件 名: 大 臣 会 日 時 平成 28 年 7 月 15 日 1129~1152 担 当 大臣官房広報課 場 所 防衛省記者会見室 備 考 1 見 概 要 発表事項 昨日、インドで防衛相会談を行ってまいりました。通算4度目の防衛相会 談ということで、パリカル国防大臣と話合いをいたしました。日本とインド の関係は、2014年の9月から、「日印特別戦略的グローバルパートナーシ ップ」で、地域及び国際社会の課題に取組んできておりまして、まず地域情 勢、先般のバングラデシュのテロ事件において、日本もインドも、両方の国 民が犠牲になったことについて、哀悼の意を表するとともに、国際テロの情 勢について意見交換をいたしまして、連携を強化していくという必要性を確 認いたしました。また、南スーダンPKOにつきましても、インド隊が同じ 敷地内にいるというようなことでありまして、今後とも、PKOについて協 力をしていくということを確認いたしました。また、海洋安全保障につきま しては、両国は海洋国家で、自由で開かれた海洋秩序の維持に貢献するとい う戦略的利益を共有するということで、東シナ海、南シナ海を含むインド太 平洋地域における最近の情勢について意見交換をし、南シナ海につきまして は、先日発表された、フィリピンと中国の仲裁裁判の最終判断で示された法 の支配の重要性を確認するとともに、紛争の平和的解決を求めていくという ことで一致いたしました。この他に、防衛交流・協力、ハイレベルから各軍 種間の交流・協力等を実施していくと。着実に今後とも実施していくと。ま た、マラバールにおきましては、来年から、日米印の3ヶ国の海上共同訓練 とするということ。また、自衛隊が実施または参加する訓練へのインド軍の オブザーバーの招待、航空自衛隊輸送機のインド空軍基地への寄航を含むア セットの交流など、陸・空の部隊間交流も追求していくということ。防衛装 備におきましては、防衛装備庁とインド国防省国防生産庁との間の協議を、 早ければ8月にも開催できればということで、お互いに協力案件の特定に向 けた議論を進展させていくと。US-2につきましても、インド側の国防調 達委員会を早期に開催して、両国の検討を加速させていただきたいというこ 1 とでありまして、非常に、今回の会談を通じまして、意見を一致いたしまし た。また、今回新たに、海洋の戦略協議を立ち上げようということで、毎年 相互訪問をいたしまして、両防衛当局間における「海洋戦略協議」を新たに 設けるという方向で一致をいたしました。以上がインドとの会談の成果であ ります。 2 質疑応答 Q:南スーダンの邦人輸送についてなのですが、日本時間の昨晩、C-13 0輸送機で、南スーダンに滞在していた日本大使館員を輸送しましたけれ ども、今後、さらにC-130による国外退避の予定というのはあるので しょうか。また、在留邦人の陸上輸送の部分で、新たに部隊の現地派遣を 検討、または予定というのはしているのでしょうか。 A:昨日、C-130輸送機を1機、ジブチからジュバに移動させまして、 在南スーダンの大使館員4名を乗せて、同日の23時30分頃、日本時間 ですけれども、ジブチに到着いたしました。C-130輸送機の待機態勢 の継続につきましては、邦人の安全確保を最優先にしておりまして、南ス ーダンの情勢、また、在留邦人避難の所要等を踏まえまして、適切に判断 していくと。現時点で、次回の航空輸送の予定は決まっておりません。ま た、陸上輸送も、行う予定はございません。そして、新たな部隊の現地派 遣を行う予定もありません。今後、さらに在留邦人避難・退避の所要が生 じる際には、在外公館、そして国連・自衛隊等と密接に連携しながら、迅 速に対応していきたいと考えております。 Q:確認なのですけれども、陸上部分の輸送なのですけれども、現時点で新 たな部隊派遣の予定はないということですが、それはあくまで現時点でと いうことでしょうか。それとも、今後とも、ないということでしょうか。 A:現在、残っている邦人につきましては、JICAのチャーター機で、援 助関係者93名が退避をいたしました。その後、C-130によりまして、 4名移動しておりまして、残された邦人も必要最小限度で、しっかりと政 府で所在等を把握いたしているわけでございまして、現地の状況は、現在、 比較的落ち着いている状況でございます。また、現地の危険情報を一段引 き下げをいたしまして、ホワイトからグレーに下げたと承知しております。 いずれにせよ、引き続き、慎重に情勢を注視していきたいと考えておりま 2 す。 Q:先ほど、日印の防衛相会談で、バングラのテロを受けて、連携を深めて いくことを確認したということでありました。昨日なのですけれども、フ ランスのニースで、テロと見られる事件がありました。これについての受 け止めをお願いします。 A:このような無辜の一市民を対象とした非常に残忍なテロ行為は、到底容 認できませんし、このような事件が繰り返し起こっていることに対して、 強く憤りを感じております。このようなテロ行為につきましては、決して 屈することなく、やはり、国際社会において、このようなテロが起こらな いということに向けまして、私は各国としっかり連携をして、テロが発生 しないような状況を作っていくべきだと考えております。