評価結果(案)

「遺伝子組換え体の産業利用におけるリスク管理に関する研究」(中間評価)
評価結果(案)
審議用資料
第2回「遺伝子組換え体の産業利用に
おけるリスク管理に関する研究」
(中間評価)分科会
資料2
―プロジェクト全体に対する評価結果(案)―
Ⅰ.プロジェクト全体に関する評価
Ⅰ−1 総論
1.総合評価
評価結果(案)
推進者・実施者改訂案
20 世紀の後半に登場した遺伝子組換え技術は、21 世紀に国内外で本格的な産業
利用へと展開が図られている。このような背景の中で組換え生物のリスク評価と管
理に関して情報を提供することはきわめて重要で、高い公共性・公益性があり
NEDO の事業として妥当である。
推進者・実施者の改訂理由(●:要望等
○補足説明)
No1
●修正願います
○補足説明
用語の統一をする
的が絞りにくい大きなテーマに対し、
「遺伝子組 No1 み換え体の安全性に関する No1 み
データベース」と「事後管理手法の開発」の 2 つに目標を分けて、挑戦的にプロジ
ェクトを進めている。
「遺伝子組 No2 み換え体の安全性に関するデータベース」に No2 み
ついては、カルタヘナ関連、OECD 関連など重要な文献の選定が着実に進められて
おり、システム開発も専門家向け、一般向けと整備されつつある。完成すれば、パ
ブリックアクセプタンス獲得のための有用なツールになると考えられる。「事後管
理手法の開発」については、土壌環境中の微生物変動などを、マイクロアレイ等を
用いて解析し、管理手法案構築のための基礎データが着実に積み重ねられている。
また、安全性に関するデータベースについては無償公開が予定されており、実用化
への障害はない。
一方、リスク管理手法案を提案するために必要な実験の情報は、どこまであれば
いいのか、逆に言えば、どういった管理手法案を作るのかが、少し不明確に思われ
る。また、国民に、できる限り科学的根拠に基づいたデータを提供することを期待
する。
No2
●修正願います
○補足説明
用語の統一をする
2.今後に対する提言
評価結果(案)
推進者・実施者改訂案
データベースについては、今後も作業を続け、パブリックアクセプタンス獲得に
有用な文献データベースを構築していただきたい。また、安全性に関する文献のデ
ータベースとして存続していくために、データベースの更新の方策、周知方法、利
用者意見による改良を検討していただきたい。
No3 枠組みを提示する成果を期待したい。
事後管理手法については、事業者が直ぐに利用できる様な No3 成果を期待した
い。組換え体の利用に不可欠な重要な課題であり、着実にかつ積極的に進めること
が望ましい。
バイオレメディエ−ション事業は、全国で急速に進んでおり、本プロジェクト終
了時に全体の成果が利用できることが、産業の活性化には欠かせないと考える。
推進者・実施者の改訂理由(●:要望等
○補足説明)
No3
● 修正願います。
○事後管理手法の開発は、事業者、行政、研究者にとっ
て利用できる枠組みを提示することを目的としており、
物の提示を直接目的とはしていません。
1
【II.各論】
1. 事業の位置付け・必要性について
評価結果(案)
遺伝子組 No4 み換え体の産業利用には、遺伝子組換え生物に対する偏見を解く
とともに、遺伝子組換え生物利用における安全性の確保を、確実にすることが必要
である。本事業は、遺伝子組み換え体の産業利用の基盤となるもので、非常に高い
公益性・公共性および必要性がある。「遺伝子組換え体の安全性に関するデータベ
ース」は、バイオ産業が今後進展していくために不可欠なものであり、パブリック
アクセプタンスの獲得のための有力な手段になると期待でき、「事後管理手法の開
発」は、今後期待されるバイオレメディエーションなどの普及に欠かせないもので
ある。また、安全管理手法については、まだまだ未開拓領域が広く、民間企業が容
易に取り組めるものでもない。このことから、本事業は NEDO のプロジェクトと
して妥当である。
推進者・実施者改訂案
No4 み
推進者・実施者の改訂理由(●:要望等
○補足説明)
No4
●修正願います
○補足説明
用語の統一をする
2. 研究開発マネジメントについて
評価結果(案)
推進者・実施者改訂案
推進者・実施者の改訂理由(●:要望等
○補足説明)
研究開発目標は、データベース開発については、組換え生物の安全性にかかわる なし
議論と科学的情報、リスク評価・管理手法に関する情報をデータベース化して公開
すること、事後管理手法開発については、環境の内在性リスクの把握、組換え体導
入による付加的リスク評価のモデル構築、組換え体導入による付加的リスク評価の
データ集積、と具体的で、目的に沿って設定されており、妥当である。研究開発体
制も、有識者、専門家からなる委員会が設置され、組換え生物のリスク評価・管理
が十分検討できる体制となっている。また、最近の技術動向などに応じた実験課題
の追加や、必要な専門分野の研究者を新たに加えるなど、適切な情勢への対応、マ
ネジメントが行われている。
2
3. 研究開発成果について
評価結果(案)
推進者・実施者改訂案
推進者・実施者の改訂理由(●:要望等
○補足説明)
