(3.0)
5(2.8)
4(2.3)
6(3.4)
9(5.0)
19(3.6)
3(1.7)
3(1.7)
5(2.9)
8(4.4)
16(3.0)
0
4(2.3)
5(2.9)
6(3.3)
15(2.8)
0
3(1.7)
5(2.9)
5(2.8)
13(2.4)
2(1.1)
1(0.6)
3(1.7)
8(4.4)
12(2.3)
0
4(2.3)
3(1.7)
4(2.2)
11(2.1)
歩行障害
3(1.7)
2(1.1)
4(2.3)
9(5.0)
15(2.8)
体重増加
1(0.6)
7(4.0)
6(3.4)
6(3.3)
19(3.6)
発現例数(発現 %)
日本人集団でペランパネルが投与された安全性解析対象において、有害事象が153/185例(82.7%)、
因果関係の否定されない副作用は99/185例(53.5%)に認められた。ペランパネル群全体で2% 以上の
発現が認められた副作用は、傾眠、浮動性めまい、平衡障害、易刺激性、食欲減退であった。
6. 最終投与時の投与量分布
本試験におけるペランパネル各群における最終
投与時の投与量を表に示した。4mg 投与群で最終
投与時も4mg 投与されていた症例は158/176例
(89.8%)、8mg 投与群 で 最終投与時 も8mg 投与
されていた症例は144/175例(82.3%)、12mg 投
与群で最終投与時も12mg 投与されていた症例は
113/180例(62.8%)で あ り、12mg 投与群 で は
8mg 以下の群と比較して減量した症例が多かった。
副作用
2. 日本人集団における有害事象/副作用
ペランパネル
26
●全集団における主な有害事象/副作用(ペランパネル全体での副作用発現率2.0%以上)
攻 撃 性
10
0
治療期においてペランパネルが投与された安全性解析対象531例において、有害事象が406/531例
(76.5%)、因果関係の否定されない副作用は306/531例(57.6%)に認められた。ペランパネル群で発現
の高い主な副作用は、浮動性めまい、傾眠、易刺激性、頭痛、疲労等であった。
浮動性めまい 10(5.7)
(%)
70
60
1. 全集団での有害事象/副作用
部分発作頻度変化率
中央値
–26.57
–36.72
–43.26
–46.15
–53.85
–40.00
–38.28
a) 投与開始日を1週目初日として起算
b) 治療期に実薬群(ペランパネル群)であった例数
●日本人集団における有害事象/副作用(ペランパネル全体での副作用発現率2.0%以上)
有害事象
事象名
プラセボ
(n=60)
副作用
ペランパネル
4mg
8mg
12mg
全体
(n=61) (n=61) (n=63) (n=185)
プラセボ
(n=60)
ペランパネル
4mg
8mg
12mg
全体
(n=61) (n=61) (n=63) (n=185)
いずれかの
有害事象
43(71.7) 48(78.7) 49(80.3) 56(88.9) 153(82.7) 19(31.7) 25(41.0) 36(59.0) 38(60.3) 99(53.5)
傾 眠
11(18.3) 12(19.7) 15(24.6) 18(28.6) 45(24.3) 10(16.7) 11(18.0) 15(24.6) 18(28.6) 44(23.8)
浮動性めまい
0
10(16.4) 16(26.2) 14(22.2) 40(21.6)
0
10(16.4) 16(26.2) 13(20.6) 39(21.1)
平衡障害
0
3(4.9)
1(1.6)
2(3.2)
6(3.2)
0
3(4.9)
1(1.6)
2(3.2)
6(3.2)
1(1.6)
1(1.6)
2(3.2)
4(2.2)
1(1.6)
1(1.6)
2(3.2)
4(2.2)
2(3.3)
2(3.2)
4(2.2)
2(3.3)
2(3.2)
4(2.2)
最小値、最大値
易刺激性
–100.0,809.4
–100.0,5851.9
–100.0,2055.8
–100.0,1367.1
–100.0,700.8
–100.0,657.9
–100.0,521.1
食欲減退
1(1.7)
0
0
1(1.7)
0
0
発現例数(発現 %)
27
3. Inducer 併用の有無による有害事象の発現状況
4. 減量、休薬又は有害事象による中止
全集団で示した有害事象について、Inducer 併用ありと併用なしの発現状況を表に示した。有害事
象全体の発現率は、Inducer 併用あり及び併用なしでそれぞれ261/357例(73.1%)及び145/174例
(83.3%)であり、併用なしの方がやや高かった。また、各有害事象においても Inducer 併用なしの方が併
用ありと比較して発現が高い傾向が認められた。
● Inducer 併用の有無による主な有害事象の発現状況
ペランパネル
プラセボ
4mg
8mg
12mg
全体
Inducer 併用
あり
なし
あり
なし
あり
なし
あり
なし
あり
なし
例 数
120
56
120
56
119
56
118
62
357
174
いずれかの
有害事象
75(62.5) 42(75.0) 77(64.2) 44(78.6) 83(69.7) 46(82.1) 191(85.6) 55(88.7) 261(73.1) 145(83.3)
浮動性めまい 8(6.7)
2(3.6)
15(12.5) 8(14.3) 15(12.5) 13(23.2) 16(13.4) 15(26.8) 15(12.7) 1(27.4) 46(12.9) 45(25.9)
易刺激性
1(0.8)
頭 痛
8(6.7)
疲 労
5(4.2)
攻 撃 性
歩行障害
0
3(2.5)
体重増加
発現例数(発現 %)
0
3(2.5)
5(8.9)
6(5.0)
4(7.1)
6(5.1)
3(4.8)
15(4.2)
12(6.9)
10(8.3)
2(3.6)
11(9.2)
2(3.6)
5(4.2)
5(8.1)
26(7.3)
9(5.2)
0
2(1.7)
2(3.6)
5(4.2)
1(1.8)
5(4.2)
4(6.5)
12(3.4)
7(4.0)
0
1(0.8)
3(5.4)
2(1.7)
3(5.4)
2(1.7)
4(6.5)
5(1.4)
10(5.7)
2(3.6)
2(1.7)
2(3.6)
2(1.7)
7(11.3) 12(3.4)
11(6.3)
5(8.9)
2(1.7)
4(7.1)
3(2.5)
3(4.8)
12(6.9)
5(8.9)
0
1(1.8)
●減量に至った有害事象(ペランパネル群全体で3例以上)
23(19.2) 17(30.4) 31(26.1) 19(33.9) 46(39.0) 30(48.4) 100(28.0) 66(37.9)
傾 眠
0
治療期の安全性解析対象集団で認められた減量を要した有害事象は、プラセボ群7/176例 (4.0%)
に対し、ペランパネル群4mg で18/176例 (10.2%)、8mg で26/175例 (14.9%)、12mg で59/180例
(32.8%)、ペランパネル群全体で103/531例 (19.4%) であった。減量を要した主な有害事象は、浮動性
めまい及び傾眠であった。
休薬に至った有害事象はプラセボ群では認められなかった。ペランパネル群では、4mg で脳神経障害
及び感覚鈍麻、12mg でてんかんであった。
治験又は投与中止に至った有害事象(以下、中止に至った有害事象)は、プラセボ群6/176例 (3.4%) に
対し、
ペランパネル群4mgで8/176例 (4.5%)、
8mgで20/175例 (11.4%)、
12mgで25/180例 (13.9%)、
ペランパネル群全体で53/531例 (10.0%) であった。中止に至った主な有害事象は、浮動性めまい、易刺
激性、攻撃性であった。
0
2(1.7)
7(2.0)
ペランパネル
プラセボ
(n=176)
減量に至った有害事象
7(4.0)
4mg
(n=176)
18(10.2)
8mg
(n=175)
26(14.9)
12mg
(n=180)
59(32.8)
全体
(n=531)
103(19.4)
浮動性めまい
1(0.6)
10(5.7)
13(7.4)
29(16.1)
52(9.8)
傾 眠
4(2.3)
3(1.7)
7(4.0)
15(8.3)
25(4.7)
平衡障害
0
1(0.6)
1(0.6)
3(1.7)
5(0.9)
歩行障害
0
0
0
5(2.8)
5(0.9)
運動失調
0
0
0
4(2.2)
4(0.8)
易刺激性
1(0.6)
2(1.1)
1(0.6)
0
3(0.6)
攻 撃 性
0
1(0.6)
2(1.1)
0
3(0.6)
0
3(1.7)
3(0.6)
1(0.6)
2(1.1)
3(0.6)
回転性めまい
0
0
疲 労
0
0
発現例数(発現 %)
●休薬又は中止に至った有害事象
プラセボ
(n=176)
ペランパネル
4mg
(n=176)
8mg
(n=175)
12mg
(n=180)
全体
(n=531)
0
2(1.1)
0
1(0.6)
3(0.6)
脳神経障害
0
1(0.6)
0
0
1(0.2)
てんかん
0
0
0
1(0.6)
1(0.2)
休薬を要した有害事象
感覚鈍麻
0
1(0.6)
0
