子ども施設地域共生応援事業

子ども施設地域共生応援事業
に関する委託仕様書
Ⅰ
委託事業名
子ども施設地域共生応援事業
Ⅱ
目的及び事業概要
全国都市部を中心に待機児童は依然多く、解消のため、保育所、幼稚園及び認定こども園(以下
「子ども施設」という)の増設、増員が各地で進められているが、同時に苦情や、新規立地にあたって
周辺住民から反対運動が起きるなどの事例も見受けられる。
大阪府内では、騒音相談窓口である市町村環境部局のうち半数以上が子ども施設に関する苦情
を受け付けている。苦情対象は施設設備音、放送音、楽器演奏音、子どもの声など様々であるが、苦
情はいったん発生すると解決に至るまでに多大な労力と経費を要するものであり、子どもの健全な育
成を担う施設の性格上からも苦情の未然防止の取組みがとくに重要といえる。また、子どもの声を騒
音と捉えるかどうかは、施設と地域のつながりの度合いやその地域の子育てに対する理解度にもよる
ため、地域の意識を高める広報啓発の取り組みについても重要である。
本委託では、生活環境の保全と子どもの健全な育成との共存を実現するため、施設整備・計
画上の事例、あるいは地域とのコミュニケーションのあり方など先進事例を収集・整理して、施設
と近隣住民とのトラブルを未然に防止するための手引書を作成する。また、その成果をもとにパン
フレット作成、シンポジウム開催等の広報啓発を行うことで、関係者の理解促進を図り、ひいては
子育てに温かい社会づくり・機運を醸成するものである。
Ⅲ
契約期間
契約締結の日から平成29年3月17日(金)まで
Ⅳ
委託上限額
9,702,000円(税込)
※本事業を実施するすべての経費を含む。
Ⅴ
事業内容及び提案を求める事項
次の1~3の事業を行う。なお、事業の実施にあたっては、大阪府環境農林水産部環境管
理室交通環境課騒音振動グループと十分調整のうえ行うこと。
また、1~3で求める検討委員会開催回数(少なくとも3回以上)及びシンポジウム開催
回数(少なくとも1回以上)について、求める数を下回る提案の場合は、最優秀提案者とし
て採択されません。
1
検討委員会の設置、運営
○事業全体についての専門的な助言を受けるため、学識経験者及び施設関係者等からなる
検討委員会を設置し、運営すること。
○検討委員会は少なくとも3回以上実施するとともに、運営のための検討資料の作成、印刷、
議事録の作成並びに、検討委員会の運営、委員への謝金、交通費の支払い等を行うこと。ま
た、会合形式ではなく書面やヒアリングで委員に助言を求める場合は、その記録も残すこと。
1
○施設関係者の委員については、大阪府社会福祉協議会等関係業界団体から2名程度を発
注者で選定する。
○検討委員会の議事によっては、発注者やその他の行政関係者がオブザーバーで出席する
予定のため、会合形式で開催する場合、少なくとも半分以上は大阪府内で実施すること。そ
の場合、発注者と協議のうえ、大阪府庁内の会議室(無償)の使用も可能とする。
○なお、上記検討委員会以外でも専門的知見が必要な場合は、適宜、専門家にヒアリング等
で助言を得ること。
(提案を求める内容)
・学識経験者の専門分野としては騒音、建築、教育/保育、地域コミュニティ、法律関係等を想
定していますが、本事業の遂行にあたり適切な助言が得られるよう、複数分野にまたがる委
員構成を提案してください。
・委員について提案時点で内諾が得られている場合は明記(○○大学△△教授 等)を、想
定の場合は専門分野を明らかにしたうえで、提案してください。
・委員の構成員数や開催回数、形式等にはとくに制限を設けませんが、効率的、効果的に実
施するよう開催予定回数、各回における検討内容を提案してください。
2 「子ども施設のための環境配慮手引書」
(仮称)の作成
○子ども施設での騒音等を原因とした近隣とのトラブルを防止するために、下記(1)~(3)の内
容を盛り込んだ「子ども施設のための環境配慮手引書(仮称)」(以下「手引書」という。)を作
成すること。
○手引書の対象読者は施設管理者とし、騒音や設備の専門知識がなくても読みやすく、施設
整備や運営にあたり役立つものであること。
○事例収集にあたっては、文献等のほか必要に応じ関係者へのヒアリング等の現地調査を実
施すること。とくに地域と相互理解を深めるためのコミュニケーションの事例については、文献
等の間接情報だけではなく、直接関係者への調査を行うこと。
