世界銀行グループ東京開発ラーニングセンター 都市間パートナーシッププログラム関心表明(EOI)募集要項(仮訳版) 世界銀行は、貧困のない世界を目指して、開発途上国の経済・社会の発展、生活水準の向上、持 続的成長を支援するため、資金協力、知的支援などを提供する国際開発金融機関です。開発のた めのインフラ、保健・教育、気候変動などの地球規模課題、ジェンダー、ガバナンスなど、国際協 力の幅広い分野をカバーしています。各分野の専門知識を兼ね備えたスタッフが世界 120 か国以 上に駐在し、途上国それぞれのニーズに応じて支援を提供しています。 2004 年に開始された日本政府および世界銀行の遠隔ラーニングパートナーシップ事業は第三フェ ーズを迎えております。当事業のもとに東京開発ラーニングセンター(以降 Tokyo Development Learning Center 略称 TDLC)は位置づけられており、開発途上国が直面する開発課題に対する解決 策の相互共有のプラットフォームとして、日本および各国の官民双方の関係組織と協力関係を築 いてまいりました。TDLC は内外のステイクホルダーに対し、日本および各国が有する知識およ び経験を特定しその情報を得て、さらにそれらを有効活用するためのワンストップポイントとし て機能しています。TDLC が有する情報通信施設、世界各地とのコネクティビティ、専門性、これ らを世界銀行グループの強力な人的ネットワークと組み合わせることで、世界の開発課題に対す る時機を捉えた解決策を提供すること可能となっております。 都市間パートナーシッププログラム(以降 City Partnership Program 略称 CPP)は TDLC の第三フェ ーズの主要プログラムの一つですが、CPP は日本において選定されたいくつかの都市との戦略的 な連携を支援し促進することを目的としております。連携の方法としては、共同研究(ベストプ ラクティスの発掘および文書化) 、知識共有・交換および日本が有する専門性を途上国都市の具体 的なプロジェクトに対して生かす機会の発掘および開拓等が挙げられます。経済成長のエンジン としての都市の役割の重要性は世界が都市化するにつれてますます重要となっている中、複雑な 開発課題に対して型どおりの解決策が存在しない状況を受けて、都市同士の経験の共有がまさに 求められていると言えます。 日本にはそれぞれ固有の開発課題に対して独自の解決策を模索してきた世界トップレベルのベス トプラクティスを有する都市が多く存在します。これらの都市の中から本プロジェクトの連携先 として選ばれた都市は、TDLC のプログラム全体を通じて TDLC と協力関係を築くこととなりま す。初期段階では TDLC の技術プラットフォームを都市の経験を広く共有する場として活用し、 次の段階では研修およびネットワーキング活動を通じて、プロジェクト発掘・デザイン・実施の ための技術支援ができる当該都市の専門家・諸機関と世界銀行グループのクライアントにあたる 途上国都市をつなぎます。なお、CPP 全体を通じて第一義的に途上国都市のクライアントのニー ズを把握することに重点を置いています。 1 CPP の対象都市については各都市からの関心表明プロポーザルを募り、オープンで透明性のある 選考を実施いたします。関心表明プロポーザルの指定言語は英語であり、第一次選考の締め切り は 2016 年 4 月 30 日です(今後第二次選考の実施予定あり) 。都市の選定後、TDLC は当該都市の 諸状況(スケジュール、能力、コミットメント等)に応じて連携方法を協議することとなります。 関心表明プロポーザルの提出があった都市とは、包括連携協力対象都市として選定されなかった 場合においても、今後他の TDLC との協力プログラムや世界銀行グループのクライアントにあた る途上国都市と特定テーマに対して協力活動を展開することを想定しているため、奮ってご提出 下さい(EOI に求められる項目の詳細については添付資料 A 参照) 。 