0
1(0.2)
6(3.4)
8(4.5)
20(11.4)
25(13.9)
53(10.0)
浮動性めまい
1(0.6)
1(0.6)
5(2.9)
9(5.0)
15(2.8)
易刺激性
0
2(1.1)
3(1.7)
2(1.1)
7(1.3)
攻 撃 性
0
0
3(1.7)
4(2.2)
7(1.3)
中止に至った有害事象 a)
傾 眠
1(0.6)
3(1.7)
1(0.6)
1(0.6)
5(0.9)
悪 心
0
1(0.6)
1(0.6)
2(1.1)
4(0.8)
運動失調
0
0
0
3(1.7)
3(0.6)
自殺企図
0
0
1(0.6)
2(1.1)
3(0.6)
発現例数(発現 %)
a) ペランパネル群のいずれかで3例以上
28
29
2. 難
治性強直間代発作を有するてんかん患者を対象とした
第Ⅲ相プラセボ対照無作為化二重盲検比較試験
( 日本を含む国際共同試験、332試験 )
■ 方 法
●
1週間に2mg ずつ用量を漸増し、目標用量(8mg)又は最大耐量まで漸増した後、同用量を治療維持期の
完了まで投与した。
●
者及び治験担当医師に対し盲検下で継続した。ペランパネルが投与された被験者は引き続きペランパネ
ルを Core Study 終了時と同一の用量で継続した。プラセボが投与された被験者はペランパネル2mg か
■ 目 的
12歳以上の難治性(薬剤抵抗性)強直間代発作患者に対する併用療法として、ペランパネルの有効性及び
安全性を評価する。
●
強直間代発作 発作頻度は、試験期間中、発作日記に記録された発作回数を28日間換算して算出した。発
ライン期からの減少の割合とした。
観察期
治療期
継続投与期
❶ スクリーニング期:4週間 ❶ 治療漸増期:4週間
❷ ベースライン期:8週間 ❷ 治療維持期:13週間
フォローアップ期
❶ 継続移行期:6週間(盲検下)
4週間
❷ 継続維持期:32週間+最長104週間 (治験薬の投与終了時又は
(オープンラベル下)
(プラセボ対照無作為化二重盲検
比較試験)
早期中止時の来院後実施)
観察期
治療期
継続投与期
パートA
スクリーニ ベース
ング期
ライン期
治療漸増期
治療維持期
❶
❷
❷
無作為化
0
継続維持期
12 ❶
フォロー
アップ期
(4週間)
❷
12
10
ペランパネル
8
投与
パートB
継続移行期
10
8
6
6
4
4
2
2
プラセボ投与
2
4
8
12
17
19
21
■ 評価項目
主要評価項目:強直間代発作 発作頻度変化率
副次評価項目:強直間代発作 発作頻度50% 減少達成率
他の発作型(ミオクロニー発作、欠神発作及びすべての発作)に対する発作頻度減少率
探索的評価項目:Inducer 併用有無による発作頻度変化率
Core Study
-8
ら投与を開始し、1週間ごとに2mg ずつ、治験担当医に基づいて最高12mg 又は至適用量まで漸増した。
作頻度変化率は、治験薬投与後(治療漸増期 + 治療維持期)28日間あたりの強直間代発作回数のベース
■ 試験デザイン
週 -12
継続投与期はパート A(38週間:継続移行期6週間及び継続維持期32週間)及びパート B(オプション:継
続維持期最長104週間)から構成した。継続移行期の6週間は、Core Study で投与された治験薬を被験
1. 試験概要
❶
ペランパネル2mg 又はプラセボを1日1回、就寝前に経口投与を開始した。その後、ペランパネル群では
23 55
159
■ 対 象
12歳以上の薬剤抵抗性強直間代発作患者(164例)
【主な選択基準】
● 12歳以上の男性もしくは女性
● 強直間代発作の臨床診断がついており、8週間のベースライン期に3回以上の強直間代発作の発現が確認さ
れている。
● ベースライン開始30日以上前から1~3種類の承認済み抗てんかん薬を一定の用法用量で使用中の者。
CYP3A 誘導作用を有し、本剤の代謝を促進する抗てんかん薬(Inducer:本治験における規定ではカルバマ
ゼピン、フェニトイン又はオクスカルバゼピン*のいずれか)は、最大3剤の抗てんかん薬中1剤のみ使用を
認める。
【主な除外基準】
● ベースライン開始前12ヵ月以内に入院を要するてんかん重積の既往歴がある者。
● 個々の発作がカウントできないクラスタ(群発)がある者。
● 部分てんかん、レノックス・ガストー症候群もしくは進行性の神経疾患を有する者。
*本邦未承認(2016年2月現在)
無作為化された164例のうち1例(ペランパネル群)は未投与例であり、163例(プラセボ群82例、ペラン
パネル群81例)に治験薬が投与された。このうち日本人被験者は、プラセボ群6例、ペランパネル群5例で
あった。
30
31
3. 日本人における発作頻度変化率
2. 有効性
日本人集団における発作頻度変化率のプラセボ群との中央値の差は正の値を示し、有効性を示唆する
結果は得られなかったが、症例数が限られていること、プラセボ群で大きな改善が見られたことから、明
確なことは言えなかった。
1. 強直間代発作 発作頻度変化率(主要評価項目)
発作頻度変化率
(中央値)
(%)
-100
-90
p値(vs.プラセボ群)
rank ANCOVA検定
p<0.0001
-76.47
〔-45.490, -15.244〕
発作頻度変化率
(中央値)
(%)-100
(%)-40
-90
-70
-80
-60
発作頻度変化率
-50
-38.38
-40
-30
-20
-67.91
-70
-56.47
-60
-50
-40
-30
-10
0
※ Hodges-Lehmann 法に基づき算出
発作頻度変化率(プラセボ群と中央値の差)
(n)
プラセボ群
-20
ペランパネル群
(81)
-10
(81)
〔95%信頼区間〕
0
(n)
プラセボ群
(6)
発作頻度変化率(プラセボ群と中央値の差)
-80
発作頻度変化率
発 作 頻 度 変 化 率 の 中 央 値 は、プ ラ セ ボ 群
-38.4%、ペランパネル群 -76.5%であり、ペラ
ンパネル群ではプラセボ群に比べてより大きな
減少が示された。また、ペランパネル群における
発作頻度変化率のプラセボ群との差※ について、
rank ANCOVA により検定した結果、群間で有
意差が認められた(p <0.0001)。
-30
-20
-10
0
1.53
10
ペランパネル群
(n)
(5)
ペランパネル群
(5)
2. Inducer 併用有無による発作頻度変化率(探索的評価項目)
●
●
Inducer 併用有無別の発作頻度変化率について、事後的かつ探索的に検討した。
332試験の Inducer 併用ありは、
プラセボ群との中央値の差は正の値を示し、有効性を示唆する結果は
得られなかったが、プラセボ群で18例、ペランパネル群で9例であり、ペランパネル群の被験者数が少
数
(10例以下)
であったため、明確なことは言えなかった。Inducer 併用なしでは、
ペランパネル群にお
ける発作頻度変化率の中央値は -79.05%であり、
プラセボ群の -37.25%に比べてより大きな減少が
示された。
4. 小児における発作頻度変化率
18歳未満の患者における発作頻度変化率の中央値は、プラセボ群 -29.84%、
ペランパネル群 -88.03%
であり、コントロール群との中央値の差は -28.24%と減少を示した。
発作頻度変化率
(中央値)
発作頻度変化率(プラセボ群と中央値の差)
(%)-100
(%)-100
発作頻度変化率
-70
-60
-50
-45.51
-37.25
-40
-30
-25.41
-20
-10
0
プラセボ群
(n) (18)
(63)
ペランパネル群
(9)
(72)
Inducer 併用例
Inducer 非併用例
-80
-36.30
発作頻度変化率
-79.05
-80
発作頻度変化率(プラセボ群と中央値の差)
-90
(%)-40
Inducer 併用例
Inducer 非併用例
-30
-20
-88.03
-90
発作頻度変化率(プラセボ群と中央値の差)
-70
-60
-50
-40
-29.84
-30
-20
-10
-10
0
0
(n)
4.07
10
(n)
プラセボ群
(9)
ペランパネル群
(13)
発作頻度変化率(プラセボ群と中央値の差)
発作頻度変化率
(中央値)
(%)-40
-28.24
-30
-20
-10
0
10
(n)
ペランパネル群
(13)
ペランパネル群
(9)
(72)
注 : プラセボ又は本剤2mg/ 日から投与を開始し、本剤群では1週間ごとに2mg/ 日ずつ最高8mg/ 日まで4週間かけて増量した後、目標用
量(8mg)又は最大耐量で13週間経口投与した。
32
33
5. 強直間代発作 発作頻度50%減少達成率
(副次評価項目)
治療維持期 LOCF における強直間代発作 発作
頻度50% 減少達成率は、
プラセボ群39.5%
(32/81
例)、ペランパネル群64.2%(52/81例)であり、プ
ラセボ群に比べてペランパネル群の方が有意に高
い結果であった(p=0.0019;CMH 検定)。
3. 安全性
*
強直間代発作 発作頻度50%減少達成率
(%)
100
p値
(vs.プラセボ群)
、
CMH検定
90
発作頻度 %減少達成率
50
80
p=0.0019
64.2
70
60
50
39.5
40
