きょうされん第 39 回総会 アピール

きょうされん第 39 回総会
アピール
わたしたちきょうされんは、本日、第 39 回総会を開催しました。
全国各地の会員を代表する代議員が東京・中野サンプラザに集い、新しい年度にあたり、わたしたちが何をしなけ
ればならないか、わたしたちが置かれている現状をまなび、各地からの経験を持ち寄り、熱い議論を交わしました。
2016 年度、きょうされんは以下のことに重点を置き、運動や事業を進めていくことを確認しました。
・日本国憲法公布 70 年の今年、わたしたちは、憲法について学び、考える場を設け、9条と 25 条
を含む憲法全体を守り、発展させるとりくみの一翼を担います。
国会に諮ることなく、集団的自衛権の行使容認を閣議決定する内閣。
議事録も取れない状況で成立とみなした安全保障法制。
国会議員が、連名で憲法に則って臨時国会の開会を要求したにもかかわらずこれが拒否されたなど
いま、憲法無視の国会運営がはびこっています。
さらに、憲法の価値がますます高まるなか、内閣総理大臣は在任中の改憲を明言しています。
他方、安保法制成立以後もこれの廃止をめざす動きが各地に広がり、とくに沖縄の普天間基地の辺野古移設反
対のとりくみは、米軍軍属による蛮行を許さない運動とも相まって大きな広がりに発展しています。
また、社会保障制度の基盤である 25 条も改憲の危機にさらされています。生活保護や高齢者福祉などの他
の分野との連携をさらに強め、社会保障における公的責任のあり方を明らかにし、社会福祉、社会保障に市場
原理を持ち込むことを許さないとりくみを進めます。
・東日本大震災5年の節目の年に熊本地震が勃発しました。わたしたちは、東日本大震災の復興と
熊本の復旧・復興とを一体化させながら、関係団体と連携して支援活動を展開していきます。
4 月 14 日および 4 月 16 日に震度 7 を観測する地震が熊本県を中心とした九州地方を襲いました。
きょうされんは、いち早く安否確認および現地への支援活動をスタートさせ、とくに九州ブロックの強いつな
がりは力を示し、被災地に必要な物資を運び、届けることができました。
地震から 1 カ月余が経つ現在もなお自宅に戻れない利用者・家族・職員がいます。
そうした中にあっても、地域のひとたちの避難所となり、炊き出しを行ない、住民の安否確認に回るきょうさ
れんの仲間の姿があります。わたしたちは、被災地の仲間たちの奮闘を全国から支え、真の復興をめざしてい
きます。また、10 月 22 日・23 日には、その熊本で第 39 回全国大会を開催します。全国各地からの参加で熊
本を元気にしましょう。
・わたしたちは、障害者権利条約を多くの市民に広げ、障害のある人の暮らしに安全と安心をもた
らすよう、国内の障害関連政策を条約批准国にふさわしいものにするために力を尽くします。
障害者権利条約を批准して 2 年余。政府は国連障害者権利委員会に実施状況に関する政府報告を提出しなけれ
ばなりません。わたしたちは、政府報告を受け、他の障害団体との連携のもとパラレルレポート作成に着手し
ています。また、権利条約についての学習を重ね、これに照らして自らの実践・経営・運動に総点検を加える
とともに、権利条約の大切さを地域のすみずみに広げていきます。
国会では、障害者総合支援法3年後見直しの審議が大詰めを迎えています。障害者差別解消法施行の年にもか
かわらず、衆議院では、総合支援法の審議の際に、参考人として立つはずであったALSの人が出席拒否にあ
いました。また、審議のなかで、厚生労働大臣が基本合意文書をきちんと読んでいないということが明らかに
なりました。この法案が成立したとしても、わたしたちは、引き続き基本合意と骨格提言に沿って改正や改善
をねばり強く求めていきます。また、きょうされんが行なった 14700 人を対象にした障害のある人の実態調査
では、前回の調査とほとんど変わらず、低所得の状況が固定化していることが明らかになりました。わたした
ちは、本格的な所得保障制度の確立と、家族への依存からの脱却をめざしていきます。
・障害のある人一人ひとりの願いを実現するために、わたしたちは、あらためてきょうされんに結
集することの意義を確かめ合い、全国の仲間とつながり、これまでに増して強靭な運動をつくり
ます。
わたしたちは、全国の仲間を増やし、会員の要求に基づいた組織や運動を創り、会員の資金づくりと運動の財
源確保を統一した事業活動を展開します。とくに、運動の担い手、次代の担い手を確かなものとしていくため
のとりくみに最大限の力を注ぎます。
今総会で深め合ったこと、決めたことを明日からの運動や実践を通して着実に成し遂げていきましょう。
2016 年 5 月 25 日
きょうされん第 39 回総会 参加者一同