平成28年度 1 萩市立明倫小学校 研究概要 研究主題 意欲的に表現し、高め合う子どもの育成(6年次) ~書いたことを基にかかわり合う活動を通して~ 2 主題設定の理由 (1) 本校のめざす学校像から 本校のめざす学校像は「ひたむきで ぬくもりのある さわやかな明倫小学校」であり、 これを具現化するために、次の3つのめざす子ども像が掲げられている。 ・ひたむきな子 ・ぬくもりのある子 ・さわやかな子 そういった3つの子ども像から、「温かい人間関係の中で、一生懸命考えたり自分の 考えを書いたりしたことを意欲的に表現し、表現したことあたたかく受け止め、自分の 力を高めていくことのできるさわやかな学習集団」が求められている。 (2) 今日的課題から 中長期的な人口減少や資源有限化、グローバル化や情報通信技術の進展、知識基盤社会 の到来など教育をめぐる状況が大きく変化する中で、これからの社会を担う子どもたちに は、主体的に判断したり表現したりして新しい時代をたくましく豊かに生きていくことが 求められている。そのためには、基礎的・基本的な内容を確実に身に付けさせ、これらを 活用して課題を解決するために必要な思考力・判断力・表現力等を育成すること、主体的 に学習に取り組む態度を養うことが重要であることが学習指導要領に明記されている。 (3) 研究の経過と本校児童の実態から 本校では、平成 23 年度から 27 年度の5カ年にわたり、研究主題を「意欲的に表現し、 高め合う子どもの育成」としてきた。平成 23 年度は、 「書く」活動の充実を図ることに重 点を置き、全クラスで「まず、」「次に、」の接続語プレートを活用し、考えを整理して書 くときの手だての一つとしてきた。平成 24 年度は、 「高め合う」活動に重点を置き、一人 ひとりの考えを全体の場で生かす方法を研究してきた。平成 25 年度は、副主題を「書い たことを基にかかわり合う活動を通して」とし、「書く」活動と「かかわり合う」活動両 面の充実を図ってきた。そして、平成 26 年度、27 年度は、研修主題も副主題も 25 年度と 同様ではあるが、「より確かなめあて提示の仕方」を重点項目とし、研修を進めてきた。 この5年間を通して、1時間の授業の流れを「めあて提示」、 「一人学び」、 「とも学び」、 「まとめ」の基本型とし、「一人学び」では、書く活動を通して一人ひとりが自分の考え をもち、自分の考えをまとめたり整理したりすることができ、 「とも学び」 (ペア学習、グ ループ学習、全体学習)では、友だちとかかわり合う活動を通して一人ひとりが自分の考 えを深めたり広げたりすることができつつある。「めあて提示の仕方」についても「めあ てシート」の作成等、研修を積むにつれて、より主体的で分かりやすいめあて提示の仕方 についての方向性を見い出すことはできつつある。 しかし、1 時間の授業においては「めあて」とともに「まとめ」も重要である。1 時間 の授業の中で、児童がめあてを自覚し、そのめあてに対して自分がどのように変容したか を自覚すること、 「できた」 「わかった」という喜びを感じることが重要であると感じてい る。 3 副主題について 以上の成果と課題により、本年度も研修主題である「意欲的に表現し、高め合う子ども」 を「めざす子ども像」(目的)とし、副主題である「書いたものを基にかかわり合う活動」 を通して(手段)、めざす子ども像に迫ることとする。 その際、6年次においては、過去5年間の研究の成果を教職員間で十分に共有し、6年次 だからこそより明確に研究主題に迫れるように、研修を積んでいく必要があると強く感じて いる。 4 本年度研修の重点 「書いたことを基にかかわり合う活動」を行うには、 「書く」活動、 「かかわり合う」活動 の「場の設定」とそれぞれの活動の充実を図る「教師の手だて」が必要である。 そのためには、以下に示す 1 時間の授業の流れを基本とし、「書く」活動や「かかわり合 う」活動は、 「めあて達成のための活動」であるという共通認識のもと、教師の手だてを十 分に行うことが必要である。しかし、これまでの研修の反省から、活動の充実をいくら図っ ても目的が明確でなければ意味がないことを痛感してきている。また、児童自身が目的を達 成したかを自覚することも必要である。 そこで今年度は、「書く」活動や「かかわり合う」活動を充実させるための出発点(目的) ともなる「より確かなめあて提示の仕方」とともに「めあてに対するまとめ」を研修の重点 に据えて、より一層研修を深めていきたい。 ●めあて提示 → 今年度研修の重点 ●一人学び:「書く」活動 ●とも学び:「友だちとかかわり合う」活動 ●まとめ:めあてに対するまとめ 振り返り 授業評価 5 研究の基本方針 (1) 研究の方法 ① 研究主題および副主題の共通理解を図り、日々の授業実践を通してその有効性を検 証する。 ・授業実践は、国語科と算数科を中心とすること (研究授業は、国語科か算数科。 一人 1 授業では、国語科、算数科以外でも研修テーマに沿っていればよい) ・研究授業は、年に3回行うこと(低学年・中学年・高学年) ・年に 1 回以上の公開授業を行うこと(一人 1 授業) ・公開授業にあたっては、学習指導案(総案・略案)を書くこと ② 研究授業においては、授業実践に先立って、学習指導案の検討をブロックごと(研 修部のメンバーを含む)に十分に行い、研究授業に臨む。 ③ 研修課題についての研修会を随時設定したり、日々、授業実践をお互いに報告した りすることによって、研究がさらに深められるようにする。 (2) 「めざす子ども像」の系統性 児童の発達段階を考え、次のように系統立てて「めざす子ども像」を示した。 ただし、教科の特性を生かすという視点から「高め合い」においては、教科ごとに「高 め合い方」に違いが見られると予想されるが、以下に示す「高め合いの姿」は各教科に おける基本の姿である。 低学年 中学年 高学年 友達の考えの中で大事なことを落とさないように聞き、 大事なことが分かる子ども 友達の考えと自分の考えが同じか違うかを明確にしながら聞き、 友達の意見とつなげて考えることができる子ども 友達の考えと自分の考えを比べながら聞き、自分の考えを修正したり、 補足したり、強化したりすることができる子ども なお、 「めざす子ども像」は「子どもたちの高め合っている姿」であるから、高め合っ たこと」を見取るためには、「まとめ」の部分で「めあてに対するまとめができること」 や「振り返りで自分自身の高まりを実感できるようにすること」や「授業評価シートに 書かれたこと」を手がかりとし、それを積み重ねていくことは、前にも述べてきた。 6 研修計画 月 4 内 容 実施予定日 ●研修主題・副主題の確認 4月5日(火) ・共通実践事項についての 学習規律・学習用具の共通理解 実践 共通実践事項の確認 5 備考 (5月9日 ●研修概要の提示(28 年度研修計画) 4月 25 日(月) ・授業研究担当者 まで) 決定 一人1授業の計画 ●全国学力・学習調査の採点 6 ◇第1回 (〆切 5月9日) 校内授業研究会(第○学年) 6月 22 日(水) ・該当学年を含むブロック 学年、研修部員、希望者 による指導案検討会 ・方向性を確認 8 ●松陰教学 8月1日(月) ・松陰教学(講師招聘) 校内人材活用研修会 ・校内教員が講師役となり 幅広く研修をする。 ●全国学力・学習調査結果の分析 8月 24 日(水) ・各種テスト結果の分析を (6年) 実施し、課題を確認 やまぐち学習支援プログラム確認問 題の分析(3~5年) 11 ◇第2回 校内授業研究会(第○学年) 11 月 16 日(水) ・該当学年を含むブロック 学年、研修部員、希望者 による指導案検討会 ・講師招聘予定 ●学力定着確認問題結果の分析 11 月 30 日(水) ・成果と課題の明確化 (3~6年) 1 ◇第3回 校内授業研究会(第○学年) 1月 25 日(水) ・該当学年を含むブロック 学年、研修部員、希望者 による指導案検討会 ・講師招聘予定 2 ●授業実践報告会 2月 15 日(水) ・一人1授業の実践報告会 ●今年度の反省と来年度の計画 3 ●本年度研修の重点について 3月8日(水) ・本年度の研修の重点の振 り返り 研修の全体構想図 意欲的に表現し、高め合う子どもの育成(6年次) ―書いたことを基にかかわり合う活動を通して(国語科・算数科を中心に)― 萩市立明倫小学校 1 研究の意図 【今日的課題】基礎的・基本的な内容を確実に身に付けさせ、これらを 活用して課題を解決するために必要な思考力・判断力・ 表現力等を育成すること 【児童の現状】継続研究により、めざす子ども像に少しずつ近づいてい るが、まだ十分とは言えない。 2 研究の内容 平成28年度 めあて提示 研修の重点 「より確かなめあて」提示 めあて達成の 「書く」活動の充実を図る ための手段 「かかわり合う」活動の充実を図る めあて達成の ための手段 平成28年度 研修の重点 まとめ めあてに対するまとめ 継続 意欲的に表現し、高め合う子どもの育成
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