Pictet Fund Watch

販売用資料
ピクテ・ファンド・ウォッチ 2016年5月18日
ピクテ資源国ソブリン・ファンド(毎月分配型)
Pictet Fund Watch
資源国、注目のトピックス集
2016年4月の資源国のソブリン債券市場は、まちまちな動きとなりました。また資源国通貨(対円)は概ね下落しまし
た。4月は、資源国では注目の高いブラジルの政局や原油を巡る動き、ロシアの動向などについて紹介しています。
引き続き日米欧の金融政策や中国経済の動向なども注目のトピックスでした。
資源国ソブリン債券市場の動向
図表1:注目のトピックス
2016年4月の資源国のソブリン債券市場は、まちまち
な動きとなりました。ブラジルは、ルセフ大統領の弾劾
手続きが進むとの観測やインフレ見通しの下方修正な
どがプラス要因となりました。インドネシアはインフレ圧
力低下などを背景に上昇しました。
資源国の為替については、円に対して概ね下落しまし
た。原油をはじめ商品価格が上昇したことなどを背景
に資源国通貨は対米ドルで概ね上昇しましたが、一方
で、市場の期待に反し日銀が金融政策を据え置いたこ
とから円高が進行し、対円で見ると多くの資源国通貨
が下落しました。
注目トピックス
今回の注目のトピックス集では、注目度の高い、ブラジ
ルの政局や原油を巡る動きの他、ロシアの動向、オー
ストラリアの金融政策などについて取り上げています。
また資源国に関連の深いトピックスとして、日米欧の金
融政策やIMF(国際通貨基金)が発表する経済成長見
通し、中国経済の動向などについても紹介しています。
ピクテ投信投資顧問株式会社
地域・国
資源国トピックス
カテゴリー
ページ
オースト 豪中銀の今後の金融政
ラリア 策の方向性を占う
金融政策
2
ロシア
利下げ余地が生まれつ
つあるロシア
金融政策
3
ブラジル
ブラジル政局、考えるヒ
ント
政治
4
資源国
原油市場はドーハの悲
劇なのだろうか
商品市況
5
格付
6
カテゴリー
ページ
経済環境
7
ロシアの格付け動向を
左右した要因
資源国に関連の深い
地域・国
トピックス
米3月雇用統計、回復を
米国
示唆するも力不足
ロシア
日本
円ドル相場108円台。そ
の理由
為替
8
ユーロ圏
ECB議事要旨に見る今
後の金融政策
金融政策
9
世界
IMF、世界経済見通しを
再び下方修正
経済環境
10
中国
中国GDP、質を見ること
も必要では
経済環境
11
日本
円安を演出?日銀版
TLTROⅡが話題に
金融政策
12
米国
米FOMC、可能性は残
すも6月の利上げはやや
後退
金融政策
13
巻末の「当資料をご利用にあたっての注意事項等」を必ずお読みください。
1
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ピクテ資源国ソブリン・ファンド(毎月分配型)
豪中銀の今後の金融政策の
方向性を占う
今回の豪金融政策会合では足元上昇傾向となっている豪ドル
に対する豪中銀のコメントに注目しました。声明で豪ドル高へ
の極端な懸念は示されなかったものの、緩和姿勢維持により
豪ドル高の勢い低下の可能性もあります。
豪中銀:政策金利を市場予想通り2%に据え
置き、為替について言及
どこに注目すべきか:
鉄鉱石価格、豪ドル、トリム平均、雇用市場
今回の豪金融政策会合では足元上昇傾向となっている豪
ドル(図表1参照)に対する豪中銀のコメントに注目しました。
声明で豪ドル高への極端な懸念は示さなかったものの、緩
和姿勢維持により豪ドル高の勢い低下の可能性もあります。
まず、豪ドルは(対ドルで)、年初の安値から足元1割以上豪
ドル高となっています。過去豪ドル高をしきりに懸念してい
た豪中銀ですが、鉄鉱石価格の回復に伴う豪ドル高という
現局面で、恐らく豪ドルのさらなる上昇に懸念を持ちつつも、
声明で為替に対し直接的な表現は控えた印象です。
それでも、今後の豪金融政策を占うと、政策金利の据え置
きを維持しつつも、経済指標の悪化が明らかとなれば利下
げで対応する可能性もあると見ています(緩和バイアス)。
そこで注目したい経済指標の1つ目はインフレ率(図表2参
照)で、豪中銀は緩和姿勢を維持する拠り所としてインフレ
率が低水準であることを指摘しています。例えば、前回の
声明文では低インフレ環境が継続すれば、追加金融緩和
余地を与えるだろうと指摘しています。今回の声明では低イ
ンフレ率が1、2年続くとの見込みを述べています。
2つ目は豪雇用統計です。豪中銀理事会の議事録(3月1日
開催分)で雇用環境は改善していると述べるなど堅調です。
しかし、例えば雇用者数変化の動向を見ると、2015年末か
ら回復の勢いに低下が見られる(図表3参照)など、変化の
図表1豪ドル(対米ドル)と鉄鉱石価格の推移
(日次、期間:2015年4月6日~2016年4月4日)
70
米ドル/トン
65
60
55
50
45
40
35
15年4月
15年7月
米ドル/豪ドル 0.85
鉄鉱石価格(左軸)
豪ドル(対米ドル、右軸)
0.75
高 豪ドル 安
オーストラリア準備銀行(中央銀行、豪中銀)は2016年4月5
日、政策金利であるオフィシャル・キャッシュレートの誘導目
標を2%に据え置くことを決定しました。市場ではほぼ全員が
政策金利の据え置きを予想していました。2015年5月に利下
げして以降、豪中銀は政策金利を据え置いています。
なお、声明では為替(豪ドル)について、豪ドルの上昇は経済
の調整を複雑化させる可能性があると指摘しています。
兆しも見られます。豪経済は軟調な輸出を雇用や住宅が支え
る構図であっただけに、雇用市場の変化に注視が必要です。
7月に総選挙も見込まれ、当面、政策金利は据え置かれる可
能性もありますが、経済指標次第の展開も想定されます。
0.65
15年10月
16年1月
※鉄鉱石価格:中国青島に荷揚げされる鉄鉱石(鉄分62%)の価格
図表2:オーストラリアの消費者物価指数(CPI)の推移
(四半期、期間:2006年4-6月期~2015年10-12月期、前期比)
1.2
%
インフレ率(トリム平均)
0.7
0.2
06年6月
※トリム平均:
豪金融当局が重視
変動の高い品目を除外して算出
09年6月
12年6月
15年6月
図表3:豪雇用者数変化の推移
(月次、期間:2012年9月~2016年2月、雇用者数変化は前月比)
8
万人
6
4
2
0
-2
-4
12年9月
雇用者数変化
雇用者数変化6ヵ月移動平均
13年9月
14年9月
15年9月
出所:ブルームバーグのデータを使用しピクテ投信投資顧問作成
※当ページ記載の内容は2016年4月5日現在
ピクテ投信投資顧問株式会社
巻末の「当資料をご利用にあたっての注意事項等」を必ずお読みください。
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ピクテ資源国ソブリン・ファンド(毎月分配型)
利下げ余地が生まれつつある
ロシア
2016年4月5日に発表された3月のロシアの消費者物価指数は
市場予想や前月を下回る結果となりました。インフレ圧力が弱
まりつつある中、ロシアでは景気を下支えするための利下げ余
地が生まれつつあると考えます。
ロシア消費者物価指数:
上昇率は前月および市場予想を下回る
ロシア連邦統計局が2016年4月5日に発表した3月の消費者
物価指数(CPI)は前年同月比の上昇率が+7.3%と、前月の同
+8.1%から鈍化し、市場予想(同+7.5%)を下回りました(図表1
参照)。インフレ率は引き続き鈍化しており、ロシア中央銀行
(ロシア中銀)にとって景気を下支えするための利下げ余地
が生まれつつあることを示す結果となりました。なお、変動の
激しい項目を除外したコアCPIについても、3月が前年同月比
で+8.0%と、前月(同+8.9%)、市場予想(同+8.1%)を下回りました。
どこに注目すべきか:
3月の中銀声明、ルーブル、原油価格
図表1:ロシア消費者物価(対前年同月比)の推移
(月次、期間:2013年3月~2016年3月)
18 %
14
10
6
2
13年3月
14年3月
15年3月
16年3月
図表2:ロシアルーブル(対ドル)相場と原油価格の推移
(日次、期間:2013年4月5日~2016年4月5日)
120
ドル/バレル
高 ルーブル 安
3月のロシア中銀の金融政策会合の声明は市場の想定よ
りもタカ派(金融引き締めを選好する傾向)寄りのトーンでし
たが、原油価格や主要経済指標の中には、ロシア中銀が
声明の中で想定していたよりも金融緩和を支持する方向に
乖離するものも見られ、金融政策については短期的には据
え置くも、今後は金融緩和方向にバイアスがかかると考え
られます。
まず、ロシア中銀の前回の金融政策会合(3月18日開催)を
振り返ると、タカ派寄りと思わせたのは声明文の冒頭に「イ
ンフレ率目標(4%)に到達するため、ロシア中銀は依然想定
していたよりも長く緩やかな金融引き締め姿勢を維持」と
あったことが大きいように思われます。しかしながら、ロシア
中銀が想定する経済指標の前提と、実績値を比べるとロシ
ア中銀の見通しよりも早く改善したものも見られ、時期はと
