平成28年度成長産業サプライチェーン調査業務委託仕様書 1 趣旨および目的 人口減少により、これまでのような国内市場の伸びが期待できず、企業が新規立地に慎 重になっている中にあっても、海外需要などを取り込み、成長が見込める産業分野におい ては企業の積極的な投資意欲がみられる。 一方、製造業の現場においては、生産・供給システムの自動化(ファクトリーオートメ ーション)やセンサーで収集したビッグデータを分析して効率化を進めるスマート工場な どIoT技術により生産性を革命的に高めようとする第4次産業革命が進展している。 また、健康・医療・福祉の現場でのロボット導入やデータ活用、自動運転技術の進展、 HEMS(ホームエネルギーマネジメントシステム)やIoT対応家電製品の普及等、社 会インフラや生活に関連する分野においてもIoTによるネットワーク化が進んでいる。 今後のIoT社会においては、ロボット関連、ヒューマンヘルスケア関連、社会インフ ラ関連などの多様な分野の最終製品で必要となるセンサーやその他の電子デバイス等につ いて、企業は製品単体ではなくネットワークやシステムといったサービスと併せて提供す る方策を研究開発していくことが見込まれる。 こうしたことから、今後のIoT社会において県内製造業の強み部分である電子部品等 の活用が見込まれる活用分野(ロボット関連(自動化および効率化により生産性を高める ロボット、医療や福祉における生活支援型ロボット、コミュニケーション支援型ロボット など) 、ヒューマンヘルスケア関連、社会インフラ関連など)のサプライチェーンを調査し、 「力強く持続的な経済のしが」の実現に向け、国内外を問わず中核企業を明確化した上で 本県にとって真に必要な稼げる企業を戦略的に誘致する。 2 業務の進め方 (1)業務着手時 受託者は、県内の人口構造および人口密度、地理・地形、気候風土、産業構造の特徴、 立地産業の集積・分布、工業用地のストック状況といった基礎的データの理解を深めて おくこと。その上で、各種情報を集約し、今後の事業の進め方について、本県担当者と 具体的な検討に係る打ち合わせを十分に行うこと。 (2)その他打ち合わせ協議 受託者は、業務着手後概ね3か月に一回(年間計3回)、本県担当者(以下「担当者」 という。 )と打ち合わせ協議を行い、以後の業務の進め方について検討・修正を行うこと。 3 資料の貸与 本業務の実施にあたって、必要な資料は可能な限り貸与する。 4 業務の内容 (1)成長産業サプライチェーン調査報告 受託者は、IoT社会における多様な最終製品(例えば、ロボット関連、ヒューマン ヘルスケア関連、社会インフラ関連など)やその部品の製造に係る川上から川下までの グローバルなサプライチェーンについて調査を行い、県内企業を含めた連関図等から本 県に必要な企業を誘致対象企業として抽出するものとし、その手順は次のとおりとする。 ① IoT社会における多様な最終製品やその部品等の製造に関連する県内企業の製造 品目、今後の事業動向、取引関係、潜在ニーズ等を調査する。(調査手法は、受託者が 最も効果的と考え、プロポーザルにおいて提案した手法とする。 ) ② IoT社会における多様な最終製品やその部品等の製造に関連するサプライチェー ンを調査し、①の調査結果による県内企業情報の落とし込みを加えたサプライチェー ン図(企業取引連関図)を作成する。 (2)誘致対象企業の明確化 ① 県内企業調査結果およびサプライチェーン図を踏まえた分析から、誘致対象企業を 明確化し、拠点等の基礎情報、信用情報、活動状況や今後の事業計画、設備投資動向 等など、誘致活動に向けた基本調査を行う。 ② 誘致対象企業別に、基本調査情報、今後の動向予測および企業誘致活動に向けたア プローチ手法や留意事項等をまとめた報告書を提出する。 (3)職員向け研修会の実施(3回) 誘致活動を行う本県職員が、業界・企業・製品等の情報に係る知識を深めるとともに、 企業ニーズを適確に捉えた誘致活動のノウハウを習得できるよう、企業誘致に精通した 講師を派遣して講義および当該職員との意見交換を行わせる。各回の講義テーマについ ては、2の(1)および(2)に示した打ち合わせ協議において決定することとする。 (講義1.5時間以上、意見交換1時間以上、計2.5時間以上/回) 5 成果物の提出期限等 (1)成長産業サプライチェーン調査報告書 実施期間:平成28年6月8日~9月30日 提出期限: (原 案)平成28年9月30日 (確定版)平成28年12月28日 内 容:IoT社会における多様な最終製品やその部品等の製造業界全体の動向 IoT社会における多様な最終製品やその部品等におけるサプライチェ ーン図(2の(1)の協議において絞り込まれた対象分野にかかるもの) 県内企業調査分析 (2)誘致対象企業基本調査個票 実施期間:平成28年10月1日~11月30日 提出期限:平成28年11月30日 各月末日に定期報告すること(総計5社以上) 報 告 書:以下、誘致対象企業別に作成すること。 基本調査情報、今後の動向予測および企業誘致活動に向けたアプローチ 手法(セールスポイントを含む)や留意事項等に係る報告書 (3)職員向け研修会の実施(3回) 実施期間:平成28年6月8日~11月30日 実施期限:平成28年11月30日 (4)成果物の仕様 報告書や研修会資料については、印刷物一式および電子データの双方を提出すること。 また色彩表示が必要な場合はカラー複写とすること。 (5)その他 提出日等が祝祭休日の場合は、次の営業日とする。 6 業務実施期間 本業務の実施期間は平成28年6月8日から平成28年12月28日までする。 7 その他事項 本仕様書に明示されていない事項であっても、業務の性格上必要と認められる事項につ いては、双方協議の上、受託者負担で実施すること。
© Copyright 2025 ExpyDoc