下水道管布設工事 一般仕様書 目 次 第1章 総 則 1頁 第2章 材 料 3頁 第3章 施 工 3頁 第4章 推進工 5頁 第5章 薬液注入工 7頁 第6章 土留工 8頁 小林市水道課 事段階の区切り等には、監督員の検査を受けなければ次の作業 を進めてはならない。 第113条 工事検査 1.請負契約約款第 32 条、 第 38 条及び第39 条の検査を行なう場合、 現場代理人及び、主任技術者が立会いの上、検査を受けなければ ならない。 2.請負者は、検査のため必要な資料の提出、測量その他の処置に つき、検査員の指示に従わなくてはならない。 第 1 章 総則 第1節 総 則 第101条 適 用 1.この仕様書は、小林市工事請負契約約款「以下(請負契約約款) という。 」第 1 条第1項に規定する仕様書として、小林市水道課下 水道グループの施工する下水道管布設工事の施工に必要な事項を 定めたもので、工事請負契約書及び設計図書の内容について統一 的な解釈及び運用を図るものである。 2.一般仕様書に規定のない事項については、別に定める特記仕様書 等によるものとする。 3.図面及び特記仕様書 (単価抜設計書を含む) に記載された事項で、 この一般仕様書と相違がある場合には請負者は、監督員に確認し なければならない。 4.この一般仕様書で定めるものの他は、宮崎県土木工事共通仕様書 に準ずるものとする。 第102条 用語の定義 1.指示、承諾、協議とは、次の定義による。なおこの行為は書面に より行い、工事日報に記録しなければならない。 (1)指示とは、発注者側の発議により監督員が、請負者に対して 監督員の権限に関する事項について、その方針、基準、計画 等を示し実施させることをいう。 (2)承諾とは、請負者側の発議により請負者が監督員に報告し、 監督員が了解することをいう。 (3)協議とは、契約書の協議事項について、発注者と請負者が対 等な立場で討議し、結論を得ることをいう。なお、結論が得 られない場合には、監督員が措置するものとする。 第103条 設計図書の照査 請負者は、施工前及び施工途中において、自らの費用で請負契約 約款第 19 条 1 項に係わる設計図書の照査を行い、これに該当する 事実がある場合は、監督員に確認を求め、指示を受けなければな らない。 第104条 関係法令等 請負者は、工事施工にあたり、工事に関する諸法規その他指針、 通達、通知等を遵守し、工事の円滑なる進捗を図るとともに、 諸法令等の運営費用は、請負者の負担と責任において行わなけ ればならない。 第105条 関係官公庁への許認可 1.工事施工のため必要な関係官公庁その他のものに対する諸手続き は、請負者において迅速に処理しなくてはならない。 2.関係官公庁その他の者に対して交渉を必要とするとき、又は交 渉を受けたときは、遅滞なくその旨を監督員に報告し協議する ものとする。 第106条 公害の防止 1.請負者は工事の施工にあたっては、付近の住居者に迷惑のかから ぬよう、公害の防止に務めなければならない。 2.請負者は、建設工事に伴う騒音振動対策技術指針(建設省大臣官 房技術審議官通達昭和 62 年 4 月)を参考にし、工事に伴う騒音 振動の発生を抑制し、生活環境の保全を図らなければならない。 第107条 施設の保全 既設構造物を汚染し、またはこれ等に損傷を与えたときは、 請負者の責任で復旧しなければならない。 第108条 資格を必要とする作業 資格を必要とする作業(労働安全衛生法 第 14 条)は、それ ぞれの資格を有するものが作業しなければならない。 第109条 工事対象物管理 工事が完成し、引渡し完了までの工事対象物の保管管理は、 請負者とする。 第110条 工事完成後の処理 工事が完成したとき、請負者はすみやかに不用材料及び仮設物 を処分、又は撤去し清掃しなければならない。 第111条 事前調査 請負者は、工事着手に先立ち、現地の状況、関連工事その他に ついて綿密な調査を行い、十分実情把握のうえ工事を始めなけ ればならない。 これにより疑義が生じた場合は、本条第 103 条により解決する ものとする。 第112条 施工時立会検査 特記仕様書あるいは、あらかじめ監督員の指示した箇所など工 第2節 下水道管布設工事一般事項 第114条 施工計画書 1.請負者は、 工事着手前に、 工事請負契約書及び設計図書に基づき、 工事目的物を完成するために必要な手順や工法等についての施工 計画書を監督員に提出しなければならない。この場合請負者は、 施工計画書に次の事項について記載しなければならない。 ただし、 維持工事又は簡易な工事等においては、監督員の承諾を得て記載 内容の一部を省略することができる。 (1)工事概要 (2)計画工程表 (3)現場組織表 (4)安全管理 (5)指定機械 (6)主要資材 (7)施工方法 (8)施工管理計画(工程、品質、写真、出来形、段階確認) (9)緊急時の体制及び対策 (10)交通管理 (11)環境対策 (12)現場作業環境の整備 (13)再生資源の利用の促進と建設副産物の適正処理方法 (14)その他 2.施工計画書の内容に変更を生じた場合、監督員と協議を行い、必 要がある場合や変更に関連するものについて、変更計画書を提出 しなければならない。 3.監督員が特に指示した事項については、請負者は、さらに詳細な 施工計画書を提出しなければならない。 第115条 埋設物等の処理 1.施工に先立ち、水道管、ガス管、電話、電力ケーブル、公共基準 点等他管理者の埋設物については、事前調査計画に従い、他管理 者立会のもと試掘を行い、その位置を確認し、試掘調査票を作成 するとともに他管理者と移設、撤去、防護について協議を行い、 監督員に報告しなければならない。 2.試掘は、次のことに留意しなければならない。 (1) 工事に着工する前に、試掘を実施すること。また、施工中に おいても試掘間で他埋設物が蛇行等している場合は、監督員 と協議を行い試掘等実施し安全に務めなければならない。 (2)試掘を行う際、必ず他埋設物管理者と事前に連絡をとり立会 を求めなければならない。 (3)試掘は、必ず人力で行う。 (4)試掘調査票とともに、他管理の地表構造物(マンホール等) 及び境界ピン、他管路を表した道路上のピン等については、 関係者立会のもと控えピン(杭)を設置し、この位置を表し た図も合わせて提出する。 3.試掘の結果、埋設物が工事に支障となる場合は、その管理者と協 議し十分な安全措置を行わなければならない。この場合必ず工事 日報等に立会者名、指示事項等を明記しなければならない。 4.地下埋設物または架線等の移設が生じたときは調査資料、移設計 画図を添えて監督員の承諾を得なければならない。 5.工事中、引火性物質を有する埋設物、または可燃性物質の輸送管 等の埋設物に近接して作業する場合は、ガス漏えいの発見に務め るとともに溶接機、切断機等火気を伴う機器具を使用してはなら ない。ただし、やむを得ず使用する場合はその管理者と協議の うえ、保安に必要な措置を講じなければならない。 6.