2016 年 データ構造とアルゴリズム 小テスト(第一回) 模範解答 1 マッチング 問 1-1 女性のグループは (Alice, Becky, Carol), (Alice, Becky), (Becky, Carol), (Carol, Alice) の 4 通り.これ らのグループで場合分けを行い,いずれの場合も選好を操作してもグループの全員がより好ましい男性とペア になることが不可能であることを示す. (i) (Alice, Becky, Carol) のとき Alice と Becky のより好ましい男性は John である.したがってこの二名が同時により好ましい男性と ペアになることは不可能. (ii) (Alice, Becky) のとき (i) と同様にしてグループの全員がより望ましい男性とペアになることは不可能. (iii) (Becky, Carol) のとき Becky のより好ましい男性は John,Carol のより好ましい男性は Lee である.ここで選好を操作するこ とで Carol と Lee がペアになるとする.このとき Alice は John を第 1 希望としているので,Becky が John にプロポーズしても John とペアになることはない.したがってグループ全員がより好む男性とペ アになることは不可能. (iv) (Carol, Alice) のとき Carol のより好ましい男性は Lee,Alice のより好ましい男性は John である.ここで選好を操作するこ とで Alice と John がペアになるとする.このとき Becky は第 1 希望の John に断られるので第 2 希望 の Lee にプロポーズを行う.このとき Carol は Lee に断られてしまうので,グループ全員がより好む男 性とペアになることは不可能. 問 1-2 (Alice, Becky, Carol) のグループを考える.選好を操作して Alice, Becky, Carol がそれぞれ Ken, John, Lee を第一希望にしたとする.このとき Alice-Ken, Becky-John, Carol-Lee のペアからなるマッチングが得 られる.Becky, Carol はより好ましい男性とペアになり,Alice は正直に行動した場合と同じ男性とペアにな ることが可能. 1 2 川渡りパズル 問2 グラフは図 1 に示す.最短経路の長さは 7. 図1 川渡り 3 アルゴリズム設計 問 3-1 アルゴリズムを以下に示す. STEP1 N umM erge = 0 とする. STEP2 A, B を読み取り機械に入れてそれぞれのデータを 2N umM erge 個ごとに区切ってソートしていく. それぞれ 2N umM erge 個のデータを読み取るまで 1 つずつデータを読み取って比較し,小さいほう のデータを C に書き込む(C が排出されたら続きを D に書き込む).一方のテープから 2N umM erge 個読み取ったら他方のテープから 2N umM erge 個になるまでデータを読み取り C に書き込む.次の 2N umM erge 個ずつのデータについても同じ操作を行う.これをテープ A, B が排出されるまで行う. STEP3 N umM erge = N umM erge + 1 とする. STEP4 N umM erge = 7 なら操作を終了する.そうでないなら A と C,B と D の役割をそれぞれ入れ替え て STEP2 に戻る. 2 問 3-2 N umM erge = 7 のとき操作を終了する.つまり STEP2 の操作を 7 回行うことになるが,1 回の操作で各 テープはちょうど 1 回セットされる.したがって A がセットされる回数は 7 回. 4 Θ 記法 ある定数 c1 , c2 , n0 が存在し,任意の n ≥ n0 に対して式 (1) が成立することを示す. c 1 n2 ≤ (1) 式を n2 で割ると c1 ≤ 1 3 − 2 n 1 2 n − 2n ≤ c2 n2 3 ≤ c2 となる.c2 ≥ 1 3 なら n ≥ 1 に対して右辺の不等式が成立.c1 ≤ なら n ≥ 7 に対して左辺の不等式が成立.したがって c1 = 3 1 21 , c2 (1) 1 21 = 13 , n0 = 7 とすれば式 (1) が成立する.
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