米国経済 2016 年 5 月 10 日 全8頁 アメリカ経済グラフポケット(2016 年 5 月号) 2016 年 5 月 9 日発表分までの主要経済指標 ニューヨークリサーチセンター エコノミスト 橋本 政彦 実質GDPの推移 (前期比年率、%、%pt) 政府支出 6 純輸出 4 在庫投資 2 住宅投資 0 設備投資 個人消費 -2 実質GDP成長率 -4 12 13 (前期比年率、%、%pt) 国内総生産 個人消費 設備投資 住宅投資 政府支出 輸出 輸入 寄与度 個人消費 設備投資 住宅投資 在庫投資 政府支出 輸出 輸入 14 4-6 16 (年) 15 2014 7-9 10-12 1-3 2015 4-6 7-9 10-12 2016 1-3 4.6 3.8 4.4 10.4 1.2 9.8 9.6 4.3 3.5 9.0 3.4 1.8 1.8 -0.8 2.1 4.3 0.7 10.0 -1.4 5.4 10.3 0.6 1.8 1.6 10.1 -0.1 -6.0 7.1 3.9 3.6 4.1 9.3 2.6 5.1 3.0 2.0 3.0 2.6 8.2 1.8 0.7 2.3 1.4 2.4 -2.1 10.1 0.1 -2.0 -0.7 0.5 1.9 -5.9 14.8 1.2 -2.6 0.2 2.6 0.6 0.3 1.1 0.2 1.3 -1.5 2.3 1.1 0.1 0.0 0.3 0.2 0.2 2.9 0.1 0.3 0.0 -0.3 0.7 -1.6 1.2 0.2 0.3 0.9 0.0 -0.8 -1.1 2.4 0.5 0.3 0.0 0.5 0.6 -0.5 2.0 0.3 0.3 -0.7 0.3 0.1 -0.4 1.7 -0.3 0.3 -0.2 0.0 -0.3 0.1 1.3 -0.8 0.5 -0.3 0.2 -0.3 0.0 ( 出 所 ) BEA, Haver Analytics よ り 大 和 総 研 作 成 株式会社大和総研 丸の内オフィス 〒100-6756 東京都千代田区丸の内一丁目 9 番 1 号 グラントウキョウ ノースタワー このレポートは投資勧誘を意図して提供するものではありません。このレポートの掲載情報は信頼できると考えられる情報源から作成しておりますが、その正確性、完全性を保証する ものではありません。また、記載された意見や予測等は作成時点のものであり今後予告なく変更されることがあります。㈱大和総研の親会社である㈱大和総研ホールディングスと大和 証券㈱は、㈱大和証券グループ本社を親会社とする大和証券グループの会社です。内容に関する一切の権利は㈱大和総研にあります。無断での複製・転載・転送等はご遠慮ください。 2/8 雇用環境1 ◆ 2016 年 4 月の失業率は 5.0%となり、前月から横ばいとなった。失業者数は前月から減少し たものの、労働参加率が前月から低下し、就業者数は 7 ヵ月ぶりの減少に転じた。 ◆ 4 月の非農業雇用者数の前月差は 16.0 万人増となった。非農業雇用者数の前月差の 6 ヵ月 平均は 22.0 万人増であった。 非農業雇用者数と失業率 労働参加率と就業率 (前月差、万人) 60 (%) 12 非農業雇用者数 (%) (%) 67 64 労働参加率 失業率(右軸) 就業率(右軸) 40 10 63 66 20 62 8 0 65 -20 61 6 60 64 -40 4 59 -60 2 -80 -100 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 0 16 (年) 63 58 62 05 06 07 08 09 10 11 12 (出所)BLS, Haver Analyticsより大和総研作成 (出所)BLS, Haver Analyticsより大和総研作成 理由別失業者数 定義別失業率 (万人) 400 (万人) 1,200 自己都合 再び職を探している 新たに職を探している 350 1,000 会社都合(右軸) 300 800 250 (%) 600 14 57 16 (年) 15 U-5+経済的理由のパート労働者(U-6) 20 失業者+潜在的失業者(U-5) 18 失業者+就職を諦めた人(U-4) 16 失業率(U-3) 14 非自発的離職者 (U-2) 15週以上の 失業率(U-1) 12 200 13 U-6 10 8 150 400 6 100 200 50 2 0 05 06 07 08 09 10 11 12 (出所)BLS, Haver Analyticsより大和総研作成 1 U-1 4 13 14 15 0 16 (年) 0 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16 (年) (出所)BLS, Haver Analyticsより大和総研作成 大和総研 ニューヨークリサーチセンター 橋本政彦「消費の減速が雇用者数を下押し」(2016 年 5 月 9 日) 参照。