工事中万一諸物件に損傷を与えた場合は早急に関係者に連絡し、 公衆の安全を図るなどの臨機の措置(請負契約約款第 27 条)を行 わなければならない。復旧については、関係者と協議を行い、い かなる場合でも、 請負者の自己判断による復旧をしてはならない。 7.舗装復旧時には、他管理地表構造物(マンホール等)の設置につ いては、管理者と立会のもと高さ等の調整を行う。 8.矢板、ボーリング等地表により作業を行うときは、他管理者立会 1 のもと作業を行うものとする。この場合であっても急激な打設は 行わない。 第116条 施工管理 1.請負者は、施工管理を行い、その記録を監督員に提出しなければ ならない。 2.請負者は、工事記録写真撮影要領に基づき工事写真を撮影し、 工事完了の際、提出しなければならない。 第117条 現場管理 1.請負者は、土木工事安全施工技術指針(建設省大臣官房技術調査 室 平成 5 年 3 月)を参考にし、常に工事の安全に留意しなけれ ばならない。 2.請負者は、労働災害の発生防止について、労働災害防止に努めな ければならない。 3.請負者は、工事中周辺住民から苦情又は意見等があったときは、 丁寧に対応し、直ちに監督員に報告するとともに、常に公衆の安 全を図らなければならない。 4.工事中は、所要の人員を配置し、現場内の整理、整頓及び保安に 務めなければならない。 5.重要な工作物及び危険物に近接して施工する場合は、あらかじめ 保安上必要な措置、緊急時の応急処置及び連絡方法等について、 関係機関と協議し、これを遵守しなければならない。 6.火薬、ガソリン、電気等の危険物を使用する場合は、保管及び取 扱について、関係法令の定めるところに従い、万全の方策を講じ なければならない。また、使用に先立ち監督員に使用計画書を提 出しなければならない。 7.請負者は、工事期間中工事現場及び資材置場、土場、現場事務所 の秩序を保つとともに、火災、盗難等の事故防止及び安全巡視を 行わなければならない。また、工事現場及び資材置場、土場、現 場事務所と周辺の監視について万全を図るとともに、住民及び関 係官公庁と密に連絡を行い、 必要な措置を講じなければならない。 8.請負者は、工事現場が隣接し、又は同一場所において、別途工事 がある場合は、工事の安全管理等について、常に連絡及び協調を 図らなければならない。 9.請負者は、工事施工中監督員及び管理者の許可なくして、流水 及び水陸交通の支障となるような行為、または公衆に迷惑を及 ぼすなどの施工方法をしてはならない。 10.請負者は、建設工事公衆災害防止対策要綱(建設省事務次官通 達 平成 5 年 1 月 12 日) を遵守して災害の防止を図らなければな らない。 11.建設機械の選定、使用等については、建設工事公衆災害防止対 策要綱に規定しているが、設計図書により建設機械が指定されて いる場合請負者は、これに適合した建設機械を使用しなければ ならない。ただし、請負者は、より条件に合った機種がある場 合には、監督員の承諾を得て、それを使用することができる。 12.請負者は、豪雨、出水、その他天災に対しては、天気情報等に ついて注意を払い、常にこれに対応できるよう準備をしておか なければならない。 13.請負者は、工事現場に工事関係者以外の者の立入りを禁止する 場合は、板囲、ロープ等により囲うとともに、立入り禁止の標示 をしなければならない。 14.請負者は、工事現場を公衆が見易い場所に工事名等を記した別 紙工事標識板を設置しなければならない。 15.請負者は、工事施工中に事故が発生した場合には、直ちに緊急 時連絡計画に乗っ取り通報するとともに、別に定める事故報告 書を監督員が指示する期日までに、監督員に提出しなければな らない。 16.請負者は、土木請負工事における安全・訓練等の実施について (建設省技調発第 74 号 平成 4 年 3 月 19 日)に基づいて、工事 着手後、作業員全員の参加により月当り半日以上の時間を割り 当てて、定期的に安全に関する研修・訓練等を実施しなければ ならない。 17.請負者は、建設副産物適正処理推進要綱(建設事務次官通達 平 成 5 年 1 月 12 日)を遵守して、建設副産物の適正な処理及び再 生資源の活用を図らなければならない。なお、請負業者は産業 廃棄物の処理を産業廃棄物収集運搬業者又は産業廃棄物処分業者 に委託する場合は、運搬車両ごとにマニフェスト(積荷目録)を 発行しなければならない。また、建設廃材等の処理が終了したと きは、マニフェスト(A票、B2票、D票、E票)を発注者に提 示しなければならない。なお、写真は運搬車の車両番号が確認で きるものでなければならない。 18.請負者は、掘削工事中に爆弾等爆発物を発見又は収得した場合 は、監督員及び関係行政機関へ直ちに報告し、その指示を受けな ければならない。 19.請負者は、工事現場以外の施設(資材置場、土場、現場事務所 等)についても、請負工事の一部であるので工事関係者以外の 立入りについて、安全対策を講じなければならない。 20.請負者は、工事に起因した濁水、湧水等の処理で、設計図書で 明示されている場合を除き、特別の対策を必要とする場合は、 監督員と協議しなければならない。 第118条 交通安全管理 1.請負者は、交通安全対策等につき、道路管理者及び所轄警察署等 関係機関と協議及び許可を受けるとともに、道路標識令、道路工 事現場における標識施設等の設置基準(建設省道路局長通知 昭 和 37 年 8 月 30 日)及び道路工事保全施設設置基準(案) (建設 省道路局一課 昭和 47 年2月)に基づき具体的に内容を定め、 監督員の承諾を受けなければならない。 2.請負者は、一般公衆の通行の用に供する道路を使用するときは、 積載物の落下等により、路面を損傷し、あるいは汚損することが ないようにするとともに、特に第三者に損害を与えないようにし なければならない。なお、第三者に損害を及ぼした場合は、請負 契約約款第 29 条によって処理するものとする。 3.請負者は、 一般公衆の通行の用に供する道路を使用した土砂、 工 事用資材及び機械などを輸送する場合は、 関係機関と協議を行い、 安全輸送について計画を立て、災害の防止を図らなければならな い。なお、請負者は車両制限法に基づく運搬車両の許容積載量等 を遵守し、交通安全の確保を図らなければならない。 第119条 休日又は夜間等施工時間に制限のある作業 1. 工事施工の都合上、休日又は夜間等施工時間に制限のある作業 を必要とする場合は、あらかじめ監督員の承諾を得るものとす る。 第120条 工事測量 1.請負者は、工事契約後速やかに、必要な測量を実施し、仮BMの 設置及び用地境界杭、基準点、中心線、縦横断を確認しなければ ならない。 なお、仮BMを設置するための基準点は監督員の指示を受けな ければならない。また、請負者は、監督員が指示する際は測量 結果を監督員に提出しなければならない。 2.工事施工の基準となる、 仮設置基準点は、 随時検測するとともに、 監督員から検査を指示されたときは、検査を受けなければならな い。 