「あむーる」第3号

島根県立松江北高等学校
第3学年
八幡英語通信
2016年4月25日発行
第3号
知っておいてほしいこと
東京大学文科Ⅱ類
高
橋
達
充
受験体験を振り返って後輩へのアドバイスをということなので、後輩の皆さんに知っておいてもらいたいこ
とについて書こうと思う。
まず、勉強方法について。一番大事なのは、先生方の言うことを良く聞いて予習・授業・復習のサイクルを
こなすことだ。我流に走ってこれから抜け出そうとしても、もっとも効率の良い勉強法はこのサイクルをこな
すことだから、必ずここに戻ってくる。遠回りをしないために素直に勉強するのが一番だということだ。
「ムダ」
「ムラ」
「ムリ」
を排除すると効率が上がる事が知られています。
模試の活用法についても述べようと思う。模試の後には必ず「見直し」をしなさいと言われる。しかし僕は
「見直し」では余り効果がないと思う。模試に限ったことではないが学習の基本は「繰り返す」ことにある。
これを「ダラリの法則」と言います(「3M」とも呼ばれる)
。
一つめの「ムダ」には、時間のムダ、待つムダ、探すムダ、やらなくてもいいことに手間をかけ
るムダ、複雑さのムダ、などがあります。
二つめの「ムラ」は、勉強に取り組む姿勢のムラ、忙しさのムラ、気分のムラ、成績のムラ、食
事のムラなどがあります。もっとも能率的なやり方を決めて、コツコツと積み上げていく、これが
唯一の成功に至る方法です。
三つめは「ムリ」です。ムリをしていれば、どこかに必ずしわ寄せがくるので、長期的には得策
とはいえません。ムリな計画を立てる、ムリな目標を立てる、ムリな教材、ダラダラと勉強時間だ
けを増やすと体にムリをすることになり、長期的には得策とは言えません。
声に出して音読をせずに、いくら英単語を目だけで覚えようとしても、それはムダな努力でしか
ない。日頃を疎かにして試験前にいくら一夜漬けをしても、それはムラのある勉強で身に付かない。
力相応どころか、数段階も上のムリな教材をやっている生徒もいる。勉強の全体効率は悪くなるの
で、身の回りの「ダラリ」を排除して、勉強の仕方、時間の使い方の改善を図る必要があります。
少なくとも僕は間違った問題を一回見直したり解き直した程度で定着させられるほど優秀な人間ではなかっ
た。だから、僕は間違った問題を5回ぐらい繰り返した。そのくらいやればどんなに難しい問題でも理解でき、
定着してくる。
「繰り返す」と言うのは泥臭い作業かもしれないが力をつける一番の近道だと僕は思っている。
次に、一年間の長い受験生活で勉強から逃げ出さないモチベーションの保ち方について述べようと思う。
1つ目は、将来の目標を持つことだ。これは具体的であればあるほどよい。このことが見据えられていれば
目標までの過程に過ぎない大学受験につまずくことは許されなくなる。そうして自分自身にいいプレッシャー
をかけることができる。
2つ目は、負けず嫌いになることだ。
「こいつには負けない」とか「この間題は絶対に解いてやる」という
意気込みのことだ。負けず嫌いであれば仮にテストで悪い点を取ることがあってもそれをバネにできる。
3つ目は2つ目と逆に、良い結果が出たとき謙虚になることだ。受験はメンタルの勝負なので油断すればす
ぐにひっくり返される。だからひたむきに努力を続けられる謙虚さも必要なのだ。
この3つが参考になったかどうかはわからないが、まだ勉強が手につかないと言う人は自分の将来やりたい
ことをはっきりさせることから始めてはどうだろうか。
あともう1つ知っておいてもらいたいことがある。2006年度の東大の赤本にある合格者のコメントとし
てこう書いてあった。
「塾や予備校に行かなければ現役で合格するこことは難しい。
」しかし、僕は結局、塾や
予備校に通うことはなく合格することができた。北高には優秀な先生方や、辛いときに励ましてくれる友達が
たくさんいたからそんなことができたのだ。もし、先生方や4Rのみんながいなかったら僕は今ここにはいな
▲全国の特急列車を制覇したい、そんな野望を持っています。ずいぶん乗っ
かったと思っている。僕が後輩の皆さんに知っておいてもらいたい最後の1つは、松江北高校が最高の先生方
てきました。中でもJR九州の特急列車はみな個性的で乗る楽しみがあります。
から教えを受けられ、最高の友達ができる最高の学校だということ。お世辞でもなんでもなく心からそう思う。
これはどれも水戸岡鋭治(みとおかえいじ)という鉄道デザイナーがプロデ
私事だが最後にこの場を借りて僕を支えて下さった先生方や友達にお礼を言わせていただきたい。ありがと
ュースしているからです。写真は最近乗った「特急ソニック」(883系)
うございました。
です。数々のデザイン賞を総なめにしたカッコいい車両です。グリーン車の
▲高橋君は、どうしても二年生のとき見てきた東京大学に入りたいという強い決意で、必死で勉強し
最先端部には展望スペース「パノラマキャビン」が設けてあって、運転手気
分で眺めを楽しむことができました。詳しくは、私のブログ4月4日付け
(https://teamhacchan.wordpress.com/)をご覧ください。❤❤❤
※重要だと八幡が感じた部分に下線を引きました。
▲特急ソニック
ていた生徒です。最後はセンター試験でも北高ナンバーワンの得点を取り、東大に合格しましたが、
あまりに体に無理をしたのがたたったのでしょうか、東大入学時の健康診断で肺に異常が認められ、
手術スタートした苦い思い出がある生徒です。努力家でした。でもムリはいけません。