●主な有害事象(全集団のペランパネル群有害事象において5% 以上)
全集団
事象名
10
0
プラセボ群
(81)
(n)
ペランパネル群
(81)
6. 最終投与時の投与量分布
ペランパネル投与群81例において、ペランパネルの最終投与時の投与量は、4mg 以上8mg 未満が
13/81例
(16.0%)
、
8mg が68/81例
(84.0%)
であり、
4mg 未満は認められなかった。
7. 継続投与期の発作頻度変化率
治療期のあとに最大12mg/ 日まで投与した結果、
有効性は長期
(最大127週間)
にわたり維持された。
●継続投与期の発作頻度変化率
中央値
最小値、最大値
68
–74.60
–100.0,140.0
治療期(用量維持期)
68
–82.50
–100.0,18.3
68
–93.09
–100.0,166.7
a)
66
–84.75
–100.0,117.9
投与開始37~49週目 a)
64
–87.36
–100.0,66.2
投与開始50~62週目
a)
58
–85.52
–100.0,23.1
投与開始63~75週目
a)
30
–100.00
–100.0,23.1
投与開始76~88週目
a)
30
–100.00
–100.0,33.3
投与開始89~101週目
14
–100.00
–100.0,51.1
投与開始102~114週目
a)
13
–100.00
–100.0,219.8
投与開始115~127週目
a)
4
–89.74
–100.0, –66.9
a)
a) 投与開始日を1週目初日として起算
b) 継続投与期に移行した被験者のうち治療期に実薬群(ペランパネル群)であった例数
34
副作用
有害事象
副作用
プラセボ
ペランパネル
プラセボ
ペランパネル
プラセボ
ペランパネル
プラセボ
ペランパネル
82
81
82
81
6
5
6
5
59(72.0)
67(82.7)
37(45.1)
56(69.1)
4(66.7)
4(80.0)
1(16.7)
3(60.0)
浮動性めまい
5(6.1)
26(32.1)
5(6.1)
24(29.6)
0
0
0
0
疲 労
5(6.1)
12(14.8)
2(2.4)
9(11.1)
0
0
0
0
頭 痛
8(9.8)
10(12.3)
6(7.3)
4(4.9)
0
0
0
0
易刺激性
2(2.4)
9(11.1)
1(1.2)
7(8.6)
0
1(20.0)
0
1(20.0)
傾 眠
3(3.7)
9(11.1)
3(3.7)
7(8.6)
0
2(40.0)
0
2(40.0)
回転性めまい
2(2.4)
7(8.6)
2(2.4)
6(7.4)
0
1(20.0)
0
0
嘔 吐
2(2.4)
7(8.6)
0
4(4.9)
0
0
0
0
体重増加
3(3.7)
6(7.4)
2(2.4)
5(6.2)
0
0
0
0
悪 心
4(4.9)
5(6.2)
2(2.4)
5(6.2)
1(16.7)
0
0
0
強直間代発作頻度変化率
治療期(用量漸増期)
投与開始24~36週目
有害事象
例 数
いずれかの事象
日本人集団
発現例数(発現 %)
例数 b)
投与開始18~23週目
安全性解析対象全集団における有害事象発現率は、プラセボ群59/82例(72.0%)、ペランパネル群
67/81例(82.7%)、副作用発現率はそれぞれ37/82例(45.1%)、56/81例(69.1%)であった。主な有害
事象は、浮動性めまい、疲労、頭痛、易刺激性、傾眠であった。
日本人集団ではプラセボ群6例、ペランパネル群5例と症例数が少なく、比較は困難であった。日本人
集団のペランパネル群において、2例以上に発現した副作用は傾眠(2/5例)であった。
30
20
* LOCF(Last Observation Carried Forward analysis:
欠測データを直近の先行観測値で補完する解析方法)
1. 全集団及び日本人集団における有害事象/副作用
2. Inducer 併用の有無による有害事象の発現状況
Inducer 併用 な し に 比 べ Inducer 併
用例が少ないものの、ペランパネル群に
おける有害事象全体の発現率は Inducer
併用なしと併用ありの間で明らかに異
なることはなかった(ペランパネル群:
Inducer 併用なし及び併用ありでそれぞ
れ 59/72 例(81.9%)、8/9 例(88.9%)、
プ ラ セ ボ 群:Inducer 併用 な し 及 び 併
用 あ り で そ れ ぞ れ48/64例(75.0%)、
11/18例(61.1%)。なお、ペランパネル
群で多く認められた浮動性めまい及び
疲労について、Inducer 併用なしに比べ
併用ありの方が発現率が高かった。
● Inducer 併用の有無による主な有害事象の発現状況
プラセボ
ペランパネル
Inducer 併用
あり
なし
あり
なし
例 数
18
64
9
72
いずれかの有害事象
11(61.1)
48(75.0)
8(88.9)
59(81.9)
浮動性めまい
1(5.6)
4(6.3)
6(66.7)
20(27.8)
疲 労
1(5.6)
4(6.3)
2(22.2)
10(13.9)
頭 痛
3(16.7)
5(7.8)
1(11.1)
9(12.5)
2(3.1)
0
9(12.5)
2(3.1)
0
9(12.5)
易刺激性
傾 眠
0
1(5.6)
発現例数(発現 %)
35
Ⅸ. 乱用・依存性に関する試験結果
3. 減量、休薬又は有害事象による中止
減量又は休薬を要した有害事象は、プ
ラセボ群の6/82例(7.3%)、ペランパネル
群の9/81例(11.1%)に認められた。減量
又は休薬を要した有害事象の発現率がプ
ラセボ群に比べてペランパネル群の方が
高かった理由として、浮動性めまいや傾
眠を含む神経系障害、さらに易刺激性が
ペランパネル群で多く認められたことが
挙げられる(浮動性めまい:プラセボ群
2.4%、ペランパネル群4.9%、傾眠:プラ
セボ群1.2%、ペランパネル群4.9%、易刺
激性:プラセボ群0.0%、ペランパネル群
3.7%)。ペランパネル群で減量又は休薬
を要した有害事象発現時の用量は、9例
中6例が8mg、2例が6mg、1例が2mg で
あった。
プラセボ群の5/82例(6.1%)、ペラン
パネル群の9/81例(11.1%)がそれぞれ
有害事象の発現により中止に至った。こ
れらの有害事象のうち、ペランパネル群
で複数例に認められた事象は浮動性めま
い及び嘔吐各2例であった。
●減量又は休薬を要した有害事象及び中止に至った有害事象
プラセボ群
(n=82)
減量又は休薬を要した有害事象 a)
6(7.3)
9(11.1)
浮動性めまい
2(2.4)
4(4.9)
傾 眠
1(1.2)
4(4.9)
易刺激性
0
3(3.7)
平衡障害
0
2(2.5)
中止に至った有害事象 b)
5(6.1)
●ラット薬物弁別試験において、ケタミン、ジアゼパムとは異なる反応を示すことが示唆
された。
ペランパネル群
(n=81)
有害事象
●サルにおける静脈内自己投与試験で自己投与の増加が認められ、強化効果を有していた。
●健康成人薬物乱用経験者を対象とした臨床試験で、全体的な乱用薬物らしさを評価する
Overall Drug Liking VAS 及び Take Drug Again VAS において、ペランパネルはケタ
ミン100mg 及びアルプラゾラム3mg より嗜好度が低く、再度服用したい願望も弱かった。
●不快な薬物効果の指標において、
ペランパネル24、36mg はケタミン100mg 及びアルプ
ラゾラム1.5、3mg より高値を示した。
9(11.1)
浮動性めまい
0
2(2.5)
嘔 吐
0
2(2.5)
異常行動
0
1(1.2)
攻 撃 性
0
1(1.2)
1) ラットにおける身体依存性試験
不 安
0
1(1.2)
ペランパネルの14.7及び43.5mg/kg 相当をオスのラットに4週間混餌投与した結果、退薬期間にお
不 眠 症
0
1(1.2)
気分動揺
0
1(1.2)
自殺念慮
2(2.4)
1(1.2)
自殺企図
0
1(1.2)
鎮 静
0
1(1.2)
てんかん重積状態
0
1(1.2)
筋 肉 痛
0
1(1.2)
食欲減退
0
1(1.2)
易刺激性
0
1(1.2)
疲 労
0
1(1.2)
溺 死
0
1(1.2)
腹部不快感
0
1(1.2)
流涙増加
0
1(1.2)
発現例数(発現 %)
a) ペランパネル群で2例以上 b) ペランパネル群で1例以上
36
●ラットにおいて身体依存性形成能を有することが示唆された。
1. 非臨床試験
いて、ハンドリング時の反応性の亢進、筋硬直、摂餌量及び体重減少がみられ、ラットにおいて身体依存
性形成能を有することが示唆された。
2)ラットにおける薬物弁別試験
ケタミン(腹腔内)あるいはジアゼパム(経口)を投与し、それぞれの溶媒と識別できる2個のレバーに
より餌を報酬として得られるオペラントチャンバーを用いて訓練された SD ラットにおいて、ペランパ
ネルは検討したいずれの用量(1、3、10及び30mg/kg)においても、ケタミンの7.5mg/kg あるいはジア
ゼパムの10mg/kg に対して般化を示さず、薬物による体重の増加もみられなかった。
3)サルにおける静脈内自己投与試験
