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平成28年4月
住
宅
局
建築基準法施行令第四十六条第四項表一(一)項から(七)項までに掲げる軸組
と同等以上の耐力を有する軸組及び当該軸組に係る倍率の数値を定める件等の一
部を改正する告示案について(概要)
1.背
景
今般、平成二十六年度建築基準整備促進事業及び木造建築技術先導事業の検証の結果によ
り、一定の成果が得られたことから、伝統的構法の建築物に係る基準の整備を図るため、関
係告示について所要の改正を行うこととする。
2.概
要
(1)建築基準法施行令第四十六条第四項表一(一)項から(七)項までに掲げる軸組と同等
以上の耐力を有する軸組及び当該軸組に係る倍率の数値を定める件(昭和五十六年建設
省告示第千百号)
①落とし込み板を用いた高倍率の軸組関係(第一第八号及び第二第八号関係)
(ア) 令第四十六条第四項表一(一)項から(七)項までに掲げる軸組と同等以上の耐
力を有する軸組として、次に定めるものを追加することとする。
厚さ二・七センチメートル以上で、かつ、次の表(い)欄に掲げる幅を有する木
材(継手のないものに限り、含水率が十五パーセント以下のものに限る。以下「落
とし込み板」という。)に相接する落とし込み板に十分に水平力を伝達できる長さ
を有する接合具(次の表(ろ)欄に掲げる材料、断面寸法及び接合方法によって接
合した場合に限る。
)を配置し、落とし込み板が互いに接する部分の厚さを二・七
センチメートル以上(接合具を用いて接合する部分については接合具を除いた厚さ
が一・二センチメートル以上の場合に限る。)として、落とし込み板を柱に設けた
溝(構造耐力上支障がなく、かつ、落とし込み板との間に著しい隙間がないものに
限る。
)に入れて次の表(は)欄に掲げる方法により四周の柱及び横架材と固定し
、はり、けた、土台その他の横架材相互間全面に、水平に積み上げ、次の表(に)
欄に掲げる柱相互の間隔とした軸組
(イ) (ア)の軸組の倍率の数値は、次の表(ほ)欄に掲げる数値とする。
(い)
(ろ)
(は)
(に) (ほ)
落とし込
接合具
四周の 柱相互
倍率
み板の幅 材料及び断面寸法
接合方法
柱及び
の
横架材
間隔
との固
定方法
(一) 二十セン 小径が一・五セン 上下の落とし 四周の
九十セ 二・五
チメート チメートル以上の 込み板の接す 柱およ
ンチメ
ル以上
木材のだぼ(なら る面に設けら び横架
ートル
、けやき又はこれ れただぼと同 材に設
以上二
らと同等以上の強 寸法の穴の双 けられ
百三十
1
(二)
度を有する樹種で
、節等の耐力上の
欠点のないものに
限る。)又は直径
九ミリメートル以
上の鋼材のだぼ(
JIS G三一一
二-一九八七(鉄
筋コンクリート用
棒鋼)に規定する
SR二三五若しく
はSD二九五Aに
適合するもの又は
これらと同等以上
の強度を有するも
のに限る。)
小径が二・四セン
チメートル以上の
木材の角栓(なら
、けやき又はこれ
らと同等以上の強
度を有する樹種
で、節等の耐力上
の欠点のないもの
に限る。)
方にだぼを小
径の三倍以上
の長さずつ隙
間無く挿入し
たものを、五
十センチメー
トル以下の間
隔で九十セン
チメートルあ
たり二本以上
配置
上下の落とし
込み板の片面
に設けられた
深さ一・五セ
ンチメートル
以上の溝の双
方に角栓を小
径の三倍以上
の長さずつ隙
間無く挿入し
外れないよう
固定したもの
を、三十セン
チメートル以
下の間隔で九
十センチメー
トルあたり三
本以上配置
た溝に
落とし
込み板
をはめ
込み、
落とし
込み板
一枚ご
とにC
N七十
五釘二
本以上
で柱に
十五セ
ンチメ
ートル
以下の
間隔で
釘止め
し、落
とし込
み板か
ら上下
の横架
材に向
かって
CN七
十五釘
を十五
センチ
メート
ル以下
の間隔
で釘止
め
センチ
メート
ル以下
三・〇
②土塗の垂れ壁を設けた軸組関係(新規追加)
(ア) 令第四十六条第四項表一(一)項から(七)項までに掲げる軸組と同等以上の
耐力を有する軸組として、次に定めるものを追加することとする。
垂れ壁の上下の横架材の中心線間の距離が〇・七五メートル以上の垂れ壁を有
する軸組(両側の柱の小径(当該柱の小径が異なる場合にあっては、小さい方の
柱の小径)が次の表(い)欄に掲げる値であって、柱の中心線間の距離が次の表
(ろ)欄に掲げる値であって、土塗の垂れ壁の倍率が次の表(は)欄に掲げる値
であり、かつ、柱と鴨居がほぞ差し込み栓又はこれと同等以上の耐力を有する方
法で接合されたものに限る。)
2
(イ)
(一)
(二)
(三)
(四)
(五)
(六)
(七)
(八)
(九)
(十)
(ア)の軸組の倍率の数値は、次の表(に)欄に掲げる数値とする。
(い)
(ろ)
(は)
(に)
柱の小径
柱の中心線間 土塗の垂れ壁の
倍率
の距離
倍率
〇・一五メート 一メートル未満 〇・五以上一・ 〇・一
ル未満
〇未満
一・〇以上一・ 〇・二
五未満
一・五以上二・ 〇・三
〇未満
一メートル以上 〇・五以上二・ 〇・一を柱の
〇未満
中心線間の距
離で除した数
