中島 誠 (なかしま まこと/ NAKASHIMA, Makoto) 研 究 室 理学部 A 館 453 号室 准教授 (内線 2421) 電子メール [email protected] 所属学会 日本数学会 研究テーマ • 確率論 • 分枝過程 研究テーマの概要 確率論は現在では物理学や数理ファイナンスなど様々な分野で使われています. これらは観測でき る現象には何がしかの偶然性 (ノイズ) が含まれているという考えに由来しています. 確率論の一つの研究分野として分枝過程と呼ばれる確率模型があります. 分枝過程の最も単純な模 型である Galton-Watson 過程は 19 世紀に貴族の姓の継承問題を解くために導入されましたが, 今で は生物の個体数の増減を記述する確率模型の一つとして使われています. 私の研究では環境に依存し た生物の人口模型であるランダム環境中の分枝ランダムウォークと呼ばれる確率模型を主に扱ってい ます. 最近ではこの模型のある極限操作を行うことで非線形確率熱方程式を導くことができました. この研究を始めてから研究の興味がますます広がっています. 主要論文・著書 [1] M. Nakashima, Branching random walks in random environment and super-Brownian motion in random environment Ann. Inst. H. Poincaré Probab. Statist. Vol. 51, No. 4 (2015), 1251-1289. [2] M. Nakashima A remark on the bound for the free energy of directed polymers in random environment in 1+2 dimension. Journal of Mathematical Physics Vol. 55, (2014) [3] H. Heil, M. Nakashima, A Remark on Localization for Branching Random Walks in Random Environment, Electronic Communications in Probability, Vol. 16, (2011), 323-336 受賞歴 • 2014 年 日本数学会建部賢弘賞奨励賞 経歴 2012 年 2012 年 2015 年 京都大学大学院理学研究科数学数理解析系博士後期課程修了 筑波大学数理物質系数学域 助教 名古屋大学多元数理科学研究科 准教授 学生へのメッセージ 確率論を学ぶにあたって「微分積分学」,「線形代数学」は予備知識です. さらに「ルベーグ積分 論」は確率論を学習する上で必須なので習熟していることが望ましいです. 博士前期課程 (修士課程) に入学するまでには大数の法則, 中心極限定理の知識程度は持っておく必 要があります. セミナーで扱う内容としては ブラウン運動, 分枝過程, 確率積分, 測度遅確率過程 などがあります.
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