PDF:122KB - 防衛省・自衛隊

件 名:
大 臣 臨 時 会 見 概 要(差替え)
日 時 平成 28 年 5 月 2 日 1747~1800
担
当 大臣官房広報課
場 所 A棟1階ロビーぶら下がり
備
考
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発表事項
本日、17時から約20分間に渡りまして、フィリピンのガズミン国防大
臣と、電話で会談いたしました。これにつきましては、先月23、24日、
フィリピンを訪問する予定でありましたが、今般の熊本、大分での地震の災
害被害の対応に当たるために、中止をせざるを得なかったということを、御
説明させていただきました。ガズミン大臣から、「完全に理解します」と、そ
して、今般の地震で犠牲になられた方々、そして、その御家族に対しまして、
哀悼の意と、御見舞いの言葉が示されまして、また、被災者の皆様への励ま
しのお言葉もいただきました。
今般のフィリピン訪問の実現は至りませんでしたけれども、引き続き、共
同訓練、キャパシティ・ビルディングをはじめとする、戦略的パートナーに
基づく、両国の防衛協力を推進して、併せて、日本とフィリピンに加えて、
米国、日米比の連携を強化していくことを、改めて、ガズミン大臣との間で
確認いたしました。また、南シナ海を中心とする、地域の情勢の更なる認識
共有を含めまして、連携を強化することで一致いたしました。特に、南シナ
海につきましては、安定、平和を維持するために、この地域の全ての国々と、
連携を強化していくことが、重要であるという認識で一致をいたしました。
さらに、その一環として、防衛装備・技術協力を推進すべく、特に、人道支
援・災害救援、そして輸送、海洋状況の把握に係るフィリピンの能力向上の
ための、フィリピン海軍への、海上自衛隊の練習機TC-90の移転につい
て、次の三点を具体化することを確認いたしました。まず、第一に、フィリ
ピン海軍への、最大5機の海上自衛隊練習機TC-90の移転。二つ目は、
TC-90に関連する、フィリピン海軍要員への教育・訓練の支援。三つ目
は、フィリピン海軍による、TC-90の運用を維持していくための、維持
整備分野における支援。これらについて、具体化することの確認をいたしま
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した。今般の協力は、人道支援、また、災害救援等の分野における、フィリ
ピン自身の能力向上に資するものでありまして、地域の安定化につながるも
のでございます。なお、今般、TC-90を、貸与する意義につきましては、
海洋安全保障分野における、両国間の連携を強化する一環であります。海洋
国家でありますわが国として、平和と繁栄の基礎である「開かれて安定した
海洋」の秩序を強化するということは、極めて重要なことでありまして、海
上交通の安全確保に、万全を期す必要があります。この観点から、フィリピ
ンをはじめとする、沿岸国自身の能力向上は、わが国にとって非常に重要な
ものであると認識しております。多数の島々によって、国土が成り立つフィ
リピンにとって、人道支援・災害救援、輸送、海洋状況把握に関する能力向
上は、重要な課題であると承知しておりまして、フィリピン自身の能力向上
は、地域の安定化につながるものであると考えております。こういった意義
をもって、今般、日本とフィリピンの防衛協力において、今後、引き続き、
各分野における協力を促進・強化していきましょうということで終わりまし
た。以上です。
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質疑応答
Q:今回、実現しますと、先ほどおっしゃったTC-90、日本の自衛隊機
が初めての外国への提供、移転ということになりますが、そのことについ
ての大臣の受け止めをお願いします。
A:この意義につきましては、先ほど申し上げましたとおり、同じ海洋国家
である国でありまして、日本にとりましても、フィリピンとの防衛装備の
協力におきましては、人道支援や災害救援、輸送、海洋状況の把握等によ
って、フィリピンの能力向上がなされることによって、地域の平和と安定
に資するという意義がございます。そういった意味において、わが国とし
ての協力が非常に有意義につながれば良いと思っております。
Q:今回、移転で合意したということですけれども、移転の方法としては、
やはり貸与ということになるのでしょうか。
A:いろいろなことを検討いたしておりますが、現在、貸与の方式を考えて
おります。もう少し詳しく言いますと、フィリピンから無償の供与を希望
されておりますが、一方で、財政法第9条1項によりまして、国有財産で
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ある防衛装備品を譲渡するには、適正な対価を得る必要があるということ
で、不要となった中古装備品を、他国から求められた際に、これを無償・
低価で譲渡する制度の必要性については、これまでも防衛省に設置された
有識者会議の報告によって指摘されておりまして、こういった制度を創設
すべきかどうかは、検討する必要があると認識しております。防衛省とい
たしましては、平和国家としての基本理念と、これまでの平和国家として
の歩みを、引き続き、堅持をした上で、防衛装備品の移転三原則に基づい
て、防衛装備・技術移転に厳正かつ慎重に対処することが必要であると考
えております。
Q:貸与については、今日の電話会談でも、ガズミン国防相との間で、一致
したということでしょうか。
A:先ほど申し上げましたとおり、今後の、装備の協力につきましては、三
点の合意がありまして、このTC-90の移転を図ることを、具体化する
ことを確認したということです。
Q:この訓練とか、支援ですけれども、いつくらいから始めようと。
A:具体的には、調整をしてまいりますが、最終的には、年度内をメドに、
なるべく早期のうちに貸付条件、また、実際に有償貸付する際に必要とな
る事項を確定いたしまして、TC-90の供与を実現したいと考えており
ます。
Q:今回、提供に至った理由なのですけれども、南シナ海に中国が海洋進出
を進めているということも一つの判断材料になったのでしょうか。
A:これは、日本とフィリピンの技術協力、防衛協力でありまして、昨年1
月に、日比の防衛協力のパートナーシップについての合意がございました。
その後は、両国間で協議を重ねまして、2か月ほど前に、調印をいたした
わけでございます。今日は、電話で、今後の具体的なことを確認させてい
ただきましたが、この目的というのは、先ほど申し上げましたけれども、
人道支援、そして災害救援、輸送、海洋状況把握に係るフィリピンの能力
向上を目的としたものでございます。特定の国、また、地域を念頭におい
たものではございません。
Q:別件になってしまうのですけれども、今日、韓国の国防相が、北朝鮮の
労働党大会に関連して、北朝鮮が党大会の前後で、5回目の核実験、ミサ
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イルの発射を強行する可能性があるという見方をしていました。これにつ
いて、防衛省の見解をお願いします。
A:北朝鮮は、先月に入りまして、15日に弾道ミサイルを1発、23日に
SLBMを1発、28日には、朝と夕刻にムスダンと推定される弾道ミサ
イルを発射したと認識しております。わが国を含む、地域及び国際社会の
安定、平和を損なう安全保障上の重大な挑発行為が、非常に短時間に、立
て続けに行われておりまして、わが国としては、強く非難をしているとこ
ろでございます。党大会は、今月6日を控えておりますので、更なる挑発
行動に出る可能性も否定をできないということで、わが国としては、米国
と韓国と、よく情報交換をしながら、緊密に連携し、そして、緊張感をも
って警戒監視に当たってまいりたいと考えております。
以
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上