本件業務要求水準書(PDF:764KB)

千代田区立図書館運営業務に関する
業務要求水準書
平成28年5月
千代田区地域振興部
1
目
次
はじめに
Ⅰ 基本理念・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 3
Ⅱ 基本的なサービスの方向性・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 3
Ⅲ 千代田区立図書館の機能分担及び位置づけ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 4
Ⅳ 指定管理者による管理運営に当たって・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 4
1 指定管理者制度導入の目的・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 4
2 区立図書館のサービス・事業の継承と発展・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 5
Ⅴ 区立図書館運営管理業務・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 5
1 図書館サービス業務・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 5
2 千代田図書館を中心に行うサービス・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 8
3 日比谷図書文化館の施設を活用したサービス・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 8
4 四番町図書館の業務に関する特記事項・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 9
5 まちかど図書館の業務に関する特記事項・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 9
6 千代田区読書振興センターの運営・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 10
7 区立図書館施設の運営管理業務・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 10
8 四番町図書館・日比谷図書文化館の施設・設備維持管理業務・・・・・・・・・・・ 14
9 業務遂行に係る経理及び庶務業務・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 15
10 その他の業務・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・15
Ⅵ 執行体制及び人員配置等・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 16
Ⅶ 経費及び利用料金等・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 17
Ⅷ 指定管理者の業務の評価等・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 18
1 評価方法等・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 19
2 評価対象事項・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 19
3 評価による結果の反映・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 20
Ⅸ その他留意事項、特記事項・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 20
別紙 個人情報の取扱いについて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 23
2
はじめに
本業務水準要求書は、千代田区立図書館5館を一括し、図書館業務のほか施設の運営管理業務、
施設の維持管理業務等(以下「本件業務」という。
)を行う指定管理者を募集・選定することを目
的とする「千代田区立図書館指定管理者募集要項」(以下「本件募集要項」という。)と一体のも
のであり、指定管理者が本件業務を遂行するにあたり、千代田区(以下「区」という。)が要求す
る業務の水準を示すものです。
指定管理者は、図書館法(昭和 25 年法律第 118 号)のほか関係する法令、区の条例・規則を遵
守することはもちろん、本件募集要項に示された諸条件とともに、本業務要求水準書に掲げた業
務水準を満たす限りにおいて、柔軟に事業計画を立て、業務を遂行することができます。また、
本業務要求水準書のほか、区が提供する諸資料を参考に、現状を的確に把握し、これらを考慮し
た上で同等以上の業務水準を自ら設定することも重要です。
指定管理者には、区が千代田区立図書館に指定管理者制度を導入した趣旨を十分に理解し、効果・
効率が高く、さらに区民及びその他利用者から高い満足度が得られる業務の提案と遂行を期待し
ます。
Ⅰ
基本理念
千代田区立図書館は、区民その他の利用者の公共的な情報・知識へのアクセスを保障し、そ
の活用を支援するサービスを提供することによって、利用者の生活と仕事の向上を図り、千代
田区における文化・芸術、教育、産業、観光等の振興に寄与することを目的とする。
Ⅱ
基本的なサービスの方向性
千代田区立図書館は、時代の変化や区民及びその他利用者のニーズを敏感に感じ、これに的
確に応えるサービスを提供するとともに、地域との連携を深め、豊富な文化資源・情報資源を
活用するための「知識の入り口」としての機能を果たしていく。
(1)図書館サービスの充実
(2)地域連携への取組み
(3)区民等の課題解決の支援
(4)子ども読書活動の推進
(5)情報発信・知識の創造
(6)運営・サービスの効率化
3
Ⅲ
千代田区立図書館の機能分担及び位置づけ
区立図書館の各施設の機能分担を概ね以下のとおりとし、それぞれの図書館の立地特性や利
用者ニーズを踏まえた特色あるサービスを展開していく。
千 代 田 図 書 館
・中央館の役割を担い、千代田区立図書館全体 中央館として全分野にわたりバランスの取れた
の運営マネジメント機能
蔵書の充実
・各館との連携による区民への資料・情報提供 ・一般図書(基本書・専門書)
・ビジネスパーソン支援
・児童書
・神保町の出版・書店街との連携
・ビジネス関連資料
・区内大学図書館との連携
