日常が輝くICT活用 日常が輝くICT活用

持てるように、幼少の頃の写真から社会人として
●奨励賞〔論文概要紹介〕
働いていた頃の様子までを短いスライドにまとめ
日常が輝くICT活用
て紹介した。学級通信第1号を、スライドの内容
─ICT活用の日常化・一般化を目指して─
子ども・保護者の安心感と信頼感を得ることが
と関連づけた「自己紹介号」にしたこともあり、
できた。
また、子どもの様子を撮影した画像データを
サーバーに保存しておいたことで、3学期には子
どもたち自身の手で「思い出スライド」を作成す
大分県大分市立滝尾小学校
うえ の
ることができた。一年間を振り返ったスライドの
まこと
上野 真
作成・鑑賞が、子どもたちの絆を深めてくれたよ
うに思う。
【実践の内容】
3. 基礎基本の定着
IT新改革戦略のもと、児童のためのICTを活
用した授業等を充実させるためには、さらなる
年間を通して実施した漢字テストの作成・結果
ICT活用の日常化・一般化が求められている。
発表にもICTを活用した。
そこで、
本研究では「学級経営・基礎基本の定着・
Excelを用いてテストを作成したことにより、児
わかる授業づくり」等における実 践を通して、
童の実態に応じて様々な機能を加えることが可
ICT活用の日常化・一般化を目指した。
能であった。最終的には、データSheetに漢字を
入力するだけで、
「漢字の読みフラッシュ」「読み
【論文内容の紹介】
50問テスト」「書き取り10問テスト」「書き取り50
問テスト」が作成できるようになった。効果的な
1. 研究の趣旨
テストを簡単に作成できるソフトがサーバーにあ
平成19年3月に校内ICT機器の全面的な入れ
ることが、校内のICT活用の日常化・一般化を
替えが行われたこともあり、教員のICT活用への
推進したように感じている。
興味・関心は高い。しかし、
「難しそう」という
4. わかる授業づくり
思いから活用に踏み出せない教員が多いのも事
実である。そこで、情報教育担当である自分自
大分市内の全小学校に導入された「東京書籍
身が、ICTの日常的な活用方法を探ることにより、
デジタル掛図」を用いて、わかる授業づくりに取
本校におけるICT活用の日常化・一般化の推進
り組んだ。
を目指した。
プロジェクターを使った写真や図表の拡大提
示をするだけではなく、デジタル掛図の豊富な画
2. 学級経営におけるICT活用
像を活用したワークシート作成することで、より
子どもたちが生き生きと学ぶためには、
「一人
大きな効果を得ることができた。普段、授業に
一人の児童が安心して自分の力を発揮できる」
集中することが難しい子どもでも、前に映し出さ
学級にしていくことが必要である。そんな学級を
れている映像と、全く同じ形式のワークシートが
実現する際にも、ICT活用は大きな力を発揮す
手元にあることで、意欲的に授業に参加するこ
る。
とができていた。
まずは学級開きの際の自己紹介スライド。私と
いう人間をよく知ってもらい、子どもが安心感を
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●B部門 奨励賞【論文概要紹介】
5. 成果と課題
「日常化・一般化」を常に意識したことで、誰
もが気軽に実践できるICT活用の形が見えてき
たことが成果であろう。今後は、これらの実践
をより多くの先生方に活用していただくことで、
より効果的な活用方法を探っていきたいと思って
いる。もっともっとたくさんの子どもが、生き生
きと学べるような学校・学級づくりを目指して努
力を続けたい。
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