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VARIOUS INTERMEDIATE CHANNELS IN
12C+12C→12C[g.s.]+α+8Be[g.s.] REACTION( Abstract_要
旨)
Shimoura, Susumu
Kyoto University (京都大学)
1986-03-24
http://dx.doi.org/10.14989/doctor.k3437
Right
Type
Textversion
Thesis or Dissertation
ETD
Kyoto University
氏
名
下
Lも
,
浦
享
うL
ら
・
すすむ
学 位 の 種 額
理
学
学 位 記 番 号
理
学位授与 の 日付
昭 和 61年 3 月 2
4日
学位授与 の要件
学 位 規 則 第 5 粂 第 1項 該 当
研 究 科 ・専 攻
理 学 研 究 科 物 理 学 第 二 専 攻
学位論文題 目
VARI
OUS I
NTERMEDI
ATE CHANNELS I
N
博
博
第
士
96
0 号
1
2
C+1
2
C-1
2
Cg
.
S
.
+α+8
Be
g
.
S
.REACTI
ON
(
1
2
C+1
2
C-1
2
Cg
,
8
.
+α+8
Be
g
.
S
.反応におけ る種 々の中間チ ャネル)
(
主
論文調査 委員
ー
査)
教 授 小 林 農 作
論
文
内
教 授 玉 垣 良三
容
の
要
教 授 政 池
明
旨
入射エネルギ」が 核子あた り 1
0Me
V 付近の軽い重 イオン同志の反応においては, 非弾性散乱や核子
移行反応等の直接反応的な過程が重要 となる。 この よ うな直接反応過程においては,系に持 ち込 まれるエ
ネルギー及び角運動量が大 きいため,入射核又は屡的核の分解や,粒子崩壊の閥値を こえる高励起 ・高ス
ピン状態か らの崩壊がお上 り,反応の終状態が しば しば三体 となる。 この よ うな三体性は今 まで高励起状
態のスペ ク トロ* コピーやス ピン分布 といった中間状態 としての個 々の二体過程を調べ るための道具 と し
て用 い られて きている。 これに対 して,種 々の中間の二体過程が同 じ三体終状態にな りうることに着 目し
て三体性それ 自身を以下の よ うな観点か ら調べ ることも重要である。
(
a)
どの よ うな中間過程が同 じ三体終状態に寄与 しているか。(
b
)
各過程は簡単な二体の直接過程及びそれ
\
C
)
独立な二体過程 としては記述で きない新 しい現象,サ なお ち異 っ
に続 く粒子崩痕 として理解で きるか。(
た中間過程の間に干渉効果が存在す るか。
この研究では, 最 も簡単な軽い重 イオ ン同志の 三体反応の一つである 1
2
C十 1
2
C-1
2
Cg
.
S
.
+α十8
Be
g
.
S
.皮
応の測定を・
1
2
Cα 同時計測に依 って入射 エネルギ ー 9
0
,1
1
0,1
4
0Me
V で行い,上記の(
a
)
⊥(
C)
の観点カ、
、
ら解析 したO この年応では以下の よ うか
羊異 っキ中間チ ャン季ルを伴 う四つの過程が存在す る。
(
i
) 非弾性散乱 :1
2
C+1
2
C-1
2
C9.5+1
2
C*-1
2
Cg
.
S.
+α+ 8
Be
g
.
S
.
(
i
i
) α粒子移行 :1
2
C+1
2
C-1
6
0*+8
Be
g
.
.
S
.
71
2
Cg
.
S
.
+α+8
Be
g
.
良
.
(
i
h
)8
Be移行反応 :1
2
C+1
2
C-α+2
0
Ne
*
-1
2
Cg
.
S.
・
+α+8
Be
g
.
a
.
B
C+1
2
C-1
2
Cg
ふ+α+8
Be
g
.
S
.