推進者・実施者改訂案
推進者・実施者の改訂理由(●:要望等
○補足説明)
データベース開発については、その新規性と困難さに比すれば、収集された文献 なし
の質と内容のバランス、量ともに、中間段階での成果達成度は高い。得難い文献も
いれられており、できあがるデータベースへの期待は大きい。コンテンツ自体の作
成も進んでおり、目に見える成果を挙げている。
事後管理手法の開発では、発展的な市場性が見込めるマイクロアレイのプロトタ
イプ開発を完了している。また、土壌からの効率的 DNA 抽出法も開発している。
組換え体導入による付加的リスク評価におけるデータの再現性や信頼性の確保
で課題を残しているが、今後の計画実施で、これらの課題が解消されることを期待
したい。また、実験を伴った成果に関しては、学会発表を積極的に行って、本分野
の他の研究者との意見交換を、積極的に行ってほしい。
4. 実用化、事業化の見通しについて
評価結果(案)
安全性に関するデータベースについては、無償公開が予定されており、このまま なし
データの収集・登録が進められれば、組み換え体の安全問題についての共通理解を
作るうえで十分有益なものになると期待できる。公開=実用化と見なされるので、
実用化への障害はない。
事後管理手法については、環境リスク評価・モニタリング・管理にとって必須の
基盤的知見・技術を提供する点で、不可欠の実用的価値があるといえる。マイクロ
アレイにおいては発展性のある大きな用途が期待される。ただし、開発する手法案
のイメージが明確でなく、今後行う予定の研究開発が、手法案にどう結びつくのか
を、明確にすることが望まれる。
また、実用化に向けて、ユーザー意見によるデータベースの改良、マイクロアレ
イの感度や精度についての評価が望まれる。
3
―個別テーマに関する評価結果(案)―
Ⅱ 個別テーマに関する評価
1.遺伝子組み換え体の安全性に関するデータベース
評価結果(案)
推進者・実施者改訂案
推進者・実施者の改訂理由(●:要望等
○補足説明)
<研究開発成果について>
No5 検索エンジンの検討等を経て、データベースのシステム自体はほぼ仕上がっ No5 検索エンジンデータベースマネジメントシステム
ている。また、OECD などの機関を含む重要度の高い文献が選ばれており、収集さ
れた文献の質と内容のバランス、量ともに、中間段階での成果達成度は高い。この
まま推移すれば、所定のデータベースが完成すると予想される。
ただし、文献の要約や解説が、項目出しにとどまっているように思われる。中身
に関わる情報を加えることが望まれる。
No5
●修正願います。
○補足説明
検索エンジンではなくデータベースマネジメントシ
ステムの検討を行ったため、事実関係を正確にするた
め。
<実用化、事業化の見通しについて>
無償で公開する計画であり、現状の計画のままいけば、専門家向け、一般向けの
有用な文献データベースが構築されると考えられる。これまで、事業者は、対象と
する組換え体に関する情報を、独自に調査しなければならなかったが、本データベ
ースが完成すれば、そのような時間を大幅に削減できるため、利用される可能性は
高い。
<今後に対する提言>
当所の目的は達成されて来ているが、より利用されやすいものにすることが必要
である。ユーザーに歓迎されるデーターベースに仕上げるため、対象となるユーザ
ーの意見を取り入れて、より多くの人に利用されるよう改善を重ねることが望まれ
る。文献データベースの更新をどうするか、データベースのアクセスを高めるため
の公開方法についても検討していただきたい。
4
2.事後管理手法の開発
評価結果(案)
推進者・実施者改訂案
推進者・実施者の改訂理由(●:要望等
○補足説明)
<研究開発成果について>
開始してまだ1年であるが、マイクロアレイの活用土壌中での接合伝達、汚染浄 なし
化実環境での炭化水素分解菌や硝化・脱窒菌の挙動の遺伝子レベルでの把握等が検
討されており、管理手法案に利用できる成果が出されつつある。
ただ、組換え微生物の野外利用に関して、安全性を担保するためのデータを広く
収集する必要があるが、その対象が余りにも多種多様であり、手法案の要素の集合
になってしまわないか、不安がある。成果として一定の結論を引き出せるような方
向で進めていくことが望まれる。
<実用化、事業化の見通しについて>
明確な事後管理手法の開発は、ニーズが大きく、叩き台でもできれば有用なもの
になることは間違いなく、組換え微生物の環境中での挙動と病原菌モニタリングに
関しては、知的基盤への寄与が期待できる。また、細菌病原体を検出できるマイク
ロアレイは、環境分野だけでなく、医療分野や食品分野、農業分野など広範な用途
が期待され、実用化・事業化の可能性を大いに感じさせる。
ただし、分析法の実用化には、マイクロアレイシステムの感度・精度を調べる必要
がある。
<今後に対する提言>
この種の研究はなるべく多くの事例が必要で、多くの研究データの蓄積と周知
が、国民の理解を得る最大の方策と考えられる。また、病原性微生物を検出するマ
イクロアレイシステムは農業分野での病害発生の予測など、大きく発展する可能性
を備えており、積極的に研究を進めていただきたい。
5