こちら - 量子科学技術研究開発機構

インサート・コイル試験エリアの整備作業
仕様書
国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構
核融合エネルギー研究開発部門 那珂核融合研究所
ITER プロジェクト部 超伝導コイル開発グループ
1. 一般仕様
1.1 目的
米国との二国間協定に基づき那珂核融合研究所に設置される ITER 共通試験装置を使用してイ
ンサート・コイル試験を行う計画がある。本件では、インサート・コイル試験エリア、及び ITER 超伝導
サンプル等の保管エリアを確保することを目的として、該当エリアに設置されている既設機器の解
体、撤去、処分を行い、コイル試験の準備及び試験後の試験コイル等保管のため整備するもので
ある。
1.2 契約範囲
(1)既設機器の解体・撤去作業
(2)撤去品の運搬・処分作業
(3)撤去・移設後の確認作業
1.3 納期
平成 28 年 11 月 25 日
1.4 作業期間
作業期間は、契約締結日から平成 28 年 11 月 25 日までとする。尚、作業工程の詳細については、
別途協議のうえ決定するものとする。
1.5 作業場所
茨城県那珂市向山 801-1
国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構(以下、「量研機構」という) 那珂核融合研究所
(1)第一コンプレッサー棟
(2)管財撤去品置き場
(3)保管用地
1.6 支給品・貸与品
以下の項目を無償で支給・貸与する。
(1)工事用電力 :AC200V、AC100V
(2)工事用水及び飲料水
(3)建屋内クレーン :揚程 4.5m、重量能力 2.8ton
1.7 天井クレーン使用計画
(1)天井クレーンに関しては、作業期間を通じ貸与するが、実際の使用に当たっては天井クレー
ン作業日程の工程調整を量研機構と行い、決定するものとする。
(2)クレーン運転士、玉掛け技能者、吊り治具等は受注者が準備するものとする。天井クレーンの
使用時期及び使用方法については、クレーン実施計画書を提出し、事前に量研機構の確認
を得ること。
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1.8 適用法規・規格基準等
次の法規、規格、基準及び要領書に基づき、設計、現地作業および試験検査を行うものとする。
(1) 量研機構内諸規程、規格(安全衛生規定、電気工作物保安規定、クレーン運転保守要領、こ
れらは必要に応じて量研機構から提示する)
(2) 那珂核融合研究所事故対策規則及び事故対策要領
(3) 日本工業規格(JIS)
(4) 労働基準法
(5) 労働安全衛生法
(6) 電気事業法
(7) 高圧ガス保安法
(8) 消防法
(9) 建築基準法
(10)建設リサイクル法
(11)廃棄物処理法
(12)その他関連する諸法令等
1.9 検収条件
提出図書の確認および本仕様書の定めるところに従って作業が実施されたと量研機構が認めた
ときを以って作業の完了とする。
1.10 提出図書
(1) 受注者は、表 1 に示す提出図書を遅滞なく提出すること。
表 1 提出図書一覧
図 書 名
提 出 時 期
部数
量研機構によ
る確認
委任又は下請負等の届出
(量研機構指定様式)
作業工程表
作業要領書
クレーン実施計画書
クレーン日誌
作業報告書
リスクアセスメント
KYK(危険予知訓練)
その他量研機構が必要とする
書類
契約後速やかに
1部
要
作業開始前
作業着手前
作業開始前
作業日毎
作業終了後
実施後速やかに
作業日毎
詳細は別途協議
3部
3部
1部
1部
3部
1部
1部
不要
要
要
要
不要
不要
不要
*1 必要に応じて電子媒体(1 部)を提出すること。
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*2 産業廃棄物が生じる場合は、作業報告書にその旨記載すると共に、マニフェストの写しを
提出すること。
(2) 提出場所
量研機構 核融合エネルギー研究開発部門 那珂核融合研究所
ITER プロジェクト部 超伝導コイル試験グループ
(3) 確認方法
「確認」は次の方法で行う。
量研機構は、確認のために提出された図書を受領するときは、期限日を記載した受領印を
押印して返却する。また、当該期限までに審査を完了し、確認をしない場合には修正を指示し、
修正等をしないときは、確認したものとする。
1.11 協議
(1) 本仕様書に記載されている事項及び記載されていない事項について疑義が生じた場合は、両