(
i
v
) 共鳴状態を経ない分解過程 l
まず, 終状態の三粒子の任意の二粒子の相対 エネルギーを座標軸 とす る Da
l
i
t
z図を開発 し, 四つの過
i
)
及び α粒子移行(
i
i
)
の過程が主要で
程をあい まいさな く同定 した。その結果, この反応では,非弾性散乱(
0
%以上の反応断面積を 占めることが示 された。次に これ ら主要な二つの過程に対す る二階
あ り,全体の8
微分断面積 (
最初の過程に対す る断面積 と 崩壊過程 の角度相関関数の積で表わ され る。)を 解析 し二つの
-2
2
2-
過程が同時にお ころ運動学的領域を除いて, これ らが直接過程 の代表的なモデルである有限 レンジ歪 曲波
DWBA)で記述出来 ることが示 された。特に α粒子移行反応では,運動学的適合条件 の反映
ボル ン近似 (
として角度相関関数 の特徴が反応をお こす軌道角運動量 と移行角運動量 の簡単な関数で記述で きる ことを
明 らかに した。次に非弾性散乱 と α粒子移行が同時にお こる運動学的領域を明確に示 し,その領域 の断面
積を解析 した結果, この断面積が独立な二つの過程 の単なる和では記述 出来ない ことを示 し, この ことに
よって二つの過程間に量子力学的干渉効果が存在す ることを実験的に初めて明 らかに した。 さ らに この干
渉効果が定性的には二つの過程 の DWBA 振幅の干渉で説 明出来 る ことを示 した。
論 文 審 査 の 結 果 の 要 旨
1
2
C+1
2
C-1
2
Cg.S.
+α+8
Bo
g.
良
.反応が 入射 エネルギー 9
0
,1
1
0
,1
4
0Me
Vで 1
2
C-α 同時計数法で 調べ
2
Cg.良
.
+α+8
Bo
g.
良
.終状態-み ちび く三種類の 中間チ ャンネル (
1
2
C+1
2
C*
,1
6
0*+8
Be
,α
られた. 同 じ 1
*
) と非共鳴部分 (
標的核又は入射壊 の直接的分裂)の 各断面贋 が抽出され議論 された。 ここで本
+2
0
Ne
研究が従来の摂似 の研究 と異なるのほ, 申請者が多 くの角相関の組合せを同時に表現す るための三体運動
学を 確立 した ことであるO 即 ち 三粒子中め二粒子の相対立ネルギーに対す る 関係式か ら得 られ る一種 の
Da
l
.
i
t
zPl
o
tを見出 した ことである。 素粒子物理学において既 に額似の手法が用 い られてい るが, 重 イオ
6
(
〕*+8
Be
g.
a
.と 1
2
C+
ン核反応-の二般化は 国際的にみて も最初 の仕事である。.この手法の適卿 こよ り 1
α+2
0
Ne*
) と 非共鳴分裂過程 は
1
2
C*チ ャンネルが支配的な断面積を もち, 一方重い クラスターの移行 (
夫 々準 %の寄与 しかない ことが明 らかになったo 又 1
6
0*+8
Be
g.
S.と 1
2
C+1
2
C*チ ャソネルに対 して 1
6
0
におけ る (
41
+
,5
1,6
1
+,7
1)状態 と 1
2
C(
31, 41
+
,
) 状態が選択的に励起 された。三つのチ ャソネルに
対す る 同時計数断面苛
劉ま DWBA 計算で 再現 された。 この反応では二つの中間 チ ャンネル 1
6
0十十 8
Beg,
.
ら
.
と1
2
C+1
2
C*が同時に参与す る運動学的領域に興味がある, とい うのは これ らの車 間チ ャンネル経 由が支
配的であ り,且つ同 じ終状態にみ ちびかれ るか ら,干渉効果が観測 され る と期待 され る。,
果 して この領域
で実験的に得 られた断面積 は これ ら二?の中間チ ャンネル に対 して個別的に見積 られた断面積 の簡単な和
では説 明出来ず,声
量子力学的干渉効果が三体重 イオ ン核反応で初めて見出.
されたので ある。 この干渉効果
竿理解で きるO
は二つのチャンネルの T行列の間の干渉を考慮にいれて DWBA 計算で定性的か
以上 の よ うに申請者のす ぐれた運動学的洞察か ら軽重 イオ ン間の反応 メカニズム甲理解が一段 と深 まっ
た といえるが, これ らのチ ャンネルの間の干渉効果が観測 された ことは この反応 の綜合的理解には三体問
題を正 しく解かねはな らぬ ことを意味 している。成果がある特殊 な反応に限 られている といえ,軽重 イオ
i
I
I
C
l
us
i
▲
ve
)実験や, あい まいな実験設定に よる相関の実
ン間反応の典型的な実験であ り,従来の包括的 (
験か らでは何故 明快な知見が得られないかを明 らかに した点で重要 な寄与 といえる。逆説的にいえば重 イ
オ ン核反応の研究の道の険 しさを示 したわけである。本研究の成果 と参考論文 とを併せ考える時, 車請者
の複合粒子間の核反応 に関す るす ぐれた研究能力 と高い見識 は明 らかである。
よって,本論文 は理学博士の学位論文 として価値 ある もの と認め る。
・
なお,主論文及び参考論文に報告 され ている研究業績を中心 とし,上 れに関 連 した研究分野について試
問 した結果,合格 と認めた。
-2
2
3-