2016年5月号 [ PDF ]

発行日:平成 28 年5月 1 日
た かし
発行編集責任者
山本たかし事務所
〈いそごの元気をつくる会〉
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政務調査NEWS
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去る4月14日午後9時26分に発生した熊本県を中心とした震度7の地震は、
その後大分県を含む広い地域に及び多くの尊い命が失われました。
深い哀悼の意を捧げるとともに、被災されたすべての皆様とご家族に心からお見舞い申し上げます。
横浜市防犯対策の基本
横浜市会議員
︵磯子区︶
自民党
山 本
平成28年5月号
横浜市震災対策条例
全部改正(平成25年2月)
横浜市災害時における自助および共助の推進に関する条例
制定(平成25年6月)
よこはま地震防災市民憲章
策定(平成25年3月)
横浜市防災計画「震災対策編」
修正(平成23・24・26年度)
横浜市地震防災戦略
策定(平成25年4月)→平成28年4月見直し
このたびの熊本大地震は、地震国日本にとって、いつなんどき地震をはじ
めとした自然災害に見舞われるかわからないことを示しました。政府の迅速
な救援・復旧作業は、自衛隊、近隣自治体はじめ多くの方々の協力と共に進
められていますが、避難された方々の苦難苦痛を考えると心が痛みます。指
●感震ブレーカーの設置補助(木造住宅密集市街地等の自助の取組を支援)
●減災パンフレット
「わが家の地震対策」の作成・配布
●防災・減災推進研修(町の防災組織のメンバーを対象に実施)
●市民防災センターのリニューアルオープン(平成28年4月)
定都市市長会(会長:林 文子横浜市長)
では「広域・大規模災害時における指
定都市市長会行動計画」の適用を決定し、現地支援本部設置担当市を中心
に先遣隊を被災地に派遣し、被災状況を把握するとともに、現地支援本部を
「横浜市地震防災戦略における地震火災対策方針」を策定(平成26年3月)
し、木造住宅密集市街
設置し、被災自治体の支援を行っています。現地支援本部設置担当市は広
地など地震による火災の延焼被害が大きい地域を中心に、ハード対策とソフト対策の両輪で火災
島市、支援隊派遣都市は岡山市、福岡市、北九州市が担当、中央連絡本部長
対策をすすめる。
に林 文子横浜市長が任にあたっています。
●不燃化推進地域における「新たな防火規制」による建築物の耐火性能強化の義務付け
●老朽建築物の除去および耐火性の高い建築物の新築への補助
横浜市は5年前に発生し、いまだに復興の道半ばである東日本大震災の教訓を活かし、被害想定を見直し、被害想定
を軽減するための減災目標を設定、目標達成のために必要な対策を効果的かつ効率的に実施していくため、平成25
年4月に「地震防災戦略」を策定しました。この「地震防災戦略」は平成25年度から平成34年度を対象期間としてお
り、概ね3年ごとに見直すこととなっています。しかし、地震防災戦略の大部分は『公助』による災害に強いインフラ整
●延焼遮断帯の形成の推進 ●感震ブレーカーの設置補助
+
*まちの不燃化推進事業(耐火性の高い建築物の建築件数5700件目標)
*初期消火器具等設置補助事業(設置補助200基→700基へ上方修正)
備であり、市民や地域による『自助・共助』ではありません。大事なことは、
「自らのまちは自らの手で守る自助・共助の
取組み」であること、今回の熊本大地震からあらためて学びました。
平成27年に実施した「横浜市民の危機管理アンケート調査」でも『市民一人ひとりが漠然とした災害に対する不
安を抱えているものの自分の命を自分で守るために備えるといった行動につながっていない』ことが結果として示さ
れました。
『“自助、共助”という言葉を聞いたことのない市民は53%』というショッキングな結果となっています。
市内の建物の耐震化を推進し、建物倒壊等による被害を軽減しています。
●民間の特定建築物、木造住宅、分譲マンションについて、耐震改修費用の一部を補助
●区庁舎(消防署)等を対象として、耐震改修・建替・移転等を推進
「よこはま地震防災市民憲章」にもあるように、
『地震への備えは十分か』
『 今、地震が起きたらどう行動しようか』
『周
りのためにできることが私には必ずある』
『 次世代に伝える自助・共助の大切さ』… 一人ひとりの備えと地域の絆、いわ
ゆる市民力・地域力が必要です。地震が発生した際、個人や家庭、地域や企業のリスクへの備えの欠如が、パニック
を引き起こし被害をさらに拡大させます。リスクマネジメントは、一人ひとりの責任の上に成り立ちます。横浜の安
全安心の防災対策に向け、一人ひとりが自助・共助のアクションを起こすことが必要です。
●補強対策を必要とされた校舎について、耐震補強工事が概ね完了
●横浜市営住宅で耐震化が必要な施設について、耐震補強工事が完了
+
*横浜市公共建築物天井脱落対策事業(対象施設105施設)
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発生頻度は極めて低いものの、発生すれば甚大な被害をもたらす最大クラスの津波を想定し、