者協議のうえ、合議内容を議事録にて確認しその合議内容の決定に従うこと。
(2) 本作業中に量研機構の財産に損害を与えた場合は、その保証について量研機構と協議のうえ、
その決定に従うこと。
1.12 安全管理
(1) 作業計画に際し綿密かつ無理のない工程を組み、機材、労働安全対策等の準備を行い、作業
の安全確保を最優先としつつ、迅速な進捗を図るものとする。また、作業遂行上既設物の保護
及び第三者への損害防止にも留意し、必要な措置を講ずるとともに、火災その他の事故防止に
努めるものとする。
(2) 作業現場の安全衛生管理(KY 活動、ツールボックスミーティング等)は、法令に従い受注者の
責任において自主的に行なうこと。
(3) 受注者は、作業着手前に量研機構と安全について十分に打ち合せを行い、作業要領書を作成
し、量研機構の確認を得てから作業を行なうこと。また、作業の安全について指摘を受けた場合
は、速やかに改善すること。
(4) 受注者は、作業現場の見やすい位置に、作業責任者名及び連絡先等を表示すること。
(5) 作業期間中は常に整理整頓を心掛ける等、安全及び衛生面に十分留意すること。
(6) 受注者は、本作業に使用する機器、装置の中で地震等により安全を損なう恐れのあるものにつ
いては、可能な限り転倒防止対策を施すこと。
(7) 火気を使用する際には、事前に火気使用届の提出等の必要な手続きを行うこと。付近に可燃物
が無いことを確認して作業を実施すること。また、火気使用終了から 最短 1 時間以内は残り火
を点検し、異常の無いことを確認してから作業終了とすること。
(8) クレーンを使用する際には、クレーン使用届玉掛け作業実施計画等の必要な手続きを行うこと。
作業時には、必要に応じて周囲作業者への接近禁止や吊上げ・移動等の操作開始を告知する
ための措置等を施し、クレーン操作の基本を遵守し「安全」に最大限に留意して作業を行なうこ
と。
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(9) 高所作業時には、必要に応じて作業者の転落や機器物品の落下を防止するための措置等を
施し、細心の注意を払って作業を行うこと。
1.13 グリーン購入法の推進
(1) 本契約において、グリーン購入法(国等による環境物品の調達の推進等に関する法律)に適用
する環境物品(事務用品、OA 機器等)が発生する場合は、これを採用するものとする。
(2) 本仕様に定める提出書類(納入印刷物)については、グリーン購入法の基本方針に定める「紙
類」の基準を満たしたものであること。
1.14 特記事項
(1) 受注者は業務を実施することにより取得した当該業務及び作業に関する各デ-タ、技術情報、
成果その他のすべての資料及び情報を量研機構の施設外に持ち出して発表若しくは公開し、
または特定の第三者に対価を受け、若しくは無償で提供することは出来ない。ただし、あらかじ
め書面により量研機構の確認を受けた場合はこの限りでない。
(2) 受注者は、異常事態等が発生した場合、量研機構の指示に従い行動するものとする。また、平
常時においても、量研機構が安全確保のために指示を行ったときにはそれに従うこと。
(3) 受注者は、量研機構が研究・開発を行う機関であるため、高い技術力及び高い信頼性を社会
的に求められていることを認識し、量研機構の規程等を遵守し、安全性に配慮し作業を遂行し
うる能力を有する者を従事させること。
(4) 本作業において消防署や関係自治体への申請や手続き等が必要となった場合は、受注者が
代行してこれを行うこと。また、その際に必要となる費用は受注者が負担すること。
(5) 必要な機器を誤って撤去したり、再使用する機器に不用意に損傷を与えたりしないよう、機器の
廃棄や保管等の区別を作業者に十分理解させた上で作業を行うこと。
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2.技術仕様
2.1 撤去範囲
撤去範囲を図1に示す。今回の撤去範囲である第一コンプレッサー棟内の既設機器は、既に実
験が終了し、今後の使用計画が無いため、解体・撤去作業を行い整備するものである。
第一コンプレッサー棟内には、現在も稼働している機器もあるため、作業を行う際、それらの機器
を損傷することが無いよう、安全には十分注意すること。なお、第一コンプレッサー棟搬出入シャッ
ター開口部は、幅約 4m、高さ 3m(最大 3.5m)である。
2.2 既設機器の解体・撤去作業
