平成28年度原子力施設等防災対策等委託費(津波堆積物に基づく津波波源推定手法の開発)事業 に係る入札可能性調査実施要領 平成28年5月12日 原子力規制庁長官官房技術基盤グループ 安全技術管理官(地震・津波担当)付 原子力規制庁では、平成28年度原子力施設等防災対策等委託費(津波堆積物に基づく津波波源 推定手法の開発)事業の受託者選定に当たって、一般競争入札(価格及び技術力等を考慮する総合 評価方式)に付することの可能性について、以下の通り調査いたします。 つきましては、下記1.事業内容に記載する内容・条件において、的確な事業遂行が可能であり、かつ、 当該事業の受託者を決定するに当たり一般競争入札(価格及び技術力等を考慮する総合評価方式) を実施した場合、参加する意思を有する方は、2.登録内容について、4.提出先までご登録をお願い します。 1.事業内容 1.1 概要 津波堆積物は、過去の津波によって海底の土砂等が移動及び堆積してできたものであり、津波規模 (波源の広がり)及び頻度(過去の津波の襲来時期や回数)に関する有効な情報源の一つと考えられる。 このような情報は、耐津波設計及び津波リスク評価(確率論的津波ハザード評価を含む。)での活用が 期待される。限られた地点における津波堆積物の調査からは対象地点での頻度の情報は得られるが、 津波規模に関する情報は直接的には得られないため広域調査が必要となる。広域調査に基づいた既 往研究では、津波堆積物の分布は浸水域と同等であると仮定して津波規模の推定を試みているが、 平成 23 年東北地方太平洋沖地震に伴う津波からは、津波堆積物の分布範囲と浸水範囲は一致しな いことが報告されている。特に津波堆積物の分布範囲が浸水範囲よりも大幅に狭い場合には、津波規 模を過小評価する可能性が高いため、津波堆積物から津波規模を推定する手法の精度向上を図る必 要がある。 そこで、既知の波源に対応した津波堆積物の形成プロセスを明らかにし、津波堆積物からより正確 な津波規模の情報を得るため、津波による陸上土砂移動・堆積モデルを利用した波源推定手法の整 備を平成 24 年度から実施している。 平成 28 年度事業では、以下の 2 つを目的として、陸上土砂移動・堆積に係る水理実験及び波源推 定手法の構築・検証を実施する。 (1)陸上土砂移動・堆積に係る水理実験を実施し、昨年度までに整備した津波による遡上域での土 砂移動解析コードの精度検証を行うとともに、土砂移動及び土砂堆積における津波の流速、津 波波形(周期や波高)、土砂粒径、地形(斜面勾配や湾の形状)などの条件の影響を考慮して、 これらの定量的な関係を明らかにすることを目的とする。 (2)上記の遡上域での土砂移動解析コードを活用した波源推定手法を構築することを目的とする。 構築にあたり、手法の検証対象として日本海溝沿いを選定し、東北地方太平洋沖地震津波によ る津波堆積物分布及び推定波源等の情報を利用して同波源推定手法を検証する。 1p 全 6p 1.2 事業の具体的内容 1.2.1 陸上土砂移動・堆積に係る水理実験及び解析コードの検証 津波の浸水深と流速から飽和浮遊砂濃度を予測する式等を導入(参考:菅原ら2014(参1)、今井ら2 015(参2))した遡上域での土砂移動解析コード(※)の精度を検証するため、原子力規制庁が保有する 実験水路(図1)(※)を用いて、陸上土砂移動に関する水理実験を実施する。津波の流速、津波波形 (周期や波高)、土砂粒径、地形(斜面勾配や湾の形状)等の実験条件を変更し、土砂移動に関する データを得る。計測の際には、移動砂量の分布と併せて、各計測地点での粒径の変化についても整理 すること。また、地形モデルと砂の粒径の変化による堆積形状の変化及び津波の流れの状況について、 波高計、流速計に加えて、動画撮影機材等で記録する。 実験結果を踏まえて遡上域での土砂移動解析コードを検証し、必要に応じて同解析コードを改良す る。なお、津波による遡上域での土砂移動解析コード(※)は原子力規制庁から貸与する。 (※) 参照: 1.6 無償貸与が可能な物品 設置場所:静岡大学 農学部附属地域フィールド科学教育研究センター 水圏生態系部門(用宗フィールド) 図 1 津波堆積物実験水路概要 1.2.2 遡上域での土砂移動解析コードを活用した波源推定手法の構築 上記の遡上域での土砂移動解析コードを活用した波源推定手法を構築する。