流通業におけるビッグデータ活用の方向性をとりまとめました

平成 28 年 5 月 2 日
流通業におけるビッグデータ活用の方向性をとりまとめました
~消費者接点を起点としたデータ利活用に向けたアクションプランの策定~
経済産業省は、流通分野等で発生する商品情報、POS、レシート等の多様なデータ
の利活用を進めるため、昨年 10 月に「流通・物流分野における情報の利活用に関
する研究会」を設置しました。その後、5 回の研究会を開催し、報告書をとりまとめま
した。
1.研究会の概要
流通業(卸・小売業)は、GDP の約 16%、全就業者数の約 17 パーセントを占めており、
メーカーで製造された商品を消費者の手元に届ける等、メーカーと消費者の間を仲介
する役割を担っています。
また、近年では、単に商品を流通させるだけでなく、仕入れ・販売に付随して発生する
大量のデータを活用し、メーカーと連携して新商品を開発し新たな需要を喚起したり、
発注の自動化などを通じて業務の効率化を進めたりする等、データの利活用を押し
進めています。
一方、流通業を取り巻く環境にも変化が見られます。国内の人口減少やインバウンド
需要の拡大が進む中、潜在需要を喚起することによる消費の活性化、海外需要の取
り込みが課題となっています。また、労働力不足等を背景に、サプライチェーンの効
率化を通じた生産性の向上も課題となっています。
今回の研究会では、経済産業省内で議論が進む、新産業構造ビジョンの検討に歩調
をあわせ、流通業・物流業におけるビッグデータの活用を通じた活性化や新たな産業
モデルの在り方について、課題を明らかにし、対応の方向性を議論した。
2.消費者と企業の適切なコミュニケーションの促進
研究会における検討の結果、データの利活用に伴うリスクを懸念し、収集した POS デ
ータや ID-POS データ等※を始めとする、消費データの利活用に躊躇する企業が存在
することが分かりました。
そのため、企業が消費者に、データ利活用方法等を通知する際の手法について、
研究会の下部組織「消費者向けサービスにおける通知と同意・選択のあり方検
討 WG」を設置して検討しました。当 WG の報告内容は、別添資料をご参照く
ださい。
※=POS データとは、「いつ、どこで、何が、いくらで売れたかの情報」であり、ID-POS データは「POS
データに「誰が買ったか」という属性に関する情報を付加したもの」。
3.消費データフォーマットの統一
現在、消費データのフォーマットは、流通企業ごとにばらばらであり、統一されていま
せん。そのため、メーカー等のデータユーザーにとっては、消費データを集約して商
品開発等に活用する際に、「データを集約・活用しづらい」という課題があることが明
らかになりました。
そのため、関連する業界団体と連携しながら、消費データの標準的なフォーマ
ット(=デジタルレシートデータ)を公表します。詳細なフォーマットは、別
添資料をご参照ください。今後はこの標準的なフォーマットを活用してデータ
利活用が進んでいくことが期待されます。
4.政府等が取り組むべきアクションプラン
研究会における検討を踏まえ、今後政府が対応すべき課題とアクションプランを整理
しました。また、その中でも特に流通・物流業に直接的に関係し、今後重点的に取り
組むべき課題については、別添の通り工程表としてとりまとめました。
(本発表資料のお問い合わせ先)
商務流通保安グループ
流通政策課長 (併) 物流企画室長 野村
担当者: 大竹、吉田、川嶋
電 話:03-3501-1511(内線 4161~4163)
03-3501-1708(直通)
03-3501-6204(FAX)
別紙
<流通・物流分野における情報の利活用に関する研究会
委員名簿>
(敬称略・五十音順・所属/役職は開催時のもの)
いしばし
消費生活アドバイザー
国立情報学研究所
客員教授
ヤマト運輸株式会社
株式会社
執行役員
アスクル株式会社
ひさ みち
岡村
お
中国支社長
さ
久道
の
営業戦略部
担当部長
執行役員
本部長
こばやし
ひろし
さと う
みつる
洋
満
さん べ
東京大学
空間情報科学研究センター
教授
株式会社
日本経済新聞社
株式会社
マネーフォワード
国際大学
グローバル・コミュニケーション・センター
編集局
たか こ
孝子
佐藤
上席主幹
調査部
代表取締役社長
まさのり
三部
雅法
しばさき
りょう すけ
柴崎
亮介
しろとり
次長
かず お
白鳥
和生
つじ
CEO
辻
崇文
はら だ
りょう じ
原田
イオンアイビス株式会社
みなと
インフラ・ユーザーサポート部
Square 株式会社
専修大学
商学部
部長
兼 セキュリティオフィース
室長
カントリーマネージャー
大学院商学研究科
教授
<消費者向けサービスにおける通知と同意・選択のあり方検討 WG
株式会社 情報通信総合研究所
みず の
水野
わたなべ
渡辺
取締役 法制度研究部長 主席研究員
上席研究員
良治
かずゆき
和行
ひろあき
博商
たつ ろう
達朗(座長)
委員名簿>
板倉
株式会社 野村総合研究所 IT 基盤イノベーション本部
デジタルビジネス推進部
港
いたくら
ひかり総合法律事務所 弁護士
たか ふみ
中西
株式会社セブン&アイHLDGS.CI 室 シニアオフィサー
システム開発本部
よう すけ
庸介
なかにし
准教授
豪績
閑歳
小林
LOHACO テクニカルディレクター
技師長附
ひで のり
小佐野
かん さい
EC マーケティング本部
東芝テック株式会社
直子
おかむら
弁護士
Zaim 代表取締役
サンスター株式会社
なお こ
石橋
こむかい
小向
さきむら
崎村
さと う
株式会社 日本 HP チーフ・プライバシー・オフィサー
佐藤
東京工科大学 教養学環 准教授
村上
むらかみ
よういちろう
陽一郎
たろ う
太郎
なつひこ
夏彦
よし ひろ
慶浩
やす じ ろ う
康二郎(座長)