深大寺九条の会報告 4月27日

深大寺九条の会 4 月 27 日例会 報告
『子どもの生存権(25 条)と個人の尊厳が脅かされている』
深大寺9条の会では、この地域の社会生活の中から憲法を考えたいと思い、子ど
もの問題に焦点をあてて掘り下げました。4 月 27 日水曜日の午前中、深大寺地域福
祉センターで開催。調布学園の松本加代子さんの話題提供をうけ、武藤さんと
鈴木賀代子さんの補助発言を加えて、突っ込んだ議論をしました。司会の市川
さんに整理してもらいましたので、ご報告します。
A 児童養護施設の状
1児童虐待の相談件数が増え、各施設は満杯状態に近く一時保護所も定員を
超えている。
2職員の定着率が低い。
3乳幼児期の母親の子育て不安を見守る必要がある。
自然から学び、自然と共存していく視点が弱い。
B 児童、保護者を取り巻く状況
1児童の入所理由はここ数年虐待の割合が半数以上を占めている。2014
年度全国の児童相談所が対応した児童虐待件数は88931件であった。
2虐待の割合は放棄が最も高い。これは調布学園,
第二調布学園の場合であ
り、東京都全体では身体的虐待が最高となっている。
3子ども達は父母や親族と交流を持って生活している。
4保護者の 68%は何らかの精神疾患を抱えている。保護者に対してどのよう
対応が求められるのか、関係機関や医療と連携する必要がある。
5生活保護家庭は全体の53%である。
C 調布市の場合
児童相談所は多摩市にある。
子ども家庭センター『すこやか』に虐待に関する部所があるので、何かあっ
たら連絡できる。
児童館がある。
a
虐待防止に関連して
1妊婦が安心できるよう保健婦が接する。
2出産後1ヶ月以内に助産婦が訪問する。
3子どもが、施設には行かないけれど危ないと思われる場合(貧困、ニグレ
クト等)
4子ども食堂の設置(中学生以上)を考えている。
b 保育園に子どもを預ける必要
604 人が保育園に入れず無認可保育所に向けられ、その内289人が全く
入所できていない。新設が周囲の住人の要求で阻まれている。
子育てボランテイアセンターで里親をしていると、子どもたちの生存権、
環境問題に突き当たることが多い。
D 施設、職員の不足
保育士の給料が問題である
a なぜ給料が低いのか
みのべ都政の頃公立、市立の職員の給料を同一にしたが、石原都政になって
それがなくなった
又、今企業が安上がりの職員として、資格のない人を採用するようになり、
給料の点では更に厳しくなった。
こうした状況の中で世論の批判をかわすため、大人が子どもの保育に目を向
けない、子どもは親がみるのが当然という考え方を生んでいる。こうしたこ
とは子どもの発達のあり方として誤りであり、子どもの社会性を失わせるこ
とになる。虐待はこうした社会的貧困の中で生まれる。
E 討論から
国は軍事、開発に金をまわし、公立保育園の建設、運営には出資しない。
また地方自治帯への出資はしない。
国は子どもを産むことを要求しても、保育園を造らせないのはおかしい。
女性が輝く社会を要求したら、保育園は必要不可欠である。
保育園は社会的、集団的自由を学ぶところである。
国は実生活の裏付けを行わねばならない。
虐待は孤独な中で起こりうる。そこには家庭内暴力、子育て文化の崩壊が
ありうる。国の裏付けが問われる。
松本加代子さん、武藤千里さん、鈴木かよ子さんによる話題提供、補助発
言を基に話し合った内容です。
市川記