静脈内にカテーテルを留置したアカゲザルを用い、サルがレバーを5回押すごとに1回薬物が静脈内投
与される条件で実施した。その結果、摂取可能時間を2時間とした自己投与試験では、溶媒投与時と比して、
ペランパネル0.004、0.008、0.016mg/kg において自己投与が増加した。また、摂取可能時間を24時間
とした自己投与試験では、全ての用量(0.004、0.008、0.016mg/kg)において4例中2例で自己投与の増
加がみられた。以上より、ペランパネルはアカゲザルにおいて自己投与の増加が認められ、強化効果を有
することが明らかとなった。
37
Ⅹ. その他
2. 臨床試験(海外024試験)
1. 記憶・学習への影響
健康成人薬物乱用経験者を対象に、アルプラゾラム(1.5、3mg)、ケタミン(100mg)及びプラセボを対
照としてペランパネル
(8、24、36mg)
単回投与後の乱用可能性をクロスオーバー法により検討した。表に、
薬剤の嗜好度等を評価する Drug Liking VAS(Visual Analogue Scale)、Overall Drug Liking VAS、
ペランパネルは AMPA 受容体特異的な拮抗剤であるが、AMPA 受容体は記憶・学習にも関与すると考
えられている。ペランパネルの記憶・学習に対する影響に関しては、下記のデータが得られている。
●
と考えられているが、AMPA 受容体拮抗剤である GYKI52466及び NBQX は、抗けいれん作用を示す
Take Drug Again VAS 及び Subjective Drug Value、並びに不快な薬物効果の指標として、Bad Drug
Effects Vas 及び ARCI LSD スケールの結果を示した。
ペランパネルは、プラセボ群と比較した時、対照薬と同様に検討した全ての指標で大きな作用が認め
●
られた。ペランパネルでは、24mg 及び36mg(それぞれ申請用量上限の2倍及び3倍)間でほとんどの指
標において明確な用量反応関係は確認されず、むしろ作用の頭打ちが観察された。したがってペランパ
ネルの大量投与による乱用・依存性のリスクは24mg 以上では上昇しないことが示唆された。
全体的な乱用薬物らしさを評価するOverall Drug Liking VAS 及びTake Drug Again VASにおいて、
ペランパネルはアルプラゾラム3mg より小さな値を示しており、ペランパネルはアルプラゾラム3mg
より嗜好度が低く、再度服用したい願望も弱かった。また、Subjective Drug Value においても、ペラン
パネルはアルプラゾラム3mg より低価格を示しており、乱用薬物としての価値はアルプラゾラム3mg
より低かった。
一方、不快な薬物効果の指標である Bad Drug Effects VAS 及び ARCI LSD スケールの値は、ケタミ
神経細胞における長期増強(Long-term potentiation; 以下、
「LTP」
)は記憶形成のメカニズムである
●
濃度においてラット海馬スライスの LTP を抑制しなかったことが報告されている1)。
幼若ラットを用いたペランパネルの毒性試験で実施した水迷路試験では、雌の高用量投与群でエラー
回数の有意な増加が認められたが、
(i)エラー回数の増加は雄では認められず、雌雄ともにエラー回数
及びゴールまでの到達時間に用量依存的な変化はなく、
(ii)認められた増加は単発的なものであり、他
の試行では認められなかった。
コントロール不十分の部分発作を有する12歳以上18歳未満のてんかん患者に本剤2~12mg/ 日を他
の抗てんかん薬の併用下で19週間投与し、本剤が認知機能に及ぼす影響について評価する臨床試験
(235試験)を実施した結果、プラセボ群と本剤群に統計学的な有意差は認められなかった。
● 部分てんかんを対象とした335試験の治療期に認められた記憶・学習関連有害事象は、
いずれもペラン
パネル投与群であったが、用量依存性は認められず、また、長期投与により発現頻度に変化は認められ
なかった(表)。
ン100mg 及びアルプラゾラム1.5、3mg よりペランパネル24、36mg で高値を示し、高用量のペランパ
ネルはケタミン100mg 及びアルプラゾラム1.5、3mg より服用を不快と感じるという結果であった。
●335試験で認められた記憶・学習関連有害事象
治療期
●薬物乱用評価項目の Emax の平均値(薬力学解析対象集団、024試験)
ケタミン
評価項目
アルプラゾラム
100mg
3mg
1.5mg
90.3
77.4
76.6
Overall Drug Liking VAS 2)
80.9
77.1
Take Drug Again VAS 3)
81.9
Subjective Drug Value 4)
Bad Drug Effects VAS 5)
Drug Liking VAS
1)
ARCI LSD スケール 6)
プラセボ
ペランパネル
8mg
24mg
36mg
55.5
72.6
82.7
80.3
74.5
54.1
61.6
67.7
67.9
75.4
77.8
42.9
62.1
64.9
64.3
27.10
25.40
23.26
16.02
23.24
23.85
25.3
55.0
40.5
11.0
31.3
67.3
74.6
7.3
7.9
6.1
3.9
5.2
8.6
8.6
6.54
Emax は治験薬投与前からの変化量に基づき算出
1) [ 現在の ] 薬剤嗜好度の指標:0~100の範囲で最も嗜好する場合を100とする
2) [ 全体を総合した最大効果としての ] 薬剤嗜好度の指標:0~100の範囲で最も嗜好する場合を100とする
3) 薬剤嗜好度の指標:0~100の範囲で再度服用したい気持ちが最も強い場合を100とする
4) 薬剤購入希望の指標:$0.25~ $50.00の範囲で回答
5) 悪い薬の効果の印象の指標:0~100の範囲で悪い薬の効果が最も強い場合を100とする
6) ARCI Lysergic Diethylamide(LSD): 不快気分の指標:0~14の範囲で不快気分が最も強い場合を14とする
有害事象
プラセボ
(n=176)
計
ペランパネル
長期投与時
(n=679)
4mg
(n=176)
8mg
(n=175)
12mg
(n=180)
全体
(n=531)
0
3(1.7)
3(1.7)
3(1.7)
9(1.7)
11(1.6)
記憶障害
0
1(0.6)
1(0.6)
2(1.1)
4(0.8)
4(0.6)
健 忘
0
2(1.1)
1(0.6)
0
3(0.6)
5(0.7)
認 知 症
0
0
1(0.6)
1(0.6)
2(0.4)
2(0.3)
発現例数(発現 %)
(n=34)
本剤は、既存の依存性薬物とは異なる機序で依存性を形成する可能性があり、本剤服用中及び服用中
1) Kapus G et al, Brain Res Bull, 52: 511-517, 2000
止後しばらくの間は患者の状態を慎重に観察し、本剤による乱用が認められた場合には、適切に対応す
る必要がある。
38
39
添付文書情報
2. ペランパネル14C 標識体投与時の蓄積
雄有色ラットに14C- ペランパネル(1mg/kg)を経口投与し、投与後106週間までの血液、眼球、大動脈
及び皮膚の放射能濃度推移を評価した。表に示すように、投与後106週間においても、依然として大動脈
*2016年 5 月改訂(第 2 版)
2016年 3 月作成
8 7 1 1 3 9
抗てんかん剤
錠2mg
(7ng eq./g)及び眼球(3ng eq./g)に放射能が検出された。これらの値は、投与後6週間における放射能
承認番号
濃度のそれぞれ44% 及び27% に相当した。大動脈及び眼球からの放射能の消失は緩徐であり、半減期は
それぞれ110及び45週間であった。
大動脈への蓄積については、本薬又は代謝物が大動脈の構成成分に共有結合し、蓄積することが確認
されている。米国で承認後、市場撤退した Rofecoxib は大動脈の構成成分との結合性を有し、蓄積が報告
されており、ヒトでの心血管系リスクが示唆された。一方、ペランパネルはラットがん原性試験(104週
間投与)後の大動脈において病理組織学的な変化は認められておらず、臨床試験においても本剤投与に
よる心血管系への影響は示唆されていない。
組織/臓器
血液
放射能濃度 (ng eq./g 又は ng eq./mL)
6週間
BDL
a)
t1/2
12週間
24週間
55週間
106週間
BDL
BDL
BDL
BDL
<ペランパネル水和物製剤>
NC
c)
大動脈
16 ± 0
11 ± 1
11 ± 2
8±2
7±1
110
眼球
11 ± 0
10 ± 1
4±0
5±0
3±0
45
皮膚
2±0
2±0
BDL
BDL
BDL
NC
放射能濃度は ng eq./g で示すが、例外として、血液は ng eq./mL で示す。各値は動物3例の平均値±標準誤差を示す。半減期は平均放射
能濃度を用いて計算した。
a) BDL= 検出下限未満(<30 dpm/ 試料) b) t1/2= 最終相の消失半減期 c) NC= 計算せず。
2016年5月
* 販売開始
2016年5月
国際誕生
2012年7月
【用法・用量】
【禁 忌】(次の患者には投与しないこと)
【組成・性状】
1.