・行政資料
・行政支援サービスの提供
・出版関連資料(古書販売目録、内務省委託本含む)
・読書振興センター
・千代田区関連資料
日比谷図書文化館
・図書館機能を中心とした、ミュージアム機能、
文化活動・交流機能
・ビジネスパーソン支援の拠点
・江戸・東京文化など千代田区文化財事務室と
の連携
・近隣ミュージアムとの連携
・アート等周辺地域の文化資源に関連する資料
の提供
・特別研究室資料の活用
・観光政策との連携
ビジネス・アート・地域情報を中心とした蔵書
の充実。
・都立日比谷図書館引継資料
・新聞・雑誌コレクション
・ビジネス情報・参考資料
・アート情報資料
・新書・文庫
・江戸・東京関連地域資料
・内田嘉吉文庫、古文書等
・観光情報資料(外国語資料含む)
四 番 町 図 書 館
幅広い年齢層に対応した資料、児童書の充実。
・一般図書
・児童書
・麹町地域における資料情報提供サービス拠点
・児童サービスの提供
昌平まちかど図書館(分館)
住民に身近な図書館として地域ニーズに応える
資料の充実。
・一般図書
・児童書
・神田地域における資料提供サービス拠点
・区民の本棚としての機能
神田まちかど図書館(分館)
住民やビジネスパーソンに身近な図書館として
地域ニーズに応える資料の充実。
・一般図書
・児童書
・神田地域における資料提供サービス拠点
・区民やビジネスパーソンの本棚としての機能
Ⅳ
指定管理者による管理運営に当たって
以下の指定管理者制度導入の目的を十分認識した上で、住民をはじめその他利用者のサー
ビスの充実・発展を図り、利用者から高い満足度が得られる業務運営にあたることを強く求
める。
1 指定管理者制度導入の目的
(1)住民サービスの向上
4
①民間事業者のノウハウとスキルを活かした新しいサービスや魅力ある事業の展開
②利用者ニーズへの速やかな対応
(2)専門的人材の確保、人材の効率的配置等人的資源の整備
①新しいサービスを担いうる人材、特に専門性と経営能力を有する幹部職員(館長や中堅職
員)の採用の可能性
②司書等の良質な労働力の確保と長期的な雇用による人材育成
(3)経営の合理化・効率化等によるコストダウン
2 区立図書館のサービス・事業の継続と発展
千代田区は、首都東京の中心に位置し、江戸開府以来 400 年以上にわたる歴史とその中で培
われた文化を有し、歴史・文化・観光資源に恵まれている。また、世界有数の出版関連産業を
はじめ、多種多様な文化情報の集積発信地でもあり、区民に加え、在勤・在学(昼間区民)のほ
か様々な目的で大勢の人々が訪れている。そのため、これらの人々を含む幅広い視野で行財政
運営を行い独創性や独自性のある施策の展開を目指してきた。
こうした区の基本理念に基づき、区立図書館は、区民をはじめ、昼間区民を対象に、区立図
書館の伝統と歴史を踏まえ、時代の変化や地域の人々のニーズに的確にこたえるサービスの提
供や、様々な情報を発信する拠点としての役割が求められている。社会情勢の変化を敏感に捉
えることができる優れた人材の確保や区民及びその他利用者のニーズ、意見・要望等を的確に
受け止め真摯に対応できる仕組みを構築し、常に業務やサービスの改善に努めることが重要で
ある。
運営・サービスの計画策定にあたっては、現行の指定管理者によるサービスや事業の継続の
必要性・重要性を考慮のうえ、見直し・発展させることに留意し、都心に立地する都市型公共
図書館としてアピールする計画を求める。ただし、提案された事業の実施の可否については、
協議のうえ区が決定する。
Ⅴ
区立図書館運営管理業務
1 図書館サービス業務
図書館法及び区立図書館に関する区の条例、規則等の関連法令等に基づき、区立図書館相
互の緊密な連携のもと、以下に掲げる水準を満たす図書館サービスを提供するものとする。
基本的には現行のサービスを基準とする。
(1)窓口対応業務
① 利用登録・利用案内
利用登録(システム登録・貸出券の発行・更新)、利用案内業務(施設・サービス・事業
等の案内)
。
② 貸出・返却
資料(新聞・雑誌・視聴覚資料等を含む)の貸出・返却処理、予約、他館資料取寄せ受
付、購入希望受付、資料点検、督促等
③ 閲覧席、インターネット席等受付・管理
5
申込みが必要な閲覧席(キャレル席等)
、インターネット席、データベース席、AVブー
ス席の利用受付・案内・管理業務
(2)資料管理業務
① 資料収集計画の策定
「千代田区立図書館資料収集方針」及び「千代田区立図書館資料選定基準」に基づき、蔵
書構成のバランス、区民及びその他利用者のニーズ、立地特性等を考慮し、蔵書評価等を
踏まえた年度ごとの各館の資料収集計画を策定する。
② 蔵書構築
「千代田区立図書館資料収集方針」等に基づき、各図書館の規模、地域特性及び施設の機
能に応じた分担収集による蔵書構成に努め、体系的な資料の充実を図ること。
ア
区と協議の上、蔵書構築基準を定め、毎年必要な蔵書評価を行い、強化すべき分野を
中心に各分野の資料を入門、一般、専門に配慮し、均衡ある収集・排架に努める。
また、高齢者、児童、中高生、行政、ビジネス支援サービス、医療、法律、防災、子
育て、暮らしの情報等、特定の利用者、特定の利用目的の資料についても、時代性、
話題性等に配慮する。
イ 行政資料、地域資料等、特に千代田区について記述された資料は留意し、積極的に収
集・保存する。また、出版関連資料についても重点的に収集を行う。
地域資料、出版関連資料の収集に当たっては、必要に応じ、区の文化財部門や専門的
知識を有する者の助言や古書店、出版社等からの情報の取得を行う。
ウ 内務省委託本、古書販売目録、一橋・駿河台図書館業務資料、内田嘉吉文庫等、区立
図書館の特色ある資料の整理及び適切な保管を行うとともに、積極的な利用促進を図
る。また、古書販売目録は古書店と連携して継続的に収集する。
③ 資料選定・受入業務
各館資料選定担当者による資料選定会議等を設置し、「千代田区立図書館資料収集方針」
等に基づき、各館の蔵書バランス等を考慮のうえ選定を行う。また、発注、受入、装備
及び図書館システムへのデータ入力(オンラインデータベース等の選定・契約を含む)
を行う。各館の購入リストについては区へ定期的に報告すること。
④ 寄贈資料の受付
寄贈資料の受入の可否の決定(選定)
、寄贈依頼、受入、装備及び図書館システムへのデー
タ入力を行う。
⑤ 資料管理
書架管理(閉架書庫含む)
、保存、除籍・所蔵替え、不要・除籍資料等のリサイクル、破
損資料の修理、蔵書点検等
⑥ アメリカンシェルフ
区とアメリカ大使館広報・文化交流部の友好親善と相互理解促進のため、日比谷図書文
化館と四番町図書館に「アメリカンシェルフ」を設置し、アメリカの歴史・文化・価値観
への理解の促進とアメリカについて学ぶ機会を提供している。また、文化イベント・講演
会等を通じた文化交流を図る。当該資料の購入については、アメリカ大使館の予算の範囲
