業務委託特記仕様書 業 務 名:那覇市住環境基礎調査(密集・まちなか居住)業務委託 履行期間:着手の日から平成29年3月24日 履行場所:那覇市内一円 (目的) 第1条 那覇市住環境基礎調査は、住宅政策上の課題を解決するための基礎調査等を通し て、密集市街地の不良住宅等を除去し、土地の高度利用による集合住宅建設等の検討を 行うこと、および空き家・空室等の住宅ストックを改善することで、居住者を増やし、 まちなかの価値向上に向けた取り組みを行うことを目的としている。 本年度は、密集住宅市街地の面整備検討地区における意向調査を行い、住宅・住環境 の整備推進へ向けた検討を行う。 また、「まちなか居住の推進事業を進めるための支援組織づくりの検討」に向け、住 宅ストック(空き家等)活用モデル事業の実施と検証を行い、まちなか居住推進の具体 策の策定に向けた検討を行う。 (業務内容) 第2条 業務内容は次の事項を基本とし、受注者は、本市に相応しいより良い提案をする こと。 1 密集住宅市街地の改善に関する事項 受注者は、「那覇市密集住宅市街地再生方針(平成28年3月)」にて示された面整 備検討地区の住宅・住環境の整備推進の検討を行うものとする。 (1) ア 面整備検討地区の意向調査 意向調査(2地区1.75ha、3.牧志Ⅱ・13.松尾Ⅳ地区(図2.1.1、図2.1.2 参 照)とする) (ア) 受注者は、対象区域の意向調査(自治会へのヒヤリングおよび権利者等へ のアンケート調査)を行い、結果についてとりまとめを行うものとする。 牧志公設市場 モノレール美栄橋駅 浮島通り ライオンズマンション 松尾第2 ジュンク堂書店 緑ケ丘公園 開南 図2.1.1 意向調査対象区域(3.牧志Ⅱ 0.72ha) 図2.1.2 1 意向調査対象区域(13.松尾Ⅳ 1.03ha) イ 受注者は、対象区域の意向調査および既存報告書等を基に、事業化等へむけた採 択方法の検討を行う。また、必要に応じて、追加調査等の提案も行うものとする。 2 まちなか居住の推進に関する事項 受注者は、空き家・空き店舗等が増加傾向にある本市の中で、居住者のニーズに合 わなくなった建築ストックを、既存の都市資源(生活支援施設や街の雰囲気)を活か して、低コストで居住者の志向にあった住宅に改善することで、居住者を増やし、地 域(まちなか)の価値をあげていくことを目的とした住宅ストック(空き家等)活用 モデル事業の実施を行うものとする。 モデル事業の実施区域は、那覇市まちなか居住推進方針(案)報告書(平成27年3 月)にて示されているまちなか居住推進方針の対象区域内(図2. 2.1 参照)とする。 図2. 2.1 まちなか居住推進方針対象区域 次年度のまちなか居住推進事業の具体施策としては、本年度のモデル事業の実施状 況と検証結果にもよるが、現段階では以下のとおり計画している。 まちなか居住推進具体施策 平成29年度目標 ねらい モデル事業の実施により、その課題や効果を整理し、民間事業者による住宅ストッ ク活用の再生および提供する仕組みを事業として推進できるような支援策を検討・実 施し、普及させていく。 施策案 ストック活用事業の支援制度、事業化を支援する組織づくりの検討(情報収集と提 供・相談、マッチング等) ①改修可能な空き家・空室の情報登録・募集 ②リノベーション計画(事業計画)の作成支援を行う事業者の登録・募集(建築士、 宅建事業者、不動産所有者、建設会社、デベロッパー、インテリアデザイナー等) ③入居希望者の募集(居住ニーズ・ライフスタイルの把握・DIYの実施) 図2. 2.2 まちなか居住推進具体施策目標(平成 29 年度) 2 (1) 住宅ストック(空き家等)活用モデル事業 まちなか区域で空き家等を所有する物件所有者と入居希望者を募集し、両者のマ ッチングを行い、事業計画の作成支援(事業方式、工事実施にむけたアドバイス等) を行う事業者等(以下:協力事業者)の参画を経て、空き家等に新たな付加価値を 加えたリノベーションを実施する。下図2.2.3に、モデル事業の概要イメージを表 す。 