http://www.dir.co.jp/research/report/overseas/usa/20160509_010872.html 3/8 個人消費 ◆ 2016 年 3 月の小売売上高は前月比 0.4%減少した。一方、コア小売売上高は同 0.1%と、5 ヵ月連続で増加した。 ◆ 4 月の自動車販売台数は前月比 5.1%増加し、年率換算で 1,742 万台であった。とりわけラ イトトラックの大幅な増加が押し上げ要因となり、3 ヵ月ぶりの増加に転じた。 ◆ 4 月のロイター/ミシガン大消費者センチメントは、前月の 91.0 から 89.0 へと低下した。 現況指数が前月から改善する一方で期待指数が低下し、4 ヵ月連続の低下となった。 小売売上高の推移 消費と株価 (億ドル) 5,000 (3ヵ月前比、%) 30 3,000 (3ヵ月前比、%) 6 2,800 4 2,600 2 10 2,400 0 0 2,200 -2 -10 2,000 -4 -20 1,800 -6 -30 1,600 -8 -40 1,400 16 (年) -10 (億ドル) 小売売上高 コア小売売上高(右軸) 4,500 4,000 3,500 小売売上高 株価(右軸) 20 3,000 2,500 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 -50 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 16 (年) (注)コア小売売上高は自動車ディーラー、ガソリンスタンド、 建材・園芸、飲食サービスを除く。 (出所)Census, Haver Analyticsより大和総研作成 (注)株価はWilshire5000。 (出所)Census, Dow Jones, Haver Analyticsより大和総研作成 消費者マインド 自動車販売台数 (年率換算、万台) 消費者信頼感指数(1985=100) 120 15 2,200 ロイター/ミシガン大消費者センチメント(1966Q1=100) 2,000 100 1,800 80 1,600 60 1,400 40 1,200 20 1,000 0 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 (出所)ロイター/ミシガン大, Conference Board, Haver Analyticsより 大和総研作成 16 (年) 800 05 06 07 08 09 10 11 12 (出所)Autodata, Haver Analyticsより大和総研作成 13 14 15 16 (年) 4/8 住宅市場 ◆ 2016 年 3 月の新築住宅着工(一戸建てと集合住宅を含む)は、前月比 8.8%減の年率換算 108.9 万戸であった。 ◆ 3 月の中古住宅販売(一戸建て)は、前月比 5.5%増の年率換算 476 万戸となった。 ◆ 3 月の新築住宅販売(一戸建て)は、前月比 1.5%減と 3 ヵ月連続で減少し、年率換算 51.1 万戸となった。 ◆ 2 月のケースシラー住宅価格指数(20 都市)は前月比 0.7%上昇した。 住宅ローン申請件数 住宅販売(一戸建て) (年率換算、万戸) (年率換算、万戸) 700 140 (2005=100) 450 新規申請 中古住宅販売 650 新築住宅販売(右軸) 借換申請 400 住宅ローン申請件数 120 350 600 100 550 300 250 500 80 200 450 60 400 150 100 40 350 50 300 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 (出所)Census, NAR, Haver Analyticsより大和総研作成 20 16 (年) 0 00 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16 (年) (出所)MBA, Haver Analyticsより大和総研作成 住宅価格 住宅着工と建設業者の景況感 (最大=100) (年率換算、万戸) 80 (2000/01=100) (1991/01=100) 240 220 220 210 200 200 240 180 190 230 160 180 220 140 170 210 120 160 200 100 150 190 80 140 180 60 130 170 40 16 (年) 