どのような手段 でというと、まず第一に、情報をよく収集・分析等を行っていくというこ と、そして、各国とも、相次ぐテロ事件を踏まえまして、国際テロ情勢に ついて深く意見交換をすると。そして、根絶に向けて、連携を強化してい くという必要があるのではないかと思っております。 Q:確認なのですけれども、フランスで起きた事件というのは、テロ行為と いうふうに、日本政府としては断定しているのでしょうか。 A:フランスのニースにおきまして、トラックによる突入事件が発生したと いうことは承知をいたしております。また、多数の犠牲者が生じた旨も承 知をしておりまして、亡くなられた方に対して、心から哀悼の意を表した いと思います。テロの可能性は、否定をすることはできません。しかし、 まだ、断定をしたというわけではございません。防衛省としては、引き続 き、関係機関、関係省庁とも意見交換、情報交換をしつつ、情報収集を含 めて、必要な対応をしてまいりたいと考えております。 Q:テロとの関係なのですけれども、バングラでのテロ事件の時に、大臣、 防衛駐在官の配置について言及されていましたけれども、防衛駐在官の増 員とか、再配置に向けた何かお考えというのは、今、どういうふうになっ ているのでしょうか。 A:政府として判断する上においても、確かな情報が必要でございます。特 に、テロ等の情報におきましては、各国警察機関や軍が、治安・安全とい うことで、国際テロの情報等を有しておりますので、やはり、わが国とし てもしっかり、このようなテロの情報を入手しなければならないと。その 3 ためには、防衛駐在官は、各国の軍と常時接触することは可能であります ので、非常に、情報の入手という点におきましては、今以上に、私としま しては、配置をして、情報収集に努めるという必要があると思います。今 日も、モンゴルにおいて、防衛駐在官の増員について、総理が言及をされ ましたが、モンゴルにおいても増員するようにしておりますし、また、現 在、防衛駐在官がいないところにおいても、兼轄ということで、できるだ け、そういった新規の増員等におきましては、厳しい定員の事情や、適切 な人材の計画的確保に伴う制約もありますけれども、こういった情勢等を 総合的に勘案して、情報収集の必要性等から、できるだけしっかりできる ように努めてまいりたいと考えております。 Q:防衛駐在官の、今以上に配置する必要があるというのは、来年度の概算 要求案に、そういうことを盛り込みたいというお考えでしょうか。 A:やはり、必要なところにおきましては、防衛駐在官が必要でありまして、 現にバングラデシュにおいても、駐在官が不在のところがございました。 総合的に、いかなる地域に必要であるのか、しっかりと検討した上で、必 要なところについては、配置をしたいと思っております。こういった体制 につきましては、地域等の情報収集・分析能力の強化ということで、どう しても、要員を増やしていく必要がございますので、内外でこのような情 報に係るような要員の配置・体制につきましては、検討していきたいと考 えております。 Q:普天間飛行場の移設問題についてお伺いしたいのですけれども、昨日、 沖縄県の方で、和解条項に伴う作業部会が開かれたのですが、その中で、 辺野古の移設計画の中で、陸上部分の工事を一部再開するということで、 政府の方から説明があったのと思うのですが、再開する工事の内容につい ては決定するのでしょうか。 A:昨日の部会におきまして、政府側から、埋立工事と直接関係のない工事 である、キャンプ・シュワブ陸上施設の再編工事を再開する考えを県に伝 えました。本日午後に、沖縄防衛局から沖縄県側に対して、さらなる詳細 な説明をする予定であります。再開する具体的な工事は、着工済の敷地の 造成、また、建物工事が挙げられますが、防衛省といたしましては、和解 の当事者である沖縄県側との認識が異なることがないように、丁寧に説明 をして、適切に対応してまいりたいというようなことで、今日午後、沖縄 4 県に詳細について説明に上がるという予定です。 Q:沖縄県側の方は、辺野古の移設に関わる部分については、和解条項に係 ってくるのではないかということで話をされている部分もあるのですが、 これについては、造成という部分については、埋立に関わる部分ではない という認識でしょうか。 A:その通りです。和解で示されたのは、埋立工事を中止するということで ありまして、埋立工事と直接関係の無い、陸上の宿舎などの建設・建築、 これは、実施しても許されるのではないかという認識で申し入れをしたと いうことであります。 Q:関連してなのですけれども、造成工事は、埋立には直接関係のないとい うお話だったのですが、それは、全く、滑走路を作るために移動させる部 分ではなくて、それ以外の部分、古くなった老朽化した部分とか、そうい うことでよろしいでしょうか。 A:全体の再編計画の中で、進められているところでございまして、キャン プ・シュワブの陸上においての、海兵隊の隊員宿舎の建設工事でございま す。また、その中で、施設の再配置があるということで行っておりまして、 その点におきまして、計画に従って工事をしておりましたので、その部分 においては、工事をさせていただきたいということであります。 