物 空き家等 市 の応募 (受注者、協力事業者) 件 所有者 アドバイス・ 事業提案 (必要に応 じて改修 等実施) ・ マッチング ・ 物件所有者、入居希望者の 意向を反映させた事業計画 書の作成 ▶ デザイン、機能性 ▶ 資金負担や調達方法 ▶ 入居者募集方針・方法 ▶ 建築その他法規のチェッ ク 入居の応募 入 居 希望者 住宅情報 (必要に応 じて DIY 等 実施) リノベーションの実施 図2.2.3 住宅ストック(空き家等)活用モデル事業概要イメージ図 モデル事業の物件改修に際しては、事前に物件所有者・入居希望者・協力事業者 にて改修方法や契約内容等を定めるための協議を行うこととし、受注者においては、 その協議結果に基づいた事業計画書の作成を行うものとする。 また、受注者は、モデル事業を通じて、事業の評価および行政支援が必要だと思 われる部分のモニタリングを行い、まちなか居住推進事業を進めるための支援組織 づくりの検討案等を本市へ提案するものとする。なお、行政支援の内容については、 受注者の提案をもとに本市が決定するものとする。 ア リノベーション募集企画書の作成 (ア) 入居希望者向けリノベーション募集企画書等の作成 受注者は、「地方都市における遊休不動産の利活用促進に関する調査(国土 交通省 平成26年3月)」等を参考にするとともに、実績のあるまちづくり事 業者や県内不動産事業者等へヒヤリングを行い、リノベーション募集企画書、 募集チラシ、募集要項を作成するものとする。 入居希望者・物件所有者とも募集要項・条件等により応募状況が異なること が想定される。そのため、受注者は、リノベーション募集企画書の作成にあた っては、様々なケースを想定し作成するものとする。 3 (イ) 物件(物件所有者)の募集と事業提案 原則、公募とする。公募案としては、本市HP、宅建組合、不動産事業者経 由による公募等を想定している。受注者は、物件所有者に対し、まちなか居住 に対する理解を促し多数の公募を募ることを目的としたシンポジウム・講演会 等を開催するものとする。なお、昭和56年以前の建物等については、「既存住 宅インスペクション・ガイドライン(国土交通省 平成25年6月)」に沿った 診断により、住宅の品質や性能が確保されている(又は本事業と一緒に改修を 行い品質等が確保できる)物件であることを公募条件とする。 また、受注者は、物件所有者の応募要件等を確認のうえ、協力事業者と協働 で改修計画、入居者募集方針等を作成し、物件所有者に事業案の提案を行うも のとする。 (ウ) 入居希望者の募集と選定 原則、公募とする。公募案としては、本市HP、宅建組合、不動産事業者経 由による公募等を想定している。 受注者は、リノベーション募集企画書において具体的に入居希望者の募集時 期および選定方法を提案するものとする。また、物件所有者の行う入居者選定 の手助けとなるようにアドバイス等も行うものとする。 (エ) 協力事業者の募集と選定 受注者は、ストック活用モデル事業を円滑・着実に実施するため、県内で実 績のある事業者と協力して本業務を行う。 協力事業者の選定にあたっては、入居希望者や物件所有者の意向に十分配慮 し、本市の承諾を得た上で受注者が行うものとする。選定理由および選定基準 等については、受注者がリノベーション募集企画書において具体的に提案するも のとする。 なお、選定した協力事業者への協力依頼等にかかる費用は受注者の負担とする。 (オ) 入居希望者と物件(物件所有者)のマッチング 受注者は、入居希望者と物件所有者、双方のニーズを考慮し、必要に応じて協 力事業者の協力を得て、物件所有者の入居者選定を支援するものとする。 本年度は、3組程度のマッチングを想定している。 イ リノベーション計画書(事業計画書)の作成 受注者は、マッチングごとにリノベーション計画書を作成するものとする。 リノベーション計画書は、施工対象範囲、施工時期、入居期間、改修費の負担割 合、および物件所有者と入居希望者間の契約に関わる事項等について記載すると ともに、入居後のモニタリング計画等も考慮した内容とすること。 また、資金調達等については、金融機関等と連携した資金調達方法を検討する こと。 なお、本年度の計画書作成は3件程度を想定している。 4 ウ 住まい方を主体としたシンポジウム・講演会の開催及び職員向け勉強会の実施 (ア) シンポジウム・講演会 受注者は、住宅ストック活用モデル事業のための募集案内、普及啓発活動、 まちづくりの担い手育成等のために本市の承諾を得て、シンポジウムや講演会 の開催を行うものとする。テーマや内容、講演者等については、受注者が企画 立案するものとする。 