もかく、利下げの可能性は高まりつつあるようにも思われま
す。例えば、ロシア中銀のインフレ率見通しは年率で+6%を
下回るのが2017年3月、インフレ率目標でもある+4%を下回
るのは2017年後半と見込まれています。一方、CPIの実績
値は2016年3月で+7.3%と水準は高いものの下落傾向です
(図表1参照)。
次に、ルーブルと原油価格の推移です。ロシア中銀は声明
文ではルーブルの水準に言及していませんが、ルーブル相
場はインフレ率に影響(ルーブル高ならインフレ率は低下する
傾向)すると述べています(図表2参照)。一方、原油価格につ
いて、ロシア中銀の見通しは2016年は平均30ドル/バレル、
2018年にかけ緩やかに上昇して40ドル/バレルと述べられて
おり、ロシア中銀の想定を早期に実現する可能性も考えられ
ます。
最後に、ロシア中銀はGDP(国内総生産)成長率が前期比で
プラスに転じるのは2016年後半から2017年前半と見込んでい
ますが、既に4四半期連続でマイナス成長が続くロシア、景気
てこ入れ策を早めたいのが本音と思われます。
ルーブルや原油価格の回復は様子を見る必要もあること、米
国の金融政策の動向も気になることから、ロシア中銀は当面
据え置く可能性もありますが、金融政策の方向性は引き続き
引下げであると見ています。
ルーブル/ドル 0
20
80
40
0
13年4月5日
40
60
原油価格(左軸)
ロシアルーブル(右軸、逆メモリ)
14年10月5日
80
100
16年4月5日
※原油価格:WTI先物、ドルベース
出所:ブルームバーグのデータを使用しピクテ投信投資顧問作成
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ピクテ資源国ソブリン・ファンド(毎月分配型)
ブラジル政局、
考えるヒント
ブラジル下院の特別委員会で弾劾勧告が可決したことでルセ
フ大統領への弾劾裁判の手続きは一歩進んだ格好ですが、今
日のヘッドライン2016年3月31日号で指摘したように、ブラジル
の問題解決のハードルは高いと思われます。
ブラジル大統領弾劾手続き:ブラジル下院特
別委員会で可決
ブラジル下院の特別委員会は2016年4月11日、ルセフ大統
領の弾劾の是非を巡って特別委員会(65議員で構成)は賛
成38、反対27で弾劾勧告を可決、下院本会議で審議するこ
とを決めました。本会議での投票は早ければ4月17日にも行
われる可能性が報道されています。ルセフ大統領は再選を
果たした2014年の大統領選挙前に、社会保障関連の予算を
不正操作したとして2015年後半に野党がルセフ大統領への
弾劾を請求しています(図表1参照)。
どこに注目すべきか:
特別委員会、副大統領、違法献金疑惑
名度は低く、人気が高いとはいえない状況に変化は見られま
せん。構造改革という国民の理解が求められる政策を進めら
れるか、市場は冷静に判断する必要があると見ています。
なお、ルセフ大統領には、弾劾とは別に、2014年の大統領選
挙における違法献金疑惑の捜査も進行中です。時期は不透
明ながら、仮に違法献金で選挙結果が無効と判断された場合、
正副大統領の辞任、再選挙というシナリオも想定されます。
ブラジルの今後の政局は様々な可能性があり正確に予測す
ることは困難と思われますが、市場動向を占う上では今後想
定される政権が構造改革を進める政権かどうかを押さえるこ
とが大切と見ています。
図表1:ブラジル大統領弾劾裁判関連の流れの概略
年月日
2015年後半
2016年3月17日
2016年3月29日
2016年4月11日
予想:2016年4月
予想:2016年5月
予想:2016年5月
予想:2016年5月
予想:2016年後半
ブ ラ ジ ル弾劾裁判関連の流れ
予算の違法執行で野党が大統領弾劾の請求
下院の大統領弾劾の特別委員会メンバー選出
ブラジル民主運動党(PMDB)連立離脱
下院特別委員会で採決可決(賛成38、反対27)
下院が弾劾の採決(可決は342議席以上)
上院特別委員会設置、弾劾裁判審議
上院議会で弾劾手続き継続採決(過半数)
可決した場合:ルセフ大統領一時離任
上院で弾劾採決(可決は54議席以上)
出所:各種報道等のデータを参照しピクテ投信投資顧問作成
図表2:ブラジルレアル(対ドル、対円)の推移
(日次、期間:2015年4月12日~2016年4月12日、日本時間)
2.5
レアル/ドル
3.0
3.5
4.0
円/レアル 45
レアル(対ドル、逆メモリ、左軸) 40
レアル(対円、右軸)
35
30
※円高が進行する分、
レアル円の上昇は小幅
4.5
15年4月
15年7月
高 レアル 安
ブラジル下院の特別委員会で弾劾勧告が可決したことでル
セフ大統領への弾劾裁判の手続きは一歩進んだ格好です。
ただし、今日のヘッドライン2016年3月31日号で指摘したよ
うに、ブラジルの問題解決のハードルは高いと思われます。
まず、市場ではルセフ大統領の弾劾により新体制が生まれ、
ブラジルの構造問題解決が進展するとの期待が見られま
す。レアルの足元の回復は原油価格の落ち着きと共に、弾
劾裁判への期待も含まれていると見られます(図表2参照)。
下院の特別委員会(弾劾の是非を検討)承認結果は下院
本会議に送られ、早ければ4月17日にも賛否を問う採決が
下院で行われる見通しで、弾劾の手続きは一歩進んだ印
象ですが、不確実要因も残ります。
まず、現地の報道を見ると、下院議員で弾劾に賛成なのは
現時点で300議席を下回るとの見通しが大半で、可決に必
要な342議席(下院の定数は513議席)の確保は微妙な情
勢です。仮に反対が171議席集められなくても、賛成議席が
342を下回れば弾劾は不成立となるだけに、野党が今後ど
こまで弾劾賛成票を伸ばせるかが市場動向を左右する展
開も想定されますが、ハードルは低くないと見られます。
次に、仮に弾劾成立(またはルセフ大統領の辞任)の場合、
2018年までの任期を得るテメル副大統領の国民からの知
15年10月
16年1月
25
16年4月
出所:ブルームバーグのデータを使用しピクテ投信投資顧問作成
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原油市場は
ドーハの悲劇なのだろうか
ドーハで主な産油国の間で増産凍結を模索する会合が不調に
終わったことを受け、原油先物価格が下落しています。ただし、
原油価格の動向は産油国間の会合よりも、需給要因に左右さ
れる可能性が高いと見ています。
ドーハ産油国会合:イランが欠席する中、原
油増産凍結で合意できず
2016年4月17日にカタールの首都ドーハで、石油輸出国機構
(OPEC)加盟国と非加盟の産油国、合計18ヵ国が参加して、
原油増産凍結を模索する会合が開催されました。予定時間
を越えて話し合われましたが、最終合意がないまま終了、合
意には至りませんでした。増産を計画するイランは同会合を
欠席、サウジアラビアなど湾岸諸国が、イランを含むOPEC
加盟国が参加しない合意には同意しない姿勢を示し、協議
は暗礁に乗り上げたと報道では伝えられています。
どこに注目すべきか:
地政学リスク、イラン、中国PMI、原油需要
ドーハで主な産油国の間で増産凍結を模索する会合が不
調に終わったことを受け、原油先物価格が下落しています
(図表1参照)。ただし、原油価格の動向は産油国間の会合
よりも、需給要因に左右される可能性が高いと見ています。
ドーハの会合が合意に失敗した背景はまず、制裁解除を受
け増産意欲の高いイラン(並びに政局の混乱で生産が減少
したリビア)が直前に不参加を表明したことで物別れに終わ
る可能性が考えられたためです。
次に、OPECの盟主とも呼ばれるサウジアラビアはイラン抜
きの合意に難色を示しました。地政学リスクなどとも表現さ
れる2016年年初の国交断絶による両国の関係悪化が原油
市場のリスクとなった格好です。
確かに、今回の会合は2016年2月に4ヵ国で原油増産凍結を
模索する会合を受けてのもので、参加国の拡大などもあり、
合意の行方が原油市場の動向を左右する印象も見られま
すが、この間(2月から現在まで)に起きた経済環境の変化
がより重要な影響を原油市場に与えたとも考えられます。
例えば中国の景気見通しの改善です。中国の製造業購買
担当者景気指数(PMI)は低下傾向でしたが足元の数字は
50.2と景気拡大・縮小の目安の50を(景気対策頼りながら)
超えており(図表2参照)、原油需要も期待されます。
次に、原油需要の改善期待です。米国などの暖冬で需要減
が懸念されていましたが、今後はガソリンの需要回復が期待
される面もあり、季節要因による落ち込みから解放される可能
性も考えられます。
また、産油国の話し合いに参加する可能性が見込まれない米
国ですが、一部のシェール油田では採算が合わないなどの理
由で原油生産に頭打ち傾向が見られます。
最後に2月のイエレン議長の議会証言や3月の米連邦公開市
場委員会(FOMC)で(世界経済の悪化を懸念して)利上げ
ペースの後退が示唆されたことも下支え要因と見られます。
以上の4点は持続性の点で弱い面もあり、原油価格を上昇さ