構築にあたって、津 波後の津波堆積物の堆積層厚や粒径を用いた波源推定手法は確立されていないことから、手法の提 案の上、原子力規制庁職員との協議を踏まえて手法構築を行うこととする。また、手法の検証対象とし て日本海溝沿いを選定し、東北地方太平洋沖地震津波による津波堆積物分布及び推定波源等の情 報を利用して構築した波源推定手法を検証する。 なお、波源推定手法の構築・検証に際し数値解析を実施するにあたり、必要であれば解析PC(※) が貸与可能である。 (※) 参照: 1.6 無償貸与が可能な物品 1.2.3 業務成果報告書の作成 上記1.2.1~1.2.2の成果を、業務成果報告書としてまとめる。 2p 全 6p 【事業内容の参考文献】 (参1)菅原大助、成瀬元、後藤和久:堆積粒子の巻き上げに伴うエネルギー散逸を考慮した津波土砂 移動の計算と検証、日本堆積学会講演要旨、O27、2014 (参2)今井健太郎、菅原大助、高橋智幸、岩間俊二、田中仁:2011 年東北津波における北上川河口 部の大規模洗掘・堆積に関する数値的検討、土木学会論文集 B2(海岸工学)、Vol.71、No.2、 I_247-I_252、2015 1.3 事業の進捗管理 原子力規制庁に対して事業の進捗状況を報告し、漏れの無いように計画内容を遂行する。 1.4 本業務の遂行方針 (1)本業務を行うに当たっては、原子力規制庁と相談しながら進めること。開始時、中間、終了時に 打合せの場を設け、中間及び終了時の打合せにおいては、それぞれ中間報告及び最終報告を 行う。また、必要に応じて研究会合等に有識者を招き、参考意見を聴取すること。 (2)当該委託事業に係る成果について原子力規制庁と相談の上、国内外の主要な学会等において 学術論文等による発表を行い、評価を受けること。 1.5 著作物等の公表 受託者は本事業の成果を著作物として公表するときには、以下に応じること。 (1)委託業務の成果に係る知的財産権を原子力規制委員会が受託者から譲り受けない場合、受託 者は、委託業務の成果によって生じた著作物及びその二次的著作物並びに委託業務の内容 (以下「著作物等」という。)を公表しようとするときは、原則、公表30日前までに、「著作物等公表 届」を提出する。 (2)委託業務の成果に係る知的財産権を原子力規制委員会が受託者から譲り受ける場合、受託者 は次の項目に同意したものとする。 原子力規制委員会の許可を得ないで著作物等を公表しないこと。 納入物に関して著作者人格権を行使しないこと。また、納入物の著作者が受託者以外の者であ るときは、当該著作者が著作者人格権を行使しないように必要な処置をとること。 (3)上記(1)及び(2)については、委託業務を完了した後であっても、なおその効力を有するものとす る。 1.6 無償貸与が可能な物品 (1)1.2.1で記載の平成27年度に整備した津波による遡上域での土砂移動解析コード (2)1.2.1で記載の実験水路 (3)「平成24年度 津波堆積物に基づく津波波源推定手法の開発」に関する業務報告書(旧(独)原 子力安全基盤機構、現 原子力規制委員会 原子力規制庁) (4)「平成25年度 津波堆積物に基づく津波波源推定手法の開発」に関する業務報告書(旧(独)原 子力安全基盤機構、現 原子力規制委員会 原子力規制庁) (5)「平成26年度 原子力施設等防災対策等委託費(津波堆積物に基づく津波波源推定手法の開 発」に関する業務報告書(原子力規制委員会 原子力規制庁) (6)「平成27年度原子力施設等防災対策等委託費(津波堆積物に基づく津波波源推定手法の開 発)事業」に関する業務報告書(原子力規制委員会 原子力規制庁) (7)1.2.2で記載の解析PC(サーバー) スペックは以下のとおり 3p 全 6p マスターノード(ファイルサーバー) 1台: CPU: Intel Xeon Processor E5-2697 v3×2、メモリ:256GB、RAID:SATA HDD 3TB×12、 OS:Cent OS 計算ノード 2台: (1 台あたりのスペック) CPU: Intel Xeon Processor E5-2697 v3×2、メモリ:256GB、Storage:SSD 260GB×1、OS: Cent OS なお、貸与物品については、本業務の目的以外には使用せず、本業務終了後に受注者の責任に おいて返却すること。 