また、CPP は日本の都市の知識・経験を世界銀行グループのクライアントである途上国都市と共 有するために、都市開発に関係する多様なテーマに焦点を当てております。 (CPP のテーマリスト については添付資料 B 参照) CPP にかかるコストの大部分が世界銀行グループによって賄われる予定ですが、選定された都市 においても一定の貢献および費用分担が求められることになります。具体的には、市職員および 専門家の人件費、諸活動の会場代、市内移動、等が含まれます(物品支払の場合有) 。 選考の合否にかかわらず、関心表明プロポーザルを提出した都市には 5 月末までに結果の通知が なされます。 質問および提出先 世界銀行グループ 東京開発ラーニングセンター オペレーションズオフィサー 岡澤裕子 [email protected] 質問および提出にあたっては次のアドレスも Cc して下さい: [email protected] 実施機関 世界銀行グループ 東京開発ラーニングセンター 〒100-0011 東京都千代田区内幸町 2-2-2 富国生命ビル 10 階 添付資料 添付資料 A:EOI 項目詳細 添付資料 B:CPP 対象テーマリスト 2 添付資料 A:EOI 項目詳細 EOI については次の点を網羅して下さい: 1. 当該都市の歴史的系譜、過去に直面した開発課題と克服した経緯(添付資料 B にある対象テ ーマから関心表明対象のものを選定し、それぞれについて 2-3 パラグラフで簡潔に記載) 2. 当該都市の社会経済開発指標(変化が分かるよう時系列で)および当該都市の特徴および強 みを表すベンチマーク(他都市との比較等) 3. 対象テーマに関する当該都市の比較優位、関心の度合(添付資料 B 参照、複数選択歓迎)を 選定テーマごとに次の観点から詳述: 1) (選定テーマに関する)当該都市の比較優位を象徴する特筆すべきケース・ベストプラ クティスおよびその成功の要因(世界銀行グループのクライアントである途上国都市が 適用する際に参考となるような情報) 2) (選定テーマに関して)視察やラーニングの対象となるプロジェクト現場、視察先等 3) (選定テーマに関して)専門知識面における協力要請対象となる、当該都市が有する組 織、諸機関(大学、NGO 等も含む) 、個人専門家等のリストおよび連絡先 4. 海外の国あるいは都市との連携実績のリスト、それぞれに関する簡単な内容説明(姉妹都市、 連携プログラム等) 5. 直接あるいは遠隔での知識共有・ラーニング活動を実施するための施設・設備の有無(カン ファレンス会場、活動スペース、ビデオカンファレンス設備等、該当するものがあれば) 6. 7. 次の点に関する当該都市の担当者連絡先: 1) MOU 提携等(提携の有無は現段階では未定) 2) 技術面 3) EOI 提出および全般的な事務事項 推薦書類、マスメディア関連の情報等、該当するものがあれば 上記の情報は技術審査委員会が次のような観点から審査します: 当該テーマにおける比較優位性、実務者の知識・経験を伝える力、当該市政府の(本プログラム における)知識共有・交換に対するコミットメント等 3 添付資料 B:CPP 対象テーマリスト CPP を含む TDLC の諸活動は第一義的に途上国都市のクライアントのニーズに応えることを重視 しています。そのような立場から、途上国を対象に実施した包括的なニーズ調査や世界銀行グル ープの当該部署(社会・都市・農村・レジリエンスグローバルプラクティスグループ)内での関 連プロジェクトのレビュー結果等を活用して、本資料で挙げる対象テーマ群、また個々のテーマ において詳述されている焦点・アプローチについても選定しています。 都市計画 コンパクトシティ開発:長期的な経済・社会・環境的な持続性を実現するためのコンパクトシテ ィ開発に関する特筆すべき市独自のアプローチ。コンパクトシティ開発の概念をローカライ ズする取組。