Title 持続性サルファ剤の抗結核作用特にINHとの併用効果

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持続性サルファ剤の抗結核作用特にINHとの併用効果(
Abstract_要旨 )
清水, 明
Kyoto University (京都大学)
1966-09-27
http://hdl.handle.net/2433/211959
Right
Type
Textversion
Thesis or Dissertation
none
Kyoto University
【168 】
清
水
し
みず
学 位 の 種 類
医
学
学 位 記 番 号
論
学位授与 の 日付
昭 和 41 年 9 月 27 日
学位授与 の要件
学 位 規 則 第 5 条 第 2 項 該 当
学位 論文題 目
持続 性サル ファ剤 の抗 結核作 用特 に IN H
との併用 効果
論文 調査 委員
数(㌔ j%
教 授 辻
氏
医
論
明
あきら
士
博
博
第 317 号
藤 益 一
文
教 授 長 石 忠 三
内
容
の
要
周 介
旨
肺結核 に対す る Isonicotinic acid hydrazide (IN H ) と Sul丘
soxazole (SI) との併用効果 は, 著者 の
研究室 において発見 され, 現在では広 く全 国一般 に使用 されている0 - 万近年一連 の持続性 サル ファ剤 ,
すなわ ち SulBsom ezole (M S-53) Sulfam ethoxypyridazine (SM P ) Sulfadim ethoxine (SD M ) Sulfap-
henazole (SP ) Sulfathiom ethylpyridazine (SY -1) および Sulfam ethom idine (SM M ) 等 の出現 を見 た
が, これ ら持続性 サル ファ剤 も SI と同 じく, IN H
の併用剤 と して使用 し得 るか否かを次 の諸点 よ り検
討 した。
先ず始め に試験管 内における制薗作用並 びに IN H との併用効果 につ いて, 人型結核菌 H 37R v 株 を対
象 に10% 血清加 キル ヒナ- 培地 を用 いて検討 した。 その結果 は, いずれの持続性 サル ファ剤 も単独の制菌
力は弱 いが, M S-53, SP , SY -1 は SI に匹敵す る効果 を もち, いず れの薬剤 も接種菌量が少 な く, 培地
P H が酸性 にな るほどそれ らの制菌カは増強 され るとい う点で SI とその規 を一 に していた。 一方 IN H
との併用効果では SI が最 もす ぐれ, 続 いて SP , SY -1, M S-53, SD M , SM M
の順であ った。
持続性サル ファ剤の代表 と して とりあげた M S-53 では SI と同 じく IN H 感受性菌 に対す るよ りも耐
性菌 に対 して比 較的制菌効果 が強か った。
次 いで健常家兎 を用いて IN H 持続性 サル ファ剤併用投与時の血 中制菌カの 消 長 を , IN H 単独並び に
IN H ・S I 併用投与時を対照 と して, 志保 田の方法 によ り比較検討 した。 その結果90% 血清加 キル ヒナ- 培
地での血中制菌力持続時間は SI 併用時が最高で, 以下 SD M , M S-53, SM P , SM M , SP 併用の順であ
り, 50% 血清加 キル ヒナ- 培地でのそれは, SI 併用 と SD M
が同等で最 も長 く, 以下 M S-53, SM M ,
SM P , SP 併用の順で ああ り, 10% 血清加 キル ヒナー培地では, SL SD M , SM P 併用 が同等で最 も長 く,
以下 M S-53,SM M ,SP 併用の順で った。 これ らの結果 よ りして持続性 サル ファ剤 は, 血 中制菌力 におい
て SI 併用 時ほど著 明でなか ったが , IN N との間 に併用効果 を認 め得 た。
さ らに持続性 サル フ ァ剤 , IN H 併用投与時の血 中活性 IN H 濃度を, 健康成人経 口投与 によ り, IN H 単
一
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独 , IN H , SI 併用投 与時を対照 と して, 山下 の 方 法 によ り 100 r/cc P A B A 加 50% 血清加キル ヒナー培
地 を用いて生物学的 に測定 した結果では, 投与後 2 時間後の血 中活性 IN H 濃度は , S I 併用時が最 もす ぐ
れ, 以下SM P , M S 53,SP ,SD M 併用 の順で, いずれの場合 も IN H 単独投与時 よ りも高 い値 を示 した。
しか し投与後 4 時間の血 中活性 IN H 濃度は, S I 併用時のみが 著 明 に高 く, 他は IN H 単独時 とほ とん
ど差 を認 めなか った。
最後 に初回治療例での臨床効果 を比較す ると, 胸部 Ⅹ線所見 (基本病変) では , IN H 持続性 サル ファ剤
併用療法 の うちで IN H ・SI 併用療法 よ りやや優 れているものがあ ったが ,空洞所見では IN H ・持続性サル
ファ剤併用療法 と IN H ・SI 併用療法 とはほぼ同様の成績を得 た。 次 に暗疾中結核菌培養成績 で は , IN H
持続蛙 サル ファ剤併用療法が IN H ・S I 併用療法 よ りやや劣 る成績であ った。
さ らに副作用 の点では, IN H ・持続性 サル ファ剤併用療法 が , IN H ・SI 併用療法 よ りやや多か った。
以上 の諸成績 を総 合 す れ ば, IN H と持続性 サル ファ剤 との併用効果 は, IN H と SI との併用 効果 よ
りやや劣 るが, しか しその差 は僅少 のよ うである。
よ って IN H の併用薬剤 と して持続性サル ファ剤 は意味あるもの と考え られる。
論 文 審 査 の 結 果 の 要 旨
肺結核 に対す る IN H とスル フィソキサ ゾール との併用効果はわれわれの研究室で発見 され, 現在広 く
全 国一般 に普及す るに至 っている。 一方近年数種 の持続性 サル ファ剤 が出現 したので, 著者は これ らがは
た してスル フィソキサ ゾール と同様 に IN H の併用剤 と して用 うるに足 るかど うかを諸種 の点 か ら検索 し
たのである。
まず試験管 内結核菌発育阻止作用 において これ らのサル ファ剤単独の効果は スル フィソキサ ゾールにほ
ぼ等 しく, 試験管 内併用効果 においてはスル フィ ソキサ ゾール にやや劣 っていた。 代表 と して とりあげた
スル フイ ソメゾ- ルはスル フイ ソキサ ゾ- ル と同 じく IN H 感受性菌 に対す るよ りも耐性菌 に対 して発育
阻止効果 が比較的強か った。
動物 における血 中制菌力の持続時間 において もスル フィソキサ ゾール にはやや劣 るが, これ らサル ファ
剤 と IN H
との問 に併用効果 が認め られ , IN H の血 中活性濃度 において も同様 の結果 が得 られた。
臨床成績 を総合す ると, IN H と持続性 サル フ ァ剤 との併用効果 は IN H とスル フィ ソ キ サ ゾール との
併用効果 よ りやや劣 るが, その差 は僅少のよ うであ った。 す なわ ち持続性サル ファ剤 も IN H の併用剤 と
して意味ある ものと結論 された。
以上本論文 は学術上有益であ って医学博士 の学位論文 と して価値 ある もの と認定す る。
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