1.7 委託業務実施期間 契約締結日から平成29年3月10日 1.8 情報セキュリティの確保 受注者は、下記の点に留意して、情報セキュリティを確保するものとする。 (1)受注者は、委託業務の開始時に、委託業務に係る情報セキュリティ対策とその実施方法及び管 理体制について原子力規制委員会担当官に書面で提出すること。 (2)受注者は、原子力規制委員会担当官から要機密情報を提供された場合には、当該情報の機密 性の格付けに応じて適切に取り扱うための措置を講ずること。 また、委託業務において受注者が作成する情報については、原子力規制委員会担当官からの 指示に応じて適切に取り扱うこと。 (3)受注者は、環境省情報セキュリティポリシーに準拠した情報セキュリティ対策の履行が不十分と見 なされるとき又は受注者において委託業務に係る情報セキュリティ事故が発生したときは、必要に 応じて原子力規制委員会担当官の行う情報セキュリティ対策に関する監査を受け入れること。 (4)受注者は、原子力規制委員会担当官から提供された要機密情報が業務終了等により不要にな った場合には、確実に返却し又は廃棄すること。 また、委託業務において受注者が作成した情報についても、原子力規制委員会担当官からの指 示に応じて適切に廃棄すること。 (5)情報システムを構築・改良する業務にあっては、受注者は、環境省情報セキュリティポリシーに準 拠したシステムを構築すること。 (6)動的なコンテンツを含むホームページを作成する場合は(独)情報処理推進機構の下記の情報 を参照し、外部からの不正な攻撃などへの情報セキュリティ対策を実施すること。 ①「安全なウェブサイトの作り方」(チェックリストを含む) http://www.ipa.go.jp/security/vuln/websecurity.html ②「セキュアプログラミング講座」 http://www.ipa.go.jp/security/awareness/vendor/programming/index.html (7)受注者は、委託業務の終了時に、本業務で実施した情報セキュリティ対策を報告すること。 (参考)環境省情報セキュリティポリシー http://www.env.go.jp/other/gyosei-johoka/sec-policy/full.pdf 4p 全 6p 2.登録内容 ①事業者名 ②連絡先(住所、TEL、FAX、E-mail、担当者名) 3.留意事項 ・登録後、必要に応じ事業実施計画等の概要を聴取する場合があります。 ・本件への登録に当たっての費用は事業者負担になります。 ・本調査の依頼は、入札等を実施する可能性を確認するための手段であり、契約 に関する意図や意味を持つものではありません。 ・提供された情報は省内で閲覧しますが、事業者に断りなく省外に配布すること はありません。 ・提供された情報、資料は返却いたしません。 4.提出先 郵送または E-mail にてご提出願います。 【提出先】 〒106-8450 東京都港区六本木1-9-9 原子力規制庁長官官房技術基盤グループ 安全技術管理官(地震・津波担当)付 佐藤太一宛て 【TEL】03-5114-2226 【FAX】03-5114-2236 【E-mail】[email protected] 5p 全 6p (登録例) 平成28年○月○日 原子力規制委員会 原子力規制庁長官官房技術基盤グループ 安全技術管理官(地震・津波担当)付 平成28年度原子力施設等防災対策等委託費(津波堆積物に基づく津波波源推定手法の開発) 事業について 平成28年5月○日付、標記実施要領に従い、以下の事項を登録致します。 登録内容 ① 事業者名 ○○ ② 連絡先 住所 ○○ 電話 ○○ FAX ○○ Mail ○○ 担当者名 ○○ 6p 全 6p
© Copyright 2024 ExpyDoc