3.請負者は、用地幅杭、仮BM、多角点等重要な工事用測量標はあ らかじめ控えを作成し、 測量図に記録しなければならない。 また、 測量標の移設をしてはならない。ただし、これを存地することが 困難な場合は、監督員の承諾を得て移設することができる。 4.本条で規定する事項については、請負者の責任と費用負担におい て行わなければならない。 第121条 工事報告 請負者は、監督員の指示した日までに、工事日報、工事週報等 必要な事項について工事報告書を提出しなければならない。 第122条 用地の使用 1.請負者は、工事施工のため直接必要な官有地での土地使用につい て、管理者の承諾を得て有償で一時使用することができる。 2.請負者は、工事施工のため民有地を使用する場合は、設計図書に 定めのある場合を除き、その責任と費用負担において、土地借上 げの交渉借上げ料・補償料の支払、後片付け等を行わなければな らない。 第123条 支給材料及び貸与品 1.請負者は、支給材料及び貸与品について、その受払い状況を記録 した帳簿を備付け、常にその残高を明かにしておかなければなら ない。 2.請負者は、工事完成時(完成前であっても工事工程上支給品の精 算が行えるものについては、その時点)には、支給品清算書を 監督員に提出しなければならない。 3.その他については、請負契約約款第 16 条によるものとする。 第124条 工事現場発生品 請負者は、工事施工によって生じた現場発生品について、現場 発生品調書を作成し、監督員の指定する場所で監督員に引渡さ なければならない。 第125条 工事カルテの作成及び登録 請負者は、工事請負代金額 5,000 千円以上の工事について、工事 実績情報サービス(CORINS)に基づき、 「工事カルテ」を作 成し、監督員の確認を受けた後に、 (財)日本建設情報総合センタ 2 ー(JACIC)に提出しなければならない。 5,000 千円以上の工事においては、受注時、変更時、完成時に 行うものとし、受注時は契約後 10 日以内に完成時は工事完成後 10 日以内に登録機関に登録申請しなければならない。また、 (財) 日本建設情報総合センター発行の「工事カルテ受領書」が請負者 に届いた際には、その写しを直ちに監督員に提出しなければなら ない。なお、変更時と完成時の間が 10 日に満たない場合は、変更 時の提出を省略できるものとする。 第126条 検査 請負者は、出来高数量のほか、不明水の有無についてTVカメラ 検査にて監督員又は検査員の承認を受けなければならない。 あること。 (3) 品質については、下水道用組立マンホール側塊の強度を有 すること。 第207条 グラウンドマンホール(鉄蓋) 1.適用範囲 小林市型公共下水道用鉄蓋について規定し、1 種(T=25)2 種(T=14)の 2 種に適用する。また設計図書で形状の異な る製品を指定した場合でも小林市型公共下水道用鉄蓋を作成し ている工場製品で、同等の強度を有するものとする。 2.製作及び表示 (1)製品は、小林市の承認を受けた製品を使用しなければならな い。 (2)製品は、製造業者の責任表示として、蓋裏面に種類の記号・ 材質記号・製造業者のマークまたは略号及び、製造年「西暦 下2桁」がそれぞれ鋳出ししてある製品を使用する。 第2章 材料 第1節 通 則 第3章 施工 第201条 適用 1.工事に使用する材料は、設計図書に品質規格を特に明示した場合 を除き、この仕様書並びに宮崎県土木工事共通仕様書によらなけ ればならない。ただし、監督員が承諾した材料及び設計図書に明 示されていない仮設材料については除くものとする。 2.この仕様書に規定されていない材料については、JIS規格に適 合したもの又はこれと同等以上の品質を有するものでなければな らない。 第202条 材料の試験と検査 1.材料の試験は、試験によるものと、見本又は資料によるものがあ り、これらは特記仕様書又は監督員の指示によるものとする。 2.特記仕様書において試験を行うこととしている工事材料について は、JIS又は特記仕様書で指示する方法により、請負者の費用 負担において試験を行わなければならない。特記仕様書において 見本又は資料を提出することとしている工事材料については請負 者の費用負担において提出しなければならない。請負者は、工事 材料を使用するまで変質がないよう性質に適した保管をしなけれ ばならない。また、監督員が変質等により不適当と認める場合に は、請負者は、自らの責任と費用負担により速やかに取り替える とともに新たに搬入する材料については再検査を受けなければな らない。 第1節 一般 第301条 工事目的 公共下水道管布設工事には、次の目的があり、それぞれの構造 を理解し施工しなければならない。 1.分流地区汚水管布設工事 (1)汚水と雨水を分離して流下させる地区で、汚水を流下させる ための工事である。 第302条 管路計画 管路を計画するにあたり、次のことにおいて計画しているので これを理解し施工しなければならない。 1. 計画流量 (1)分量管 Q=1.0㎥/日・人×人口/(24×3600)=計画流量 (但し余裕を100%確保する) ={1×人口/(24×3600) }×2 2.実流量 (1)円形管 クッター公式 (2)函形管 マンニング公式 3.不明水 計画以外の流下水があると、処理場の機能が損なわれたり、陥 没の原因となるためこれがあってはならない。 4.勾配 (1)流速が遅いと、酸欠状態になり、硫化水素等が発生しマンホ ール等のコンクリート構造物が腐食したり、処理場への影響が 発生する。 (2)流速が速いと、摩擦が多くなり、管の磨耗が多い。 第303条 保安要員 街中の工事であり、公衆の安全を図るため、必要に応じた人員 を現場に常駐させること。 第304条 酸素欠乏の場所への立入りについて 本仕様書第108条で必要とする資格のうち、下水道管路は特 に第2種酸素欠乏危険作業主任者立会いのもとでないと作業が 出来ないのでこれを特に遵守すること。 第305条 一般的注意事項 1.工事着手前作業 (1)区長への挨拶 (2)関係住民挨拶 ・工事のお知らせ案内文書配布 ・汚水桝設置申請書配布、回収 (3)地下埋設物管理者との協議 ・NTT西日本 0985-52-8180 ・九州電力 都城営業所 0120-986-705 ・上水道 小林市水道課工務グループ 23-0321 (4)道路使用許可申請書 ・所轄警察署 (5)ゴミ収集 ゴミ収集については、生活環境課と協議し、ゴミ収集に影 響の無いようにする。 (6)施工計画書 第 2 節 円形管とその他の管類 第203条 円形管 1.円形管は、日本下水道協会規格(JISWAS)認定品にある材 料は、これを優先的に使用するものとする。ただし、日本工業規 格(JIS) 、日本水道協会規格(JWWA)は、同等品とする。 2.JISWAS、JIS、JWWA以外の材料を使用する場合は、 監督員の承諾を得るものとする。 3.