組成
錠2㎎:本剤は、1錠中にペランパネル水和物2.1㎎
(ペランパネルとして2.0㎎)を含有する橙色
のフィルムコーティング錠である。添加物と
して黄色三二酸化鉄、酸化チタン、三二酸化
鉄、ステアリン酸マグネシウム、タルク、低
置換度ヒドロキシプロピルセルロース、乳糖
水和物、ヒプロメロース、ポビドン、マクロ
ゴール6000を含有する。
錠4㎎:本剤は、1錠中にペランパネル水和物4.2㎎
(ペランパネルとして4.0㎎)を含有する赤色
のフィルムコーティング錠である。添加物と
して酸化チタン、三二酸化鉄、ステアリン酸
マグネシウム、タルク、低置換度ヒドロキシ
プロピルセルロース、乳糖水和物、ヒプロメ
ロース、ポビドン、マクロゴール6000を含有
する。
2.
製剤の性状
販売名
フィコンパ
錠2㎎
フィコンパ
錠4㎎
剤形
識別コード
外 形
表
裏
側 面
フィルム
コーティ
ング錠
275
橙色
直径(㎜)・質量(㎎)・厚さ(㎜)
6.6 105 3.1
フィルム
コーティ
ング錠
277
性 状
赤色
直径(㎜)・質量(㎎)・厚さ(㎜)
8.1 210 4.2
【効能・効果】
他の抗てんかん薬で十分な効果が認められないてんか
ん患者の下記発作に対する抗てんかん薬との併用療法
部分発作(二次性全般化発作を含む)
強直間代発作
40
* 薬価収載
注1)注意-習慣性あり
注2)注意-医師等の処方箋により使用すること
b)
(週間)
錠4mg
22800AMX00379000 22800AMX00380000
〔貯 法〕 室温保存
〔使用期限〕 外箱又はラベルに表示の使用期限内に使用すること。
1.本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
2.重度の肝機能障害のある患者〔使用経験がなく、ペ
ランパネルの血中濃度が上昇するおそれがある。
〕
● Brown Norway 系有色雄ラットに14C- ペランパネルを経口投与したときの放射能の組織分布
日本標準商品分類番号
習慣性医薬品注1)、処方箋医薬品注2)
通常、成人及び12歳以上の小児にはペランパネルとし
て1日1回2㎎の就寝前経口投与より開始し、その後1週
間以上の間隔をあけて2㎎ずつ漸増する。
本剤の代謝を促進する抗てんかん薬を併用しない場合
の維持用量は1日1回8㎎、併用する場合の維持用量は1
日1回8~12㎎とする。
なお、症状により1週間以上の間隔をあけて2㎎ずつ適
宜増減するが、1日最高12㎎までとする。
〈用法・用量に関連する使用上の注意〉
1.本剤は他の抗てんかん薬と併用して使用するこ
と。
〔国内外の臨床試験において、本剤単独投与で
の使用経験はない。
〕
2.本剤の代謝を促進する抗てんかん薬(カルバマ
ゼピン、フェニトイン)との併用により本剤の
血中濃度が低下することがあるので、本剤の投
与中にカルバマゼピン、フェニトインを投与開
始又は投与中止する際には、慎重に症状を観察
し、必要に応じて1日最高用量である12㎎を超え
ない範囲で適切に用量の変更を行うこと。
〔「相互作用」の項参照〕
3.軽度及び中等度の肝機能障害のある患者に本剤
を投与する場合は、ペランパネルとして1日1回
2㎎の就寝前経口投与より開始し、その後2週間
以上の間隔をあけて2㎎ずつ漸増すること。ま
た、症状により2週間以上の間隔をあけて2㎎ず
つ適宜増減するが、軽度の肝機能障害のある患
者については1日最高8㎎、中等度の肝機能障害
のある患者については1日最高4㎎までとする。
〔「慎重投与」及び「薬物動態」の項参照〕
【使用上の注意】
1.
慎重投与(次の患者には慎重に投与すること)
⑴軽度及び中等度の肝機能障害のある患者
〔本剤のクリアランスが低下し、消失半減期が延
長することがある。「用法・用量に関連する使用
上の注意」及び「薬物動態」の項参照〕
⑵重度の腎機能障害のある患者又は透析中の末期腎
障害患者
〔使用経験がなく、代謝物の排泄が遅延するおそ
れがある。
〕
⑶高齢者
〔
「高齢者への投与」の項参照〕
41
2.重要な基本的注意
⑴易刺激性、攻撃性・敵意、不安等の精神症状があ
らわれ、自殺企図に至ることもあるので、本剤投
与中は患者の状態及び病態の変化を注意深く観察
すること。
⑵患者及びその家族等に攻撃性・敵意、自殺企図等
の精神症状発現の可能性について十分説明を行い、
医師と緊密に連絡を取り合うように指導すること。
⑶運動失調(ふらつき)等が高頻度で認められ、転
倒等を伴うおそれがあるので、あらかじめ患者及
びその家族に十分に説明し、必要に応じて医師の
診察を受けるよう、指導すること。特に高齢者で
はこれらの症状により転倒しやすいと考えられる
ため、十分に注意すること。〔「高齢者への投与」
の項参照〕
⑷本剤を増量した場合に易刺激性、攻撃性・敵意、
不安等の精神症状、運動失調(ふらつき)等が多
く認められ、特に本剤の代謝を促進する抗てんか
ん薬(カルバマゼピン、フェニトイン)を併用し
ない患者では多く認められるため、患者の状態を
慎重に観察すること。
⑸めまい、眠気、注意力・集中力・反射運動能力等
の低下が起こることがあるので、本剤投与中の患
者には自動車の運転など危険を伴う操作に従事さ
せないよう注意すること。
⑹連用中における投与量の急激な減量ないし投与中
止により、発作頻度が増加する可能性があるので、
投与を中止する場合には徐々に減量することも考
慮し、患者の状態を慎重に観察すること。
3.
相互作用
本剤は主として薬物代謝酵素CYP3Aで代謝される。
〔
「薬物動態」の項参照〕
併用注意(併用に注意すること)
薬剤名等
臨床症状・措置方法
5%以上
過敏症注2)
1~5%未満
発疹
精神神経系 浮 動 性 め 頭 痛 、 運
まい、傾 動 失 調 、
眠
平衡障害、
構語障害、
自殺念慮
機序・危険因子
カルバマゼピン 本剤の血中濃度が低下 相手薬剤により薬物
フェニトイン
するので、必要に応じ 代謝酵素CYP3Aが
て本剤の用量を調節す 誘導され、本剤の代
謝が促進される。
ること。a),b)
CYP3A誘導 本剤の血中濃度が低下 相手薬剤により薬物
作 用 を 有 す する可能性がある。
代謝酵素CYP3Aが
る薬剤等
誘導され、本剤の代
リファンピシン
謝が促進される可能
フェノバルビ
性がある。
タール
セイヨウオ
トギ リソ ウ
s
(St.
Wort、セン
ト・ジョーン
ズ・ワート)
含有食品等
CYP3A阻害 本剤の血中濃度が上昇 相手薬剤により薬物
作 用 を 有 す する可能性がある。b) 代謝酵素CYP3Aが
阻害され、本剤のク
る薬剤
リアランスが低下す
イトラ コ ナ
る。
ゾール等
経 口 避 妊 薬 相手薬剤の血中濃度が 機序は不明である。
(レボノルゲ 低下し、効果が減弱す
ストレル)
る可能性がある。
ア ル コ ー ル 精神運動機能の低下が 本剤及びアルコール
は中枢神経抑制作用
(飲酒)
増強することがある。b)
を有するため、相互
に作用を増強する可
能性がある。
a)
「用法・用量に関連する使用上の注意」の項及び
「重要な基本的注意」の項参照。
b)
「薬物動態」の項参照。
42
4.