120 260 ケースシラー住宅価格指数 (20都市) FHFA住宅価格指数(右軸) 建設業者の景況感 70 新築住宅着工(右軸) 60 50 40 30 20 10 0 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 (出所)Census ,NAHB, Haver Analyticsより大和総研作成 15 05 06 07 08 09 10 11 12 13 (出所)S&P, FHFA, Haver Analyticsより大和総研作成 14 15 250 160 16 (年) 5/8 企業動向 ◆ 2016 年 3 月の鉱工業生産指数は前月比 0.6%低下し、2 ヵ月連続の低下となった。指数全体 の約 7 割を占める製造業(SIC ベース)は同 0.3%低下した。 ◆ 3 月の国防・民間航空機を除く資本財受注(コア資本財受注)は、前月比 0.1%増と 2 ヵ月 ぶりに増加した。 ◆ 4 月の ISM 製造業指数は、前月差 1.0%ポイント低下の 50.8%と 4 ヵ月ぶりに低下したが、 基準となる 50%を 2 ヵ月連続で上回った。非製造業指数は、前月から 1.2%ポイント上昇し、 55.7%であった。 鉱工業生産と設備稼働率 企業の景況感 (%) (2012=100) 110 85 鉱工業生産 設備稼働率(右軸) 83 105 (%) ISM製造業 65 ISM非製造業 60 81 79 100 77 95 55 50 75 73 90 71 45 40 69 85 35 67 65 16 (年) 80 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 (出所)FRB, Haver Analyticsより大和総研作成 30 05 06 07 耐久財受注 (前年比、%) (億ドル) 在庫 3,200 11 12 13 14 15 16 (年) (億ドル) 800 資本財受注(国防・民間航空機除く、右軸) 3,000 10 10 耐久財受注 出荷 15 09 (出所)ISM, Haver Analyticsより大和総研作成 製造業の出荷・在庫 20 08 750 2,800 700 5 2,600 650 0 2,400 -5 600 2,200 -10 550 2,000 -15 -20 1,800 -25 1,600 -30 05 06 07 08 09 10 11 12 (出所)Census, Haver Analyticsより大和総研作成 13 14 15 16 (年) 500 450 1,400 05 06 07 08 09 10 11 12 (出所)Census, Haver Analyticsより大和総研作成 13 14 15 400 16 (年) 6/8 物価動向 ◆ 2016 年 3 月の CPI(消費者物価指数)は前年比 0.9%上昇と、上昇幅が前月から縮小した。 また、コア CPI も同 2.2%上昇と、前月から上昇幅が縮小した。 ◆ 4 月の 2 年先期待インフレ率は 1.57%、5 年先期待インフレ率は 1.58%であり、いずれも前 月から上昇した。 ◆ 4 月末の WTI 原油先物価格は 45.92 ドル/バレルと、3 月末の 38.34 ドル/バレルから上昇し た。 消費者物価指数 期待インフレ率 (%) (前年比、%) 6 3.5 コアCPI 5 2年先・期待インフレ率 5年先・期待インフレ率 CPI 3.0 4 2.5 3 2.0 2 1 1.5 0 1.0 -1 0.5 -2 -3 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 (注)コアCPIは食品、エネルギーを除く。 (出所)BLS, Haver Analyticsより大和総研作成 16 (年) 0.0 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 16 (年) (出所)Cleveland Fed, Haver Analyticsより大和総研作成 (ドル/バレル) (1973=100) 実効為替レート(ブロード) コモディティ価格 (1967=100) 130 15 実質実効ドル(1973年3月=100) 500 名目実効ドル(1997年1月=100) WTI原油先物価格(直近限月、右軸) 450 120 (ドル/バレル) 160 RJ/CRB先物指数 140 400 120 110 350 100 300 100 250 90 80 200 60 150 80 40 100 70 20 50 60 05 06 07 08 09 10 11 12 (出所)FRB, Haver Analyticsより大和総研作成 13 14 15 16 (年) 0 0 16 (年) (出所)Wall Street Journal, CRB, Haver Analyticsより大和総研作成 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 7/8 輸出入・経常収支 ◆ 2016 年 3 月の貿易収支(財・サービス)は、輸出が前月比 0.9%減少し、輸入も同 3.6%減 少した。