円形管に付属する材料は、JISWAS、JIS、JWWA いずれかの認定を受けている工場製品とする。 第204条 その他の管類 1.ボックスカルバート ボックスカルバート及びこれに類似するコンクリート製品は、 JISWASの認定を受けている工場製品を優先的に使用する。 また JISの認定を受けている工場製品は、同等品とする。 2.異形管 異形管は、JISWAS、JIS、JWWAいずれかの認定を 受けている工場製品とする。 第 3 節 その他の製品 第205条 桝類 (1)JISWASのうち、下水道用組立マンホール側塊が認定 されている工場製品とする。 (2)形状寸法は、別添に示す構造であること。 (3)品質については、下水道用組立マンホール側塊のうち、底 版ブロックの強度を有すること。 第206条 マンホール側塊 (1) JISWAS認定品にある材料は、これを優先的に使用する ものとする。 (2) 認定にない特殊マンホールの形状寸法は、別添に示す構造で 3 (7)使用材料承認願い (8)下請届等関係書類 2.試掘 施工計画書提出の後行うこと。 3.立会 地下埋設物の近接した場所については、管理者の指示を毎日受 けること。 4.工事工程会議及び協議等について 近接した工事が多いために、毎週月曜日9時を基本として工程 打合せを行う。また、第121条に定める工事日報、工事週報 は、この時の提出を基本とする。 5.天災時の報告 地震、大雨等が発生した場合は、現場の見回りを行い、監督員 に速やかに報告すること(夜間発生の場合は翌朝9時までに 報告) 6.安全訓練について 第117条16項に定める、 「安全訓練」は、下記項目から、施 工計画書に記載した実施内容を選択し、安全・訓練等を実施す るものとする。 また、実施状況を報告書にて提出するものとする。 (1)安全活動のビデオ等視覚資料による安全教育 (2)本請負工事の内容等の周知徹底 (3)土木工事安全施工技術指針等の周知徹底 (4)本請負工事における災害対策訓練 (5)本請負工事で予想される事故対策 (6)その他、安全・訓練等として必要な事項 4.管頂30cmまでは管が破損および、 移動しないよう人力施工とし、 監督員の承諾した良質土にて、管の下側にすきまの出来ないよう 入念に突き固める。又必要に応じて水締めを行うものとする。 5.埋め戻しは1層の圧密高20cm以下を標準として、 ランマー等で、 十分突き固めなければならない。また、このときの各層の突き固 め回数は 5 回以上行い、突き固め度は、90%以上あること。 6.埋め戻し後は、交通開放前といえども常時維持補修をしなければ ならない。 7.埋め戻し路床の仕上げ面は、均一な支持が得られるよう施工し、 監督員が必要と認めて指示する試験は行わなければならない。 8.埋め戻し不良にともなう舗装復旧の手直しは、工事引渡し後よ り2ケ年(国、県道は3ケ年)は、維持管理の責任を負うもの とする。この場合、各管理期間の前月までに写真を添付した書 面を提出し、了解を得るものとする。しかし、施工に故意又は 重大な過失があった場合は、この限りではない。 (請負契約約款 第 45 条) 第3節 管の布設 第309条 一般事項 1.管の取扱については、衝撃を与えないよう丁寧に取り扱わなけれ ばならない。 2.管を現場に集積する場合は、交通に支障のないようにし、通路、 消火栓、マンホール類をふさがないようにするとともに転び止め の措置を行い、保安柵等で一般の立入り禁止の措置をしなければ ならない。 3.管の切断は、管に割れ、あるいは有害な傷を生じないよう切り口 は平滑に仕上げなければならない。 4.管の布設にあたっては、所定の基礎を施した後、上流方向に受け 口を向け、中心線及び勾配を正確に保ち、漏水、不陸、偏心等の ないよう施工しなければなならない。 5.管とマンホールの取付部分は、漏水のないよう入念に仕上げな ければならない。 第310条 ヒューム管の布設 1. 布設にあたり、製造工場を表示するラベルを上にして布設する。 2. 管の接合前には、受け口、さし口をよく清掃したうえで、ゴム 輪を取り付けた後滑材を塗布この後正確に所定の深さまで完全 に差し込まなければならない。 3. 管の接合に用いるゴム輪は、監督員の検査承諾を受けた上、使 用前に傷の有無、老朽の状態及び寸法について細心の注意で使 用しなければならない。なお検査済のゴム輪の保管は、暗所に 保管し、野外に野積してはならない。 4.管の接合に用いる滑材は、止水滑材を使用するものとする。 第311条 塩化ビニル管の布設 1.布設にあたり、製造工場を表示するラベルを上にして布設する。 2.管材料は、直射日光を避けること。 3.管の接合前には、受け口、さし口をよく清掃したうえで、ゴム輪 を取り付けた後滑材を塗布この後正確に所定の深さまで完全に差 し込まなければならない。 4.管の接合に用いるゴム輪は、監督員の検査承諾を受けた上、使用 前に傷の有無、老朽の状態及び寸法について細心の注意で使用し なければならない。なお、検査済のゴム輪の保管は、暗所に保管 し、野外に野積してはならない。 5.接着継手の布設 (1)接着剤については、監督員の承諾を受けなければならない。 (2)接着剤は接合部に薄く均一に塗布しなければならない。 (3)接着する場合ハンマー等による打撃挿入はしてはならない。 (4)接合が完了後 30 秒から 1 分間そのまま挿入力を保ち、はみ 出した接着剤は、きれいにふき取らなければならない。 第312条 マンホールの設置 1.マンホールに接続する管は、管の端部をマンホールの内面に一致 させなければならない。 2.インバートは、上流下流管の内面径を正確に結ぶ。また、踊り場 の仕上げについては 10%程度の勾配(1cm~2cm 高)を確保す るとともに、カーブのある場合は、外側を内側より高くして、汚 水の飛散が無いようマンホールの状況に応じて仕上げる。 3.モルタルの厚みは2cm 以上とする。 4.マンホール蓋の仕上げ高は計画道路にあわせなければならない。 5.マンホール築造で掘削した部分の管布設は、基礎を特に入念に行 いマンホール継手部分の管たわみが生じないようにしなければな らない。 第2節 土工 第306条 遣り方 10mを標準に遣り方を正確に設けること。また管布設工事後 チェックのため、管頂の高さを測量して埋め戻す。 第307条 掘削 1.一時に施工する延長は、次によることとするが、特別な場合は、 監督員の承諾を得ることとする。 (1)小管径は、MHとMHの間で、掘削し管布設をする。 (2)大断面は、施工現場の状況を把握し、監督員と協議するもの とする。 2.掘削の着手にあたり、その数日前までに工事標識等の準備及び 着手完了の日程を関係住民に予告通知しなければならない。 3.私設下水または、既設取付管を遮断し締切工を設置した場合は 関係住民に迷惑を与えないようにするとともに、工事完了後ただ ちに原形に復旧しなければならない。 4.試掘土は道路上にたい積してはならない。ただし、掘削側面に影 響のない範囲において関係官公庁の許可を得た場合にはこの限り ではない。 