副 作 用
部分発作(二次性全般化発作を含む)を対象とした
臨床試験における安全性解析対象例709例(日本人患
者271例含む)のうち、513例(72.4%)に副作用が認
められた。主な副作用は、浮動性めまい(41.7%)、
傾眠(21.9%)であった。
強直間代発作を対象とした臨床試験における安全性
解析対象例151例(日本人患者11例含む)のうち、
107例(70.9%)に副作用が認められた。主な副作用
は、浮動性めまい(34.4%)、傾眠(12.6%)、易刺激
性(11.3%)であった。
(承認時)
⑴重大な副作用
攻撃性 易刺激性(6.2%)、攻撃性(2.7%)、不安
(1.4%)及び怒り(1.0%)等の精神症状があらわ
れることもあるので、患者の状態に十分注意し、
これらの症状があらわれた場合には、減量又は
中止するなど適切な処置を行うこと。
⑵その他の副作用
次のような副作用が認められた場合には、症状に
応じて適切な処置を行うこと。
消化器
痙攣、振 協調運動
戦、気分 異常、多
動 揺 、 感 幸気分
覚 鈍 麻 、
嗜眠、過
眠症、感
情不安定、
気分変化、
神経過敏、
健忘、記
憶 障 害 、
異常行動、
錯乱状態、
睡眠障害、
錯 感 覚 、
自殺企図
肝機能異常、
γ- G T P 増
加、AST増
加、ALT増
加
血液
貧血、低
ナトリウ
ム 血 症 、
好中球減
少症
霧 視 、 複 眼振
視
筋骨格
その他
頻度不明注1)
悪心、嘔 腹部不快
吐
感、腹痛、
下痢、口
内炎
肝臓
眼
1%未満
瘙痒症
筋力低下、 関節痛
筋肉痛
疲労、体
重 増 加 、
回転性め
まい、歩
行 障 害 、
食欲減退、
無 力 症 、
血中クレ
アチンホ
スホキナー
ゼ 増 加 、
食欲亢進
心電図QT 上気道感染
延長、異
怠感、尿
中蛋白陽
性、体重
減少、不
規則月経、
鼻 出 血 、
転倒、酩
酊感、挫
傷
注 1 )外国試験又は自発報告で認められた副作用は
頻度不明とした。
注 2 )このような症状があらわれた場合には、投与
を中止すること。
5.
高齢者への投与
一般に高齢者では生理機能が低下しているので、注
意して投与すること。
〔「薬物動態」の項参照〕
臨床試験において、高齢者は非高齢者と比較して転
倒のリスクが高いという結果が得られているので、
観察を十分に行うなど慎重に投与すること。
6.
妊婦、産婦、授乳婦等への投与
⑴妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治
療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合
にのみ投与すること。
〔ラットの妊娠及び授乳期間中に投与したとき、
一般状態の悪化の認められる用量(3㎎/㎏/日
以上)で分娩及び哺育状態の異常、死亡産児数
の増加、出生率及び生存率の減少、10㎎/㎏/
日で出生児に体重抑制と形態分化の遅延がみら
ボ群と比べ1000人あたり2.4人多いと計算されてい
る。
⑵ラットを用いた身体依存性試験において、ペラン
量の減少が認められる用量(10㎎/㎏)で、早
産がみられた。
〕
⑵授乳中の婦人には投与することを避け、やむを得
ず投与する場合には授乳を中止させること。
〔授乳ラットに投与したとき、ペランパネル又は
その代謝物が乳汁中へ移行することが報告され
ている。
〕
7.
小児等への投与
⑴低出生体重児、新生児又は乳児に対する安全性は
確立していない。〔臨床試験において使用経験はな
い。〕また、2歳以上12歳未満の小児に対する安全
性は確立していない。〔国内臨床試験において使用
経験はない。
〕
⑵臨床試験において、小児(12歳以上)における易
刺激性、攻撃性・敵意等の精神症状の発現割合が
成人に比べて高くなることが示唆されているので、
観察を十分に行うこと。〔「重要な基本的注意」及
び「重大な副作用」の項参照〕
8.
過量投与
⑴徴候・症状
過量投与後にみられた主な症状は、精神状態変化、
激越及び攻撃的行動であった。
⑵処置
過量投与の際の特異的な薬物療法はない。気道の
確保・維持、適度の酸素負荷・換気、バイタルサ
インのモニタリング及び患者の臨床状態の観察を
含む適切な支持療法、対症療法を行うこと。なお、
腎透析によるクリアランスの促進は期待できない。
9.
適用上の注意
薬剤交付時
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用
するよう指導すること。
(PTPシートの誤飲により、
硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔を起こ
して縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報
告されている。
)
10.
その他の注意
⑴外国で実施された複数の抗てんかん薬における、
てんかん、精神疾患等を対象とした199のプラセボ
対照比較試験の検討結果において、自殺念慮及び
自殺企図の発現リスクが、抗てんかん薬の服用群
でプラセボ群と比較して約2倍高く(抗てんかん薬
服用群:0.43%、プラセボ群:0.24%)、抗てんかん
薬の服用群では、プラセボ群と比べ1000人あたり
1.9人多いと計算された(95%信頼区間:0.6-3.9)。
また、てんかん患者のサブグループでは、プラセ
1.血中濃度
⑴単回投与
日本人健康成人にペランパネル2~8㎎を絶食下単回経
口投与したときの血漿中濃度推移を図に示し、薬物動
態パラメータを表に示した。ペランパネルは単回経口
投与後速やかかつほぼ完全に吸収され、初回通過効果
はほとんど受けない。
(①、②)
投与した際に、退薬症候が認められた。また、サ
ルを用いた静脈内自己投与試験において、ペラン
パネル0.016~0.004㎎/㎏を漸減投与した際に、自
己投与回数の増加(強化効果)が認められた。
⑶薬物の乱用経験のある外国人健康成人にペランパ
ネル8~36㎎を単回経口投与したとき、薬剤嗜好
性、薬剤購入希望、多幸気分及び鎮静スコアの評
価指標において、プラセボを投与したときと比較
して大きな作用が認められた。ペランパネル24~
36㎎を投与したときに認められた作用は陽性対照
(アルプラゾラム1.5~3㎎、ケタミン100㎎)と同
程度であった。
【薬物動態】
8mg
250
6mg
4mg
8mg
2mg
血 200
漿
中
ペ 150
ラ
ン
パ
ネ 100
ル
濃
度 50
血
漿
中
ペ
ラ
ン
パ
ネ
ル
濃
度
0
6mg
(いずれもn=6)
4mg
2mg
(いずれもn=6)
0
2
4
6
8
10
12
時間
図 健康成人に単回経口投与したときの血漿中濃度推移
(Mean+S.D.)
表 単回経口投与したときの薬物動態パラメータ
Cmax
投与量
例数
(㎎)
(ng/mL)
tmaxa)
(hr)
AUC(0-inf)
(ng・hr/mL)
t½
(hr)
2
6
80.8±18.4
0.75
0.50、1.00
2820±1200
78.9±28.3
4
6
150±50.3
0.88
0.50、2.00
8750±2000
94.8±36.6
203±28.9
1.00
0.75、2.00
8790±3120
60.6±23.2
200±35.1
0.75
0.50、2.00
11100±4510
75.8±28.7
6
8
6
6
(Mean±S.D.)
a)上段:中央値、下段:最小値、最大値
(注)承認された本剤の1日投与量は2~12㎎である。
⑵反復投与
日本人健康成人にペランパネル2㎎を1日1回14日間又は
2㎎を1日1回14日間経口投与後に4㎎を1日1回14日間経
口投与したときの、2㎎及び4㎎投与開始後14日におけ
る定常状態の薬物動態パラメータは次頁のとおりであ
る。
(③)
43
表 反復経口投与したときの定常状態の薬物動態パラメータ
投与量
例数
(㎎/日)
2
4
18
9
Cmax
(ng/mL)
tmaxa)
(hr)
AUC(0-24hr)
(ng・hr/mL)
224±55.4
1.00
0.75、3.00
3670±1040
433±127
1.00
0.75、3.00
6850±2290
(Mean±S.D.)
a)上段:中央値、下段:最小値、最大値
(注)承認された本剤の1日投与量は2~12㎎である。
⑶食事の影響(外国人データ)
健康成人24例にペランパネル1㎎を絶食下及び摂食下単
回経口投与したとき、摂食下では絶食下と比較しペラ
ンパネルのCmaxは40%低下し、tmaxは2時間遅延したが、
AUC(0-t)は同様であった。
(④)
健康成人16例にペランパネル6㎎を絶食下又は摂食下単
回経口投与したとき、摂食下では絶食下と比較しペラ
ンパネルのCmaxは28%低下し、tmaxは3時間遅延したが、
AUC(0-24h)は同様であった。
(⑤)
2.
分布
血漿蛋白結合率
は95~96%であった。
(⑥)
(参考)
ラットにペランパネル( 14C標識体)1㎎/㎏を単回経口
投与したとき、組織中放射能濃度はほとんどの組織で投
与1時間後に最高値を示し、投与1週間後までにほとんど
の組織で定量下限未満となったが、大動脈では投与3週間
後においても投与6時間後と同程度の放射能が検出され
た。ペランパネル又は代謝物が大動脈の主にエラスチン
に共有結合したと考えられているが、結合したペランパ
ネル由来の分子種は特定されていない。
(⑦)
3.
