校長だより第 18 号 平成 28 年 5 月 19 日 農と食と環境を考える田植え 「1 年生全員でやっている田植え実習は、やめませんか?」 昨年田植え実習が終わって担当者に私はこう言いました。 「1 年生全員がちょっとだけ稲作体験(田 植えと稲刈り)をするよりも、生物生産科の生徒に対し、きちんと稲作経営を教えた方が良いのでは ないですか?」との趣旨からです。担当者と農場長、各科科長らで協議し、 「農林高校であるからに は、本校の生徒として島根県の基幹作物である稲作の体験をすることは必要で、生物生産科の生徒に とっても新入生を指導するということを通して栽培に対する技能やリーダー性が身についてよい」と いうことで今年も継続して行うこととしました。そこで、今日行った田植え実習は次のような目標、 目的を持って実施しました。 ①新入生が田植えを体験することで、農業の原点を知り、農業や食に対する関心や理解を深める。 ②本校農場でクラスごとに田植えをすることで、帰属意識を高めクラスの連帯感を深める。 ③苗を手で植えるという作業をとおして、作業の大変さと同時に終わったときの達成感を体感させる。 ④周りの人と協力しながら自分の役割を果たすことをとおして、自覚と協調性を育む。 生物生産科 3 年生の農業機械・作物コース専攻生 9 名が事前に 1 年生に説明に出向いています。 原稿を見ずに堂々と発表すること、実体験をもとにして表現することなどに挑戦しながら事前説明を 行ったようです。 今日 5 月 19 日は快晴に恵まれ、暑いくらいの天気でした。午前中に総合学科、午後に生物生産科 と環境土木科それぞれのクラスが 1 列に並んで農業機械・作物コース専攻生と一緒に田植えを行い ました。初めて田植えを体験した生徒も多くいたようですが、気持ちのいい汗をかいたのではないで しょうか。 1 年生には、今日植えた苗が生長して稲穂をつけていく過程を是非注意深く見ていってほしいと思 います。また、季節ごとにどのような管理があって、どんな苦労があるのか。学校の水田と他の農家 の水田との違い・・・等々興味をもって観察する。これが農業教育の基礎であり、科学性や探究心を養 うことになります。 “なぜ?”という感覚がたくさん出てくるといいと思いますし、これからのそれ ぞれの学科の学習の中で学ぶ、農と食と環境を考える基礎となってくれることを願っています。
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