5.床付け面 30 ㎝以下は地山をゆるめないように注意し、また、浮 石など崩壊の原因となるものを除去しなければならない。 6.岩掘削においては、小林層群の性質をよく理解し作業を行わなけ ればならない。掘削面に現われなくても、傾斜、付近の亀裂等の 状況においては、掘削面の側近(影響内)に亀裂があり崩土の原 因となることがあるため、岩掘削であっても、協議を行い安全の 確保に務めなければならない。 7.路面処理において、小舗石等特殊舗装材料を使用しているときは 丁寧に取り除き保管しなければならない。 8.舗装切断においては切り口を直線にし、粗雑にならないようにし なければならない。 9.床掘は、土質の硬軟、地形の形状、地下水位等により必要に応じ 土留工等の工法をもって所定の深さに掘り下げなければならない。 10.床掘において堀り過ぎとなった部分は砂、砕石又はコンクリー トなどで監督員の指示に従って入念に埋め戻さなければならな い。 11.床付基面に予期しない不良土質が現われた場合、監督員と協議 のうえ処理しなければならない。 第308条 埋め戻し 1.埋め戻しは、現場の作業条件及び埋設管への影響を考慮し施工 方法については、監督員の承諾を得なければならない。 2.埋め戻しは、必ず排水した後に実施し、水中埋め戻しは原則とし てしてはならない。 3.埋め戻しの材料は、指定されない場合であっても、工事に適合し たものを使用しなければならない。 4 6.マンホールと管の継手生コンクリートは、管の下部まで充填する こと。 7.マンホールと管の継手部分に可とう継手を使用する場合は、漏水 がないように、また、マンホール継手部分の管たわみが生じない ようにしなければならない。 8.マンホールにおいても漏水があってはならない。 9.マンホールの開閉は監督員が了解した場合を除き、下流に向か って開閉できるように設置すること。 10.現場打ちマンホールのステップの位置は 30cm 間隔に設置し、 最下段はインバートから 40cm 以内とする。 第313条 汚水桝設置及び取付管 1.請負者は、汚水桝設置に支障を来たさない期日までに、位置確認 書を提出し監督員の承諾を得るものとする。 2.請負者は、 工事完工図提出時に位置確認書を提出するものとする。 3.汚水桝設置及び取付管の位置決定については、次のことに留意し 施工しなければならない。 (1)請負者は、工事の説明とともに、汚水桝の位置についても申 請者が十分納得できるように説明しなければならない。 (2)位置の決定については、親切で明確な説明とともに、申請者の 意見を尊重したものでなければならない。 (3)位置確認者は、土地所有者であるが、家屋所有者と異なる場合 は、連名にて位置確認書に記名捺印すること。 (4)施工にあたり位置確認書の位置を現地立会のうえ施工すること。 また、設置要望位置に設置することが困難な場合または、不適 当と認められる場合は、要望者にその旨説明し、位置変更を行 うこと。この場合、位置確認書に朱書きで変更し、朱書き上に 捺印すること。 (5)空地について、建築計画等があって、確実に位置変更のない場 合は設置していいが、その他の場合は、桝は設置しない。 4.桝の数は1宅地1個を原則とするが、次により、個数を決めるこ と。 (1) 同一宅地に1親等(血族、因族含む)関係で2家屋ある場合 は、1個とするが、2個を要望された場合は、監督員と協議 すること。 (2) 同一宅地に2親等(血族、因族含む)以上の関係は、1家屋 に1個を原則とする。 (3) 要望位置で宅内排水設備を計画した場合、本管埋設深さより 深くなる等して、施工が困難なときは、2個以上設置して分 散させる。この場合監督員と協議すること。 (4) 家屋の重要な部分を取り壊さないと、排水設備の施工が困難 な場合は監督員と協議の上増設すること。 (5)(1)から(4)によらない場合であっても、桝の増設の依 頼があった場合は、監督員と協議すること。 5.公道(里道) 、水路敷き(流下断面以外の土地) 、に該当する土地 に桝を設置する場合は、事前に監督員と協議すること。 6.私道に係わる公共下水道設置要綱に該当する私道がある場合は、 事前に監督員と協議し、指示を仰がなければならない。 7.汚水桝の深さは、次により決定しなければならない。 (1)排水設備を必要とする最遠地点の土被りは、20cm 以上。 (2)管路勾配は、2%以上を基準とし、1%まですることができ るが、このときは、監督員と協議すること。 (3)管の会合部、折れ部のラップは、1cm とする。 8.取付管の管径の標準は、小林市公共下水道条例 第5条(3)項 による数値を標準とするが、設置要望者が標準以上を必要とする 場合は監督員と協議すること。 9.汚水桝及び取付管からの漏水は、あってはならない。このため次 の事項に注意して施工すること。 (1)支管の接合については、監督員の承諾した接着剤を使用し、 適切な量を使用し、十分接着した後次の施工にあたること。 (2)たわみが生じると漏水の原因となるため、埋め戻しは細心の 注意を払いこれが生じないよう施工すること。 (3)曲管部、カラー部については、接続方向に偏心ずれがあって はならない。 第4章 め指揮・命令系統を明確にし、それぞれの責任者を明かにして おかなければならない。現場代理人及びその補助員の任命につ いては、工事の経歴、経験年数等によって選出し、次の各事項 に関する責任者をそれぞれ決め、市にリストを提出し承認を得 なければならない。 1.主任技術者 2.事務・渉外担当責任者 3.工事担当責任者 4.測量担当責任者 5.電気担当責任者 6.機械担当責任者 7.その他 第403条 工事内容の把握 現場代理人は、工事の着工に先立ち、計画路線を確実に踏査し、 設計書、設計図、仕様書等について十分検討のうえ、工事の目 的、設計者の意図、施工条件を正しく把握しなければならない。 また、関係法規をよく調べておかなければならない。 1.関係法規及び参考図書の主なものは、次のとおりである。 (1)道路法(昭和27年 法律第180号) (2)労働安全衛生規則(昭和22年 労働省令9) (3)公害対策基本法(昭和42年 法律第132号) (4)騒音規制法令施行令(昭和43年 法律第498号) (5)振動規制法(昭和51年 法律第64号) (6)電気設備に関する技術基準を定める省令(昭和40年 通商 産業省令63) (7)酸素欠乏症防止規制(昭和47年 労働省令42号) (8)建設工事公衆災害防止対策要綱(平成5年 建設省経建発 第14号) (9)その他本工事に関係する法規を熟読し、必要なる諸手続を 速やかに関係各省庁に対して行うとともに、市にそのむ ね報告書にて提出しなければならない。 第404条 測 量 1.施工に先立ち中心線及び縦断測量を行い、これらの基準となる 適当なる基準点を設けなければならない。また基準点の設定は、 推進の長さ・形の状況等に応じてトラバース測量、三角測量等 適切な方法にて行わなければならない。 