値
〇・一五メート 二メートル未満 〇・五以上一・ 〇・一
ル以上
〇未満
一・〇以上一・ 〇・二
五未満
一・五以上二・ 〇・三
〇未満
二メートル以上 〇・五以上一・ 〇・二を柱の
〇未満
中心線間の距
離で除した数
値
一・〇以上一・ 〇・四を柱の
五未満
中心線間の距
離で除した数
値
一・五以上二・ 〇・六を柱の
〇未満
中心線間の距
離で除した数
値
③土塗の垂れ壁及び腰壁を設けた軸組関係(新規追加)
(ア) 令第四十六条第四項表一(一)項から(七)項までに掲げる軸組と同等以上の耐
力を有する軸組として、次に定めるものを追加することとする。
垂れ壁の上下の横架材の中心線間の距離が〇・七五メートル以上の垂れ壁を有し
、かつ、高さ〇・八メートル以上の腰壁を有する軸組(両側の柱の小径(当該柱の
小径が異なる場合にあっては、小さい方の柱の小径)が次の表(い)欄に掲げる値
で、柱の中心線間の距離が次の表(ろ)欄に掲げる値であって、土塗の垂れ壁及び
腰壁の倍率(垂れ壁と腰壁で倍率が異なる場合には、小さい方の倍率)が次の表(
は)欄に掲げる値であり、かつ、柱と鴨居がほぞ差し込み栓または同等以上の耐力
を有する方法で接合された軸組の倍率の数値は、次の表(に)欄に掲げる数値とす
る。
3
(イ) (ア)の軸組の倍率の数値は、次の表(に)欄に掲げる数値とする。
(い)
(ろ)
(は)
(に)
柱の小径
柱の中心線間 土塗の垂れ壁及
倍率
の距離
び腰壁の倍率
(一)
〇・一五メート 一メートル未満 〇・五以上一・ 〇・二
ル未満
〇未満
(二)
一・〇以上一・ 〇・五
五未満
(三)
一・五以上二・ 〇・八
〇未満
(四)
一メートル以上 〇・五以上一・ 〇・二を柱の
〇未満
中心線間の距
離で除した数
値
(五)
一・〇以上一・ 〇・五を柱の
五未満
中心線間の距
離で除した数
値
(六)
一・五以上二・ 〇・八を柱の
〇未満
中心線間の距
離で除した数
値
(七)
〇・一五メート 二メートル未満 〇・五以上一・ 〇・二
ル以上
〇未満
(八)
一・〇以上一・ 〇・五
五未満
(九)
一・五以上二・ 〇・八
〇未満
(十)
二メートル以上 〇・五以上一・ 〇・四を柱の
〇未満
中心線間の距
離で除した数
値
(十一)
一・〇以上一・ 一・〇を柱の
五未満
中心線間の距
離で除した数
値
(十二)
一・五以上二・ 一・六を柱の
〇未満
中心線間の距
離で除した数
値
(2)構造耐力上主要な部分である柱及び横架材に使用する集成材その他の木材の品質の強度
及び耐久性に関する基準を定める件(昭和六十二年建設省告示第千八百九十八号)
径二十四ミリメートルの込み栓を用いた接合又はこれと同等以上に乾燥割れにより耐
力が低下するおそれの少ない構造の接合とした場合には、構造耐力上主要な部分である
4
柱及び横架材に使用する木材として、「製材の日本農林規格(平成十九年農林水産省告
示第千八十三号)第五条に規定する目視等級区分製材の規格又は同告示第六条に規定す
る機械等級区分製材の規格」及び「平成十二年建設省告示第千四百五十二号第六号の規
定に基づき、国土交通大臣が基準強度を指定した木材」のうち、含水率三十パーセント
以下のものを認めることとする。
(3)木造の継手及び仕口の構造方法を定める件(平成十二年建設省告示第千四百六十号)
壁を設け又は筋かいを入れた軸組の柱の柱脚及び柱頭の仕口は、本告示第二号本文に
定めるところによらなければならないところ、以下のいずれかに該当する場合について
は、本告示第二号本文に定めるところによらなくてよいこととする。
① 当該仕口を本告示の表三の(ろ)から(ぬ)までに定めるところにより接合し、
当該仕口の周囲の軸組に係る倍率(令第四十六条第四項の表一の倍率の欄に掲げる
数値をいう。
)の数値が三・〇を超えない場合
② 当該仕口を本告示の表三の(ろ)から(ぬ)までに定めるところにより接合し、
令第四十六条第四項の規定による各階における張り間方向及び桁行方向の軸組の長
さの合計が、同項の規定による各階の床面積に同項の表二の数値(特定行政庁が令
第八十八条第二項の規定によって指定した区域内における場合においては、同表の
数値のそれぞれ一・五倍とした数値)を乗じて得た数値の一・五倍以上であること
が確かめられた場合
③ 令第四十六条第四項の規定による各階における張り間方向及び桁行方向の軸組の
長さの合計に、軸組の種類に応じた倍率の各階における最大値に応じた次の表に掲
げる低減係数を乗じて得た数値が、同項の規定による各階の床面積に同項の表二の
数値(特定行政庁が令第八十八条第二項の規定によって指定した区域内における場
合においては、同表の数値のそれぞれ一・五倍とした数値)を乗じて得た数値以上
であることが確かめられた場合
軸組の種類に応じた
低 減 係 数
倍率の各階における 階数が一の建築物 階数が二の建築物の 階数が二の建築物の
最大値
一階
二階
一・〇以下の場合
一・〇
一・〇
一・〇
一・〇を超え、一・
一・〇
一・〇
〇・九
五以下の場合
一・五を超え、三・
〇・六
〇・九
〇・五
〇以下の場合
3.今後のスケジュール(予定)
公布
施行
平成28年5月
平成28年6月
5