『「安倍内閣」熊本支援の失態失 策大失敗』と銘打っての特集を「5 月 5

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『「 安 倍 内 閣 」 熊 本 支 援 の 失 態 失
策 大 失 敗 』と 銘 打 っ て の 特 集 を「 5
月 5・12 日 ゴ ー ル デ ン ウ ィ ー ク 特
大 号 」の 巻 頭 で 組 ん だ の は 、豈 図
( あ に は か )ら ん や「 週 刊 新 潮 」。
リードの文章も他媒体が顔負け
の辛辣さです。
「たった 1 週間で更迭された副大
臣『 松 本 文 明 』愚 の 骨 頂・支 援 物
資がダブついたのは過去の教訓
に 学 ん で い な い・激 甚 災 害 指 定 に
11 日 間 も か か っ た の は ど な た の
責 任 か・政 権 が も た ら し た『 余 震 』
『 二 次 災 害 』 を 陳 列 す る 」。
「 前 震 」 翌 日 の 4 月 15 日 朝 、 蒲
島郁夫知事は政府の地震非常災
害対策本部会議にテレビ回線で
出 席 し 、激 甚 災 害 の 早 期 指 定 を 安
倍 晋 三 首 相 に 要 請 。「 関 係 省 庁 に
出来る限り早く対応するよう指
示 」と 菅 義 偉 官 房 長 官 は 同 日 午 前
に 表 明 す る も 、河 野 太 郎 防 災 担 当
相 は「 現 地 の 情 報 収 集 の 報 告 を 受
け て 、必 要 な ら 動 き た い 」と 及 び
腰。
「 本 震 」翌 日 17 日 、
「激甚災害に
指定するよう」谷垣禎一幹事長、
二階俊博総務会長から要請を受
け た 首 相 は「 迅 速 に 検 討 す る 意 向
を 示 し た 」 も の の 、「 現 場 の 状 況
を 私 の 目 で 確 か め 、被 災 者 一 人 ひ
と り の 思 い を 受 け 止 め る 」と 強 調
し 、 補 選 投 票 日 前 日 23 日 に 被 災
地 入 り 。激 甚 災 害 指 定 が 持 ち 回 り
閣 議 で 決 定 さ れ た の は 25 日 で し
た。
「 持 ち 回 り 閣 議 」と は 、
「リアル」
閣 議 を 召 集 せ ず 、首 相 か ら 閣 議 書
を各大臣に回し、
「 花 押( か お う )」
と呼ばれる図案化した署名を以
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て 閣 議 決 定 と す る 「 エ ア ー 」。 小
一 時 間 で 可 能 で す 。竹 下 登 氏 か ら
村山富市氏まで 7 つの内閣で官房
副長官を務めた石原信雄氏の
「 3・ 11」 直 後 の 述 懐 を 再 録 し ま
す。
発生 3 日後に震災対策担当大臣
と な っ た「 自 民 党 の 小 里 貞 利 氏 の
下に各省の官房長クラスを配し、
被災状況に応じて対策を即決で
き る 態 勢 に し た 」。「 村 山 首 相 は
『 結 果 の 責 任 は 自 分 が 負 う 』と 仰
っているから存分にやって下さ
い。各省の役人が反対するなら、
私 が 押 さ え 込 み ま す 、と 小 里 氏 に
申 し 上 げ た 」。
「復興対策では各省
が 実 働 部 隊 に な る 。首 相 官 邸 の 組
織 は 簡 潔 に し 、各 省 に 指 示 が ス ト
レートに伝わる仕組みを作る事
が 大 事 」。
「各省の政務三役で方針
を 議 論 し て い る 時 間 は 無 い 」。
「し
か し『 政 治 主 導 』を 唱 え る 菅 直 人
内閣はやたらに官邸に人を集め、
混 乱 し て い る 印 象 が あ る 」。
小 里 貞 利 氏 の「 首 相 は 最 高 司 令
官 と し て 、閣 僚 や 担 当 者 か ら 上 が
っ て く る 情 報 を 把 握 し 、総 合 的 な
調 整 を 行 い 、高 度 な 政 治 判 断 を 伴
う 問 題 に つ い て は 、自 ら 機 敏 に 方
針を指示する役割を担っている
が 、ど う も す べ て を 自 分 の 職 責 と
し て い る 感 じ が す る 」と の「 過 去
の 教 訓 」も 併 せ て 紹 介 し て お き ま
す。
言 わ ず も が な 、現 行 憲 法 の 根 幹
は 主 権 在 民 。「 前 震 」 に 続 く 「 本
震 」当 日 と 翌 日 に 実 施 し た 毎 日 新
聞 全 国 世 論 調 査 で は 65% が 、 閣
議決定後の共同通信全国世論調
査 で も 64.5% が 、政 権 の 震 災 対 応
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は「 適 切 」と 回 答 。