6
内で、事前に協議のうえ決定する。
(3)各種図書館サービス
① レファレンス・サービス
利用者の調査・研究等に必要な資料等の所蔵調査、所蔵機関調査、類縁機関案内、文献
紹介、調べ方案内等(レファレンス事例の集積・整理、データベースの整備を含む。
)を
行う。レファレンス担当には、資料案内や情報源へのアクセス支援等を十分に行いうる
専門性を有するスタッフを配置し、電話、電子メール等によるサービス提供も行う。
② 複写サービス
コイン式複写機を館内に設置し、著作権法の範囲内で適正に使用されるよう管理する。
(オンラインデータベースのプリントアウトサービス、両替、複写機の保守、料金の収
納、用紙の補充等に関することを含む。)
。
③ ビジネス支援サービス
区民や在勤者等ビジネスパーソンの調査・研究に必要な資料・情報の収集と提供及びセ
カンドオフィスとして活用できる環境整備。
・基本的ビジネス関連資料(情報)
・参考図書の充実、データベースの充実、雑誌及び新
聞の充実、ビジネスに役立つ情報リテラシーの育成、ネットワーク環境の整備等によ
り快適な読書空間・調査環境を提供する。
④ 児童サービス
「第2次千代田区子ども読書活動推進計画」に基づき、乳幼児から中高生、保護者も含
めたサービスの提供を行う。
・おはなし会の開催、調べ学習の支援、ブックリストの作成、リカレント支援、ブック
スタート(千代田保健所と連携)等
⑤ 障害者サービス
障害を持つ利用者が気軽に図書館や資料を利用できるよう、外部機関等との協力・連
携のもと支援体制を整え、障害者サービスを取り巻く環境の変化に的確に対応し、支援
サービスを提供する。(対面朗読、録音図書・大活字本等の貸出、郵送貸出サービス等)
障害者サービスの実施にあたっては、図書館業務に限らず、障害を理由とする差別の
解消を推進し、障害者へ合理的配慮を提供すること。受付カウンター等への筆談器の設
置、貸室で利用できる携帯用磁気ループの配備や、日本図書館協会障害者サービス委員
会策定の「図書館における障害を理由とした差別の解消の推進に関するガイドライン」
等を踏まえた取組みを行うこと。さらに、
「千代田区における障害を理由とする差別の解
消の推進に関する対応要領」及び「同留意事項」に準じて実施すること。
なお、区立図書館のバリアフリー化については、日比谷図書文化館において入口等で
利用者に対する人的対応が必要になる。
(詳細は、施設見学会で確認のこと)
⑥ 団体貸出
区立学校やその他区内を活動拠点とした団体を対象に、団体登録及び団体登録に対する
貸出・返却処理等
⑦ デジタル情報の提供
出版資料のほか、オンラインデータベース、千代田 WEB 図書館の運用等、デジタル情報
7
を含めた均衡のとれた情報の提供。
⑧ 音楽配信サービス
ナクソス・ミュージック・ライブラリーによるクラシック音楽を中心とした配信サービ
スの提供。
⑨ 図書展示
図書館資料と施設を活用し、時節や地域の課題解決に役立つ資料など様々なテーマの企
画展示の実施。
2 千代田図書館を中心に行うサービスや事業
(1)行政資料の収集と行政支援サービス
区役所本庁舎内にあるという立地特性を有していることから、区及び関連団体が作成・
刊行する資料を網羅的に収集・保存し、区民等利用者に効果的に情報提供する。また、区
の政策の立案や、事務執行に必要な資料や情報を幅広く収集し、行政事務執行に資する情
報提供等の支援を行う。
(2)活字文化・情報文化の振興
読書離れ、活字離れが憂慮されていることから、「文字・活字文化振興法」に基づき、
より豊かな文字・活字文化の振興を図るため、出版文化の振興と読書活動推進等に関わる
啓発・普及を目的とした情報発信や事業を実施する。
(3)地域区民活動支援サービス
区内の各種団体が行う文化・情報活動に対する、図書館資源を利用した支援及び団体間・
利用者間の交流の機会を提供する。
3 日比谷図書文化館の施設を活用したサービス・事業
日比谷図書文化館は、旧都立日比谷図書館の歴史と伝統を継承・発展させ、区民をはじめ
ビジネスパーソンのための「知の拠点」を目指し、地域団体等と連携を図り、区の文化資源
を活用した魅力あるサービスと事業を展開していく。そのため、
「図書館機能」を中心に、区
の文化資源を活用した「ミュージアム機能」
、施設を活用した講座・講演会等の開催を通した
「文化活動・交流機能」が相互に連携する文化創造的ライブラリーとして、サービスを提供
する。
(1) 展示の企画・実施
区の歴史や文化にかかわる学習や貴重な地域・郷土資料の情報発信など指定管理者による
展示と区文化財事務室による展示を開催する。(概ね、指定管理者主催 年2回、区文化財
事務室主催
年2回程度)ただし、特別展示室の使用については、区文化財事務室と展示
期間等協議のうえ決定すること。
※常設展示室については、区文化財事務室で企画・運営を行う。
(2) 講座・講演会等イベントの企画・実施
会議室、ホール等を活用し、区民及びその他利用者の好奇心を掻き立て、知識の向上に資
する多彩な講座・講演会、ワークショップなどを開催することで、交流の場の提供と学びの
8
促進を図る。
(3)特別研究室の活用と特別研究席の管理
内田嘉吉文庫をはじめ貴重な資料の保存と活用を図るとともに、円滑な特別研究席の運
営管理(利用受付、利用料金の管理等)を行う。
(4) レストラン、ショップ・カフェの運営
施設利用者の利便性と交流を目的に、日比谷図書文化館の図書フロア(2・3 階)の資料を持
ち込んで閲覧できるレストラン及びショップ・カフェを運営し、公共施設としてふさわしい
商品を提供する。
なお、ショップにおいて、区文化財事務室の有償刊行物の販売に協力すること。販売す
る刊行物については、区文化財事務室と協議の上決定する。
(5) 近隣ミュージアムとの連携
「千代田区ミュージアム連絡会」(年2回程度)及び近隣のミュージアム(博物館、美術
館等)との連携事業に協力すること。
4 四番町図書館の業務に関する特記事項
四番町図書館は、施設老朽化のため、施設整備計画<ちよだみらいプロジェクト-千代田
区第3次基本計画 2015-(平成 27 年3月)>による建替えが予定されている。
ただし、現段階では当該整備計画の詳細が未定のため、本募集に係る指定管理期間について
は、現行の運営体制で業務を実施するものとして提案をすること。なお、指定管理期間中に
仮施設への移転等が必要になったときは、移転関連業務及び移転後の運営については指定管
理者の業務とし、業務の範囲及び経費負担等については、新施設の整備計画確定後、区と指
定管理者で協議の上の決定するものとする。
※スケジュール概要(今後変更になる可能性あり)
年度
H29
H30
H31
H32
H33
H34
H35
H36
指 定 管 理 期 間
四番町図書館
仮施設
四番町図書館
新四番町図書館