Q:工事の再開に当たってですが、そこは先ほども、和解の当事者である沖 縄県との認識が異ならないようにとお話がありましたが、これには、県の 同意というのが必要なのでしょうか。 A:和解の関連の中で、海上の工事を停止しましたが、それと併せて、陸上 部分も停止をしたわけでございます。そういう中で、施設の再配置という ことで、この点において、海上の埋立工事ではないという点において、沖 縄県にご理解いただくように、今、説明をさせていただいているというこ とであります。 Q:確認なのですけれども、県も、これが和解条項に当たらないというよう な認識を、県が示す必要というのは工事再開には必要でしょうか。 A:我々、沖縄県に説明をさせていただきます。その後、工事の進行に支障 のない範囲で、具体的な時期等も明らかにしてまいりたいと思いますが、 いずれにしましても、県側と話合いをした上で、実施をしたいと思います。 Q:再開に当たって、何らかの入札をしたりだとか、事務的作業というのは、 5 今後必要になっていくのか、それとも、和解で中止しているだけなので、 やると決めればすぐできるようなものなのでしょうか。 A:今日午後、沖縄県側と話をさせていただきますので、そういったことも 踏まえまして、今後の工事の進め方等、検討してまいりたいと思います。 Q:イスラエルとの間の無人機の共同研究とか、共同開発について、大臣御 自身の考え方を聞かせてください。 A:基本的には、装備移転三原則に基づいて、対応していくということであ ります。 Q:基本的には、進めていくという考え方か、それとも、やらないという考 え方なのか。 A:現状等につきましては、各国において、いろいろな情報、また協定等も 行いながら、検討はしております。 Q:イスラエルとの無人機の共同研究・共同開発を進める立場か、進めない 立場かという質問です。 A:現時点では、計画はありません。しかし、各国とも今後、将来、わが国 の装備等につきましては、いろいろな面で情報収集をしたり、検討をした りするということであります。 Q:計画がないのに、なぜ防衛装備庁は、イスラエルのSIBAT、防衛協 力施設庁と協議をして、さらには、イスラエル側のメーカー、I・A・I とかエルビット・システムズとかに声をかけていて、日本側のメーカーの 富士重とか、三菱電機とかに声をかけているのですか。 A:それぞれの国で、それぞれの能力、また装備等があります。ただ単に、 そうではなくて、詳細にわたって情報を入手した上で、検討する必要もあ りますので、各国とも、イギリスにしてもフランスにしても、そういった 情報秘密協定などを結びつつ、装備の検討はしているということでありま す。 Q:イスラエルのヘリボーンエイトというのは、日常的にガザ地区とか或い はレバノンに対して、攻撃をして、人を殺害したり、市民を巻き添えにし ているけれども、そういう国と無人機の共同研究・共同開発をすることに ついて、あなたは、進める立場か、或いは進めない立場かということを聞 きたいと思います。 A:無人機等につきましては、世界の科学技術の推進によって、今、そうい 6 った点の研究や、開発が進んできております。わが国におきましても、防 空上も、こういった無人機による防衛能力の向上という点におきましては、 将来、検討すべき課題でありまして、その点については、いずれの国の装 備も研究・検討しているということであります。 Q:ガザとかレバノンで、空爆を繰り返しているイスラエルの無人攻撃機が あって、そういうイスラエルと無人機の共同研究とか共同開発した場合、 アラブ各国が反発する部分も当然考え得るわけですが、それでも進める立 場なのか、進めないのかということを聞きたいのです。 A:現時点におきましては、一般的な無人機についての情報収集をしている わけでありまして、具体的に、計画を持ってやっているということではご ざいません。 Q:5月の末に、大臣のところにSIBATの幹部が訪れて、協議されてい ますが、協議の内容はどういうことですか。 A:いろいろな国から、面会の要請がありまして、私は、そのような面会の 申し出については応じておりますし、様々な御意見・情報、こういうこと は協議をしております。 Q:半年ほどの間に、防衛装備庁長官の会見をやってくださいということを お願いしたのですが、3月末に。回答が全くないのですが、渡辺長官は、 内部で、「私は技術者出身だから、記者会見とか国会答弁はしたくない」と いうことを仰っているようですが、それについての大臣の見解を教えてく ださい。 A:会見の在り方等につきましては、広報を通じて、検討・協議させていた だいております。現在は、臨時で2回実施をしたと聞いております。 Q:4ヶ月経っているのですが、定例の会見をやるつもりはないのですか。 A:その点については、話し合いをしている状況だと。 Q:4ヶ月経っているのですよ。 A:現時点では、協議の中で、必要に応じて、実施するということで、臨時 で2回実施したと聞いております。 Q:臨時以外やるつもりはないのですか。 A:その点については、今、協議をさせていただいております。 Q:4ヶ月経っても結論は出ない。 A:その点、記者クラブとの関係でありますので、協議はさせていただいて 7 おります。 以 8 上
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