「天災もまた、
為政者に仮借なき審判を下すの
である」との一文で締め括った
「週刊新潮」とは異なる評価が、
現 時 点 で の「 世 論 」な の か も 知 れ
ません。
その上で、内閣支持率は前回 3
月 の 48.4% か ら 微 減 の 48.3% だ
っ た 4 月 29 日 、30 両 日 に 実 施 し
た共同通信の調査結果を今少し
眺めてみましょう。
「『 ア ベ ノ ミ ク
ス 』に よ り 日 本 社 会 で 格 差 が 広 が
っ て い る と 思 い ま す か 」
YES57.0 % NO34.6 % 。「 参 院 選
に向けて野党が統一候補を出す
こ と を 評 価 し ま す か 」YES52.6%
NO39.1% 。
「参院選で投票先を決
める際に集団的自衛権の行使を
可能とする安全保障関連法を判
断 材 料 に し ま す か 」 YES59.5 %
NO35.3% 。
因 み に 首 相 は 28 日 夜 、「( 自 衛
隊 を )憲 法 学 者 の 7 割 が『 違 憲 だ 』
と言っている状況のままでいい
のか」
「思考停止している政治家、
政党の皆さんに真剣に考えて貰
い た い 」と 日 本 テ レ ビ の 単 独 イ ン
タ ヴ ュ ー で 挑 発 す る 一 方 、「 私 た
ちだけで(参議院の議席)3 分の
2 を取るのは殆(ほとん)ど不可
能 に 近 い 。与 党 外 の 政 党 、個 人 の
皆さんを如何に集める事が出来
るかだ」と秋波も送っています。
共 同 通 信 は 今 回 、「 安 倍 政 権 下
の 改 憲 反 対 56 % 公 明 支 持 層
59% 反 対 」と 見 出 し を 付 け て 配 信
し ま し た 。憲 法 改 正 と い う 一 般 名
詞ならぬ現政権下での憲法改正
と い う“ 限 定 名 詞 ”を 用 い て の「 安
倍晋三首相の下での憲法改正に
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賛 成 で す か 、反 対 で す か 」へ の 回
答 は 、賛 成 33.4% 反 対 56.7% 分
か ら な い ・ 無 回 答 10.1% 。
「連立与党の公明党支持層で賛
成 は 34.9 % に 留 ま り 、 反 対 が
59.2% 」。
「支持政党なしの無党派
層 は 68.0 % 、 民 進 党 支 持 層 で
91.8% が 反 対 し 、夏 の 参 院 選 で 改
憲の争点化を図る首相への警戒
感 が 浮 か び 上 が っ た 」と 政 党 支 持
層 別 の 数 値 も 公 表 。「 年 代 別 の 改
憲 反 対 派 の 割 合 」 も 20 ~ 30 代
57.4% 、40~ 50 代 56.4% 、60 代
以 上 55.8 % と 全 世 代 で 過 半 数 が
反対と回答しています。
「首相が改憲勢力として期待す
るおおさか維新の会支持層でも
賛 成 は 39.9% で 反 対 は 55.0% 」。
自由民主党以外の現存する国政政
党で初めて憲法改正案を同党は発
表するも、
「幼児期から大学までの
教 育 完 全 無 償 化 」「 統 治 機 構 改 革 」
「憲法裁判所の設置」の 3 項目の
み。新設するのは「飛躍しすぎ」
と二階総務会長も 5 月 2 日に改め
て懸念した2012年自民党案の
「緊急事態条項」並びに「憲法 9
条 」は 、大 方 の 先 入 観 と は 異 な り 、
おおさか維新の会の綱領にも 8 つ
の基本方針にも見当たりません。
昨年の全国戦没者追悼式で今
上 天 皇 は 、「 平 和 の 存 続 を 切 望 す
る 国 民 の 意 識 に 支 え ら れ 、我 が 国
は今日の平和と繁栄を築いてき
ま し た 」「 こ こ に 過 去 を 顧 み 、 さ
きの大戦に対する深い反省と共
に 、今 後 、戦 争 の 惨 禍 が 再 び 繰 り
返 さ れ ぬ こ と を 切 に 願 い 」と 述 べ
ました。
「 戦 後 、連 合 国 軍 の 占 領 下 に あ っ
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た 日 本 は 、平 和 と 民 主 主 義 を 、守
る べ き 大 切 な も の と し て 、日 本 国
憲 法 を 作 り 、様 々 な 改 革 を 行 っ て
今 日 の 日 本 を 築 き ま し た 」。 傘 寿
( さ ん じ ゅ )を 迎 え ら れ た 2 年 半
前 の 誕 生 日 に 際 し て も 、敢 え て 日
本 を「 主 語 」と し て 会 見 さ れ ま し
た 。そ れ は 、日 本 の 世 論 & 輿 論( よ
ろ ん ) と 共 振 す る “人 間 天 皇 ”の 、
主権在民な御言葉に思えます。