2.基準点は、市下水道基準点によるものとし、移動の恐れのない 所に設定しなければならない。 3.坑内測量は、推進の特性上、入念かつ高頻度で行い、記録しな ければならない。特に立坑への中心線及び水準の導入は正確に 行わなければならない。 4.記録は、監督員の要求に応じて提出しなければならない。 第405条 土質、障害物地下埋設物及び家屋等の調査・検討 1. 工事に先立ち、施工箇所の土質条件を確認しておかなければなら ない。 2. 土質条件は、補助工法、掘削方法、防護工法等を決める基本とな るので、できるかぎり多くの資料により施工箇所の土質を調査し なければならない。 3. もし資料が不足ならば、請負人の費用でもって試験堀りを予め行 うなど、万全の措置をとらなければならない。 4. 障害物、地下埋設物については、立坑部分、推進管の通過部分は もちろんのこと、それらの周囲を含めて位置、構造等を十分に調 査し、必要に応じて移設あるいは防護の計画を立案し、管理者の 承認を受けて工事を行わなければならない。 5. 立坑周囲の家屋等の影響が懸念される時は、事前に請負人の費用 でもって家屋調査等を行わなければならない。 第406条 公害対策 請負者は工事の行われる沿線に対し、公害または環境の変動を 与えないよう配慮して行わなくてはならない。なお、公害発生 が予想される場合は、その対策を検討し、解決に努力しなけれ ばならない。また、工事施工にあたっては、次の項目に留意す るとともに、沿線関係者に対し十分な事前説明を行い、協力を 得られるよう対処しなければならない。 1.騒音防止 工事に伴う騒音規制については、騒音規制法施工令を遵守する ことはもちろん、その他の作業もこの法律及び関係条例、同指 導者等の精神を尊重し、騒音防止に努めなくてはならない。 2.振動防止 工事施工に伴う振動は、土かぶり、地質、他物体との共振及び 個人の感受性により、それぞれ程度が異なるものであるが、公 害防止の精神を尊重し、振動の少ない施工法の採用等、その対 推進工 第401条 適用範囲 本章は、推進工法で施工する下水道管渠工事に適用する。 第402条 職務担当者の選任 請負者は、工事の円滑な施工を図るため、予め職務の分担を定 5 策を考慮しなければならない。 3.地盤沈下対策 施工に伴う地盤沈下は、土質、土かぶり、施工の良否により各々 異なるがその対策については十分注意しなくてはならない。 4.注入工法について (1) 本施工には、地盤強化及び止水のために注入工法を採用して いるが、注入工法はしばしば周辺の地盤、建造物の基礎等を 浮上させる等の種々の問題が起きるので、注入に際しては注 入管理を十分行い、慎重に施工しなければならない。 (2) 予め周辺の状況から地盤浮上等の恐れがある場合に、前もっ て観測用くい、沈下計、傾斜計あるいは地すべり計等の測定 装置を設置し、常に観測しながら慎重に施工しなければなら ない。なお、注入材料によっては有害のものもあるので、作 業の取り扱いならびに井戸への流入防止について十分注意し なければならない。 5. 万一、施工中に苦情を生じた場合は、工事を一時中止してその 苦情を解決したのち、工事を再開しなければならない。 第407条 切羽の安定機能 推進機法前面機能の構造については、土質条件・推進条件等に 応じて貫入抵抗に耐え、切羽の安定性を考慮したものでなけれ ばならない。 第408条 施工設備 1.推進設備 推進設備は管を安全に推進できる能力を有するとともに、推進 作業及び注入作業等に支障なく能率的に作業を進めることがで きるものでなければならない。各推進設備については次のよう な点に注意しなければならない。 (1) 推進用油圧機器は、その公称能力に余裕を残して使用するこ とはもちろん、作動油の中にゴミが入らぬよう、特に配管の 時は注意を要する。老化した作動油は早めに取り替え、故障 を未然に防止しなければならない。 (2) 押し輪、ストラット等は作業前にひずみや溶接箇所の割れ等 を点検しなければならない。 (3) 推進台は当初正確に据え付けていても、次第に狂ってくるこ とが多いので、堅固に据え付けなければならない。 (4) 支圧壁は、入念に施工し、万一推進中、推進力の増加ととも に支圧壁の移動が生じた場合は、ただちに滑材注入や中押し 設備の増強、支圧壁後方地盤の改良等の処置をしなければな らない。 2.運搬設備 運搬設備は立坑、坑外で行われる一連作業を安全に、円滑に、 しかも能率的に進めることができる設備でなければならない。 3.電力設備 電力設備については、次の各項によらなければならない。 (1) 電力設備は、すべて電気設備技術基準に準拠して、設置なら びに維持管理しなければならない。また、坑内は狭いので、 使用材料は絶縁、耐久性及び安全性の大きな材料を用い、保 護装置を完全にする必要がある。受変電設備は、大型機械設 備の集中する発進立抗付近に設けるのが望ましい。契約電力 が50KW以上となる場合は、自家用電気工作物設置の手続 きを経産省、電力会社、消防署等に対して行わなければなら ない。 (2) 電力設備は、各種機器が支障なく運転できる十分な容量と適 当な電圧を持つものでなければならない。 (3) 電力供給の中断は、重大な事故につながる恐れがあるので、 必要に応じ2系統受電とし、自家発電設備は、坑内の換気、 排水及び照明を維持できる容量のものとする。 4.連絡通信設備 本工事では、特に工程管理が重要なので、作業を安全、かつ円 滑に行うため、各作業箇所及び各設備間の連絡用に通信設備を 設けなければならない。工事中は、坑内と坑外との連絡を緊密 に保ち、掘削土砂や資材の搬出入を円滑に実施するとともに、 非常事態の発生を早急に通報できるように、連絡用信号を工事 関係者に熟知せしめ、常に信号に注意し、事故防止に努めなけ ればならない。 5.排水設備 排水設備は、立坑の湧水等を十分に排水できる能力を有すると ともに、不測の出水などに対して予備機を準備しておかなけれ ばならない。 6.照明設備 (1) 立坑内及び坑外の照明は各々その目的に応じた照明と照射方 向を配慮した設備にするとともに停電時に対処できるように しておかなければならない。 (2) 立坑内の照明は立坑の上から数個の投光器で行われているが 立坑内の作業員がまぶしくないように、かつ、なるべく影が 少なくなるように工夫して照らさなければならない。 (3) 坑外照明には、道路交通に対する安全も考慮して設置場所と 明るさを決定することが大切である。照明関係の電源スイッ チは、各グループごとに区分して取り付けるとともに、その 配線用キャプタイヤケーブルは地面に直接接地しないように することが望ましい。なお、保安上動力電源を電燈用に用い ることは禁じられている。 7.安全・衛生管理設備 推進工法は、一般に地下水位以下で、かつ土質の悪い、狭い坑 内で作業することが多く、きわめて悪い作業条件となるので、 関係諸法規の厳守はもちろんのこと作業の安全確保、作業員の 健康管理等に必要な設備を設けるとともに、作業員1人1人に 対して安全教育、健康管理を行う必要がある。 