せるには不十分と見られますが、ドーハ会合物別れ(決裂で
はなく今後も妥協点を模索)のショックで下落が懸念される原
油価格をある程度下支えする可能性も考えられます。
図表1:WTI原油先物価格の推移
(日次、期間:2015年4月20日~2016年4月18日(日本時間正午))
ドル/バレル
65
55
45
35
WTI原油先物
25
15年4月
15年7月
15年10月
16年1月
16年4月
※WTI原油先物:ニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)で取引される
原油先物(軽質スイート原油先物)の期近物で構成
図表2:中国製造業購買担当者景気指数(PMI)推移
(月次、期間:2011年3月~2016年3月、政府版PMI)
55
54
53
52
51
50
49
48
11年3月
中国製造業購買担当者景気指数(PMI)
13年3月
15年3月
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ロシアの格付け動向を
左右した要因
ムーディーズは原油価格予想の引き下げに伴い、主な産油国
にネガティブウォッチを付与しました。検討後格下げされた国も
ありますが、ロシアについては格付けを据え置き、ネガティブ
ウォッチ解除という前向きな評価をしました。
ロシア格付け:ロシア経済の抵抗力が評価さ
れ格下げは回避
格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービス(ムー
ディーズ)は2016年4月22日、ロシアの長期債格付け(自国通
貨建て、外貨建て共に)に付与していたネガティブウォッチ
(格下げ方向で検討、2016年3月4日に付与)を取り除きまし
た。格付けはBa1(BB+に相当)で据え置きました。なお、長期
的な格付け方向を示唆する見通しについては弱含み(ネガ
ティブ)としています。
どこに注目すべきか:
ルーブル、政策金利、財政改革、軍事費
算の赤字は2015年が対GDP(国内総生産)比率で5.9%であっ
たのに対し、2016年は同比率が0.9%に縮小する見込みです。
歳出カットで象徴的なのは軍事費が削減の見込みであるこ
とで、プーチン大統領の方針で拡大一辺倒であった軍事費
が、仕方ないという理由ではあれ、削減される見込みです。
ただし、ロシア経済が原油などに依存する構造に変化は無く、
今後の原油動向に不透明要因がある点に注意は必要です。
国際通貨基金(IMF)も2017年は通年で成長率がプラスに転
じると予想しているロシア、石油依存からの脱却という課題
が残るものの、短期的には緩やかな回復も期待されます。
図表1:ルーブル(対ドル)とWTI原油先物価格の推移
(日次、期間:2015年4月25日~2016年4月25日、通貨は逆メモリ)
高 原油 安
高 ルーブル 安
※2015年7月31日に11.5%
45 ルーブル/ドル
65
ムーディーズは原油価格予想を引き下げたことに伴い、3月
ドル/バレル
から11.0%へ利下げ、以後
4日にロシアやカザフスタン、ガボンなど主な産油国にネガ
現在まで5会合据え置き
55
55
ティブウォッチを付与しました。カザフスタンのように検討後
格下げされた国もありますが、ムーディーズはロシアについ
65
45
ては格付けを据え置いてネガティブウォッチを解除するとい
う前向きな評価をしました。
ルーブル(対ドル、左軸、
75
35
では、何が評価のポイントであったのか?
逆メモリ)
WTI原油先物価格(右軸)
1つ目は、ロシアの経済政策への評価です。例えば、通貨
85
25
ルーブルと原油価格の動向を踏まえ、軟調な景気にもかか
15年4月
15年7月
15年10月
16年1月
16年4月
※WTI原油先物:ニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)で取引される
わらず、ロシア中央銀行は政策金利を維持したことで、極端
原油先物(軽質スイート原油先物)の期近物で構成
なルーブル安は足元回避されており、過去のルーブル安で
急上昇したインフレ率は落ち着きを取り戻しています (図表1、
図表2:ロシアの消費者物価指数(CPI) と鉱工業生産指数
(月次、期間:2011年3月~2016年3月、前年同月比)
2参照)。一方、ルーブル安により鉱工業生産は輸出増加で
改善し、また輸入縮小による純輸出の改善も見られます。
CPI(前年同月比、左軸)
18 %
鉱工業生産(前年同月比、右軸)
ロシアの通貨安は抑制されつつありますが、極端な通貨安
% 8
6
が回避されたのはメリットがあります。例えば、格下げされた
4
13
カザフスタンでは通貨安で外貨建て債務が膨張したことが
2
格下げの原因の一つとなっています。ロシアも外貨建て債
0
8
-2
務は多く、潜在的にカザフスタンと同様の問題を抱えており、
-4
極端な通貨安は信用力の点でマイナスです。
-6
3
2つ目は財政改革の進展です。原油価格の下落に対応して
11年3月 12年3月 13年3月 14年3月 15年3月 16年3月
2016年1月に歳出のカットを決定するなど対応は迅速で、予
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米3月雇用統計、
回復を示唆するも力不足
米3月雇用統計は非農業部門雇用者数が前月比で市場予想
を上回るなど米国雇用市場の順調な回復を示唆する内容と思
われます。ただ、改善の度合いは当局の見解を変えるには小
幅で、また質の面でも不十分と見ています。
3月米雇用統計:非農業部門雇用者数は予
想を上回る21.5万人増、失業率は5%へ上昇
米労働省が2016年4月1日発表した3月の非農業部門雇用者
数は前月比21.5万人増と市場予想(20.5万人増)を上回りま
した。前月は24.5万人増と速報値の24.2万人増から上方修
正されました。また、3月の平均時給は前月比0.3%増と、前月
(マイナス0.1%)、市場予想(プラス0.2%)を上回りました。前年
同月比では2.3%増となりました。
一方、家計調査に基づく3月の失業率は5%と、前月の4.9%か
ら上昇しました。
どこに注目すべきか:
非農業部門雇用者数、U6、労働参加率
米3月雇用統計は非農業部門雇用者数が前月比で市場予
想を上回るなど米国雇用市場の順調な回復を示唆する内
容と思われます。ただ、改善の度合いは当局の見解を変え
るには小幅で、また質の面でも不十分と見ています。
まず、米3月雇用統計に対する市場の反応を見ると、4月1
日の米国債市場の利回り変化は小幅にとどまりました。非
農業部門雇用者数が市場予想を上回るなど、労働市場の
回復を示唆する内容であったものの、当局の政策を変える
には不十分と見る主な理由は以下の通りです。
1つ目は、改善といっても小幅なことです。3月の米連邦公
開市場委員会(FOMC)で当局はハト派(緩和を選好する傾
向)寄りの姿勢を示唆しましたが、FOMC前に公表された2月
の雇用統計で非農業部門雇用者数は前月比24.2万人の大
幅増となったものの、緩和姿勢に転じました。今回の雇用
者数増では当局の方針を変えるには不十分と見られます。
2つ目は、雇用者数の内容を業種別に見ると、製造業の回
復に遅れが見られたことなどが懸念されます(図表1参照)。
建設業は(恐らく気候に恵まれたことで)3.7万人の増加とな
りましたが、製造業は2.9万人減と、2月の1.8万人減より悪
化しています。輸出や投資の不振が製造業のマイナスに反
映したと見られ、懸念される内容と見ています。
3つ目は、失業率の内容です。労働力人口の増加により、労
働参加率が上昇した中での失業率の上昇は前向きと見られ
ます。ただ、増加した労働力の一部はパートタイム職にとど
まった模様で、経済的理由からパートタイムで勤務している人
が13.5万人と小幅ながら増加する中、広義の失業率(U6)が
前月から上昇したことも、気がかりな材料です(図表2参照)。
最後に、賃金の伸び悩みも気懸かりです。平均賃金は前年同
月比で2.3%増と金融危機前の水準(同3%増を上回る)に戻るに
は時間がかかる恐れもあります。製造業など賃金水準が高い
部門等が軟調なこと、パートタイム就労が増えている可能性
があることなどが背景なのかもしれません。
米国の雇用市場の回復は確認されたものの、3月FOMCで示
唆された利上げペースの変更には不十分と見られます。
図表1:米非農業部門雇用者数、主なセクターの変化
(月次、期間:2016年2月(下段)、2016年3月(上段)、前月比)
21.5
24.5
非農業部門雇用者数
3.7
2.0
建設業 -2.9
製造業
民間サービス産業 -1.8
19.9
0.4
人材派遣 -1.2
-5
0
25.1
3月(上段)
2月(下段) 万人
4.8
6.7
小売
5
10
15
20
25
30
図表2:広義の失業率と労働参加率の推移
(月次、期間:2006年3月~2016年3月)
18
※広義の失業率3月は9.8%
%
と2月の9.7%から上昇
%
15
※広義の失業率:
12 算出に経済的理