5 まちかど図書館の業務に関する特記事項
昌平まちかど図書館及び神田まちかど図書館は、
学校施設と併設した複合施設の中に設置さ
れている。また、区では、学校施設の地域開放(コミュニティスクール)を行っており、昌
平まちかど図書館及び神田まちかど図書館の受付カウンターにおいて、コミュニティスクー
ルの利用受付を一体的に行っている。このため、指定管理者は、両まちかど図書館において
図書館業務のほか、コミュニティスクール受付業務について、別途、区生涯学習スポーツ課
9
と協議のうえ、必要な契約手続きを行うこと。
6 千代田区読書振興センターの運営
千代田区読書振興センターは、平成 20 年4月、区全体の読書活動を推進する機関として千
代田図書館内に設立された。読書振興センターは、
「第 2 次 千代田区子ども読書活動推進計
画」に基づき、子どもから大人まで幅広く様々な世代を対象とし、読書活動の推進に努めな
ければならない。
(1)区立学校等に対する支援
① 区立の小学校、中学校、保育園、こども園、幼稚園、児童館への司書派遣、教育活動に
役立つ図書館資料の団体貸出、出張おはなし会、ブックトーク、図書館利用案内等の事
業を実施する。なお、施設ごとに担当司書を配置するよう努力すること。
≪司書派遣≫
区立小・中学校各校
各施設 週3回(1回6時間)
区立幼稚園・こども園・保育園・児童館各施設 各施設 月2回(1回3時間)
② 学校図書館との書誌情報の共有化を図る。
③ 司書教諭等の学校図書館関係者や保育士等への情報提供・スキルアップを目的とする研
修・講座等を開催する。
④ 保護者を対象にした研修・講座等を開催する。
(2)読書振興活動
読書週間やこども読書週間等、様々な機会をとらえ、他機関等と連携を図り、文字・活字
文化振興法に則った事業の展開等、読書活動の推進を図る。
(3)読書振興に関わる情報の収集と発信
読書活動に関わる情報を積極的に収集し、様々な媒体を通じてこれを発信し、読書活動の
推進を図る。
・子ども読書調査(年1回実施)
区内小中学校の生徒を対象に一定数を抽出し、読書の状況や変化について定点調査を実
施する。
7 区立図書館施設の運営管理業務
指定管理者は、サービスや事業活動を行う施設・設備等を適切かつ効率的・効果的に運営管
理し、区民及びその他利用者の利用環境の向上に努めること。
(1)施設の開館・閉館に関すること
① 開館業務
機械警備開錠・建物開錠等、図書館システム等業務に必要な機器の起動、ブックポスト・
新聞の整理、その他利用者を迎えるために必要な準備を行う。
② 閉館業務
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利用者への閉館案内、図書館システム等機器の電源遮断、施設内巡回点検、施錠等閉
館に必要な作業を行う。
③ 開館時間・開館日について
施設の開館時間・開館日については、区民及びその他利用者の利便性を考慮し、指定
管理者が区(教育員会)の承認を得て定める。
(2)総合案内(コンシェルジュ)業務
千代田図書館、日比谷図書文化館の総合案内として、施設の利用案内や地域の案内を実施
する。千代田図書館コンシェルジュの「本と街の案内所※」への応援業務については、毎
年度 NPO 法人連想出版と協議のうえ、業務内容を決定する。
※本と街の案内所(神田神保町 1-7-7 11:30~18:00 )神田古書店連盟を中心に NPO
法人連想出版等の共同運営)
平成 26 年度実績 236 日(平日:11:30~15:00、神保町古本まつり期間の土・日・祝)
(3)付帯施設(研修室・会議室、ホール、特別展示室、特別研究席)の運営管理に関すること
指定管理者は、千代田区立図書館条例に基づき、千代田図書館及び日比谷図書文化館の付
帯施設の利用に関する承認、不承認及び承認の取消等を行う。利用料金の徴収等の業務を遂
行するに当たっては、
区民及びその他利用者の利便性が高くかつ効率的な運営体制を構築す
ること。ただし、平成 29 年度の利用料金については、現行の料金体制のとおりとする。平
成 30 年度以降、利用料金の変更が必要な場合は、区立図書館条例に定める限度額の範囲内
で、区(教育委員会)の承認を得て利用料金の額を定めるものとする。また、指定管理者は、
条例第 14 条により利用料金の減額または免除を行うことができる。
(区の業務で利用を求めた場合は、可能な範囲で協力すること。
)
【付帯施設の規模】
館
名
千代田図書館
日比谷図書文化館
付帯施設
面積・定員
研修室
第 1 研修室
第 2 研修室
第 3 研修室
第 5 研修室
17.7 ㎡(12 名)
14.6 ㎡(9 名)
11.2 ㎡(6 名)
16.1 ㎡(9 名)※
大ホール
195 ㎡(207 名)
小ホール
142 ㎡(60 名)
会議室
A・B 各 75 ㎡(24 名)
特別展示室
200 ㎡
特別研究席
32 席
※千代田図書館研修室の無料開放の実施
第5研修室は、区内在住の中高生の学習室として以下の時間帯を無料開放している。
中高生開放時間 平日(13 時~17 時)、土(10 時~16 時)、日・祝(10 時~17 時)
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(4)利用者からの意見・要望等への対応
区民及びその他利用者からの意見・要望等を受けた場合はその内容を検討し、迅速かつ的確
な対応を行うとともに図書館サービスの改善に努める。なお、利用者等の不当な要望及び要
求は毅然とした態度で対応する。上記の利用者からの意見・要望等は記録し区へ報告するこ
と。
(5)問合せへの対応
電話、インターネット等による区民及びその他利用者からの問合せ等に対し迅速かつ適切
に対応する。また、館内案内については丁寧かつ的確に行う。
(6)広報活動
区立図書館の活動報告や施設の案内・紹介、お知らせ等の広報媒体の作成発行、Web を活
用した展示・イベント情報や区内文化資源等に関する情報の発信のほか、パブリシティによ
り区立図書館の活動や事業を広く区民及びその他利用者等に積極的にPRする活動を行う
こと。
(7)館内掲示物の管理等
館内の掲示物、配布物(利用案内、図書館年報、図書館業務に必要な各種文書)の作成、
保管、廃棄を行う。
(8)区立図書館システムネットワークの運営管理業務
区立図書館システムネットワークとは、区立図書館 5 館のほか、ちよだパークサイドプラ
ザ区民図書室及び男女共同参画センターMIW情報ライブラリーを含む7施設をネットワー
ク上で繋ぎ、図書館業務、千代田 WEB 図書館、IC タグシステム、ホームページに関する業
務等の総称である。平成 29 年度は、現行の区立図書館システムネットワークを使用すること
から、業務に必要なコンピューター端末、付属機器に係る運用保守や賃貸借及び通信回線の