(1)表 2 に撤去する既設機器の一覧、図 2~5 に既設機器の外観写真を示す。なお、対象となる
範囲の既設機器の図面等は、契約後に提供するものとする。
(2)表 2 に示す既設機器の解体・撤去作業を行うこと。作業内容の詳細については、作業要領書
内で確認するものとし、量研機構の確認を得てから必要な手続きに基づいて行うこと。
(3)解体・撤去作業を行う際、機器の配置によっては天井クレーンが使用できない箇所があるた
め、受注者は事前に現場を確認し、その作業方法を検討すること。また、表 2③のリサイクル・
バッファータンクの解体・撤去作業については、機器の配置は屋外であるが、作業環境が非
常に狭いため、受注者は、使用する重機類の選定も含めた作業方法を検討しなければならな
い。
(4)表 2 に示す撤去機器(金属類に限る)は、4ton トラック車に乗る大きさまで解体を行うこと。な
お、解体作業を行う際は、周囲の機器に影響が無いよう十分に注意し、必要に応じて養生等
の保護対策を行うものとする。
(5)表 2 に示す撤去機器内に油を使用している場合は、油を抜く作業を行うこと。油の処分方法
については廃棄物処理法に定められた方法で適切に処分すること。
(6)表 2 に示す撤去機器に付属するケーブルの撤去を行うこと。なお、ケーブルの撤去が困難な
場合は、量研機構の指示により指定の場所で切断し、ケーブルの端末処理を施すこと。ケー
ブルの撤去を行う際、通電されていない事を確認した上で作業に取り掛かること。6.6kV系の
高圧ケーブルについては、量研機構の指示に従って電気停止の手続を行うものとする。
(7)表 2 に示す撤去機器に付属するガス配管の撤去を行うこと。切り離し部分は量研機構が指定
するフランジ部などで行い、必要に応じてフランジにて閉止すること。また、屋内から屋外に敷
設されている配管を撤去した場合は、壁の防火区画処理を行うこと。詳細については量研機
構と協議の上、決定すること。なお、今回の撤去対象となる全ての既設機器については、ガス
系の配管撤去に関する手続きは一切発生しないものとする。
(8)表 2 に示す撤去機器に付属する冷却水配管の撤去を行うこと。切り離し部分は量研機構が指
定するフランジ部などで行い、必要に応じてフランジにて閉止すること。詳細については量研
機構と協議の上、決定すること。
(9)既設機器を撤去したあとに残ったアンカーボルト等の突起物は、床面と平らになるように取り
除いた上で、周辺の床面と同様の状態に仕上げること。
表 2 解体・撤去リスト
図 1No.
機器名
寸法と重量(概略)
①
リサイクル圧縮機 長さ 4.2m、幅 2.3m、高さ 2.5m、重量
約 10ton
②
旧回収圧縮機
長さ 4.7m、幅 2.3m、高さ 1.8m、重量
約 10ton
③
リサイクル・バッフ 外径φ1500mm、肉厚 12mm、高さ
ァータンク
6m、重量約 4ton(基礎除く)
④
その他の廃材
容量 3m3
⑤
計装空気圧縮機
長さ 4m、幅 2m、高さ 2.6m、重量約
1ton
数量
1式
主な材質
SUS、SS
備考
図2
1式
SUS、SS
図3
1式
SUS、SS
図4
1式
非金属、
木材等
SUS、SS
図5
1式
2.3 撤去品の運搬・処分作業
(1)撤去品は量研機構が指定する場所(主に管材撤去品置き場)まで運搬を行うこと。
(2)運搬する撤去品のうち、寸法の長いものについては、一般道を容易に運搬出来る長さに切断
すること。また、重量物は一般道を容易に運搬できる重さに分解すること。
(3)解体・撤去作業で発生した金属類以外(非金属の部品、コンクリートブロック、モルタル、ガラス、
木材、廃油等)の産業廃棄物に関しては、受注者が責任を持って廃棄物処理法に基づき適切
に処分すること。この際、産業廃棄物を処分した証明として産業廃棄物管理票(マニフェスト写
し)を提出すること。
2.4 解体・撤去後の確認作業
本作業終了後、以下の確認を行うこと。
(1)撤去範囲及び移設後の場所に、有害な突起、変形、汚れ等がないことを確認すること。
(2)管財撤去品置き場もしくは保管用地に撤去品が安全に保管されていることを確認すること。
(3)2.3 項で産業廃棄物が発生した場合は、マニフェストの写しを確認すること。
以上
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図 2 リサイクル圧縮機(図 1 ①)
図 4 リサイクル・バッファータンク(図 1 ③)
図 3 旧回収圧縮機(図 1 ②)
図 5 計装空気圧縮機(図 1 ⑤)