由のパート
9 などを含む
6
06年3月
67
66
65
3月
63.0%
広義の失業率(U6、左軸)
労働参加率(右軸)
09年3月
12年3月
64
63
62
15年3月
出所:ブルームバーグのデータを使用しピクテ投信投資顧問作成
※当ページ記載の内容は2016年4月4日現在
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巻末の「当資料をご利用にあたっての注意事項等」を必ずお読みください。
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Pictet Fund Watch
ピクテ資源国ソブリン・ファンド(毎月分配型)
円ドル相場108円台。その理由
2014年後半から日米の金融政策の方向性の違いなどを背景
に急速に進行した円安・ドル高は、2016年年初頃から反転し、
足元、円高ドル安傾向となっています。今、改めて何が円高・
ドル安の要因となっているのかを考えます。
東京円相場:110円を割り込み、108円台へ
約1年5ヵ月ぶりの円高水準
東京外国為替市場の円相場は1ドル=108円台の円高水準
で推移しています(2016年4月7日、図表1参照)。米国で6日
に発表された米連邦公開市場委員会(FOMC)の議事要旨で
は、新たな材料には乏しかったものの、利上げを急ぐことに
慎重な意見が多いことが確認されています。円が108円台で
の取引となるのは概ね1年半ぶりで、日銀が追加の金融緩
和を決めた2014年10月末頃以来の水準となります。
どこに注目すべきか:
量的金融緩和、マイナス金利、経常収支
図表1:円(対米ドル)レートの過去3年の推移
(日次、期間:2013年4月8日~2016年4月7日、日本時間午後)
130
円安
円/ドル
120
円(対米ドル)
円高
2014年後半から日米の金融政策の方向性の違いなどを背
景に急速に進行した円安・ドル高は、2016年年初頃から反
転し、足元、円高ドル安傾向となっています。今、改めて何
が円高・ドル安の要因となっているのかを考えます。
まず、日米の金融政策の方向性の違いが縮小した点です。
2014年10月、米国は量的金融緩和第3弾(QE3)を終わらせ、
金融引き締めを強化する一方で、日本は日銀が2014年10
月末に「量的・質的金融緩和拡大」を公表し、例えば長期国
債保有残高の年間増加ペースを約50兆円から約80兆円へ
引き上げるなどの金融緩和拡大策を公表しました。
では、現状はどうか。米国は資源価格の下落やドル高など
を受け利上げペースを後退させるとの見方が強まっていま
す。依然金融引き締めを模索してはいますが、積極性にか
ける印象です。また日銀の場合も金融緩和を拡大する意思
はあるものの、手詰まり感が見られます。例えば、日銀の
長期国債購入は日銀の財政状況(長期国債保有リスク)な
どを考えると早晩限界に近づくとの指摘も聞かれます。量
的金融緩和の代替として期待されるマイナス金利政策です
が、他国から「通貨安競争」を示唆されたことなどを受け市
場では、日銀が当面はマイナス金利の拡大に慎重になると
の見方が増えたことも円高を後押しする要因と見られます。
次に、短期的に、為替介入実施への期待も低下しています。
主要7ヵ国(G7)首脳会議(伊勢志摩サミット)などの国際会議
が予定される、4月から5月は為替介入が手控えられるとの見
方が優勢となっていることも円高要因と見られます。
経済指標の一部にも円高ドル安を後押しするものも見られま
す。日本の景気回復は鈍く多くは円安要因ですが、経常収支
などは黒字化しており、円高要因と見られ(図表2参照)、2014
年頃の経常赤字が定着(通貨安要因)するとの懸念から変化
が見られます。なお、4月8日に2016年2月の経常収支を公表
予定ですが、市場では2兆円程度の大幅な黒字が予想されて
おり、黒字の定着を確認する内容が見込まれます。
程度は縮小したものの、日本の金融緩和、米国の引き締めと
いう金融政策の方向性に変化がないと見られることから、この
先円安・ドル高傾向に戻る可能性も考えられます。しかし、円
はリスク回避で買われる局面なども想定されるため、短期的
にオーバーシュートも視野に入れる必要があると見られます。
110
100
90
13年4月
14年4月
15年4月
16年4月
図表2:日本の経常収支額の推移
(月次、期間:2006年4月~2016年1月、兆円)
4.0 兆円
3.0
2.0
1.0
0.0
-1.0
-2.0
06年4月
経常収支
悪化傾向
経常収支
09年4月
12年4月
16年2月は約2兆円
黒字予想
15年4月
出所:ブルームバーグのデータを使用しピクテ投信投資顧問作成
※当ページ記載の内容は2016年4月7日現在
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Pictet Fund Watch
ピクテ資源国ソブリン・ファンド(毎月分配型)
ECB議事要旨に見る
今後の金融政策
ECB政策理事会は、終了後のドラギ総裁の記者会見の内容が
詳しいため、議事要旨に新たな内容が乏しいこともありますが、
今回の議事要旨ではマイナス金利と政策パッケージの評価に
ついて、やや目新しい内容が見られました。
ECB3月議事要旨:マイナス金利適用除外と
より大幅な利下げの可能性を協議
欧州中央銀行(ECB)は2016年4月7日に、3月9~10日に開
催された金融政策理事会の議事要旨を公表しました。
今回の議事要旨により、3月理事会で政策金利について、よ
り大幅な利下げと、中銀預金の一部についてマイナス金利
の適用を除外する案が協議されたことが示唆されました。
また、議事要旨は政策委員会メンバーが追加措置の必要性
について総じて同意したものの、パッケージの各項目への支
持の度合いがまちまちだったことが示されています。
どこに注目すべきか:
ECB議事要旨、マイナス金利政策、TLTRO
ECBの政策理事会は、終了後に行われるドラギ総裁の記
者会見で内容が詳しく説明されるため、議事要旨には新た
な内容に乏しいこともあります。しかし、今回の議事要旨で
はマイナス金利と政策パッケージへの評価について、やや
目新しい内容が見られました。
まず、マイナス金利政策について、ドラギ総裁は一段の利
下げが必要だとは考えておらず、政策金利に下限がないと
いう印象を与えたくないことを示唆したため、ECBは政策の
重点をマイナス金利拡大から量的金融緩和へシフトさせる
と捉えていました。
しかし、議事要旨ではマイナス金利拡大についてインフレ見
通しが悪化した場合追加利下げを排除しないとも述べられ
るなどドラギ総裁のトーンよりマイナス金利拡大に若干前向
きな印象です。また、日銀が金融機関の負担に配慮して導
入した階層方式(金融機関が保有する当座預金への適用
金利を複数とする)の採用をECBが見送ったのは政策金利
に下限がないという印象を与えたくないためと見られていま
したが、議事要旨ではオペレーション上の複雑さがネックと
なっていた点も指摘されています。マイナス金利拡大と解釈
されるのを抑えるためだけに階層方式を見送ったという見
方については改める必要があるのかもしれません。
次に、3月の政策理事会では政策金利の引下げ(図表1参照)
に加え、主に3つの政策パッケージが発表されました。議事要
旨では各パッケージへの評価が示されています。
最も評価(期待)が高いのは(的を絞った)長期資金供給オペ
(TLTROⅡ)でした。貸出残高を増加させた(頑張った)銀行は
貸出金利を中銀預金金利と同じマイナス0.4%にまで下げ得る
案が非常に幅広い支持を得ています。
次に、資産購入金額の拡大は広い支持を得たものの、既に購
入規模、ECBの国債保有残高は巨額となっているため、購入
金額拡大に懸念が示されています。
最後に、資産購入の対象に社債を含める案は(単に)幅広い支
持を得たという消極的な表現にとどまりました。社債購入に批
判的な意見を見ると、欧州の社債市場は流動性、規模が十分
に巨大とは言えず、仮にECBが(条件が適合する)投資適格社
債を機械的に購入した場合、市場の価格メカニズムがゆがむ
恐れが懸念されます。先のTLTROⅡでは実際に融資をする
かしないかに民間銀行の裁量が含まれる面もあり、市場メカ
ニズムの点でTLTROⅡへの期待が高いのかもしれません。
以上、今回の議事要旨から、ECBはマイナス金利拡大の可能
性がゼロではないことは確認されました。ただし、普通預金金
利をマイナスとするのは困難で、現金への逃避が懸念される
という制約下、マイナス金利を大幅に拡大することは、やはり
想像しにくい面も見られます。ECBは政策の重心をマイナス金
利から他のパッケージへ徐々に移行するものと思われます。
図表1:ユーロ圏の主要政策金利の過去3年の推移
(日次、期間:2013年4月8日~2016年4月7日)
1.5
主要政策金利
預金ファシリティ(下限)
貸出ファシリティ(上限)
%
1.0
0.5
0.0
-0.5
13年4月
14年4月
15年4月
16年4月
出所:ブルームバーグのデータを使用しピクテ投信投資顧問作成