使用に係る契約・支払については、指定管理者が行う。
【現行図書館システムネットワークの概要】
ア
区立図書館システム 「NALIS」保守(株式会社NTTデータ九州)
イ
千代田Web図書館保守(アイネオ株式会社)
ウ
IC タグシステム :千代田図書館(ソフエル)保守
日比谷図書文化館(図書館流通センター)保守
ただし、区において平成 29 年度末までに新たな図書館システムネットワークを構築する予
定がある。プロポーザル方式で開発事業者を選定するにあたり、今回の提案内容を業務要求
水準書(仕様書)等の作成に反映させる必要があるため、指定管理者は、図書館システムネット
ワーク開発に係る区との打合せ等については、積極的に協力すること。また、次期図書館シ
ステムネットワークに係る開発、機器のリース及び保守経費については区の負担とする。
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(9)区立図書館ホームページの運営管理
図書館システムと連携した区立図書館ホームページの運営管理を行う。ただし、平成 29
年度中に図書館システムのリプレースを行うため、区立図書館システムと独立している日
比谷図書文化館のホームページを新たに作成し、必要な措置を講じること。また、日比谷
図書文化館のホームページ作成については、区文化財事務室と協議のうえ、文化財事務室
ホームページも含めて作成すること。ホームページの運用にあたっては、セキュリティ対
策を万全にし、責任者、担当者を定め、適切に管理・運営しなければならない。
平成 30 年度以降のホームページの運用については、図書館システムリプレースの実施に
あわせて区と指定管理者で協議のうえ決定するものとする。
(10)図書館便の運用
図書館資料及び図書館間の文書及び区各部署からの各図書館あて文書の運搬業務を行う。
図書館便の運用にあたっては、千代田区役所文書交換室の利用等、区の文書交換便と連
携を図ること。
(11)保安警備業務
区民及びその他利用者等の安全と良好な利用環境を保持するため、警備等必要な対応を
講じなければならない。また、館内でのトラブルやクレーマー等に柔軟かつ毅然と対応す
るため、以下の業務水準に留意し、必要な体制等を構築しなければならない。
① 館内警備
開館時間中は警備員を館内に常駐させ、必要に応じて巡回を行い安全確認、迷惑行為
の防止等に努め、館内の秩序の維持と適正管理を行う。(ただし、昌平まちかど図書館、
神田まちかど図書館については、別途施設の維持管理業務を行う事業者が警備員を配置
するため、本業務からは除く)
日比谷図書文化館及び四番町図書館については、閉館後は機械警備に切り替えること。
② 警備員の資格及び訓練等
ア
警備員としての業務を行う者は、警備業務法に定める検定を受けた者とし、必要な応
急手当や心肺蘇生が一定程度できるよう訓練しなければならない。
イ
警備員が行う警備業務の詳細は、業務の責任者や他の業務従事者等との連携を含め、
指定管理者が提案すること。
ウ
警備員となる者が警備業務を適切に遂行することを妨げない範囲で、当該警備員とな
る者が館の業務等他の業務に従事することができるものとする。
③ 館内における災害応急処置(急病人対応を含む。)及び消防法に基づく防火計画等に関す
ること
消防法等に定める事項を忠実に遵守しなければならない。なお、災害応急処置の範囲
等については区との協議により定めるものとするが、消防、防災計画については指定管
理者としての計画等を作成すること。
④ 館内の拾得物の取り扱い
館内の拾得物は保管し、落とし主がわかるものは連絡を行う。現金等貴重品について
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は、警察に届け出ること。
(ただし、千代田図書館については、区役所 1 階防災センター
に届け出ること)
(12)緊急時の体制
万一の火災や地震等、緊急事態が発生した場合に備え、区民及びその他利用者、職員等
の避難、救助を迅速に行い、被害を最小限に抑えるために、以下の業務水準に留意し、必要
な体制等を構築しなければならない。
① 緊急時における行動マニュアルの整備
緊急事態が発生した場合の具体的な対応方法や救助方法など、緊急時における行動マ
ニュアルを整備しなければならない。また、定期的にマニュアルを検証し、必要に応
じて修正を加えるなど、より実効性の高いものの整備に努めなければならない。
② 緊急時の避難・救助訓練の実施
様々な状況を想定して避難・救助訓練を実施しなければならない。避難・救助方法に
ついては、個々に検証を行い、様々な状況で最も適した方法を選択できるようにする
ほか、有効な方法を確実に行える技量を身に付けることに努めなければならない。
③ 緊急時における組織体制、指揮命令系統
緊急時における組織体制を構築し、各職員の役割や業務を定めなければならない。ま
た、緊急時における指揮命令系統を構築しなければならない。
④ 関係機関との協力・連携
区、警察、消防など、緊急時における関係機関との協力・連携・連絡体制を構築しな
ければならない。そのためには、日頃から緊密な関係の構築に努めることが重要である。
8 四番町図書館・日比谷図書文化館の施設・設備の維持管理業務
指定管理者は、法令等に基づき、施設及び設備の維持管理を行うこと。補修・修理が必要な
場合は、区と協議のうえ必要な措置をとること。なお、日比谷図書文化館については、区文
化財事務室使用部分も維持管理の対象となるため、特に4階収蔵庫の湿度・温度の管理につ
いては、区文化財事務室と調整のうえ実施すること。
(1)施設保守管理業務
館を適切に管理運営するために、日常的に施設の点検を行い、現在の状態・美観の維持
に努めなければならない。また、施設・建築物等の不具合を発見した際には、速やかに改
善を図らなければならない。
(2)環境維持管理業務
公共施設として快適な空間を保つため、以下に挙げる業務水準を基本とし、効果的な維
持管理を行わなければならない。
①
清掃業務 (日比谷図書文化館4階収蔵庫は年2回の定期清掃のみ実施のこと)
②
環境測定業務
③ 設備保守点検業務
14
④
植栽管理業務
9 業務の遂行に係る経理及び庶務業務
(1)経理事務
経理事務は、指定管理者が行う業務を最小の経費で最大の効果を上げるという原則に基づ
き、適切かつ有効な執行及び管理を行うこと。
① 会計の独立と管理口座の独立
指定管理者は、指定管理業務に係る経理事務を行うにあたり、他の事業とは独立した
会計帳簿書類及び経理規定を設けること。区立図書館5館総合の会計及び各館毎の会計
に区分し、指定管理業務に関連する出入金の管理は、自身の団体の銀行口座とは別の口
座で管理しなければならない。
② 会計報告
指定管理業務に係る経費の収支状況について、区へ毎月報告すること。また、経理書
