周防大島町水道事業経営戦略策定及び上水道事業創設支援業務仕様書 1 業 務 名 周防大島町水道事業経営戦略策定及び上水道事業創設支援業務 2 業務の目的 本町では、平成 29 年 4 月 1 日に3離島を除く簡易水道及び飲料水供給事業を統合し、地方公営企 業法全部適用の上水道事業に移行するため、資産評価調査業務、会計システムの導入を行ったとこ ろである。 本業務では、経営状況及び財務状況を明確にし、経営の健全性を確保するとともに、経営基盤の 強化及び適切な水道事業における財源確保を図るため、 本町水道事業のさらなる経営健全化に向け、 経営戦略策定を行う。併せて、水道事業の地方公営企業会計への移行に伴う経理業務、予算編成、 決算書作成及び資金計画に係る指導・助言を受けることにより、円滑な移行を行うことを目的とす る。 3 業務概要 本業務の概要は次のとおりとする。 (1)水道事業経営戦略策定 (ア)投資・財政計画の策定 ①現状及び将来見通し 経営・財務等の状況について、現状を的確に把握するとともに、将来について客観的に見通 し、分析を行うこと。 ②計画期間の設定 計画期間については、10 年以上を基本とし、中長期的な視点から経営基盤の強化及び経営の 健全化が図れるよう、水道施設・設備の維持・更新に必要な期間を設定すること。 ③投資試算の取りまとめ 資本的支出の中心となる今後の建設改良投資について、計画期間内に実現可能な投資試算額 を算定する必要がある。取りまとめに当たっては、以下の点を考慮し、業務を行うことが望ま しい。 ・施設・設備の現状把握・分析、将来予測 固定資産台帳データを基に、 使用状況の把握及び分析を踏まえ、 将来の更新予測を行う。 なお、更新予測については、水道事業におけるアセットマネジメントに関する手引き(厚生 労働省)に基づいて実施する。 ・投資試算の目標設定、投資額の合理化 建設投資における目標を設定し、実現可能かつ合理的な投資額の算定を行う。 ・上記を踏まえた投資試算の取りまとめ 上記の検討結果を踏まえ、今後の建設投資額を算定する。 ④財源試算の取りまとめ 料金収入をもって経営を行う独立採算性を基本原則とし、計画期間内に必要な財政負担を賄 1 う財源試算を取りまとめること。 ・財務状況の適切な現状把握・分析、将来予測 過去 5 年間の決算値を基に、財務状況を把握・分析する。また、企業会計移行後に発生 する営業費用及び営業外費用等の収益的支出を予測する。 ・財源構成の検討 過去 5 年間の決算値を基に、今後の収益的収入及び資本的収入における財源構成の検討 を行う。 ・適正料金の検討 収益的収支及び資本的収支の将来予測と連動する適正料金の検討を行う。 ・上記を踏まえた財源試算の取りまとめ 上記の検討結果を踏まえ、財源試算額を取りまとめる。 ⑤投資・財政計画の策定 計画期間内の収支見通しである投資・財政計画を、投資試算と財政試算により示される収支 が均衡した形で策定すること。策定に当たっては、次の点に留意することが望ましい。 ・投資以外の経費の適切な算定 建設投資の検討において算出された投資額に基づき企業債の借入額を算出し、企業債の 償還計算を行う。 ・収入と支出の均衡(整合性の検証) 財源の予測により推計した収入と建設投資により推計した支出との収支バランスを対比 させ、均衡が図れるよう調整を行う。 (イ)効率化・経営健全化の取り組みの提案 効率化・経営健全化に関する以下の点について、所要の検討を行うこと。 ①組織、人材に関する事項 ・効率的な組織の整備 現状の組織体制に対して、継続かつ効率的な事業運営をするための組織体制について提 案を行う。 ・人材の確保・育成 必要人材の確保及び技術継承を行うための提案を行う。 ②広域化等の推進に関する事項 必要なサービスを将来にわたり確保するため、以下の点について検討すること。 ・広域化の推進 経営基盤強化のため、水源を一にする市町との事業連携や統合について提案を行う。 ・民間資金・ノウハウの活用等の推進 施設の維持管理において、将来的に民間の資金及びノウハウの活用等を推進するための 提案を行う。 ③その他経営基盤強化に関する事項 公営企業が経営基盤を計画的に強化するために、次の点について検討すること。 ・資産の有効活用等 資産の有効活用について提案を行う。 2 ・情報通信技術の活用 配水池等に異常が発生した場合の遠方監視システムの現状を把握し、効率的な維持管理 を行えるよう、情報通信技術の活用について提案を行う。 ・新技術の活用 将来的な新技術の活用について提案を行う。 ④資金不足比率に関する事項 地方公共団体の財政の健全化に関する法律(平成 19 年法律第 94 号)に定める資金不足比率 又は地方財政法(昭和 23 年法律第 109 号)に定める資金の不足額がある場合には、その発生 の要因を分析し、解消のための方策を検討すること。 ⑤資金管理・調達に関する事項 投資・財政計画と合わせて資金計画を策定し、適正かつ効率的な資金管理及び資金調達を行 うとともに、内部留保の適切な活用を図ること。 ⑥情報公開に関する事項 経営戦略の策定や見直しに当たって、議会や住民に対してその意義や内容等を分かりやすく 説明するため、概要版の作成を行うこと。 ⑦その他重点事項 各公営企業を取り巻く経営環境等を踏まえて、必要と考えられる以下の項目について検討を 行うこと。 ・防災対策の充実 ・危機管理等の体制整備 (ウ)経営戦略の策定 上記(ア)及び(イ)を踏まえて、経営戦略を策定すること。 (エ)経営戦略の職員向け概要説明 経営戦略の実効性を高めるため、職員に対して概要説明を行うこと。 (オ)経営戦略策定後の検討及び更新 経営戦略策定後の検証目標値や更新時期等について、提案を行うこと。 (2)上水道事業創設支援 (ア)経理業務の移行に係る指導・助言 地方公営企業会計基準に基づく経理業務への移行に向けて、固定資産、リース会計などの 個々の会計処理の質問に対する回答、経理業務の改善策の提案などの助言を行う。これには、 期中の仕訳、予算経理、帳票間の整合性に係る助言を含む。 (イ)最初事業年度の予算編成等の指導・助言 法適化される最初の事業年度(以下、「最初事業年度」という。)の予算編成等に必要な以 下の指導・助言を行う。 ①新予算科目、勘定科目の設定に関する指導・助言 ②新予算科目、勘定科目に基づく実施計画策定に関する指導・助言 ③最初事業年度の予算編成(一般会計からの繰入等に係るものも含む)に係る指導・助言 ④開始貸借対照表、最初事業年度の予定貸借対照表及び予定キャッシュフロー計算書の作成 に関する指導・助言 3 ⑤特例的収入・支出予算の作成に関する指導・助言 (ウ)最後事業年度の決算等の指導・助言 法適化前の最後の事業年度(以下「最終事業年度」という。)の決算等に必要な以下の指導・ 助言を行う。 ①最後事業年度の決算見込書作成 ②未収金及び未払金算定 ③事務引継ぎ ④総務省へ提出する「地方公営企業法適用状況異動報告書」の作成 ⑤監査委員による最後事業年度決算に係る審査受検に関する準備 ⑥監査委員による法適化後の最初の例月検査受検に関する準備 (エ)一般会計繰入金等の資金計画に係る指導・助言 独立の企業として経営管理を実施するに当たり、必要となる財政計画の作成に関する以下の 指導・助言を行う。 ①財政計画策定に係るシミュレーション実施に関する指導・助言 ②一般会計繰入金に係る会計方針構築に関する指導・助言 ③財政計画における資金効率化の検討に関する指導・助言 (オ)実地指導・助言 契約期間中、月1回程度の実地指導・助言を行う。 4 業務の実施方法 (1)業務の実施体制 本業務の遂行に当たっては、地方公営企業会計に精通し、類似業務の実績を有する者(公認会 計士又は技術士(上下水道部門)等)が従事しなければならない。 また、本業務の遂行に支障をきたすと認められたときは、発注者は受託者に対し履行体制の変 更を求めることができる。 (2)再委託又は下請けの禁止 本業務の契約に当たり、受託者が第三者に業務を委託することはできない。ただし、事前に再 委託の範囲及び再委託先を発注者に提示して承認を得た場合は、この限りでない。また、再委託 範囲は受注者が責任を果たせる範囲とし、再委託先に問題が生じた場合は受注者の責任において 解決するものとする。 (3)提出書類 受託者は、業務着手前に下記の書類を提出し、発注者の承認を受けるものとする。変更が生じ た場合も同様とする。 ・業務着手届 ・業務計画書 ・実施体制及び組織図(業務実績の記述のあるもの) 5 納入物について 本業務の納入物は次のとおりとする。 4 ・経営戦略報告書(A4製本) 2部 ・経営戦略概要版(A4製本) 50部 ・打合せ協議記録簿 一式 ・指導・助言に係る報告書及び資料 一式 ・上記のデ-タ(CD-R) 一式 ・その他関連資料 一式 6 履行期間 契約締結の翌日から、平成 29 年3月 31 日までとする。 ただし、履行期間内に提出を求める成果物等の納期限は協議により定める。 7 その他留意事項 発注者が保有又は取得が可能な情報及びデータについては、本業務を遂行する目的にのみ使用す ることを条件に、必要に応じて提供する。 受託者は、発注者が要請する場合のほか、必要に応じて業務遂行のための適切な調整及び検討を 行うこと。 本業務により作成された資料等は本町に帰属するものとする。 本仕様書に定めのない事項については、発注者及び受託者双方協議のうえ、定めるものとする。 5
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