代謝
ペランパネルの主代謝経路はピリジン環、ベンゼン環、
ベンゾニトリル環における酸化反応とそれに続く抱合反
応である。酸化反応に関与する主なチトクロームP450分
子種はCYP3Aである。ペランパネルは血中で主に未変化
体として存在する。
(②、⑧)
4.
排泄(外国人データ)
健康成人男性8例(24~49歳)に14C-ペランパネル約4㎎を
単回経口投与したとき、投与後768時間までに投与放射能
の28%が尿中から、69%が糞中から回収された。 (②)
5.
高齢者
健康高齢者8例(65~76歳)にペランパネル2㎎を絶食下単
回経口投与したとき、ペランパネルのC max、AUC(0-inf)及び
t½の平均値はそれぞれ73.6ng/mL、3570ng・hr/mL及び
110時間であった。
(外国人データ)
(⑨)
プラセボ対照試験でペランパネル12㎎/日までの用量を
投与された日本人を含む12~74歳の患者(部分発作又は
強直間代発作)を対象とした母集団薬物動態解析におい
て、ペランパネルのみかけのクリアランスに年齢の有意
な影響は認められなかった。
(⑩)
6.
肝機能障害患者(外国人データ)
軽度(Child-Pugh A群)及び中等度(Child-Pugh B群)
の成人の肝機能障害患者それぞれ6例にペランパネル1㎎
を摂食下単回経口投与したとき、それぞれの被験者背景
に対応する健康成人と比較して非結合型ペランパネルの
AUC(0-inf)はそれぞれ81%及び228%増加、みかけのクリア
ランスは45%及び70%低下した。t½は軽度及び中等度の肝
機能障害患者でそれぞれ306時間及び295時間、対照とな
る健康成人ではそれぞれ125時間及び139時間であり、肝
機能障害患者で延長が見られた。重度(Child-Pugh C群)
の肝機能障害患者を対象とした臨床試験は実施していな
い。
(⑪)
44
表 健康成人及び肝機能障害患者の薬物動態パラメータ
総ペランパ 非結合型ペラ 非結合型ペ
ネルの
ンパネルの ランパネル
t½
例数
Cmax
AUC(0-inf)a)
のCL/Fa) (hr)
(ng/mL)(ng・hr/mL)
(mL/min)
健康成人b)
軽度肝機
能障害患
者
6
6
20.1±5.37
54.4±22.8
49.2
388±249
125±56.2
339
15.3±8.64
111±95.8
88.8
220±117
188
306±275
健康成人c)
6
21.0±5.92
52.8±36.7
42.5
487±338
392
中等度肝
機能障害
患者
6
16.3±3.40
141±20.6
139
121±18.0
295±116
120
139±145
(Mean±S.D.)
a)下段は幾何平均値を示す
b)軽度肝機能障害患者に被験者背景を対応させた健康成人
c)中等度肝機能障害患者に被験者背景を対応させた健康成人
7.腎機能障害患者
プラセボ対照試験でペランパネル12㎎/日までの用量を
投与された日本人を含む患者(部分発作又は強直間代発
作)を対象とした母集団薬物動態解析において、ペラン
パネルのみかけのクリアランスにクレアチニンクリアラ
ンス(範囲:38.6~160mL/min)の有意な影響は認めら
(⑩)
れなかった。
8.薬物相互作用
1)
抗てんかん薬
健康成人14例において、カルバマゼピン300㎎を1日2
回反復経口投与時にペランパネル2㎎を単回経口投与
したとき、単独投与時と比較してペランパネルのCmax、
AUC(0-inf)及びt½はそれぞれ26%低下、67%減少及び56%
短縮し、みかけのクリアランスは203%増加した。(外
(⑫)
国人データ)
プラセボ対照試験でペランパネル12㎎/日までの用量
を投与された日本人を含むてんかん患者(部分発作又
は強直間代発作)を対象とした母集団薬物動態解析に
おいて、ペランパネルの定常状態の血漿中濃度に及ぼ
す他の抗てんかん薬の影響について検討した。 (⑩)
また、外国で実施されたプラセボ対照試験でペランパ
ネル12㎎/日までの用量を投与されたてんかん患者
(部分発作)を対象とした母集団薬物動態解析におい
て、他の抗てんかん薬の血漿中濃度に及ぼすペランパ
ネルの影響について検討した。(外国人データ) (⑬)
結果は下記のとおりである。
表 抗てんかん薬との相互作用の一覧表a)
抗てんかん薬
ペランパネルの
血漿中濃度に及ぼす
抗てんかん薬の影響
抗てんかん薬の
血漿中濃度に及ぼす
ペランパネルの影響
カルバマゼピン
66%低下
<10%低下
クロバザム
影響なし
<10%低下
クロナゼパム
影響なし
影響なし
ラモトリギン
影響なし
<10%低下
レベチラセタム
影響なし
影響なし
フェノバルビタール
18%低下
影響なし
フェニトイン
49%低下
影響なし
トピラマート
18%低下
影響なし
バルプロ酸
影響なし
<10%低下
ゾニサミド
影響なし
影響なし
2)ケトコナゾール(外国人データ)
健康成人26例において、ケトコナゾール400㎎/日を反
復経口投与時にペランパネル1㎎を単回経口投与したと
き、単独投与時と比較してペランパネルのAUC(0-inf)は
20%増加し、t½は15%延長した。Cmaxに影響は認められ
なかった。
(⑭)
3)ミダゾラム(外国人データ)
健康成人35例において、ペランパネル6㎎/日を反復
経口投与時にミダゾラム4㎎を単回経口投与したとき、
単独投与時と比較してミダゾラムのCmaxは15%低下し、
AUC(0-inf)は13%減少した。
(⑮)
4)経口避妊薬(エチニルエストラジオール30μg及びレボ
ノルゲストレル150μg合剤)(外国人データ)
健康成人女性28例において、ペランパネル8㎎/日を反
復経口投与時に経口避妊薬を単回投与したとき、単独
投与時と比較してエチニルエストラジオール及びレボ
ノルゲストレルのC max及びAUC(0-24hr)に影響は認めら
れなかった。ペランパネル12㎎/日を反復経口投与時
に経口避妊薬を単回投与したとき、単独投与時と比較
してレボノルゲストレルのC max及びAUC(0-24hr)がそれ
ぞれ43%低下及び41%減少した。エチニルエストラジ
オールのCmaxの低下幅は20%未満であり、AUC(0-24hr)は
影響を受けなかった。健康成人女性24例において、経
口避妊薬を反復投与時にペランパネル6㎎を単回経口
投与したとき、単独投与時と比較してペランパネルの
Cmax及びAUC(0-72hr)に影響は認められなかった。 (⑯)
5)アルコール(外国人データ)
健康成人35例において、ペランパネル4~12㎎/日を単
回経口投与時に、アルコールを単回経口投与したとき、
アルコール単独投与時と比較して精神運動機能の低下
が認められた。健康成人22例において、ペランパネル
12㎎/日を反復経口投与時にアルコールを単回経口投
与したとき、アルコール単独投与時と比較して精神運
動機能は低下し、怒り、混乱及び抑うつは増悪した。
(⑰)
(参考)
ヒト肝ミクロソームにおいて、ペランパネルは
30μmol/Lの濃度でCYP2C8及びUGT1A9に弱い阻
害活性を示した。ヒト初代培養肝細胞系において、
CYP2B6に対してペランパネルは30μmol/Lの濃度で、
CYP3Aに対して3~30μmol/Lの濃度範囲で弱い誘導
能を示した。
(⑱)
【臨床成績】
部分発作頻度変化率
発作頻度
b)
変化率(%)
プラセボ群
175
-10.76
4㎎/日群
174
-17.32
-5.09
[-14.112、4.519]
0.2330
8㎎/日群
175
-28.95
-16.45
[-25.683、-7.251]
0.0003
-38.03
-24.95
[-33.878、-16.235]
<0.0001
12㎎/日群
180
a)有効性の主要な解析対象とした例数
b)治療期における28日間あたりの発作頻度の観察期からの変
化率(中央値)
c)Hodges-Lehmann法に基づき算出
d)治療及び地域を因子、順位変換後の観察期における28日間
あたりの発作頻度を共変量としたrank ANCOVAに基づき
算出したp値
また、治療期のあとに最大12㎎/日まで投与した結果、
有効性は長期(最大75週間)にわたり維持された。 (⑲)
例数b)
最小値、最大値
529
‒26.57
‒100.0 、 809.4
投与開始20~23週目a)
440
‒36.72
‒100.0 、 5851.9
投与開始24~29週目a)
434
‒43.26
‒100.0 、 2055.8
投与開始30~47週目a)
407
‒46.15
‒100.0 、 1367.1
投与開始48~55週目a)
338
‒53.85
‒100.0 、 700.8
投与開始56~63週目a)
121
‒40.00
‒100.0 、 657.9
投与開始64~75週目a)