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Pictet Fund Watch
ピクテ資源国ソブリン・ファンド(毎月分配型)
IMF、世界経済見通しを
再び下方修正
2016年4月のIMF世界経済見通しでは、先進国、新興国ともに
成長率が下方修正されました。先進国は全般的に成長率が
下方修正され、新興国では産油国や商品輸出国が下方修正
された一方、輸入国に上方修正が見られました。
IMF世界成長見通し:2016年の世界経済成長
予想を下方修正、経済停滞リスクを警告
国際通貨基金(IMF)は2016年4月12日に最新の世界経済見
通し(WEO)を公表しました。その中でIMFは2016年の世界成
長率予想を3.2%と、3ヵ月前の1月時点の予想(3.4%)から引き
下げました(図表1参照)。IMFは2017年の世界経済成長率に
ついて3.5%と予想し、2016年の3.2%からは改善を見込むもの
の、3ヵ月前の予想値である3.6%からは下方修正しました。
どこに注目すべきか:
ドル高、エネルギー価格、消費税、構造改革
図表1: IMFの主な国・地域の2016年経済成長見通し
8
(時点:2016年1月(左)、2016年4月(右)の2時点比較)
%
6.3 6.5
6
4
2
3.4
2.62.4
3.2
1.7
2.1 1.9
1.51.0
7.5
7.5
4.3 4.1
0.5
0
-2
-1.0
-3.8
-1.8
ロシア
ブラジル
-3.5
インド
中国
新興国
日本
ユーロ圏
米国
先進国
-4
2016年1月予想(左 )
2016年4月予想(右)
世界
2016年4月のIMF世界経済見通しでは、先進国、新興国と
もに成長率が下方修正されました。先進国では国・地域に
より事情は異なるものの全般的に成長率が0.2%程度下方
修正されました。新興国では産油国や商品輸出国が下方
修正された一方、中国など主要な輸入国の中には上方修
正された国も見られました。
今回のWEOの注目点は次の通りです。
米国の2016年成長率は2.4%と前回(2016年1月)見通しから
0.2%下方修正されました。背景についてIMFはドル高と外需
の低迷で純輸出が軟調であったこと、エネルギー価格下落
による投資の停滞、さらにエネルギー関連セクターなどで信
用リスクが悪化したことによる資金調達環境の悪化の3点を
指摘しています。なお、IMFは2015年1月更新から2016年経
済成長予想を公表していますが、2015年1月時点で米国の
2016年成長率を3.3%と予想していました。その後年4回の更
新のたびにIMFは米国の成長率を0.2~0.3%引き下げ続け
ています。そして主な引下げ理由は、ドル高とエネルギー価
格の下落をあげています。
次に先進国で成長率の引下げ幅が大きかった日本ですが、
2016年は0.5%と前回の1%から下方修正、2017年は0.3%から
マイナス0.1%への低下をIMFは予想しています。2016年を下
方修正した理由として2016年前半の円高と新興国経済の
需要の弱さが日本経済に影響を与える点を指摘しています。
2017年については、同年4月に予定されている消費増税を理
由にIMFは日本のマイナス成長を見込んでいます。
新興国の成長率見通し変更の特色は、産油国や商品輸出国
の成長率が下方修正された一方、中国など主要な輸入国の
中には上方修正された国も見られた点です。
例えば、鉄鉱石など商品輸出の経済成長に占める割合が高
いブラジルは、1月の大幅な下方修正(-3.5%)に続き4月時点
の予想はマイナス3.8%とさらに下方修正されました。雇用や所
得の悪化など国内要因を今回は下方修正に含めており、前
回の商品価格の影響が国内要因に波及する可能性を指摘し
ています。ただし、レアル安の景気回復への効果などにより、
2017年に成長率はプラスに(2017年を通しての成長予想は
0%)転じると見ています。一方、中国については、金融緩和な
どの政策効果と購買力の回復を受けたサービス業の成長が
製造業の弱さを埋め合わせる兆候を受け、IMFは今年と来年
の成長率見通しを各0.2%上方修正しました。エネルギー価格
の下落はインドの成長の下支えとも指摘しています。
年初からの市場の混乱に落ち着きが見られる現時点では、
IMFの見通しにやや悲観的との印象もあります。この点につい
てIMFは、現在は一時的安定の可能性もある点と成長の質に
懸念を指摘しており、注意は必要と見ています。
出所:IMFのデータを使用しピクテ投信投資顧問作成
※当ページ記載の内容は2016年4月13日現在
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ピクテ資源国ソブリン・ファンド(毎月分配型)
中国GDP、
質を見ることも必要では
中国の1-3月期GDPデータで、年初に見られた中国経済に対
する過度の悲観論は修正の可能性も考えられますが、中国に
は不良債権の増加など問題も山積みで、今後の成長を占う上
では、成長の質が問われるものと思われます。
中国1-3月期GDP:市場予想に一致する成
長率。景気の安定化を示唆
中国国家統計局が2016年4月15日に発表した1-3月期の
GDP(国内総生産)は前年同期比6.7%増と事前の市場予想と
一致しました(図表1参照)。2015年10-12月期の同6.8%増か
らは小幅低下したものの、政府が設定した通年の成長率目
標(6.5-7%)に収まる伸びを確保しました。
また、同時に公表された3月の工業生産は前年同月比6.8%
増と市場予想(同5.9%増)を上回り、1-3月の都市部固定資産
投資は前年同期比10.7%増と前回(1-2月期)の10.2%増を上
回りました。市場変動の沈静化、当局による金融緩和などが
製造業や不動産セクターの回復につながったと見られます。
どこに注目すべきか:
中国製造業、2016年予算、債務の株式化
中国の1-3月期GDP成長率が前年同期比6.7%増となったこ
とで、年初から市場に見られた中国経済に対する過度の悲
観論は修正される可能性が考えられます。ただし、中国に
は不良債権の増加など問題も山積みで、今後の成長を占う
上では、成長の質が問われるものと思われます。
まず、2016年年初の中国経済の懸念は財新の製造業購買
担当者景気指数(PMI)が予想を下回ったことも要因の一つ
であったことから、工業生産など製造業関連の指標の改善
は安心材料と考えられます。1-3月期GDP成長率のうち(製
造業が多い)第2次産業の成長率は5.8%と前期(10-12月)の
6.0%並みの成長を確保しています。
では、今回のGDP成長率を維持できるのか?この点を占う
上で、報道にあった経済情勢座談会での李克強首相の中
国経済への見方が参考になるかもしれません。
1点目は、財政政策による景気の下支えです。李克強首相
は景気下支え策の効果で1-3月期の回復は見込んでいた
模様です。そのうえで、当面は下支えの継続が必要と見て
おり、例えば2016年予算の上半期での前倒し投入を示唆し
ています。また、地方政府の投資余力を確保するための借
換債の発行額の確保を示唆するなど、従来の金融政策に加
え、財政政策でも下支えが維持される模様です。
2点目は、不良債権への取り組みです。中国の成長率はかつ
ての2桁成長から低下する中、足元不良債権が増えています
(図表2参照)。李克強首相は石炭や鉄鋼部門に多いといわ
れる(赤字を計上しながら存続している)ゾンビ企業や過剰生
産能力の整理を、債務の株式化(銀行債権の株式化を容易
にする)などにより推し進める意向を表明しています。ただし、
債務の株式化の効果は未知数です。中国の商業銀行による
持ち株会社への直接投資の可否など法的な問題に加え、全く
回復の見込みのない企業の債権(銀行貸出)までも株式化す
るようであれば、効果はマイナスとなる懸念もあります。選別
を含めた当局の運営による下押しリスクに注意が必要です。
中国の成長率は政策等による下支えで安定的な推移も想定
されます。ただ数字も大切ですが、中身も大切と見ています。
図表1:中国GDP(国内総生産)の推移
(四半期、期間:2006年1-3月期~2016年1-3月期、前年同期比)
15
%
13
11
9
7
5
06年3月
中国GDP
中国の2016年成長率目標
=6.5%~7.0%
09年3月
12年3月
15年3月
出所:ブルームバーグのデータを使用しピクテ投信投資顧問作成
図表2:中国商業銀行の不良債権額と不良債権比率
(四半期、期間:2014年12月末~2015年12月末)
1.3
兆元
1.1
1.8%
不良債権額(左軸)
不良債権比率(右軸)
1.6%
0.9
1.4%
0.7
14年12月
15年3月
15年6月
15年9月
1.2%
15年12月
出所:各種報道のデータを使用しピクテ投信投資顧問作成
※当ページ記載の内容は2016年4月15日現在
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ピクテ資源国ソブリン・ファンド(毎月分配型)
円安を演出?
