PDF:113KB - 防衛省・自衛隊

件 名:
大
臣 臨
時
会
見
概
要
日 時 平成 28 年 5 月 21 日 2251~2303
担
当 大臣官房広報課
場 所 A棟1階ロビーぶら下がり
備
考 日米防衛相電話会談
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発表事項
先ほど、22時から22時20分まで、アメリカのカーター国防長官と電
話会談をいたしました。冒頭、私から、沖縄で起りました、米軍属の凶悪な
逮捕事件につきまして、極めて残忍で、そして凶悪な事件の発生、これは言
語道断で、あってはならず、極めて遺憾であるということを述べまして、強
く抗議をいたしました。また、米軍人、また、軍属の綱紀粛正並びに、再発
防止に徹底して、取組んでいただきたいということを強く求めました。これ
に対して、カーター長官からは、「本件は、大変いたましく遺憾な事件であり、
亡くなられた被害者の御家族、そして、被害者御本人、心から深い謝罪の意
を表明するとともに、事件の捜査に、全面的に協力をする」という発言があ
りました。また、「二度とこのような事件が起きないように、米軍人のみなら
ず、米軍属による、事件・事故の再発防止に取組んでいく」という発言があ
りました。また、私とカーター長官は、日米同盟が地域の平和と安全のため
には、不可欠な役割を果たしていることを再確認をするとともに、沖縄をは
じめとする、地元の負担軽減を含めて、日米同盟を強化するための取組みを、
引き続き、続けていくことで一致いたしました。その上で、私とカーター長
官は、来月初旬のシャングリラ会合の際に、日米防衛相会談を実施するとい
うことで一致いたしました。
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質疑応答
Q:カーター長官から、謝罪が伝えられたということなのですけれども、こ
れは、これまでのドーラン司令官などと遺憾の意とは違った表現だったと
いうことでしょうか。
A:英文におきましても、「apology」という言葉がありまして、亡くなられ
た被害者、そして御遺族に、心から謝罪、「apology」の意を表明するとい
う発言がございました。
Q:再発防止策をどのように作っていくかとか、そういった具体的なお話は
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ありましたでしょうか。
A:本日、私が、ニコルソン四軍調整官と会談した内容をお話いたしまして、
その内容におきましては、米軍人、そして、軍属を含むものにつきまして
の、再発防止に取組んでいくことについて、全面的に賛成であるというこ
とで、今後、私から、ニコルソン四軍調整官の取組みを支援していただき
たいと申し上げましたら、カーター長官から、「それに賛成である」と。そ
の取組みを、支援していくという旨の発言でありました。
Q:今回、謝罪の意が表されたということなのですけれども、これについて
大臣はどのように受け止められていますか。
A:いかに今回の事件が残忍で、非常に凶悪な内容であって、日本も重く受
け止めておりますが、アメリカも、それ以上に、深刻に重く受け止めてい
るということだと思います。
Q:今後、日米同盟、安全保障環境が厳しくなるという中で重要だと思うの
ですけれども、沖縄県民、日本国民の信頼回復というのは大事だと思うの
ですが、その信頼回復と日米同盟の強化、これをどのように進めていくお
考えでしょうか。
A:日米同盟は、日本の安全保障にとりまして、非常に重要なものでありま
すので、今後とも、日米の安保体制というものは、しっかりしていかなけ
ればならないと思います。一方で、それに対する国民の信頼、特に、沖縄
に基地が集中しておりますので、沖縄県の皆様方から、信頼を得るという
ことが大事であります。これはやはり、地道に、こういった事故が起らな
いように、安心して暮らせる環境を、しっかり作っていくということで、
今までも、こういった事件・事故を起こしてはいけないという意識の基に、
取組んでおりましたけれども、今後、更に、それを徹底して、二度とこの
ようなことがないように、努めていくということで、一つ一つ確実に対応
していくことが大事だと思っております。
Q:昨日、ニコルソン四軍司令官からは、副知事に対して謝罪という言葉が
ありましたけれども、防衛省に対して、高いレベルでは、今回初めての謝
罪なのですか。はっきりとした言葉としてですね、「apology」という謝罪