114
‒38.28
‒100.0 、 521.1
a)投与開始日を1週目初日として起算
b)治療期に実薬群(ペランパネル群)であった例数
2.12歳以上のてんかん患者の強直間代発作に対するAdd-on
投与による国際共同第Ⅲ相試験(試験2)
強直間代発作を有するてんかん患者164例(うち日本人11
例)を対象に本剤(最大8㎎/日)又はプラセボを17週間
就寝前に経口投与する二重盲検比較試験(他の抗てんか
ん薬との併用療法)を実施した。その結果、主要評価項
目である28日あたりの強直間代発作頻度減少率は下表の
とおりであり、プラセボ群と本剤群で統計学的な有意差
が認められた。なお、各群における50%レスポンダー率
(28日あたりの発作回数が観察期と比べて50%以上改善し
た患者の割合)は、プラセボ群39.5%(32/81例)、本剤
群64.2%(52/81例)であった。
強直間代発作頻度変化率
例数a)
発作頻度
b)
変化率(%)
プラセボ群
81
-38.38
本剤群
81
-76.47
プラセボ群との 有意差検定d)
中央値の差c)
[95%信頼区間]
-30.81
[-45.490、-15.244]
<0.0001
a)有効性の主要な解析対象とした例数
b)治療期における28日間あたりの発作頻度の観察期からの変
化率(中央値)
c)Hodges-Lehmann法に基づき算出
d)治療及び地域を因子、順位変換後の観察期における28日間
あたりの発作頻度を共変量としたrank ANCOVAに基づき
算出したp値
また、治療期のあとに最大12㎎/日まで投与した結果、
有効性は長期(最大127週間)にわたり維持された。(⑳)
a)母集団薬物動態モデルからの予測値
母集団薬物動態解析によりカルバマゼピン、フェニト
イン、トピラマート及びフェノバルビタール併用によ
り、ペランパネルの血漿中濃度はそれぞれ66%、49%、
18%及び18%低下することが示された。また、ペラン
パネルは、カルバマゼピン、クロバザム、ラモトリギ
ン及びバルプロ酸の血漿中濃度を低下させた。
部分発作頻度変化率
中央値
治療期
1.12歳以上のてんかん患者の部分発作に対するAdd-on投与
による国際共同第Ⅲ相試験(試験1)
部分発作(二次性全般化発作を含む)を有するてんかん
患者710例(うち日本人245例)を対象に本剤4㎎/日、
8㎎/日、12㎎/日又はプラセボを19週間就寝前に経口投
与する二重盲検比較試験(他の抗てんかん薬との併用療
法)を実施した。その結果、主要評価項目である28日あ
たりの部分発作頻度減少率は次表のとおりであり、プラ
セボ群と本剤8㎎/日群及び12㎎/日群で統計学的な有意
差が認められた。なお、各群における50%レスポンダー
率(28日あたりの発作回数が観察期と比べて50%以上改
善した患者の割合)は、プラセボ群19.4%(34/175例)、
4㎎/日群23.0%(40/174例)、8㎎/日群36.0%(63/
175例)、12㎎/日群43.3%(78/180例)であった。
プラセボ群との 有意差検定d)
中央値の差c)
[95%信頼区間]
例数a)
例数b)
強直間代発作頻度変化率
中央値
最小値、最大値
治療期(用量漸増期)
68
‒74.60
‒100.0 、 140.0
治療期(用量維持期)
68
‒82.50
‒100.0 、 18.3
投与開始18~23週目a)
68
‒93.09
‒100.0 、 166.7
投与開始24~36週目a)
66
‒84.75
‒100.0 、 117.9
投与開始37~49週目a)
64
‒87.36
‒100.0 、 66.2
投与開始50~62週目a)
58
‒85.52
‒100.0 、 23.1
45
例数b)
【主要文献】
強直間代発作頻度変化率
中央値
最小値、最大値
投与開始63~75週目a)
30
‒100.00
‒100.0 、 23.1
投与開始76~88週目a)
30
‒100.00
‒100.0 、 33.3
投与開始89~101週目a)
14
‒100.00
‒100.0 、 51.1
投与開始102~114週目a)
13
‒100.00
‒100.0 、 219.8
投与開始115~127週目a)
4
‒89.74
‒100.0 、 ‒66.9
a)投与開始日を1週目初日として起算
b)継続投与期に移行した被験者のうち治療期に実薬群(ペラ
ンパネル群)であった例数
【薬効薬理】
1.抗痙攣作用
⑴マウスにおける音誘発強直性痙攣を抑制した。 (㉑)
⑵マウスにおける最大電撃痙攣を抑制した。
(㉒)
⑶マウスにおけるペンチレンテトラゾール誘発痙攣を抑
制した。
(㉓)
⑷ストラスブール遺伝性欠神発作ラット(GAERS)では、
痙攣抑制作用を示さなかった。
(㉔)
⑸角膜キンドリングマウスにおいて、キンドリング形成
の遅延及び痙攣重症度の軽減が認められた。
(㉕)
⑹
昇、後発射持続時間の短縮及び痙攣重症度の軽減が認
められた。
(㉖)
2.
作用機序
ペランパネルは、シナプス後膜に主として存在
するAMPA(α-amino-3-hydroxy-5-methyl-4isoxazolepropionic acid)型グルタミン酸受容体に選択的
な非競合的拮抗剤として抗てんかん作用を発揮すると推
定されている。
(㉗)
【有効成分に関する理化学的知見】
一 般 名:ペランパネル水和物(Perampanel Hydrate)
化 学 名:2(6'-Oxo-1'-phenyl-1',6'-dihydro
[2,3'-bipyridin]
-5'yl)
benzonitrile 3/4hydrate
分 子 式:C23H15N3O・¾H2O
分 子 量:362.90
構 造 式:
O
N
CN
N
2O
物理化学的性状:
ペランパネル水和物は白色~黄白色の粉末であ
アセトニトリルにやや溶けにくく、エタノール
(99.5)に溶けにくく、水にほとんど溶けない。
融 点:180℃
分配係数:log P=2.86(1-オクタノール/水系)
【承認条件】
①
②
③
④
⑤
⑥
⑦
⑧
⑨
⑩
⑪
⑫
⑬
⑭
⑮
⑯
⑰
⑱
⑲
⑳
㉑
㉒
㉓
㉔
㉕
㉖
㉗
文献請求番号
FYC‐0001
社内資料:日本人単回投与試験
FYC‐0002
社内資料:マスバランス試験
FYC‐0003
社内資料:日本人反復投与試験
FYC‐0004
社内資料:食事効果試験
社内資料:食事効果並びに投与タイミング
検討試験
FYC‐0005
社内資料:
FYC‐0006
蛋白結合率
社内資料:ラットにペランパネルを単回投与
したときの組織分布
FYC‐0007
FYC‐0008
社内資料:
FYC‐0009
社内資料:高齢者における単回投与試験
社内資料:プラセボ対照試験で日本人を含む
部分発作又は強直間代発作を有す
るてんかん患者を対象とした母集
団薬物動態解析
FYC‐0010
社内資料:肝機能障害患者における薬物動態
試験
FYC‐0011
社内資料:薬物相互作用試験(カルバマゼピ
ン)
FYC‐0012
社内資料:プラセボ対照試験で部分発作を
有するてんかん患者を対象とした
母集団薬物動態解析
FYC‐0013
社内資料:薬物相互作用試験(ケトコナゾー
ル)
FYC‐0014
社内資料:薬物相互作用試験(ミダゾラム) FYC‐0015
社内資料:薬物相互作用試験(経口避妊薬) FYC‐0016
社内資料:薬物相互作用試験(アルコール) FYC‐0017
FYC‐0018
社内資料:
社内資料:日本人を含む部分発作を有するて
んかん患者を対象とした第Ⅲ相試
FYC‐0019
験
社内資料:日本人を含む強直間代発作を有す
るてんかん患者を対象とした第Ⅲ
FYC‐0020
相試験
FYC‐0021
社内資料:音誘発痙攣に対する作用
FYC‐0022
社内資料:最大電撃痙攣に対する作用
社内資料:ペンチレンテトラゾール誘発痙攣
に対する作用
FYC‐0023
FYC‐0024
社内資料:GAERSにおける作用
社内資料:角膜キンドリングに対する作用 FYC‐0025
FYC‐0026
社内資料:
社内資料:AMPA受容体の非競合的拮抗作用 FYC‐0027
【文献請求先・製品情報お問い合わせ先】
エーザイ株式会社 hhcホットライン
フリーダイヤル 0120‐419‐497
*
【投薬期間制限医薬品に関する情報】
本剤は新医薬品であるため、厚生労働省告示第107号(平
成18年3月6日付)に基づき、平成29年5月末日までは、投薬
期間は1回14日分を限度として投薬すること。
医薬品リスク管理計画を策定の上、適切に実施すること。
【包 装】
フィコンパ錠2㎎ ……… 56錠(PTP14T×4)
・500錠
(バラ)
フィコンパ錠4㎎ ……… 56錠(PTP14T×4)
・500錠
(バラ)
製造販売元
A34339‐2
46
DI‐T‐FYC103
47