日銀版TLTROⅡが話題に
日銀のマイナス金利政策への評価が高まらない中、金融政策
決定会合を前に貸出促進策拡大への関心が高まっています。
欧州中央銀行の貸出促進策である長期性資金供給オペ
(TLTROⅡ)日銀版となるか注目しています。
日銀金融政策決定会合予想:金融機関への
貸し出しにもマイナス金利を検討との報道
日本銀行(日銀)は2016年4月27、28日に金融政策決定会合
の開催を予定しています。報道等では市場参加者の過半が
今回の金融政策決定会合での何らかの追加金融緩和を予
想している模様です。一方で、政策手段としてマイナス金利
については、国民の不安感や、日銀の当座預金へのマイナ
ス金利適用でコストを負担する金融機関の反発もありマイナ
ス幅の拡大は困難との見方が市場では有力となっている模
様です。このような中、4月22日に一部金融ベンダー(情報提
供会社)が日銀が金融機関への貸出にもマイナス金利適用
を検討する案も浮上していると報じ、追加緩和の期待が高ま
り、為替市場では円安が進行しました(図表1参照)。
する一方、TLTROⅡ(詳細の公表は今後)は、貸出を増やす
努力をした金融機関にはマイナス金利という有利な条件を提
供しようというアイデアです。これに対応するような貸出促進
策(マイナス金利を適用する政策)を日銀は示してきておらず、
今度の金融政策決定会合で公表されるかに注目しています。
ただ、貸出促進策のマイナス金利適用は金融機関への補助
金という批判もあり、実現には問題も見られます。
それでも、仮に導入となれば、ECBが先の理事会でマイナス
金利拡大から貸出促進などに政策の重点をシフトしたことが
市場で受入れられたように、理解の進まないマイナス金利政
策よりは市場の反応の改善は期待できるかもしれません。
とはいえ、他の政策により借り手である企業の借入への需要
が戻らない限り、持続性には懸念も残ると見ています。
図表1:日本円(対ドル)の過去1年の推移
(日次、期間:2015年4月24日~2016年4月25日(日本時間午後))
どこに注目すべきか:
TLTRO、貸出増加支援、マイナス金利
円安
円高
日銀のマイナス金利政策への評価が高まらない中、金融政
策決定会合を前に貸出促進策拡大への関心が高まってい
ます。欧州中央銀行(ECB)の貸出促進策である長期性資
金供給オペ(TLTROⅡ)の日銀版となるか注目しています。
まず、日銀の貸出支援策は2つで、「貸出増加」 (貸出増加を
支援するための資金供給、2012年12月導入、残高約24.4兆
円)と「成長基盤強化」(2010年6月導入)を実施しています。
次に、これら日銀の貸出支援策の適用金利は現在0%となっ
ています(図表2参照)。日銀が当座預金金利のマイナス化を
導入した際に0%としたもので、またその残高に相当する当座
預金 については、ゼロ金利が適用されたためこれらの制度
を利用して逆ザヤとならない工夫がされています。
上記の報道内容は、この貸出支援策の適用金利をマイナス
にするというアイデアです。貸出促進策にマイナス金利を適
用するというのはECBが2016年3月の追加金融緩和策の一
つとして公表したTLTROⅡ(新たな制度)に相当するという
のが大雑把な理解です。TLTROの適用金利が(現在0%の)
主要政策金利である点は日銀の貸出増加支援などに相当
130
円/ドル
125
120
115
110
105
15年4月
円(対ドル)
15年7月
15年10月
16年1月
出所:ブルームバーグのデータを使用しピクテ投信投資顧問作成
16年4月
図表2:日銀とECBの主な貸出支援政策
主な目的
E CB
TLTRO(2015年3月以
降はその時点のリ
金融機関の貸出促進
ファイナンスオペレー
ト、主要政策金利)
TLTROⅡ(企業向け
貸出金利にマイナス 純貸出を増加させる
金利を適用
条件を満たせばマイ
ナス金利を適用)
日本銀行
貸出増加支援(0.0%)
成長基盤強化支援
(0.0%、増加額の2倍
相当まで)
新政策?
※貸出増加、成長基盤強化支援のカッコ内は現時点の適用金利
出所:日本銀行、各種報道等を参照してピクテ投信投資顧問作成
※当ページ記載の内容は2016年4月25日現在
ピクテ投信投資顧問株式会社
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販売用資料
Pictet Fund Watch
ピクテ資源国ソブリン・ファンド(毎月分配型)
米FOMC、可能性は残すも6月の
利上げはやや後退
米FOMCは、定例会合を開催し、政策金利の据え置きを発表
しました。6月の利上げについては可能性はありますが、景気
動向を見守る必要性や英国のEU離脱を巡る不透明感などを
背景にやや後退したと考えます。
2016年4月米FOMC:世界的な経済・金融リス
ク削除で6月利上げの可能性残す
米連邦公開市場委員会(FOMC)は、2016年4月26日、27日
の定例会合で、政策金利であるフェデラルファンド(FF)金利
の誘導目標を0.25-0.5%で据え置くことを決定しました。
定例会合後の声明で、世界経済および金融情勢のリスクに
触れず、米経済の最近の弱さについても重要視しない見解
を示唆し、6月利上げの可能性を残しました。なお、前回の声
明にあった「世界の経済・金融情勢が引き続きリスクをもたら
している」という文言を削除し、動向を「注視していく」との表
現に変えています。
どこに注目すべきか:景気認識、インフレ率、
6月の利上げ
まず、声明文から米当局の景気認識を確認すると、冒頭、
経済情勢に関し経済成長が減速したように見えるものの、
労働市場環境は一段と改善したと述べています。例えば、
米国の失業率は低下し、低水準で推移しています(図表1参
照)。一方で、最近の米国経済にやや軟調な指標が見られ
ることも指摘しています。
なおインフレ率については、エネルギーおよび輸入物価の
下落が解消し、労働市場が一段と強まれば、中期的に2%に
向けて上昇する見通しであると述べ、前回の声明文と同じ
表現となっています。足元のインフレ率を見ると上昇傾向と
も見られます(図表2参照)。この点については、米当局はエ
ネルギー価格の動向など短期的な要因が原因で、本格的な
インフレ率の回復はまだ先と認識している模様です。次に、
声明などを背景に米国の今後の金融政策を考えると、次の
点を注目しています。
まず、6月の利上げについて、依然、選択肢として十分残さ
れていますが、やや後退した可能性もあります。背景は4月
28日に公表される2016年1-3月期GDP(国内総生産)は低成
長が見込まれていること、米国では2016年後半の景気回復
が見込まれていますが、景気動向を当面見守る必要がある
こと、英国のEU離脱を巡る国民投票前の不透明感が利上げ
回避の要因となることなどがあげられます。
次に、年後半の利上げについては9月、そして経済指標の改
善が確認されるならば、更なる利上げのシナリオも考えられ
ます。理由としては、米国の1-3月期のGDP成長率は、米国
GDP統計が季節要因を背景に低く算出される傾向があり、
2016年1-3月期の低成長は一時的な可能性があります。ま
た在庫調整(在庫投資の低下)が成長率を引き下げた可能
性があることなどから、低くなると考えられます。しかし中期
的には在庫投資の回復が期待できることに加え、回復傾向
が続く雇用環境が消費を支え、景気を下支えする要因にな
ると考えられます。
あくまで経済指標次第ながら、年後半の利上げ局面を視野
に入れる必要もあると見ています。
図表1:米国の失業率の推移
(月次、期間:2011年3月~2016年3月)
10 %
失業率は
低水準で推移
8
6
4
11年3月
12年9月
14年3月
15年9月
図表2:PCEコアデフレータの推移
(月次、前年同月比、期間:2011年2月~2016年2月)
2.5
%
足元、上昇するも、
一時的とみられる
2.0
1.5
1.0
11年2月
12年8月
14年2月
15年8月
出所:ブルームバーグのデータを使用しピクテ投信投資顧問作成
※当ページ記載の内容は2016年4月28日現在
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Pictet Fund Watch
ピクテ資源国ソブリン・ファンド(毎月分配型)
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ピクテ 資源ソブ