住民避難を軸とした総合的な津波対策をすすめています。
●津波からの避難ガイドラインの策定(平成23年8月)
●津波避難情報板(16か所)、海抜表示(約8600か所)の設置
●津波避難施設の指定(174か所)
●津波警報伝達システムの整備(89か所 磯子区9か所)
+
自助・共助の強化策として、
「18歳年齢での消防教育義務化」や「消防団資機材整備」、
「消防水利(防火
水槽、初期消火器具)の確保」などが考えられるが、何より大切なことは、地域町内会や自治会で実施される
「防災訓練への全員参加」と「若手の防災拠点リーダーの育成」です。今回の熊本大地震でも、
「救援物資は
あるものの人手不足のため避難所へおもうように供給されない」、
「ボランティア人材が不足」
「ボランティア
を確保できても、必要とするスキルとのミスマッチ」、
「避難所(防災拠点)でリーダーシップを発揮する人材
不足」など、日ごろからそれぞれの役割と責任を明確化していないと
“いざ”
という時に機能しません。
*焼却工場の津波浸水対策(水密扉および止水板設置)
東日本大震災の経験を踏まえ、帰宅困難者の抑制や一時滞在施設の拡充をすすめています。
●帰宅困難者の発生抑制
従業員等の留置きや飲料水、食料等の物資備蓄等に関する事業者等への啓発
●帰宅困難者一時滞在施設の拡充
●災害時帰宅支援ステーション(徒歩帰宅者に対し、水道水やトイレ、災害関連情報の
提供等の支援ができる施設)の協定締結推進(2078か所)
+
*帰宅困難者一時滞在施設の指定、物資の備蓄(5.7万人→6.7万人へ上方修正)
磯子から根岸に続く根岸湾一帯には、戦後の日本の経済発展を支え
てきた多くの優良な企業があります。こうした企業集積は横浜市発展
のレガシー(遺産)であり、今後の磯子や根岸の発展は、こうした立地
企業との連携を抜きにしては考えられません。特に注目しているのが
JX根岸製油所であり、新エネルギー事業には大きな期待があります。
国内石油最大手のJXエネルギー(前身:日本石油)根岸精油所は、昭和36年(1961年)
に起工し、3年後の昭和
39年(1964年)
に稼働、首都圏の石油需要を支え、高度経済成長のインフラ機能を果たしてきました。JXエネル
ギー根岸製油所は根岸湾に埋立地に建設され、面積2.2百万㎡、周囲約12kmに及ぶ広大な敷地に展開され、27
万バレル(1バレル=159リットル)の原油処理能力をもつ我が国最大級の製油所です。JXエネルギー製油所は、
根岸の他にも仙台(宮城県)、水島(岡山県)、鹿島(茨城県)、麻里布(山口県)、大分(大分県)、大阪(大阪府)の6
東日本大震災に伴う医療活動で得られた教訓等を踏まえ、災害時医療体制等を強化します。
か所があります。製油所の稼働率は、現在のところピーク時の70%まで落ち込んでいますが、平成27年(2015
●総合調整・指揮機能の強化
年)12月の東燃ゼネラルと経営統合の基本合意により、将来は1000億円以上の収支改善が見込まれます。こう
★市医療調整チームの設置 ★市および区に災害医療アドバイザーを設置
★市および区に災害医療連絡会議を設置
した事業統合によりエネルギー開発が期待されるとともに、平成29年(2017年)4月を目処に製油所の統廃合が図
●緊急度・重症度に応じた医療提供体制
も過言でありません。これからも磯子・根岸の将来のまちづくりには、これまで大きな社会貢献を果たしてきた JX
★被災を免れ診療可能な医療機関は緊急度・重症度に応じて医療提供
★地域防災拠点にいる負傷者等は医療救護隊(121隊)が巡回診療
●医薬品等の備蓄および供給体制
★地域の薬局での流通備蓄等や市内医薬品卸会社からの供給
★他都市の医薬品救援物資は物流拠点として横浜薬科大学で一元化
被災者の方の避難場所や救助等の活動拠点となる地域防災拠点の充実・強化を図ります。
●地域防災拠点の追加指定、特設公衆電話回線の整備などの情報受伝達手段の確保
●地域防災拠点の開設基準、閉鎖等の実施者及び手順等の明確化
●女性及び要援護者等に対して配慮すべき事項・専用スペースの確保等について明確化
+
*下水道直結式トイレの整備(平成34年度までに1505基整備予定)
られると伺っています。まさに JX グループが日本のエネルギー戦略のキャスティングボードを握っているといって
エネルギーと連携した開発が不可欠です。
今後の
JXグループとすすめる
磯子発展のプログラムの
可能性として
閑 話 休 題
1.災害に強いまちづくりへの貢献
2.新エネルギー開発によるスマートシティタウン磯子の実現
3.観光 MICE の新たな観光資源の創造発信
4.新交通ネットワークの確立 などが考えられます。
昔といっても、昭和30年前半、根岸湾は遠浅の美しい入江でした。海苔の養殖や海水
浴場として賑わい、風光明媚で豊かな自然が多くありました。作家の山本周五郎先生が昭和36年10月間門園下
の海岸を散策する写真を拝見する機会があったのですが、まさに「隔世の感あり」とはこのことでしょう。日本の
経済成長、発展のために失った自然の代償は計り知れなく、残念といわざるを得ません。今一度、私たちは、子供
たちに昔の磯子・根岸の自然を残すために、地域の力を発揮する時なのかもしれません。