なお、講演会等にかかる費用は受注者の負担とする。 (イ) 職員向け勉強会 受注者は、講師を招待し、職員向け勉強会を開催するものとする。内容、人 選等については受注者からの提案を受け、本市の承諾をもって決定するものと する。 なお、勉強会については、上記(ア)の内容を考慮し、同時開催も可とする。 エ 今後の事業展開に向けた提案 (ア) 今年度の取り組みに対する評価 受注者は、入居希望者、物件所有者、事業者、不動産事業者、建築家、デザ イナーなど事業に関わったものから今年度の取り組みに対する意見を徴収し評 価報告書を作成するものとする。 (イ) 今後の事業展開に向けた企画書の提案 受注者は、今後の事業展開に向けた企画書として、a リノベーションスクー ル等による担い手育成企画案、bプロモーション・普及啓発計画企画案、c 入 居希望者・物件所有者・事業者の登録システム企画案、d民間の組織づくり支 援に向けたシナリオ案を作成し、本市へ提案するものとする。 (留意事項) 第3条 1 受注者は、次の事項に留意し提案を行うものとする。 本市の上位計画、関連計画と整合したものであること ・第4次那覇市総合計画 ・那覇市都市計画マスタープラン(平成24年3月一部改定) ・那覇市住生活基本計画 改訂版(平成26年3月) ・那覇市中心市街地の活性化に関する基本計画(平成28年3月) ・那覇市密集住宅市街地再生方針(平成28年3月)など 2 既往の調査報告書を活用すること ・平成24年度密集住宅市街地改善策検討業務(基礎調査) ・平成24年度 まちなか居住推進策検討業務委託(基礎調査) ・平成25年度那覇市密集住宅市街地再生方針案作成業務(報告書) ・平成26年度那覇市密集住宅市街地再生方針案(再生重点地区調査等)業務(報告書) ・平成26年度那覇市まちなか居住推進案策定業務(報告書) ・平成27年度那覇市住環境基礎調査(密集・まちなか居住)業務委託(報告書) 5 3 「那覇市まちなか居住推進方針(案)」の区域について、当該区域が「那覇市中心 市街地の活性化に関する基本計画」と同区域であり、且つ、区域の大部分が「那覇市 密集住宅市街地再生方針」における再生重点地区にも位置付けられていることから(図 3.3.1 参照)、方針の策定および計画の立案等にあたっては、各方針・計画等に十分 留意し、整合を図ること。 (密集住宅市街地再生方針) (まちなか居住方針区域 ・中心市街地活性化計画区域) 図3.3.1 区域相関図(なちなか居住方針・中心市街地活性化計画・密集住宅市街地再生方針) 4 本市に活かすことができると思われる先進的な取り組み事例を収集し、具体的な取 り組み等を提案すること。 (資料の取り扱い) 第4条 本市が貸出した必要資料等について、受注者は本業務の目的外に使用しないもの とし、委託期間終了後または本市の求めがあった場合には、本市の指示に応じ返却また は廃棄するものとする。特に個人情報を含む内容については、本市の個人情報保護条例 等に留意し、適切に取り扱うものとする。 (成果品) 第5条 受注者の提出すべき成果品は、以下のとおりとする。 1 業務調査報告書 1部(A4版) 2 ストック活用モデル事業の募集チラシ500部(A4版カラー両面) 3 講演会シンポジウムチラシ500部(A4版カラー両面) ※2、3の納品は講演会シンポジウム開催前とする。 6 4 調査報告書の電子データ1部(CD-ROM 又はDVD-ROM) ※ 電子成果品のアプリケーションソフト等については、協議の上決定する。 (成果品の管理及び帰属) 第6条 提出された成果品及び本業務によって得た資料等は、全て本市に帰属するものと する。受注者は、成果品・資料等に関し、第三者へ開示、公表、配布等をしてはならな い。但し、本市から書面による事前の承諾が得られた場合は、この限りではない。 本業務の成果品は、著作権・肖像権等に十分配慮し、権利関係の調整等を終えた後に 納品するものとする。また、それらに起因する紛争が生じた場合には、受注者の責にお いて適切に対処するものとし、本市は責任を負わないものとする。 (その他) 第7条 本仕様書に特に定めのない事項については、契約書、那覇市契約規則等に従うも のとし、必要に応じて、本市と受注者とが協議してこれを定めるものとする。 7
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