8.坑内の一般安全管理 (1)入坑者の管理 坑内は、関係者以外の立ち入りを厳禁し、それを坑外の見 やすい所に掲示しておく。また、作業員の入坑・退坑時には、 作業室長は人員点呼を行い、入坑者の氏名は坑外に常に表示 して置き、人員を把握しておかなければならない。 (2)故障時対策 推進工法の関係設備は、すべて故障率の少ない安全度の高 いものを使用することが必要で、特に空気圧縮機系統及び電 力設備の故障は、切羽、作業員に及ぼす危険性が大きいので、 停電その他の不測の故障時でも、最小限の機能が確保できる よう配慮しなければならない。予備施設の必要なものは、概 ね次のとおりである。 ・ 電源 2系統電源または自家発電装置 ・ 低圧空気設備 ・ 排水設備 ・ 坑内外の通信連絡設備 ・ 応急医療設備 緊急時に備え、処理設備のある病院を定めておかなけれ ばならない。 9.補助工法 地盤の安定と地下水の処理等のために行う補助工法は、地質調 査資料に基づいて、その効果、信頼性、安全性、施工性等を十 分検討し、監督員の承認を受けなければならない。 10.立坑 (1) 立坑の形状、寸法及び位置は、付近の環境、交通、地下埋設 物等を考慮し、 監督員と協議のうえ決定しなければならない。 (2) 立坑の構造については、土質条件、上載荷重条件に基づいて 強度計算、 施工方法を検討のうえ計算書、 構造図を提出して、 監督員の承認を得なければならない。 (3) 立坑は、長期に使用するので、その保安対策に関しては共通 仕様書に準拠すること。 11.支圧壁 (1) 支圧壁は、土留め壁、背面地盤の変動により異常な荷重が加 わっても変形や破損の生じないよう十分な強度を持ったもの でなければならない。 (2) 支圧壁は、土留め壁と十分密着させ、支圧面は管推進線に直 角に仕上げなければならない。 12.推進 (1) 立坑内の推進台を設け、それによって高さ、姿勢及び方向等 を調整しなければならない。 (2) 山留め背面の地山は不安定であるので、初期発進及び鏡切り は慎重に施工しなければならない。 (3) 方向、勾配及び管とアタッチメントを常に注意し正確に推進 しなければならない。 (4) 管の接合にあたっては、既設管の接合部を清掃し、滑材を塗 布し、止水用のゴムリング、SUSカラー等に損傷のないよ う入念に施工しなければならない。 13.掘削 掘進中は常に切羽及び地表面の状態を把握し、状況の変化に対 応した処置を講じなければならない。また、刃口の掘削は原則 として貫入掘削とし、監督員の承認がないかぎり先掘りをして はならず、作業中断の場合は必ず切羽板土留を施さなければな 6 らない。 14.各種測定及び観測 推進に伴い下記の測定、観測を行わなければならない。 (1)坑内測量 ・方向の基準点(基線)と水準基標の設置 ・推進管の中心線及び水準測量 (2)地表面の沈下測定 (3)主要な近接構造物の沈下測定 (4)ジャッキ圧の測定 (5)支圧壁、土留め壁の状況 (6)土質状況の変化 (7)推進管の状況 (8)その他監督員の指示する事項 15.推進状況の報告 推進に伴う測定結果は、毎日整理検討し、逐次監督員に報告し なければならない。 異常を認めた場合は、 ただちに原因を究明し、 その対策を検討し、監督員と協議のうえ承認を得て処理しなけ ればならない。 16.滑材注入 (1) 滑材の材料については、目的と地山の土質に最も適したもの を検討し、監督員の承認を得なければならない。 (2) 注入は、管の注入孔より行うが、目的、土質に応じて注入時 期、種類、量、圧力等を十分検討のうえ施工しなければなら ない。 17.関係者への連絡 施工業者は工事が完了したことを監督員及び関係各省庁にもれ なく連絡を行わなければならない。特に、地元関係者に対して も、工事が完了したことを連絡し、後日の苦情等を円滑に処理 するために、引揚げ後の連絡先等を知らせておく必要がある。 また、推進工事はその前後の開削工事との関連がある場合は、 これら関連業者への連絡を行わなければならない。 流入しないよう、または注入圧力によって付近の地盤、地下埋設 物及び構造物に変動をきたさないよう常時監視しなければならな い。 3. 配合後の薬液は注入に先立ち注入管より採取し、ゲル化の状況 をチェックしなければならない。なお、採取回数は1日1回以上 及び配合の変わるごとに行なわなければならない。 4. 透水係数の小さい層をはさむような地盤へ薬液を浸透させる必要 がある場合は、空隙の大きい層からセメントまたはベントナイト 溶液を注入し、その後空隙の小さい層に薬液を注入しなければな らない。 5. 薬液注入箇所に近接して井戸等の施設があった場合、その注入並 びに水質監視について特に注意しなければならない。 6. 薬液注入箇所に近接して樹木草木類及び農作物がある場合、果樹 等を含めた樹木類についてはその箇所より垂直距離2. 0m以内、 水平距離3.0m以内また農作物を含めた草木類については垂直 距離1.5m、水平距離1.0m以内の土壌に薬液が浸透しない ようにしなければならない。 7. 工事現場には薬液の品質管理に必要な器具等を備えなければなら ない。 8. 施工にあたっては、品質、注入量及び注入配合を常に確認できる ように、施工方法、材料の搬入方法、空容器の返品方法など定め、 監督員の承認を得なければならない。 9. 注入中は圧力計、流量計を常に監視しつつ各ステップ毎に下記事 項に留意しなければならない。 (1)最初吐出量を少なくし、圧力計を監視しつつ最適圧力の状 態となるまで徐々に吐出量を増加させなければならない。 (2)圧力の上昇、降下に応じて吐出量を加減して極力最適注入 圧力を維持するように努めなけならない。 (3)注入が進み吐出量が一定のままで圧力が上昇し始めたら吐 出量を若干増加させ圧力の急上昇が確認された場合には注入 を打ち切るものとする。 10.薬液の保管は、薬液の流出、盗難の事態が生じないよう厳正に 行わなければならない。 11.地下埋設物に近接して、薬液の注入を行う場合においては、当 該地下埋設物に沿って薬液が流出する事態を防止するよう、必 要な措置を講じなければならない。 第505条 地下水の監視 1.請負者は公共用水域等の水質汚濁を防止するため、薬液注入箇 所周辺の地下水及び公共用水域等の水質汚濁の状況を監視しな ければならない。 2.採水地点は次の各号に掲げるところにより選定するものとする。 (1) 地下水については、薬液注入箇所及び周辺の地域、地形及び 地盤の状況、地下水の流向等に応じ注入箇所から概ね10m 以内において少なくとも数箇所の採水地点を設けなければな らない。なお、採水地点、採水方法については監督職員と協 議の上設定するものとし、状況に応じ既存の井戸を利用して も差し支えない。 (2) 公共用水域等については(1)規定を準用するとともに当該 水域の状況に応じ、監視の目的を達成するのに必要な箇所に ついて選定しなければならない。 3.