並べ方にもルールあり

2﹁等﹂はすべてを並べて示す
例の一部を示すときは、すべての
名詞を読点でつなぎ、最後に﹁等﹂
を つ け て く く り ま す。﹁ラ イ ス、
ス ー プ、サ ラ ダ 等﹂と し た 場 合、
﹁たとえば、ライスや、スープや、
サラダが付き、他にもちょっとした
3 ﹁及び﹂﹁又は﹂は小かっこ
﹁及び﹂﹁又は﹂を﹁並びに﹂と共
に使う場合もあります。その場合に
は、﹁及 び﹂﹁又 は﹂を 小 か っ こ、
﹁並びに﹂を中かっこと考えます。
﹁受験票並びに鉛筆又はボールペン
を ご 用 意 く だ さ い﹂と い う 場 合、
︷ 受 験 票+︵鉛 筆 又 は ボ ー ル ペ
ン︶︸、つまり﹁受験票を用意し、さ
らに鉛筆かボールペンのどちらかを
用意する﹂という意味になります。
物事を列挙するとき、どこからど
こまでが必須なのかを正確に伝える
ことが求められます。賢く使い分け
たいものです。
ものが付く﹂という意味になります。
冒 頭 の 例 文 は、
﹁及 び﹂で﹁鉛 筆 と
シャープペンシルとボールペンがす
べてです﹂と言っているのに、﹁等﹂
で﹁これらは例の一部です﹂と言って
いることになるので、
意味が矛盾して
しまいます。一方、
﹁鉛筆又はシャー
プペンシル、メモ帳、定規等﹂という
場 合 に は 、﹁ た と え ば 、 鉛 筆 か
シャープペンシルのどちらかと、メ
モ帳や、定規など﹂という意味にな
る の で、矛 盾 は し て い ま せ ん。す べ
てを必須とする﹁及び﹂と、どちら
かを選択させる﹁又は﹂の違いです。
並べ方にもルールあり
当日は、鉛筆、シャープペンシ
ル、及びボールペン等をご用意
ください。
1 列挙法は食事メニューで考える
列挙法は、食事メニューを例にし
て考えると捉えやすくなります。た
と え ば、﹁及 び﹂の 使 い 方 で す が、
﹁ライス、スープ及びサラダ﹂とい
う場合には、三種類すべてが出てき
ます。なお、名詞を列挙するときに
は、﹁及び﹂の前に読点︵、︶を付け
ま せ ん。﹁又 は﹂も 読 点 の 打 ち 方 は
同じですが、意外が逆になります。
﹁ライス、スープ又はサラダ﹂とい
う場合には、三種類のうちいずれか
一種類しか出てきません。
とある試験の注意書きですが、こ
れでは当日何を用意したらよいの
か、はっきりしません。今回は、物事
を列挙する方法について考えます。
熊谷 芳郎(日本語検定委員会主任研究員)
伝 わるビジネス文 書 のヒント
第352号 8
は こ だ て
法人ニュース
平成28年 5 月 1 日