【演習問題③】 1 ある薬物を同一被験者に急速静脈内投与、あるいは経口投与した後の血中濃度及び尿中排泄量を測定し、 それぞれ表に示す結果を得た。ただし、この薬物は肝における代謝及び腎排泄のみで消失し、体内動態 は線形を示すものとする。200mg を経口投与したとき、肝初回通過効果により失われた薬物量(mg) に最も近い値はどれか。ただし、代謝物の総尿中排泄量に未変化体の量は含まれない。 急速静脈内投与 経口投与 投与量(mg) 50 200 未変化体の血中濃度時間曲線下面積(mg・hr/L) 0.5 0.3 代謝物の総尿中排泄量(未変化体変換量 mg) 40 144 1 16 2 56 3 114 4 120 5 160 D 静=50mg X0 静=50mg AUC=0.5 20% Xu=10mg 80% Xm=40mg 20% X0 静=30mg AUC=0.3 80% Xm=24mg 144mg 2 4mg まずは、AUC の比率を利用して、AUC 静:AUC 経=X0 静:X0 経から X0 経を求める。 0.5:0.3=50:X0 経より、X0 経=30mg X0 経=30mg のうち 80%が肝臓で代謝されるため、Xm=24mg 上記の表より、代謝物の総尿中排泄量(未変化体変換量 mg)が 144mg であるため、肝初回通過効果により 失われた薬物量(mg)は 144mg-24mg=120mg 1 図は well-stirred model に基づいた臓器からの薬物消失モデルである。 このモデルに関する記述のうち、 2 正しいのはどれか。2 つ選べ。ただし、CLint は臓器の固有クリアランス、fb は血中タンパク非結合形 分率、Cin は臓器に流入する部位における血中薬物濃度、Cout は臓器から流出する部位における血中 薬物濃度、Q は臓器の血流速度とする。 臓器 Q Q Cin Cout 消失 1 臓器中には薬物濃度勾配がある。 2 臓器中の非結合形薬物濃度と fb×Cout は等しい。 3 臓器からの薬物消失速度は CLint×fb×Cout と表される。 4 臓器における薬物量の変化速度は Q×Cin+Q×Cout-CLint×fb×Cin と表される。 →Q×Cin-Q×Cout-CLint×fb×Cout 2
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