知事意見

唐津・鎮西ウインドファーム(仮称)設置計画に係る計画段階環境配慮書
に係る知事意見
1
全体的事項
(1) 本配慮書においては、現時点での事業実施想定区域を、風力発電機等を
配置する可能性のある範囲を広めに設定し、風力発電機の配置及び機種
を決定する計画であることから、これらについて決定する過程における
環境影響の予測は可能な限り定量的に行うものとし、また、環境面から
検討した経緯を方法書以降に記載すること。
(2) 事業実施想定区域周辺には住宅等があることから、本事業の実施に関し
ては周辺住民等に対して丁寧な説明を行い、十分な理解を得るように努
めること。
2
個別的事項
【騒音及び超低周波音】
(1) 事業実施想定区域の周辺には住居、学校、病院、福祉施設等が存在して
おり、施設の稼働に伴う騒音及び超低周波音による影響が懸念されるた
め、風力発電機の配置、機種等の検討に当たっては、騒音及び超低周波
音に係る影響を回避、低減するように配慮すること。また、方法書以降
においては、評価の根拠について記載に努めるとともに、施設の稼働に
伴う騒音及び超低周波音による健康影響を含む環境影響に、可能な限り
配慮すること。
【水環境】
(1) 工事に伴い発生する土砂や濁水による水環境への影響を回避・低
減するように配慮すること。
【地形・地質】
(1)方法書以降においては、表層地質だけでなく深層地質まで含めた地
質の調査、検討を行い、環境影響に配慮すること。
【風車の影】
(1) 事業実施想定区域の周辺には住居、学校、病院、福祉施設等が存在
しており、施設の稼働に伴う風車の影による影響が懸念されるため、
風力発電機の配置、機種等の検討に当たっては、風車の影による影
響を回避、低減するように配慮すること。また、農地への影響につ
いても、可能な限り配慮すること。
【動物、植物、生態系】
(1) 方法書以降においては、施設の稼働に伴う騒音及び超低周波音、振動の
動物への影響についても可能な限り配慮すること。
(2) 方法書以降においては、バードストライクによる影響を可能な限り回避、
低減するように配慮するとともに、塗色の違いによる鳥類への影響につ
いては、専門家から知見を得る等して工夫すること。
(3) 風力発電機等の配置等を検討するに当たっては、既存文献において生息
が確認された事業実施想定区域及びその周辺の重要な動物への影響を回
避、低減するように配慮するとともに、方法書以降においては、調査、
予測及び評価を十分に行うこと。
(4) 事業実施想定区域及びその周辺には河川が存在しており、森林の伐開等
による改変及び風力発電機等の設置工事等で発生する土砂や濁水による
水生生物、魚類及び植物への影響が懸念されることから、方法書以降に
おいては、工事実施時に発生する土量を抑制し、かつ、土砂や濁水の流
入等を抑える対策を講じることにより、水生生物、魚類及び植物への影
響を回避、低減するように配慮すること。また、植物の移植措置につい
ては可能な限り回避すること。
【景観】
(1) 方 法書以降におい て も、近景域を含む 景 観に関する影響を 的 確に
把握できる調査を行い、景観への影響を回避、低減するように配慮
すること。
【廃棄物等】
(1)方法書以降におい て は、建設リサイク ル 法等関係法令の遵 守 とと
もに、発生する廃棄物の処分量の低減等に配慮すること。
【その他】
(1)方法書以降においては、自然環境法令等として記載する文化財保護
関係、景観保全関係等について、定義を明確に記述したうえで記載
内容の再整理を行うこと。なお、国指定天然記念物のカラスバトに
ついては、地域を定めずに指定されているが、本県では生息地が唐
津市と東松浦郡玄海町であり、馬渡島、加唐島、松島、高島などで
生息が確認されているため、その旨分かるように方法書以降、記載
すること。
(2)現時点では、風力発電設備の見た目の圧迫感が不眠などの健康影響
につながることを明確に示す科学的根拠は確認できないが、景観を
汚されたことへの感受性等がわずらわしさに大きく影響するとの
知見はみられているため、方法書以降においては、専門家から知見
を得る等して、見た目の圧迫感等に伴う健康影響についても可能な
限り配慮すること。