類等の提出を求められた場合は、すみやかに協力すること。
(2)文書の保存
業務のために作成した文書は、法令等に定めのあるもののほか、指定期間終了後 5 年間
保存すること。
(3)電気、ガス、水道、電話、複写機等の使用に係る契約及び支払い
指定管理者が管理する施設(まちかど図書館を除く。
)で使用する電気、ガス、水道、電
話(FAX、図書館システム回線使用、インターネット回線使用を含む。)
、複写機(利用者
用、事務用ともに)の使用及び利用料金については、指定管理者が当該債権者と個別に契約
し、適切な請求に基づき支払いを行うこと。
なお、千代田図書館の光熱水費(電気・ガス・水道料金)については、区が負担し、研修
室にかかる光熱水費負担分を、区の請求により支払うものとする。
10 その他の業務(区との責任分担)
上記に示した業務のほか、指定管理者の業務には、次に掲げる区の専管事項以外の業務が
すべて含まれる。
ただし、
経費等の点で協定内容に重大な影響を及ぼすと認められる業務や、
当初予測されていない業務が発生した場合については、
区と指定管理者の協議により処理分
担を定めることとする。
【区の専管事項-区の責任範囲】
(1)法令上地方公共団体又は首長に専属的に付与されている行政処分権限
(2)施設の維持管理及び各種行政機関との調整に関わる事務
① 施設、設備の大規模な改修計画及び工事の実施に関すること。
② 区政全般の運営の中での各行政機関との連絡調整に関すること。
③
指定管理者との連絡調整、協定の締結、料金の設定・変更、監査、指定管理者に交付
15
(委託)する経費の確定及びそれらに類する事務等に関すること。
④ 区議会の議事参与に関すること。
(3)区の図書館行政に関わる事務
① 区立図書館の設置及び運営等に関する基本方針(資料の収集方針等を含み、収集方針
に基づく収集計画等を除く。
)
、基本計画等の作成及び改正に関すること。
② 図書館に関わる区の施策全般に関する調査回答及び区の図書館運営の基本に係る調査
回答等に関すること。
(4)区の文化財行政に関わる事務
① 文化財保護法及び千代田区文化財保護条例に基づく文化財の保護、活用、普及等に関
すること。
② 文化財等収蔵品の収集方針の策定、収集・整理・保管及び利用・活用に関すること。
③ 文化財保護に関わる区の施策全般に関する調査回答に関すること。
Ⅵ 執行体制及び人員配置等
指定管理者は、すべての業務を的確かつ円滑に遂行するため、執行体制に係る職務の責任の
範囲及び組織関係等を明確にするとともに、業務の履行と責任体制を確保できる人員体制をと
ること。
(1)統括責任者(ゼネラルマネージャー)の配置
指定管理者は、すべての業務を総合的にマネジメントする常勤のゼネラルマネージャーを配
置すること。ゼネラルマネージャーの配置に当たっては、民間又は公共で業務管理者として
豊かな経験を有し、特にマネジメント能力に優れ人格的にも優れた者の配置に努めること。
(2)館長の配置
業務を継続的かつ安定的に行うため、千代田図書館、日比谷図書文化館及び四番町図書館に
常勤の館長を配置する。千代田図書館長はゼネラルマネージャーを兼務することができるも
のとする。また、四番町図書館長は他の業務責任者と兼務することができるものとする。館
長は、司書又は司書補であることが望ましいが、館長としての優れた力量があれば必ずしも
限定しない。なお、館長の任免については、必ず事前に区と協議しなければならない。
(3)副館長の配置
館長を補佐し、一般職員を指揮して指定管理者の実務に責任を負い、館長不在時は、館長を
代理する副館長を配置することができる。配置する場合は、常勤で一定程度の業務経験を有す
る職員を充てること。
(4)専門職員(司書・司書補・学芸員)の配置
各施設には、業務を適切かつ円滑に遂行するために必要な業務従事者を配置すること。業務
従事者の配置にあたっては、図書館経験、司書資格、学芸員資格のほか業務の特性に応じた専
16
門的なサービスを提供できる人材の確保を行い、図書館業務に従事する司書率は 50%以上で
あることが望ましい。
(5)システム担当者の配置
図書館システムネットワークの円滑な運営を行うため、図書館システムの更新及び運用・
維持等、区と連携して業務を担うことができる専門知識を有する専任のシステム担当者を
配置すること。
(6)部門責任者の配置
各館ごとに図書館業務のほか、各部門責任者を配置すること。配置にあたっては、業務特
性に応じた専門性及び接遇能力の適性等にも配慮すること。
(7)綱紀保持
指定管理施設内はもとより、施設外においても、区の信用を失墜させることのないよう、
指定管理者及び業務従事者の綱紀を保つこと。
(8)名札の着用等
業務従事者は、利用者が見やすい名札を着用し、業務従事中の服装等についても必要な規
定を設けること。
(9)職員の資質の向上
① 職員の人材育成を図るため、総合的な人材育成計画を策定し、当該計画には計画的、系
統的な研修計画を盛り込むこと。特に接遇、個人情報保護、図書館業務に関する研修は、
年間複数回計画し実施しなければならない。また、第三者の実施する研修にも職員を参加
させること。
② 区が業務水準の向上に必要と判断した研修に職員を参加させること。
(10)労働環境の確保
業務従事者の勤務条件や身分の安定性、安全衛生面等が適正に確保され、良好な労働環
境の下で業務に従事できるよう努めること。
千代田区公契約条例及び同施行規則の規定に基づき、業務従事者に対し、区長が定める
額(賃金下限額)以上の賃金を支払わなければならない。また、賃金が賃金下限額以上でな
いことが確認された場合には指定管理者に是正を求め、是正がなされない場合には指定の
取り消しを行うことがある。なお、平成 28 年 5 月時点の賃金下限額は 1 時間あたり 941
円である。
(指定管理期間終了まで当初の賃金下限額を適用する)
また、労務台帳の作成・提出及び社会保険加入状況の確認書類の提出が必要になる。
Ⅶ 経費及び利用料金等
1 経費の負担区分
17
指定管理者が管理する施設の業務遂行に係る経費(指定管理料)については、施設運営に係る
経費から指定管理者が徴収した収入を差し引いた額とし、会計年度ごとに、各年度の予算の範囲
内において、区と指定管理者との協議により協定で明確にする。
本件指定管理業務についての指定管理料については、現行の指定管理者の業務の実施内容、人
員体制、指定管理料等を参考に、区が指定管理制度を導入した目的を十分認識し、運営の合理化
によるコストダウン等、民間事業者のノウハウを積極的に活かして提案すること。
ただし、まちかど図書館業務に付随するコミュニティスクール受付業務を行う経費については、
本提案に含めず別に定めることとする。
(1)指定管理者の収入
指定管理者は多様な運営財源の確保に努めるとともに、積極的な事業展開を通じて採算性
