Title Author(s) Citation Issue Date URL Studies on the Telomerization of Ethylene with Carbon Tetrachloride( Abstract_要旨 ) Kitamura, Kiyoshi Kyoto University (京都大学) 1966-11-24 http://hdl.handle.net/2433/212043 Right Type Textversion Thesis or Dissertation none Kyoto University 【4 7】 氏 北 1 1 村 きた 清) むら きよし 学 位 の 種 類 理 学 学 位 記 番 号 論 学位授与の 日付 昭 和 41 年 11 月 24 日 学位授与の要件 学 位 規 則 第 5条 第 2 項 該 当 学位論文題目 St udi e so nt heTe l o me iz r at i o no fEt hyl e newi t hCa r bo n Te t r a e hl o r i de 理 博 博 士 61号 第 1 (ェチ レンと四塩化炭素のテ ロメ リゼー シ ョンに関す る研究) (主 査) 教 授 大 杉 治 郎 論 文 調 査 委員 論 文 教 授 田 中 正 三 内 容 の 要 教 授 後 藤 艮 造 旨 溶媒 が重合の連鎖移動にあずか るオ レフィ ンの短鎖の重合をテ ロメ リゼーシ ョンとい う｡ これ に関す る l l i ng らの先駆的な研究以来数多 くの発 表 が あ る が, ま だ 多 くの未知な点が残 されてい 研究 は ,C.Wa る｡ 申請者 の研究 は, テ ロメ リゼーシ ョンの うちで も簡単 なエチ レンと四塩化炭素 との反応 に関す るもので ある ｡ この反応 は著明な反応例ではあるが, 速度論的な詳 しい研究 はほとん ど行なわれていなか った｡ 申請者 は鎖長の異な る種 々の フ リー ラジカルの付加および連鎖移動における反応性 および高圧下 の反応 系の相状態を中心 と して研究を行な っている｡ 主論文第 1部 は, アゾ ビスイソブチ ロニ トリル ( AI BN) を開始剤 とす る四塩化炭素のテ ロメ リゼ- シ ョンの反応速度論 に関す る もので ある｡ 第 1 部 の研究を行な うには, 反応系の気液平衡 に関す る物理化学 的な研究が必要で あるが, これ に関す る研究 は主論文第 2部 に報告 されている｡ この研究結果 によ って, この反応 を速度論的 に取 り扱 うのに最 も適 した実験方法を定めた｡ すなわち, 圧力を一定 に保 ち反応温度 の制御を容易に し, 均一 系で反応 させ るには蛇管型の反応容器を用い, 流 通 法 に よ る の がよい と結論 し て, それ に基づ いて高圧蛇管型流通反応装置を設計製作 して , 反応速度の吟味を行な っている｡ そ して エ チ レンの重合率 および生成物の重合度分布 にたいす る反応温度 , 反応時間の影響を調べ, 従来のオー トク レーブによ る実験 における相状態の複雑 さを除 いた定量的結果 を得て反応機構 と結 び合わせて重合速度の 実験式 および生成物組成 の検討 を行な っている｡ 速度式は - d[C 2H dt-k ' [ C2H4] [ AI BN] 1/2 ｡]/ に従 い, エチ レンの反応率 ガ は -l n( 1-x)-k w l AI BN] 1 . / 2[1 -e xp(- k i t / 2 ) ] でえ られ る｡ 実験結果 はこれ とよ く一致 し, k ′ および k " よ り求 め られ る生長の速度定数 kp は鎖長 n によ って異 な る k pn の平均値である｡ - 13 4 - C nが求 め られ, 生成物の重合度分布 よ り n 量体の連鎖移動定数 これが実験事実をよ く説明す ること を確かめて いる｡ 主論文第 2部 は, エチ レンと四塩化炭素 との反応系の反応条件付近 における相平衡 に関す る物理化学的 研究で ある｡ エチ レンに圧 力を加 えると容易に四塩化炭素 に溶解 吸収 され , 溶液の体積 は増大 し, もとの四塩化炭素 の体積の数倍 に も達す る｡ エチ レンの圧力 と溶液中のそのモル分率 とはかな り広範 囲に比例 し, 体積増加 は溶解 量に比例す る｡ しか し, エチ レンの濃度がある値以上 にな ると任意の割合で混合溶解 して均一溶液 ( CH2 CH2 ) n CC 1 3 - のエチ レン にな ることを明 らかに している｡ また,生成物 のテ トラクロルアル カン Cl の溶解 につ いて も同様 に吟味 し,n がます と溶解 し難 くな り, 平衡圧力は高 くな ることを見 出 している｡ このよ うに反応 に伴 ってエチ レンが消費 され ると反応系の体積 は大 き く変化す るが, 反応速度を扱 うに はこの点の考慮 が必要 であ り, この吟味を行 って いる｡ 参考論文 8編 は, いずれ も圧力 による蛋 白質 の変性 な らびに酵素の不活性化 に関 して速度に重点をおい た物理化学的研究 である｡ 論 文 審 査 の 結 果 の 要 旨 重合反応の速度論的研究 において, 溶媒 が反応 に関与す るテ ロメ リゼ- シ ョンにおいては, 重合 に伴 う 連鎖移動が重要 な問題である｡ 申請者 は, エチ レンと四塩化炭素の短鎖 の重合反応 におけるこの問題を中心 に して, あわせて反応系の 物理化学的な研究を行 な って本反応の解明を行 な った｡ 主論文第 1部の速度論的な研究 は, 従来のオー トク レーブを用いた場合の反応系の相状態の複雑 さを除 くために, 均一 系で反応を進行 させ るよ うに第 2部 に述べ られている結果 に もとづ いて独 自に工夫 された 反応装置を用いて行なわれている｡ そのためには圧力を一 定 に保 ち, 反応熱 を 制 御 す る こ とが必要 であ り, このために, 申請者 は蛇管型高圧反応器 を用いる流通法 によ っているのは適切な考慮で ある｡ このよ うな均一溶液相 におけるエチ レンの重合反応率 および重合度分布 に対す る反応温度および反応時 間の影響を調べて, は じめて反応機構 と結 びついた定量的な重合速度式 , および生成物組成 に関す る知見 を得ている｡ 実験的 に求 め られた速度定数 , 活性化 エネルギ ーな どの知識 に基づ いて , 鎖長 によ って異な る生長 ラジカルの連鎖移動定数を決定 し, 重合度分布の実験値 とよ く一致す ることを確 かめている｡ 主論文第 2部 は, エチ レンと四塩化炭素 よ りな る系の気液相平衡 に関す る物理化学的研究で ある｡ 組成 による平衡圧 の変化 , 温度の平衡圧 との関係 , 組成 , 圧力 , 温度, 密度の関係が測定 され , 圧力- 容積温度の関係 , 部分分子容 , 熟膨脹係数 , 溶解熱な どの化学熱力学的な知見 を得ている｡ そ してエチ レンと 四塩化炭素 との溶解現象 の特異な性状を明 らか に している｡ これ らの知見を もとに して従来のオー トク レーブによる実験を論議 し, 反応 の進行 に伴 う系の体積の減 少を吟味 し, さ らに本反応の爆発 に関 して基礎 的な考察がな されている｡ 参考論文 は圧力 による蛋 白質の変性 , 酵素の失活 に 関 す る興 味ある物理化 学的研究 8編よ りな ってい J る｡ - 1 3 5 一 要す るに主論文 , 参考論文 ともにそれぞれの分野の物理化学的研究 と してす ぐれた ものであって , その 分野の学術の進歩 に寄与す るところが少な くない｡ よ って, 申請者北村清の論文は理学博士 の学位論文 と して価値があるものと認める｡ -1 3 6 -
© Copyright 2024 ExpyDoc
![株式会社ニュートラックかみのやま [PDFファイル／49KB]](http://s3.expydoc.com/store/data/008032701_1-2903465bafc20a0323704d0391614264-250x500.png)