市中心部における高密度化・混合土地利用を促進するための政策・財政施策。 区画整理:都市の計画・公共施設整備・再開発を一体的に進めるためのランドプーリング、よ り広義には権利変換事業全般。 土地利用計画:より望ましい土地利用および都市形態に誘導するための施策、とりわけ次の都 市開発課題に重点を置く:防災、エネルギー利用、温室効果ガス削減、公共衛生、経済生産 性、食糧供給、貧困削減および不平等の解消、文化遺産保全。 公共空間管理:オープンスペース、公園、緑地等の管理に重点を置いた公共空間管理。 公共交通指向型開発・開発利益還元:公共交通指向型開発をベースとした駅周辺の開発利益の 官民の協働による最大化・共有化(公共交通指向型開発によるアクセシビリティ改善・人口 集約効果に焦点)。 都市モビリティ計画:都市におけるモビリティ向上を目的とした、インフラ・コスト・用地・エ ネルギー効率等の側面を考慮したより効果的で包括的な交通課題の解決に向けたアプローチ。 都市サービス供給 廃棄物管理:経済成長レベルに応じた段階的な廃棄物管理手法(住民および民間セクターとの 協働、廃棄物管理と発電の連携等に焦点) 上水道管理:経済成長レベルに応じた段階的な上水道管理手法(住民および民間セクターとの 協働、利用者負担等に焦点) 下水道管理:経済成長レベルに応じた段階的な下水道管理手法(住民および民間セクターとの 協働、利用者負担等に焦点) 道路照明:安全面だけではなく都市景観からの観点も考慮。エネルギー効率の高い道路照明の 導入方法・インセンティブ等。 都市管理 大都市圏計画:分野や管轄が多方面にまたがる大都市圏計画の主要なアプローチ、とりわけ次 の都市開発課題に重点を置く:ガバナンスおよび市民参加、データシステムや計画制度、土 地利用計画、スラム改善、モビリティ、インフラ、災害リスクマネジメントとレジリエンス、 財政等。 4 都市管理における ICT 技術活用:高品質な公共空間を作り出すための ICT 技術の活用、グリッ ド管理、密度管理、効率の良い資源活用、生活の質の向上、低炭素開発、その他必要とされ るニーズ・リスク管理に応えうる知見の創造・管理。 都市組織構造:組織および分野を超えた連携を推進するための都市組織のあり方 都市管理のための法制度:都市管理のために必要な法制度面の施策 プロジェクト計画および管理:インフラ開発を含む都市開発プロジェクトの計画および管理 社会開発 アクセシビリティ:交通・教育・行政サービスといった基本的な都市サービスへのアクセシビリ ティの改善、とりわけ高齢者、障害者、貧困者、社会的弱者に対する支援。 高齢化社会:出生率の低下、医療の進歩による長寿命化に起因する人口構造の変化に対応する ために必要とされる都市計画・都市管理・都市サービスの関連施策。 災害リスクマネジメント 洪水リスクマネジメント:洪水リスクを減らすための構造的および非構造的な緩和策(ダムや堤 防等のインフラ、総合的な流域管理等)および適応策(排水、ポンプ場等のインフラ、早期 洪水予警報システム、ハザードマップ等)。 地震リスクマネジメント:工学的なアプローチによる地震リスクの緩和、建設基準規制ガイドラ イン、早期地震予警報システム等。 地方財政 財政管理:予算、会計、報告、監査等のプロセスを含む財政管理全般。 歳入管理:税金、利用者負担金・課金、料金、罰金、資産収入(例:市管理の土地建物のリー ス料等) 財政分権化(国・県・市町村):財政に関する権限移譲や分権化の制度設計・実施・モニタリング 地方税:標準的な地方税だけではなく、都市独自の地方税導入先進事例等 ここでテーマ別に詳述されている焦点・アプローチは参考目的に掲載しており、当該都市は各 EOI の中で都市の経験・専門性と上記対象テーマの関連性を定義・明示化して下さい。 注)本資料は仮訳版であり、英語版資料を正とする。 5
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