水質の監視は2項の採水地点で採水した試料を建技160号によ る水質基準に適合しているか否かを判断しなければならない。 4.3項の検査は公的機関またはこれと同等の能力及び信頼を有す る機関において行わなければならない。 5.採水回数は、下記事項によらなければならない。 (1)薬液注入工事着手前 1回 (2)薬液注入工事中 毎月1回以上 (3)薬液注入終了後 ・2週間を経過するまで毎日1回以上(当該地域における 地下水の状況に著しい変化がないと認められる場合で調査 回数を減じても監視の目的が十分達成されると判断される ときは週1回以上) 。 ・2週間経過後半年を経過するまでの間にあっては月2回 以上。 第5章 薬液注入工 第501条 一般事項 1.薬液注入の施工にあたっては、薬液注入工法による建設工事の 施工に関する暫定指針(建設省官技発160号 昭和49年7 月10日)により施工しなければならない。 2.薬液注入工事は、注入工事に関する優れた技術と経験を有する 責任技術者を現場に常駐させ、十分な施工管理を行わなければ ならない。 3.注入場所と井戸、河川、貯水池または養魚池等(以下井戸等 という)が近接する場合(概ね10m以内)は井戸等の水質 を汚染するおそれがある薬液で注入工事は行なってはならない。 ただし、信頼できる不透水層またはこれに代わるものが挟在す る場合はこの限りでない。 4.注入に使用する薬液は、水ガラス系(主剤がケイ酸ナトリウム である薬液をいう)で劇物またはフッ素化合物を含まないもの でなければならない。 第502条 事前調査 1. 薬液注入の施工計画にあたっては、事前に下記事項について調査 し、速やかに監督職員に報告しなければならない。 (1)土質調査(透水性、力学的、物理的性質) (2)地下埋設物(種類、構造、形状、位置、土被り) (3)地下水(水位、水質、流れの方向) (4)井戸等の有無(注入現場から概ね100m以内) (5)井戸等の水質、位置、深さ、形状、利用目的及び利用状況 2. 前項のうち水質調査は水素イオン濃度、COD及び主な含有物 などについて、 公的機関の試験結果を報告しなければならない。 第503条 施工計画 薬液注入工施工にあたっては、特に次の項目を記入した施工計画 書を提出し監督職員の承諾を得なければならない。 (1) 「注入責任技術者名」 「注入液配合表(商品名も記入) 」 (2) 「注入設備内容」 「注入施工図」 「注入工程表」 (3) 「現場注入試験等」 第504条 施工及び管理 1.薬液の注入にあたっては、薬液が十分混合するよう主剤及び助 剤の混合点から注入点までの距離(混合長)は10m以上とす る。 2. 注入作業中は付近の井戸等及び地下埋設物、構造物等に注入液が 第6章 土留工 第601条 一般事項 1. 請負者は、労働者の安全を図るとともに、施工の正確性を保つた めに、必要に応じ、土留工を施さなければならない。 7 2. 請負者は、監督員が特に指示する場合を除き、次の事項について 事前の調査を行わなければならない。 (1)表層から掘削底面及びそれ以下にいたる土質 (2)地下水位及び湧水量 (3)排水計画に必要な調査 (4)地下埋設物の種類、位置、構造、老朽度 (5)周辺構造物の種類、位置、構造、老朽度 (6)道路の交通事情(沿道の車の出入り、通過交通量と種類など) (7)騒音、振動の環境調査 3. 請負者は、監督員が特に指示する場合を除き、工事施工中に作用 する荷重を詳細に検討し、工事の各段階における地盤の安定を図 るとともに、土留工の必要な場合は、土留各部の応力状態並びに 変異等、次の事項について検討し、監督員と協議しなければなら ない。 (1)根入れ部の土圧及び水圧に対する安定 (2)土留壁の鉛直支持力 (3)土留壁の応力 (4)掘削底面地盤の安定 (5)土留支保工の応力 (6)土留壁の変形及び背面地盤の変位 (7)設置地点の立地条件等に応じた機械選定 4.請負者は、監督員が特に指示する場合を除き、次の事項について 施工中の管理を行なわなければならない。 (1)矢板、支保材の変形 (2)周辺地盤の変形 (3)地下埋設物の防護及び周辺構造物の変形 (4)掘削底面の土の状況 (5)湧水あるいは矢板継手からの漏水 (6)土留材の保安、点検、その他 第602条 施工 1.土留支保工は、施工計画書にしたがって、施工しなければなら ない。 2.切り梁りには必要に応じジャッキを使用して土留背面の地盤の 移動を阻止し、合わせて、地下埋設物及び周辺構造物に影響を 与えることのないように施工しなければならない。 3.必要に応じ、切り梁設置前には油圧ジャッキを使用して、設計土 圧と同程度ブロードをかけなけなればならない。 4.矢板と腹起こしの間隙には次の掘削にかかる前に、全面に渡って 間隙のないようにして、矢板の移動を阻止しなければならない。 5.切り梁の撤去は、切り梁下面の埋め戻しが十分突き固められた後 で行わなければならない。なお、もり替梁を必要とする場合でも 適宜同様の措置をとって、 矢板の移動を防止しなければならない。 6.上段切り梁の撤去は、埋め戻し土が背面水圧に十分耐えられるま で撤去してはならない。 7.矢板の引き抜きは、施工条件、引き抜き時期あるいは、引き抜き 方向を十分検討した上で行わなければならない。 8.引き抜きに際しては、管渠等地下埋設物及び周辺構造物に影響を 与えないよう十分注意して行わなければならない。 9.引き抜き後は、空隙を完全に充填するために、砂を入念に流し 込みジェットウォーター併用により水締めを行なうなどの措置 を講じて、地盤の移動及び沈下を防止し、あわせて埋設物、 周辺構造物に対する影響を防止しなければならない。 第603条 鋼矢板土留 1.屈折箇所の矢板はコーナー用に加工した矢板を使用し、継手の 安全を図らなければならない。 2.矢板の打ち込みは、支持切り梁を設置し、振れ、ねじれを防止 するように留意し、隣接矢板が共下がりしないようにしなけれ ばならない。 3.打ち込み中、矢板を破損したり、傾斜の著しいときは、監督員 と協議の上施工しなければならない。 第604条 木矢板及び軽量鋼矢板土留 1.計画線に沿って掘削の進行にあわせながら、垂直に設置しなけ ればならない。 2.切り梁は、施工計画の掘削に達したときに設置し、この後、次 の施工に移らなければならない。 3.木矢板は、板厚3㎝以上とし、先端を片勾配に仕上げ必要に応 じクツ金物を取付け、また頭部には、打ち込みの時の衝撃に耐 えるように鉄板あるいは、番線等で補強しなければならない。 第605条 建て込み簡易土留 1. 建て込み土留材は先堀りしながら所定の深さに設置しなければな らない。 2. 土留背面に間隙が生じないよう切梁による調整、または砂詰め等 の処置をしながら、建て込みを行わなければならない。 3. 建て込み土留材の引抜きは締固め厚さごとに引抜き、パネル部分 の埋め戻しと締固めを十分行わなければならない。 8
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