障害のある人の命と人としての権利を否定することにつながる 安全保障関連法の成立に抗議します 本日、国会で安全保障関連法が成立しました。わたしたちは、この法律の成立に強く 抗議します。 この法律は、日本が外国の戦争に巻き込まれることにつながり、日本を戦争のできる 国にする「戦争法」です。この法律がもっとも大切な国のルールである憲法に違反して いることは、憲法にくわしい多くの学者などが指摘しています。若者をはじめたくさん の人が、国会議事堂前や全国各地で連日、この法案への反対をアピールしていました。 こうした指摘や反対の声を無視して、安倍政権や与党はこの法案を強行に採決して、 成立させました。こんな大切なことをじっくり話し合うことも、国民の意見や声を聞く こともせずに決めてしまうことに、わたしたちは心の底から怒っています。戦争に行く かもしれない若者、まっさきに命や人としてのほこりをうばわれる障害のある人の声を 無視した、民主主義を踏みにじるあまりにひどいやりかたです。 70 年前の戦争のとき日本では、障害のある人は戦争のじゃまになる穀つぶし、役に 立たない非国民といわれました。戦争や国のために役に立つかどうかで、人の価値をき める哀しい時代でした。ドイツではヒトラー政権は外国と戦争をするいっぽうで、まず 障害のある人を 20 万人以上殺し、これに続いて 600 万人ものユダヤ人を殺しました。 戦争により障害のある人があらたに増えることになります。 戦争は障害のある人の命と、人としての権利を否定します。 障害のある人を大切にしない社会は、弱くてもろい社会と言えるでしょう。 わたしたちは、障害のある人が平和な社会でしか生きられないことを知っています。 戦後 70 年の節目の今年、戦争で障害のある人、その家族がどんな暮らしを強いられ たか、どんな扱いを受けたか、わたしたちはあらためて学びました。あまりにひどい事 実にショックを受けました。そして、二度とあやまちをくりかえしてはいけないと誓い ました。 法律は成立しましたが、おおくの若者や障害のある人たちが法案に反対するために行 動した事実は、未来への希望です。わたしたちは、おおくの市民のみなさんと手をつな いでこれからも憲法をまもり続け、平和な国をめざします。 2015 年9月 19 日 きょうされん常任理事会
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