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グラフ描画
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販売用資料
Pictet Fund Watch
ピクテ資源国ソブリン・ファンド(毎月分配型)
投資リスク
[基準価額の変動要因]
●ファンドは、実質的に公社債等に投資しますので、ファンドの基準価額は、実質的に組入れている公社債の価格変動等(外
国証券には為替変動リスクもあります。)により変動し、下落する場合があります。
●したがって、投資者の皆様の投資元本が保証されているものではなく、基準価額の下落により、損失を被り、投資元本を割
り込むことがあります。ファンドの運用による損益はすべて投資者の皆様に帰属します。また、投資信託は預貯金と異なり
ます。
●ファンドは、実質的に公社債に投資しますので、ファンドの基準価額は、実質的に組入れている公社債
の価格変動の影響を受けます。
公社債投資リスク
(金利変動リスク、
信用リスク)
為替変動リスク
●金利変動リスクとは、金利変動により公社債の価格が変動するリスクをいいます。一般的に金利が低
下した場合には、公社債の価格は上昇する傾向がありますが、金利が上昇した場合には、公社債の価
格は下落する傾向があります。
●信用リスクとは、公社債の発行体の財務状況等の悪化により利息や償還金をあらかじめ定められた条
件で支払うことができなくなるリスク(債務不履行)、または債務不履行に陥ると予想される場合に公社
債の価格が下落するリスクをいいます。
●ファンドは、実質的に外貨建資産に投資するため、対円との為替変動リスクがあります。
●円高局面は基準価額の下落要因、円安局面は基準価額の上昇要因となります。
●ファンドが実質的な投資対象とする資源国には新興国が含まれています。その新興国は、一般に政
治・経済・社会情勢の変動が先進諸国と比較して大きくなる場合があり、政治不安、経済不況、社会不
安が証券市場や為替市場に大きな影響を与えることがあります。その結果、ファンドの基準価額が下
落する場合があります。
カントリーリスク
●実質的な投資対象国・地域において、政治・経済情勢の変化により証券市場や為替市場等に混乱が
生じた場合、またはそれらの取引に対して新たな規制が設けられた場合には、基準価額が予想外に下
落したり、運用方針に沿った運用が困難となる場合があります。この他、当該投資対象国・地域におけ
る証券市場を取り巻く制度やインフラストラクチャーに係るリスクおよび企業会計・情報開示等に係るリ
スク等があります。
※基準価額の変動要因は上記に限定されるものではありません。
[その他の留意点]
●ファンドのお取引に関しては、金融商品取引法第 37 条の 6 の規定(いわゆるクーリング・オフ)の適用はありません。
ファンドの特色
<詳しくは投資信託説明書(交付目論見書)でご確認ください>
●主に資源国のソブリン債券等に分散投資します
●原則として米ドル、ユーロ、円には投資しません
●毎月決算を行い、収益分配方針に基づき分配を行います
●毎月 15 日(休業日の場合は翌営業日)に決算を行い、原則として以下の方針に基づき分配を行います。
-分配対象額の範囲は、経費控除後の繰越分を含めた利子・配当等収益と売買益(評価益を含みます。)等の全額とします。
-収益分配金額は、基準価額の水準および市況動向等を勘案して委託会社が決定します。ただし、分配対象額が少額の場合には、分配を行わないこともあ
ります。
-留保益の運用については、特に制限を設けず、委託会社の判断に基づき、元本部分と同一の運用を行います。
※将来の分配金の支払いおよびその金額について示唆、保証するものではありません。
※投資にあたっては、以下の投資信託証券への投資を通じて行います。
○ピクテ・グローバル・セレクション・ファンド-資源国ソブリン・ファンド クラス P 分配型受益証券(当資料において「PGSF-資源国ソブリン・ファンド」という場合が
あります)
○ピクテ-ショートターム・マネー・マーケット JPY クラス I 投資証券(当資料において「ショートターム MMF JPY」という場合があります)
※実質組入外貨建資産は、原則として為替ヘッジを行いません。
※資金動向、市況動向等によっては上記のような運用ができない場合があります。
巻末の「当資料をご利用にあたっての注意事項等」を必ずお読みください。
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Pictet Fund Watch
ピクテ資源国ソブリン・ファンド(毎月分配型)
[収益分配金に関する留意事項]
分配金は、預貯金の利息とは異なり、投資信託の純
資産から支払われますので、分配金が支払われると、
その金額相当分、基準価額は下がります。
分配金は、計算期間中に発生した収益(経費控除後の配当等収益および評価益を含む売買益)を超えて支払
われる場合があります。その場合、当期決算日の基準価額は前期決算日と比べて下落することになります。
また、分配金の水準は、必ずしも計算期間におけるファンドの収益率を示すものではありません。
計算期間中に発生した収益を超えて支払われる場合
前期決算日から基準価額が上昇した場合
前期決算日から基準価額が下落した場合
(注)分配対象額は、①経費控除後の配当等収益および②経費控除後の評価益を含む売買益ならびに③分配準備積立金および
④収益調整金です。分配金は、分配方針に基づき、分配対象額から支払われます。
※上記はイメージであり、実際の分配金額や基準価額を示唆するものではありませんのでご留意ください。
投資者のファンドの購入価額によっては、分配金の一部または全部が、実質的には元本の一部払戻しに相当
する場合があります。ファンド購入後の運用状況により、分配金額より基準価額の値上がりが小さかった場合
も同様です。
分配金の一部が元本の一部払戻しに相当する場合
分配金の全部が元本の一部払戻し
に相当する場合
普通分配金: 個別元本(投資者のファンドの購入価額)を上回る部分からの分配金です。
元本払戻金: 個別元本を下回る部分からの分配金です。分配後の投資者の個別元本は、元本払戻金(特別分配金)の
(特別分配金) 額だけ減少します。
(注)普通分配金に対する課税については、「手続・手数料等」の「税金」をご参照ください。
巻末の「当資料をご利用にあたっての注意事項等」を必ずお読みください。
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ピクテ資源国ソブリン・ファンド(毎月分配型)
手続・手数料等
[お申込みメモ]
購入単位
販売会社が定める 1 円または 1 口(当初元本 1 口=1 円)の整数倍の単位とします。
購入価額
購入申込受付日の翌営業日の基準価額とします。(ファンドの基準価額は 1 万口当たりで表示しています。)
換金価額
換金申込受付日の翌営業日の基準価額から信託財産留保額を控除した価額とします。
換金代金
原則として換金申込受付日から起算して 7 営業日目からお支払いします。
購入・換金の
申込不可日
ルクセンブルグの銀行またはロンドンの銀行の休業日ならびに当該休業日の 2 営業日前の日においては、購入・換金のお申込みはできません。
換金制限
信託財産の資金管理を円滑に行うため、1 日 1 件 10 億円を超える換金はできません。
また、別途、大口換金には制限を設ける場合があります。
信託期間
平成 20 年 6 月 30 日(当初設定日)から無期限とします。
繰上償還
受益権の口数が 10 億口を下回ることとなった場合等には信託が終了(繰上償還)となる場合があります。
決算日
毎月 15 日(休業日の場合は翌営業日)とします。
年 12 回の決算時に、収益分配方針に基づき分配を行います。
収益分配
※ファンドには収益分配金を受取る「一般コース」と収益分配金が税引後無手数料で再投資される「自動けいぞく投資コース」があります。ただし、販売会社によって
は、どちらか一方のみのお取扱いとなる場合があります。
[ファンドの費用]
投資者が直接的に負担する費用
購入時手数料
3.24%(税抜3.0%)の手数料率を上限として、販売会社が独自に定める率を購入価額に乗じて得た額とします。
(詳しくは、販売会社にてご確認ください。)
信託財産留保額 換金時に換金申込受付日の翌営業日の基準価額に 0.3%の率を乗じて得た額が控除されます。