に配慮した運営に努めなければならない。ただし、公共施設としてのサービスの独立性を損
なうことがあってはならない。
指定管理者の収入は、利用料金制を採用し、指定管理者が管理する施設の付帯施設使用に
係る利用料金、著作権法に基づく図書館資料のコピー料金、オンラインデータベースのプリ
ントアウトサービス料金、展示観覧料、各種イベント等参加費、レストラン・カフェ運営に
よる販売収入、その他区と指定管理者の協議により徴収することができるとした料金とする。
利用料金については、千代田区図書館条例に定める限度額の範囲内で、区(教育委員会)の承
認を得て定めるものとする。この場合、必要な減免制度を設けることができる。
(2)施設運営に係る経費
本業務にかかる人件費、資料費、図書館システムネットワーク運用費、消耗品費・通信費
等諸経費、備品購入費(1 件 50 万円を超える場合を除く)、施設維持管理費(1 件 50 万円
を超える修繕料を除く)
、事業費等に要する経費。
なお、物価変動による経費の増額については、指定管理者の負担とする。
(3)指定管理料の支払い
当該年度分を四半期毎にその期の最初の月に支払うものとする。
指定管理料及び利用料金収入等による収入額が支出額を上回った場合であっても、区は、
指定管理者に対して精算による返還を求めない。また、収入額が支出額を下回った場合で
あっても、区は指定管理者に対して不足額の補填は行わない。
(ただし、災害その他不可抗
力に起因する場合は、区と指定管理者で協議を行うものとする)
。
(4)指定管理者の利益の還元
指定管理者の業務における利益に関する取扱いについての提案を求める。(サービス向上
のための事業の実施、施設改善等の実施、指定管理料の減額 等)
Ⅷ 指定管理者の業務の評価等
現在、区立図書館において実施している評価方法を示す。各年度の具体的な評価結果等の詳細
18
については、区ホームページで「千代田区立図書館運営評価」、「千代田区図書館評議会-評議結
果報告-」
、
「千代田区立図書館年報」を参照すること。
1 評価方法等
評価方法
評価の時期等
監査の実施
地方自冶法第 199 条第7項の規定により、指定管理者が行う区立図書
必要と認めるとき
館の管理業務に係る出納関連の事務について監査を行う。
モニタリングの実施
原則として指定管理
指定管理者の業務の遂行状況等を確認するため、労働環境、経営・財
期間中各1回
務、サービスのモニタリングを適時実施する。
パフォーマンス指標及び達成目標値の設定による評価
通年
重点を置く事業等に関して、区と指定管理者とが合意の上で客観的か
つ数値化が可能な指標項目及び指標値の設定による達成度の評価
千代田区図書館評議会による評価
原則として年1回
学識経験者等で構成する千代田区図書館評議会で決定した評価対象に
ついての評価
定常的評価
毎月1回
区による日常の運営状況の点検・評価
指定管理者による自己評価
年2回程度
アンケート形式による来館者調査から利用実績・利用者満足度、利用
者ニーズ等の調査・分析
・評価の実施に当たっては、必要書類の作成、調査員等受入等協力すること。
・指定管理者が行う自己評価については、現行の指定管理者による評価方法にとらわれず、適
切な評価方法等を具体的に提案すること。なお、自己評価の実施に当たっては、必ず利用者満
足度調査を調査項目に盛り込まなければならない。
2 評価対象事項
(1)蔵書構築、レファレンス等の基本的な図書館サービスをはじめ業務全般が適正、的確に遂
行されているか。また、常に業務の改善に具体的に取り組んでいるか。
(2)施設が適切、良好に維持管理されているか。
(3)サービスの提供や展示、イベント等が適切かつ継続的に実施され、利用者の満足度が高い
か。
(4)職員の接遇、個人情報保護等の研修が計画的に行われ、研修の成果が業務に反映されてい
るか。また、職員は勤務待遇に満足し、自ら学習調査し、自己研鑽に努めているか。
(5)適正な経理が行われているか。無駄な購入や不適切な契約が行われていないか。
(6)区民及びその他利用者の要望、要求に適切に対応しているか。職員の不適切な対応による
トラブルはないか。これらの状況を適確に記録し、その後の対応等に活用しているか。
(7)指定管理者の業務が社会的評価を得ているか。
19
(8)その他
3 評価による結果の反映
(1)指定管理者は各評価の結果を真摯に受け止め、業務の遂行及び施設の維持管理の改善に自
ら積極的に取り組まなければならない。
(2)評価結果は、次年度経費算定での区負担金額の算定・査定に際して参考にする。
(3)著しく評価が低い事項等に対し、必要な改善勧告、改善指導を行う。改善勧告、改善指導
によってもなお改善が認められない場合は、区負担金の支出凍結、又は期間を定め業務の
全部又は一部の停止を命ずる。
(4)業務の遂行及び施設の管理等において、指定管理者として極めて不適当と評価された場合
は、協定の解除、指定の取消しを行う。
Ⅸ その他留意事項、特記事項
1 環境配慮活動
指定管理者は、千代田区地球温暖化対策条例に基づき、千代田エコシステム(CES)等環
境に配慮した取組等に協力しなければならない。
2 施設の軽微な修繕
区立図書館で発生した軽微な修繕(1件50万円以下)は、区の認める範囲内で指定管理者
の業務とする。
3 業務の再委託の禁止
指定管理者は業務の全部または主たる業務を一括して第三者に委託することはできない。
なお、業務の一部を第三者に委託する場合は、届出書を作成の上事前に区の承認を受けること。
4 指定管理者の個人情報保護と情報セキュリティ
指定管理者は、千代田区個人情報保護条例第34条の規定に基づき、同条例に定める個人情
報保護の義務を負う。また、個人情報の取り扱いについては、情報漏洩を防止するためウィル
ス対策ソフトの導入等をもって防止に努めること。個人情報の取り扱いについては、別紙「個
人情報の取り扱いについて」を参照のこと。
5 情報の公開
指定管理者は、千代田区情報公開条例第22条の規定に基づき、同条例に定める情報公開の
義務を負う。また、必要な情報提供に努めるとともに、情報公開請求があったときは、遅滞な
く区長に引き継がなければならない。
6 賠償責任
指定管理者の行為が原因で利用者に損害を与えた場合で区が責任を負うときは、施設の設置
者である区が賠償責任を負う。ただし、区は指定管理者に対して求償権を行使し、指定管理者
20
の指定取消等の処分を行うことができるものとする。
7 保険の加入
区が加入している「自治体賠償責任保険」で填補されない、指定管理者の責任に帰する損害
に備え、指定管理者は、損害賠償責任保険に加入しなければならない。
8 各種届出について
法令に基づき関係機関への届出が必要な場合は、指定管理者が行うこととする。必要な届出
がなされていない場合には、指定管理者の指定の取消し等となる可能性があるので、注意する
