第8章 オーディオ回路の部屋

第 8 章 オーディオ回路の部屋
すが,半導体を使えば小型にできます.
バーチャル・スタジオ 35
図 1 に示すのは,半導体インダクタで作った周波数
種も仕掛けもありません! コンデ
ンサと抵抗でインダクタを作る
特性の調節回路(イコライザと呼ぶ)です.図 2 に示す
ように,ボリュームの摺動子を移動させると,1 kHz
付録 CD−ROM 関連記事 No.1−042
ット)できます.図 3 と図 4 に示すのは,5 バンド・イ
コライザとその周波数特性です.
● 回路のゲインを手計算
図 5 に示すのは,図 1 をボリュームの摺動子が上端
にある場合と,下端にある場合で分けて描いた回路で
す.Z 0 は,半導体インダクタとコンデンサによる共
振回路のインピーダンスの最小値です.図 1 の回路の
最小インピーダンスは,後出の図 6 から 1.23 kΩです.
▶最大ブースト状態
図 5 において Z 0 が反転端子に接続されている場合,
を中心にゲインを上げたり
(ブースト)
,下げたり
(カ
● バーチャル実験! 1 kHz イコライザで音質調整
インダクタは,コンデンサと抵抗,そしてトランジ
スタや OP アンプなどの増幅素子で作ることができま
す.これを半導体インダクタと呼びます.インダクタ
ンスの大きいインダクタは形状が大きくなったりしま
半導体インダクタとコンデンサ
で直列共振回路を構成して
C
2
いる
(イコライザ1バンド分)
ゲインG は次式で表されます.
R4
6.8k
RVol1A
ボリューム
Out
半導体インダクタ
NPN
Vee
R5
10k
R1
1.2k
.ac oct 10 10 100k
.param Vol1=0.5
.step param Vol1 0 1 0.5
図 1 半導体インダクタで構成したイコライザ回路
(中心周波数 1 kHz)
バンド5
RVol1A
1μ
R3
RVol1A
110
10n
R2
C1
Vcc
27
68k
図 3 応 用 …5 バ
ンド・グラフィッ
ク・イコライザ
C2
RVol1B
{100k*Vol1+1m}
6.8k
C1
0
AC 1
270p
Q1
NPN
R1
1.2k
R4
6.8k
+1m}
{100k*
(1−Vol1)
RVol1B
{100k*Vol1+1m}
R2
68k
Q1
NPN
R5
10k
Vee
VIN
10k
図 2 図 1 のイコライザのゲイン−周波数特性
{100k*
(1−Vol1)+1m}
C2
1k
周波数[Hz]
バンド1
入力
Vol1が
0のとき
Vcc
Q1
68k
Vol1が
0.5のとき
U1
出力
Out
Vcc
2.7n
R2
V(out)
R1
1.2k
R5
10k
Vee
C1
18
15
12 Vol1が
9 1のとき
6
3
0
−3
−6
−9
−12
−15
−18
10 100
Vee
6.8k
0
AC 1
U1
Vcc
VIN
RVol1B
{100k*Vol1+1m}
ゲイン[dB]
R3
Vee
C2
0.1μ
Vcc
{100k*
(1−Vol1)
+1m}
2016 年 4 月号