投資者が信託財産で間接的に負担する費用
運用管理費用
(信託報酬)
毎日、信託財産の純資産総額に年1.134%(税抜1.05%)の率を乗じて得た額とします。
運用管理費用(信託報酬)は、毎計算期末または信託終了のとき信託財産中から支払うものとします。
[運用管理費用(信託報酬)の配分(税抜)]
委託会社
販売会社
受託会社
年率 0.35%
年率 0.65%
年率 0.05%
PGSF-資源国ソブリン・ファンド
純資産総額の年率0.6%
投資対象
ショートタームMMF JPY
純資産総額の年率0.3%(上限)
とする
投資信託証券 ※上記の報酬率等は、今後変更となる場合があります。
実質的な負担
その他の費用・
手数料
最大年率1.734%(税抜1.65%)程度
(この値はあくまでも目安であり、ファンドの実際の投資信託証券の組入状況により変動します。)
毎日計上される監査費用を含む信託事務に要する諸費用(信託財産の純資産総額の年率0.054%(税抜0.05%)相当を上限とした額)ならびに組
入有価証券の売買の際に発生する売買委託手数料等および外国における資産の保管等に要する費用等(これらの費用等は運用状況等により変
動するため、事前に料率、上限額等を示すことができません。)は、そのつど信託財産から支払われます。投資先ファンドにおいて、信託財産に課
される税金、弁護士への報酬、監査費用、有価証券等の売買に係る手数料等の費用が当該投資先ファンドの信託財産から支払われます。
※当該費用の合計額については、投資者の皆様がファンドを保有される期間等に応じて異なりますので、表示することができません。
[税金]
●税金は表に記載の時期に適用されます。
●以下の表は、個人投資者の源泉徴収時の税率であり、課税方法等により異なる場合があります。
時期
項目
分配時
所得税
および地方税
配当所得として課税
普通分配金に対して 20.315%
税金
換金(解約)時
および償還時
所得税
および地方税
譲渡所得として課税
換金(解約)時および償還時の差益(譲渡益)に対して 20.315%
※少額投資非課税制度「愛称:NISA(ニーサ)」について
NISA をご利用の場合、毎年、一定額の範囲で新たに購入した公募株式投資信託などから生じる配当所得および譲渡所得が一定期間非課税となります。販売会社で非課税口座を開設
するなど、一定の条件に該当する方が対象となります。詳しくは、販売会社にお問い合わせください。
※上記は、当資料発行日現在のものですので、税法が改正された場合等には、税率等が変更される場合があります。
※法人の場合は上記とは異なります。
※税金の取扱いの詳細については、税務専門家等にご確認されることをお勧めします。
ファンドに関する
お問い合わせ先
ピクテ投信投資顧問株式会社
【電話番号】
【ホームページ】
【携帯サイト(基準価額)】
巻末の「当資料をご利用にあたっての注意事項等」を必ずお読みください。
0120-56-1805 受付時間:営業日の午前 9 時~午後 5 時
http://www.pictet.co.jp
資源ソブ 310316
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販売用資料
Pictet Fund Watch
ピクテ資源国ソブリン・ファンド(毎月分配型)
委託会社、その他の関係法人の概要
委託会社
ピクテ投信投資顧問株式会社(ファンドの運用の指図を行う者)
金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第380号 / 加入協会:一般社団法人投資信託協会、一般社団法人日本投資顧問業協会
受託会社
三井住友信託銀行株式会社(ファンドの財産の保管および管理を行う者)
<再信託受託会社:日本トラスティ・サービス信託銀行株式会社>
販売会社
下記の販売会社一覧をご覧ください。(募集の取扱い、販売、一部解約の実行の請求受付ならびに収益分配金、償還金および一部解約代金の
支払いを行う者)
販売会社一覧
投資信託説明書(交付目論見書)等のご請求・お申込先
加入協会
商号等
日本証券業
協会
株式会社SBI証券
カブドットコム証券株式会社
静銀ティーエム証券株式会社
第四証券株式会社
髙木証券株式会社
中銀証券株式会社
東洋証券株式会社
ふくおか証券株式会社
マネックス証券株式会社
三菱UFJモルガン・スタンレー証券株式会社
楽天証券株式会社
株式会社イオン銀行
株式会社大垣共立銀行
株式会社香川銀行
株式会社群馬銀行
株式会社佐賀銀行
株式会社四国銀行
株式会社東京都民銀行
株式会社百十四銀行
株式会社北越銀行
株式会社北國銀行
株式会社みちのく銀行
株式会社三菱東京UFJ銀行
株式会社三菱東京UFJ銀行
(委託金融商品取引業者
三菱UFJモルガン・スタンレー証券株式会社)
株式会社みなと銀行
株式会社宮崎銀行
株式会社武蔵野銀行
株式会社八千代銀行
株式会社山形銀行
金融商品取引業者
金融商品取引業者
金融商品取引業者
金融商品取引業者
金融商品取引業者
金融商品取引業者
金融商品取引業者
金融商品取引業者
金融商品取引業者
金融商品取引業者
金融商品取引業者
登録金融機関
登録金融機関
登録金融機関
登録金融機関
登録金融機関
登録金融機関
登録金融機関
登録金融機関
登録金融機関
登録金融機関
登録金融機関
登録金融機関
関東財務局長(金商)第44号
関東財務局長(金商)第61号
東海財務局長(金商)第10号
関東財務局長(金商)第128号
近畿財務局長(金商)第20号
中国財務局長(金商)第6号
関東財務局長(金商)第121号
福岡財務支局長(金商)第5号
関東財務局長(金商)第165号
関東財務局長(金商)第2336号
関東財務局長(金商)第195号
関東財務局長(登金)第633号
東海財務局長(登金)第3号
四国財務局長(登金)第7号
関東財務局長(登金)第46号
福岡財務支局長(登金)第1号
四国財務局長(登金)第3号
関東財務局長(登金)第37号
四国財務局長(登金)第5号
関東財務局長(登金)第48号
北陸財務局長(登金)第5号
東北財務局長(登金)第11号
関東財務局長(登金)第5号
○
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登録金融機関
関東財務局長(登金)第5号
登録金融機関
登録金融機関
登録金融機関
登録金融機関
登録金融機関
近畿財務局長(登金)第22号
九州財務局長(登金)第5号
関東財務局長(登金)第38号
関東財務局長(登金)第53号
東北財務局長(登金)第12号
一般社団法人
一般社団法人
一般社団法人
日本投資
金融先物
第二種金融商品
顧問業協会
取引業協会
取引業協会
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当資料をご利用にあたっての注意事項等
●当資料はピクテ投信投資顧問株式会社が作成した販売用資料であり、金融商品取引法に基づく開示書類ではありません。取得の申込みにあ
たっては、投資信託説明書(交付目論見書)等をお渡ししますので必ず内容をご確認の上、ご自身でご判断ください。●投資信託は、値動きのあ
る有価証券等(外貨建資産に投資する場合は、為替変動リスクもあります)に投資いたしますので、基準価額は変動します。したがって、投資者
の皆さまの投資元本が保証されているものではなく、基準価額の下落により、損失を被り、投資元本を割り込むことがあります。●運用による損
益は、すべて投資者の皆さまに帰属します。●当資料に記載された過去の実績は、将来の運用成果等を示唆あるいは保証するものではありま
せん。●当資料は信頼できると考えられる情報に基づき作成されていますが、その正確性、完全性、使用目的への適合性を保証するものでは
ありません。●当資料中に示された情報等は、作成日現在のものであり、事前の連絡なしに変更されることがあります。●投資信託は預金等で
はなく元本および利回りの保証はありません。●投資信託は、預金や保険契約と異なり、預金保険機構・保険契約者保護機構の保護の対象で
はありません。●登録金融機関でご購入いただいた投資信託は、投資者保護基金の対象とはなりません。●当資料に掲載されているいかなる
情報も、法務、会計、税務、経営、投資その他に係る助言を構成するものではありません。
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