Title 絨毛組織におけるgonadotropinの産生調節機構に関する実 験的研究

Title
Author(s)
Citation
Issue Date
URL
絨毛組織におけるgonadotropinの産生調節機構に関する実
験的研究( Abstract_要旨 )
仲野, 良介
Kyoto University (京都大学)
1968-01-23
http://hdl.handle.net/2433/212414
Right
Type
Textversion
Thesis or Dissertation
none
Kyoto University
仰士
ヽ
フ
よ博
日
ノ
.
3
第
学 位 の 種 類
介
良
の学
翫医
野
仲
氏
【1
0
1】
学位授与の要件
23 号
昭 和 4
3年 1月 23 日
学 位 規 則 第 5条 第 1項 該 当
研究科 ・ 専攻
医 学 研 究 科
学位論文題 目
繊毛組織 における gonadotropi
n の産生調節機構に関す る
学 位 記 番 号
学位授与 の 日付
医
博
外 科 系 専 攻
実験 的研究
(主
論文 調 査 委員
査)
教 授 西 村 敏 雄
論
文
内
教 授 岡 本 耕 造
容
の
要
教 授 深 瀬 政 市
旨
非妊個体においては間脳一下垂体系 とその t
ar
getor
ganで ある卵巣 との間には f
e
e
dba
c
kme
c
ha
ni
s
m
といわれ る巧妙 な一つ の機能環が存在 し下垂体 の分泌す る go
nadot
r
opi
n と卵巣 の分泌す る s
t
er
oi
dと
が間脳 なる上位 の中枢を介 して常に一つ のバ ランスを保つ ようなホメオスター シスの機構 が存在す るわけ
e
gul
at
or としては間脳- 下垂体- 卵巣 系 に お
で あ るが, 胎盤紙毛組織 におけるホルモ ン産生 に対す る r
o
nt
r
olt
o
werが現段階で は発見 されてお らず, その r
e
gul
at
i
on me
c
hani
s
n につ い
ける間脳のごとき c
ては何一つ知 られていないとい う現状で ある。
文献 的には妊娠初 期はともか く,s
t
e
r
oi
dge
nes
i
s の主な場 が卵巣の妊娠黄体か ら紋毛組織 自体へ とバ ト
ンタ ッチされ る妊娠 中期以後においては もはや下垂体 か らの go
nadot
r
opi
nr
el
e
a
s
e はほ とん ど完全 に消
nadot
r
opi
n が歓毛組織 内の s
t
e
r
oi
dge
ne
s
i
s に著明な影響を及ぼ し下垂
失 し紙毛組織 自体 の産生す る go
体 の コン トロールを離れた胎盤独 自のなん らかの s
e
l
fr
e
gul
a
t
i
onmec
hani
s
m が成立す るのは間違 いの
r
mo
nemi
l
i
e
u の成立で あ
ない事実 のようである。 いわゆ る妊娠時 に特有 の胎盤- 胎盤系 なる新 しい ho
る。
nadot
r
opi
n の産生調節機構 を実験的に究明す るため妊娠 3カ月,
そ こで著者 は紡毛組織 ににおけ る go
および1
0カ月 の紡毛組織を用 いて好気性 および嫌気性 の両環境 においてイ ンキ ュベイシ ョン実 験 を 行 な
い,
me
di
um に e
s
t
r
o
T
l
e, e
S
t
r
adi
o1
-1
7
β, e
s
t
r
i
ol
, pr
oges
t
e
r
one などの性 ステ ロイ ドを 添 加 し て
go
nadot
r
opi
cpot
e
nc
y にいかなる変化 がみ られ るかを追求 した。
実験成績を Fi
s
he
r の分数分析法 および Coc
hr
an-Cox の方法 によ り推計学的に分析 した結果, 妊娠
3カ月 の級毛組織 においては添加 した性 ステ ロイ ドの影響 は全 く認め られなか ったが, すで に独立 した内
nadot
r
opi
n の産生 と性 ステ ロイ ドの産生 とがたがいに相関関係を確立 していると考 え
分泌臓器 として 酢)
られ る妊娠 1
0カ月 の紡毛組織 においては好気性 および嫌気性 のいずれの環境 にお い て も pr
oge
s
t
er
o
ne
による g
o
nadot
r
opi
cpot
e
nc
yの s
upr
e
s
s
i
on が認 め られた。
-2
69-
この pr
o
ge
S
t
e
r
o
neによる続毛組織 の go
nado
t
r
o
pi
cpo
t
e
nc
yの s
upr
e
s
s
i
o
n の本態につ いては pr
o一
i
bo
nuc
l
e
a
s
e の活性を賦活 して R
NA の分解 をひきお こす結果, gl
yc
opr
o
t
ei
n
ge
s
t
e
r
o
neが紡毛組織 の r
で ある HCG の産生が抑制 され るものと考 え られ, この方面か ら歓毛組織 における go
nadot
r
o
pi
n の産
生調節機構 に対す る一つ のアプ ロ- チの可能性が有望視 され るが, そのためにはさらに多 くの基礎的研究
が必要 と考え られ る。
論
文
内
容
の
要
旨
e
l
fr
e
gul
at
i
o
nme
c
ha
ni
s
m につ き検 討 した もので ある。 す なわち妊娠 3か
胎盤紙毛組織 内における s
月 および1
0か月 の紋毛組織を用 い好気性 および嫌気性 の商環境 において, 培養実験を行 ない, go
nadot
r
-
s
t
r
o
ne
,e
s
t
r
adi
o1
-1
7
β,e
s
t
r
i
o
l
,pr
o
ge
s
t
e
r
o
ne な どの性 ス トロイ ドの添加 によ ってい
o
pi
cpo
t
e
nc
yが e
かに変わ るかを追求 した (
Fi
s
he
r 分数分析法, Co
c
hr
a
nCo
x 方法 などの推計学的方法使用)。 す なわち
妊娠 3カ月 の場合で は添加性 ステ ロイ ドの影響 は全 く認め られなか ったが, 妊娠 1
0か月の場合 で は 好 気
o
ge
s
t
e
r
o
ne のみの添加 によ って go
nado
t
r
o
pi
cpot
e
nc
yの抑制が
性, 嫌気性を とわず性 ステロイ ド中 pr
諸め られ, これは pr
o
ge
s
t
e
r
o
neが紋毛 内 r
i
bo
nuc
l
e
a
s
e活性を賦活 して
RNA の分解をひ きおこし,
yc
o
pr
o
t
ei
nHCG の産生が抑制 され ることによると推論 したので ある。
果 として gl
本論文は学問的に有益で あ って医学博士 の学位論文 として価値 あるものと認める。
-2
7
O -
結