最新マーケティングのご紹介 ∼仕掛ける広報PR手法/マーケティングPRのススメ∼ 井上戦略PRコンサルティング事務所 代表 井上岳久 本日の講義内容 Ⅰ. 最新のマーケティングの手法を知る! 広告の仕掛けはもう古い! Ⅱ. 成功事例研究! 大学No.1 広報「近畿大学」 Ⅲ. プロの広報マンたちの仕掛け戦略とは! ヤスデゴケ類の皮膚炎から蘚苔類生物活性成分研究への展開 徳島文理大学 薬学部 教授 同大学 生薬研究所 所長 浅川義範 蘚苔類は海以外の湿った土壌、岩、樹木の幹、湖沼、池や川の中などに見られ、分類 学的に藻類とシダ類の中間に位置し、約4億年前から今日までその形を変えることな く進化、分化してきた緑色胞子植物である。蘚苔類のうち苔類は図1に示すように、 その細胞中に美しい油体を含有する。蘚苔類は食物としての記載はなく、個体が小さ 図 1.ツクシスボミゴケ (Jungermannia truncate)の油体 図 2.シダレヤスデゴケ(Frullania tamarsci)のアレルギー性接触性皮膚炎 い、分類や大量採取が困難、また人に対し重要な物質は何もないなど教科書に記載さ れ、それらの成分研究は一世紀遅れた。1980 年代にアメリカで200数種類の苔は 全く抗癌活性がないと報告された。著者は 45 年前から蘚苔類、特に苔類化学成分の 研究に早くから取り組み、世界各国で採集した様々な苔類から香気および呈味成分、 抗菌、抗カビ、殺魚、抗肥満、筋弛緩、抗腫瘍活、抗酸化、抗マラリア活性などを有 するテルぺノイドや芳香族化合物の単離、構造決定、生理活性試験および化学系統分 類学研究を行い、その結果を 3 冊の Springer 社発行著書(1699 ページ)にまとめた。 苔を触ってかぶれて入院したとか、アナフィラキシーで亡くなったという話は日本で は聞かない。しかし西カナダやヨーロッパでは古くから木材伐採者が2-3か月間も 入院を余儀なくされるほど激しいアレルギー性接触性皮膚炎に見舞われている。著者 はヨーロッパに生息するシダレヤスデゴケ(Frullaniatamariscisubsp.tamarsci)ま たそれと同属の Frullaniadilatata 、米国東部の F.asagrayana, 西海岸の F. nisquallensis などがアレルゲンである frullanolide (1)のほか多くの近縁セスキテ ルペンラクトンを含むこと解明し、これらのうちα-methylene-γ-butyrolactone を有 する化合物のみ皮膚炎を誘起することを明らかにした。オークモスは香料固定剤とし て重要な地衣類である。このオークモスには上記コケ類が混在している場合が多いの で、うっかりこれが混ざると香粧品にアレルゲンが混入する。ニュージーランドのオ ヤコゴケ属 Schistochilaappendiculata の油体には銀杏や漆のカブレ物質と同様の 長鎖アルキルフェノール類がたっぷり入っていて、これに触れても激しくかぶれる。 今回、苔類のアレルギー性皮膚炎の研究に焦点をあて、これまで半世紀に及ぶ蘚苔類 独特の香り、味などを含む生物活性成分に関する成果についてお話しします。
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