この結果、貿易赤字は前月から 13.9%縮小し、約 404 億ドルとなった。 ◆ 輸出入(財)を商品別に見ると、輸出では医薬品などの消費財が減少したほか、自動車・同 部品、工業用品が減少した。一方の輸入は幅広い品目が減少する中、とりわけ消費財の減少 が全体を下押しした。 ◆ 地域別(財)では、欧州への輸出が前年比 0.1%減少、中国向けが同 9.5%減少、日本向け も同 5.9%減少した。輸入は、欧州からの輸入が同 0.9%増加したものの、中国からの輸入 が同 27.4%減少、日本からの輸入は同 5.8%減少した。 貿易収支動向 経常収支の推移 (億ドル) (億ドル) 0 3,000 貿易収支(右軸) 輸出 輸入 2,500 (億ドル) (%) 0 0 経常収支(右軸) -100 -1 -200 -2 -300 -3 -400 -4 -500 -5 -600 -6 -700 16 (年) -7 経常収支/GDP -500 2,000 -1,000 1,500 -1,500 1,000 -2,000 500 0 05 06 07 08 09 10 11 12 13 (出所)Census, Haver Analyticsより大和総研作成 14 15 -2,500 05 06 07 08 国・地域別輸出動向 国・地域別輸入動向 (前年比、%) 欧州 中国 10 11 12 13 14 50 日本 25 40 20 30 15 欧州 中国 15 (年) (出所)BEA, Haver Analyticsより大和総研作成 (前年比、%) 30 09 日本 20 10 10 5 0 0 -10 -5 -20 -10 -30 -15 -40 -20 12 13 14 (出所)Census, Haver Analyticsより大和総研作成 15 16 (年) 12 13 14 (出所)Census, Haver Analyticsより大和総研作成 15 16 (年) 8/8 金融・財政 ◆ 2016 年 4 月の FOMC(連邦公開市場委員会)において、政策金利である FF(フェデラルファ ンド)レートの目標レンジは据え置かれた。また、保有する資産規模については、現在の水 準を維持することが決定された。FRB の資産残高は、直近の 5 月 4 日の週平均が約 4 兆 5,200 億ドルであった。 ◆ 4 月の長期金利(10 年債利回り)の平均値は 1.81%となった。均せば 4 月初旬から上昇傾 向にあったものの、月末に低下したことで月次ベースでは前月から低下した。 ◆ 連邦政府の財政収支(12 ヵ月平均)は、トレンドとして緩やかに赤字幅が縮小している。 クレジットスプレッド 政策金利・長期金利 (%) (%) 6 FFレート誘導目標 7 Baa格社債利回り-10年債利回り Aaa格社債利回り-10年債利回り 10年債利回り 6 5 5 4 4 3 3 2 2 1 1 0 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 (出所)FRB, Haver Analyticsより大和総研作成 16 (年) 0 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 (出所)FRB, Haver Analyticsより大和総研作成 FRBの資産構成 連邦政府の財政収支 (兆ドル) (億ドル) 5.0 4.5 4.0 16 (年) (億ドル) 0 3,500 -200 3,000 -400 2,500 -600 2,000 -800 1,500 -1,000 1,000 その他 3.5 3.0 MBS、政府 機関債 2.5 2.0 国債 1.5 1.0 財政収支 歳入(右軸) 歳出(右軸) -1,200 0.5 -1,400 0.0 07 08 09 10 11 12 13 (出所)FRB, Haver Analyticsより大和総研作成 14 15 16 (年) 05 06 07 08 09 10 11 12 13 (注)データは12ヵ月移動平均。 (出所)米財務省, Haver Analyticsより大和総研作成 14 15 500 0 16 (年)
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