の意だと思うのですけれども。これは日本側から遺族感情を、県民感情へ
配慮して謝罪をはたらきかけたのか、それとも、アメリカから言われたも
のなのか、どちらなのですか。
A:アメリカの国防長官として、まさに、アメリカを代表して発言をされた
ことでございますので、アメリカの姿勢であると認識をしております。
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Q:シャングリラで、この件について、何か協議をするということも、今回
の電話会談ではお話をされたということでよろしいでしょうか。
A:様々なテーマがありますけれども、沖縄の問題、また、こういった米軍
人、軍属等の事故防止は、一つのテーマではないかと私は思っております。
Q:カーター長官が、シャングリラの前に、日本に訪れるというような一部
報道もありましたが、それはなくて、シャングリラで防衛相会談というこ
となのでしょうか。
A:従来から、米国との間では、高官の往来も含めまして、様々なやりとり
を行ってきておりまして、私とカーター国防長官が、直接会談をする機会
を持つということは重要と考えておりますが、カーター国防長官の訪日自
体が、そもそも確定したわけではなくて、沖縄県において、米軍属が逮捕
されたことを受けて、カーター国防長官が、訪日を取り止めたというよう
な事実もありません。こういった防衛相会談というのは、わが国の防衛政
策と、米国について、協議をする重要な機会でありますので、忌憚のない
意見交換を行いたいということであります。
Q:日米安保の重要性だとか、負担軽減についてお話されたということなの
ですけれども、辺野古だったり、嘉手納以南だったり、具体的な基地名を
出して、お話はされたのでしょうか。
A:もちろん、これは重要なテーマでありまして、沖縄の基地負担軽減、在
日米軍の再編は、既に、計画を作って、逐次、事業として進んできており
ますので、そういった状況についても、私から、話をしてまいりますし、
今後、更に、沖縄の基地負担軽減について、米側と協議してまいりたいと
考えております。
Q:普天間の移設について、辺野古が唯一の選択肢ということについては、
今回の電話協議でも、確認されたのでしょうか。
A:今回は、発生した犯罪に対して、非常に重く受け止めるということで、
私から、抗議をいたしまして、綱紀粛正を求めたわけで、それに対して、
米側の考え方を聞いたということで、それが一番大きなテーマでした。
Q:副知事から、全基地撤去など、県内から厳しい声が上がっていると思う
のですけれども、それについては、長官には伝えているのでしょうか。
A:これは、私の意見でありますが、やはり、日本の安全保障を考えた場合
に、非常に、その環境が大変厳しいものになってきておりまして、長らく、
沖縄が、米軍の施政下に置かれて、現在も、多くの施設・区域が集中して、
沖縄県民の方にとって、大変大きな負担となっている事実は、重く受け止
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めておりますが、一方で、沖縄の地理的な特性は、米本土、ハワイ、グア
ムに比べて、アジア、東アジアに近いと。また、近すぎないという地理的
な問題、また、海兵隊の特性、こういうことで、やはり、日米同盟の抑止
力を構成する重要な要素で、わが国と、平和と安全を確保する上で、私は
必要なものと考えております。なお、沖縄の基地負担軽減ということで、
日米間で協議をして、負担軽減をする計画は、既にできて、それを一つ一
つ、実行しようと進めておりますので、今後とも、日米同盟の抑止力は維
持しつつ、沖縄の負担軽減を進めていくことで、今後とも、沖縄における、
米軍基地の整理・統合・縮小には、取組んでまいりたいと考えています。
Q:沖縄県民の信頼回復には、何が一番重要だとお考えですか。
A:今日、協議をした中で、米軍と日本の友好のために、いろいろな企画が
あって、たくさんの方が基地を訪れて、友好に努めている、行事をしてい
るのだという話がありました。やはり、何と言っても、信頼関係が大切な
ことでありますので、一つ一つ、信頼をいただいていくということと、今
回のことにつきましては、米側が、こういった御遺族の心情に寄り添った、
心を尽くした対応を行いまして、何と言っても、二度と、こういった犯罪
が発生しない対応を実施する、綱紀粛正と再発防止策を、しっかりと打ち
立てて、徹底するということが大事なことだと考えます。
以
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上