こと。
9 物品について
① 区立図書館に置かれている物品のうち、区の備品及び図書資料を含む消耗品並びに指定管
理者が区の指定管理料で購入した備品、消耗品は区に帰属する。
②
指定管理者は、区に帰属する物品(資料を除く)とそれ以外の物品(資料を除く)を台帳等に
より明確に区分し管理すること。
③ 指定管理者は施設の物品を適正に使用し、区に帰属する物品については、通常の消耗、朽
廃により消滅したものを除き、指定期間終了時または指定を解除された時は、貸与時の状
態で区に返還すること。
④ 区に帰属する備品に破損、紛失等があった場合は、指定管理者が弁済するものとする。
10 目的外使用について
区立図書館は、直接に住民の利用に供することを目的に設置した施設であり、財産の分類上、
行政財産として区分され、施設の設置目的又はその用途以外に使用することができない。ただ
し地方自治法第 238 条の 4 第 7 項の規定により、その用途又は目的を妨げない限度において使
用を許可することができる。必要な場合は区と協議のうえ申請するものとする。
11 施設等の変更及び原状回復
指定管理者は、施設等に特別の設備をし、又は変更を加えてはならない。ただし、あらかじ
め区の承認を受けたときは、この限りでない。また、使用を終了したときは、施設等を原状回
復するものとする。
12 業務の引継ぎについて
区では、以下のとおりに指定管理者の業務引継についてのルールを定めている。引継ぎを受
ける際、引継ぎを行う際には、以下のルールを遵守すること。
ア 施設利用について、既に受け付けている、若しくは承認している利用申込みについては、引
継ぐものとする。
イ 次期指定管理者は、施設の運営に支障がないよう、指定管理業務の引継ぎに要する期間の設
定や引継ぎの内容等について、区及び現行の指定管理者と十分に協議し決定するものとする。
21
ウ 指定期間の終了又は指定の取消しにより次期指定管理者に業務を引継ぐ場合は、施設の運営
に支障がないよう、円滑な業務の引継ぎに協力し、引継書を作成の上必要なデータ等につい
て提供するものとする。
エ 次期指定管理者への業務の引継にあたっては、引継書を作成のうえ、区の立会いのもと進
めるものとし、区の確認をもって完了となる。
13 その他
その他、本業務要求水準書に記載のない事項で、区立図書館の業務の遂行及び維持管理等で
必要な事項は区と指定管理者との協議により定めるものとする。
22
別 紙
【個人情報の取扱いについて】
① 個人情報の管理
・施錠が可能な保管庫又は施錠若しくは入退室管理の可能な保管室で厳重に個人情報を保管す
ること。
・区が指定した場所へ持ち出す場合又は事前に区が承諾した場合以外は、個人情報を作業場所
から持ち出さないこと。
・個人情報を電子データで持ち出す場合は、電子データの暗号化処理又はこれと同等以上の保
護措置を施すこと。紙帳票で持ち出す場合は強固なケース内に施錠する等の保護措置を行う
こと。
・事前に区の承諾を受けて、作業場所内で業務に必要最小限の範囲で行う場合を除き、個人情
報を複製又は複写しないこと。
・個人情報を移送する場合、移送時の体制を明確にすること。
・個人情報を電子データで保管する場合、当該データが記録された媒体並びにそのバックアッ
プの保管状況とこれらに記録されたデータの正確性について、定期的に点検すること。
・個人情報を管理するための台帳を整備し、個人情報の利用者、保管場所その他の個人情報の
取扱いの状況を当該台帳に記録すること。
・個人情報の紛失、漏洩、改ざん、破損その他の事故(以下「個人情報の漏洩等の事故」とい
う。
)を防ぎ、真正性、見読性及び保存性の維持に責任を負うこと。
・作業場所に、私用のパソコン、カメラ、外部記録媒体その他の私用物を持ち込ませて、個人
情報を扱う作業を行わせないこと。
・個人情報を処理するパソコンに、個人情報の漏洩につながるおそれのある本件業務に関係の
ないアプリケーションをインストールしないこと。
②個人情報の変換、消去又は廃棄
・本件業務の終了時には、区が指定した方法により、本件業務において使用する個人情報を返
還(乙のもとで新たに取得された個人情報の引継ぎを含む。)、消去又は廃棄しなければなら
ない。
・本件業務において使用する個人情報を消去又は廃棄する場合は、事前に消去又は廃棄する個
人情報の項目、媒体名、数量、消去又は廃棄の方法及び処理予定日を書面により区に申請し、
その承諾を得なければならない。
・区は、個人情報の消去又は廃棄に立ち会うことができるものとし、立会いを受け容れなけれ
ばならない。
・本件業務において利用する個人情報を消去又は廃棄する場合は、当該情報が記載された媒体
の物理的な破壊その他当該個人情報を判読不能とするよう確実な措置を行わなければならな
い。
・個人情報の消去又は廃棄を行った後、区から承諾を得た方法で個人情報の消去又は廃棄を行
ったことについて、誓約書を提出しなければならない。
③個人情報の取扱い状況報告
・区から個人情報の取扱いの状況について報告を求められた場合又は区から立入り調査の依頼
があったときは、直ちに応じなければならない。
23
④事故時の対応
・本兼業務に関し個人情報の漏えいなどの事故が発生した場合は、その事故の発生に係る奇跡
の有無に関わらず、直ちに区に対して、当該事故に関わる個人情報の内容、件数、事故の発
生場所、発生状況を書面により報告し、区の指示に従わなければならない。
・個人情報の漏洩等の事故が発生した場合に備え、区その他の関係者との連絡、証拠保全、被
害拡大の防止、復旧及び再発防止の措置を迅速かつ適切に実施するために、緊急時対応計画
を定めるものとする。
・本件業務に関し個人情報の漏洩等の事故が発生した場合は、必要に応じて当該事故に関する
情報を公表することができる。
⑤損害賠償
・故意または過失を問わず、特記仕様書の内容に違反したことにより、区又は区民等に損害等
を発生させた場合は、指定管理者に対して損害賠償の請求を行うことができる。
⑥個人情報保護に関する留意点
・法令及び区の条例、規則等並びに個人情報保護に関する特記仕様書を遵守しなければならな
い。
・個人情報の安全管理について、内部における責任体制を構築し、その体制を維持しなければ
ならない。
・個人情報の保護に関する取り組みを明らかにするため、個人情報保護に関する規程等を提出
しなければならない
・指定管理業務従事者に対する個人情報の教育(研修)を毎年、実施することとし、実施報告書を
すみやかに区へ提出すること
・指定管理者及び指定管理者の管理のもとに業務に従事する者は、業務の履行により直接又は
間接に知り得た個人情報等を第三者に漏らしたり、業務目的以外に使用したりしてはならな
い。
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