○手引書は A4 版、概ね 100 頁程度とし、150 部印刷するとともに、ホームページに掲載可能な
ファイル形式でも納品すること。
(1) 子ども施設を取り巻く状況
・待機児童数の増加等社会情勢の変化
・手引書策定の意義
等についてまとめること。
(2) 先進的な取組み事例、トラブルになった事例
・トラブル防止のための先進的な取組み事例を収集し、その手法について整理分析する(4
事例以上)。
・騒音等が原因で近隣トラブルとなった事例を収集し、その経緯、トラブルに至った要因、
解決に至った場合はその要因を整理分析する(2事例以上)。
・事例は国内外を問わないが、国内事例が中心であること。
・先進的な取組み事例については施設配置計画や防音設備等のハード面での対応、地
域コミュニケーションのあり方等のソフト面での対応のいずれもがバランスよく含まれてい
ること。
2
(3) 配慮事項の整理
・音に関する基礎的な知識(音の伝わり方、減衰の仕方等)について簡便に取りまとめる。
・(2)の事例調査で得られた知見に加え、文献調査等により、トラブル防止のための配慮事
項(二重窓や施設運営上の工夫など)についてリストアップしてとりまとめる。
・とりまとめにあたっては、施設を新規整備する際の計画、設計段階での対策、既存施設の
運営段階での対策の両方が含まれていること。
・二重窓や防音壁等のハード面での対策については、大まかな想定費用や期待できる騒
音の低減効果についてもまとめること。
(提案を求める内容)
・手引書の構成案や配慮事項の取りまとめ方について、提案してください。
・事例収集やヒアリング等現地調査の効率的、効果的な進め方について、提案してくださ
い。
・手引書に盛り込む内容として(1)~(3)は必須ですが、トラブル未然防止の観点から、対
象読者に分かりやすく役立つものとして、上記以外に盛り込むべき事項について、提案し
てください。
3 広報啓発の企画、実施
(1)パンフレットの作成、配布
○パンフレットは、手引書の概要と、子どもを地域全体で育むことの大切さを広く呼びかける
内容を盛り込んだ構成とする。
○パンフレットの対象読者は施設管理者の他、施設利用者(保護者など)及び一般府民など
多様な立場とする。
○子育てを社会全体で応援する機運を醸成するため、訴求力の高いデザインにすること。
○カラー版を基本とするが、ホームページ等からモノクロ印刷した場合でも読みやすいデザイ
ンであること。
○2,800 部印刷のうえ、府内の全ての子ども施設(約 2,300 ヶ所)に配布すること。配布対象施
設のリストは発注者より提供する。
また、ホームページに掲載可能なファイル形式でも納品すること。
(提案を求める内容)
・対象読者と事業趣旨を踏まえたパンフレットの構成案及び読みやすくする工夫について、
提案してください。
(2)シンポジウムの開催
○子育てを社会全体で応援する機運を醸成するため、子ども施設関係者や関係行政担当者
及び一般府民を対象としたシンポジウムを、少なくとも 1 回以上開催すること。
○シンポジウムの企画立案、会場・機材等の手配・設営、チラシ・ポスター等広報素材の作成・
印刷、登壇者との調整、謝金及び交通費の支払い、参加者の受付、当日の司会進行等を
3
行うこと。
○会場は、大阪市内で公共交通機関によるアクセスが良く、定員 300 人程度のところを選定
すること。
○来場者に対してパンフレットを配布するとともに、シンポジウムの内容に関するアンケートを
実施し、整理集計すること。また、アンケート項目については発注者と十分協議すること。
(提案を求める内容)
・シンポジウムの内容は手引書の内容報告、検討委員会委員等によるパネルディスカッショ
ン等を想定していますが、事業の意義、効果を参加者へ広く周知できるよう、適切な登壇
者、演題等を提案してください。
・シンポジウム開催の告知は発注者が府ホームページで行いますが、その他に効果的な方
法(チラシ、HP、新聞等)があれば、提案してください。
・シンポジウム開催以外に、本事業の成果を基に子育てに温かい社会づくり・機運の醸成に
つながる効果的な広報啓発手法について、併せて提案してください。
4
作業進行予定の策定
上記1~3 にかかる業務について、委託期間内に計画的かつ効率的に実施できるよう、実現
可能性が十分にわかるようなスケジュール表を作成すること。
(提案を求める内容)
・委託期間内に事業を完了するため、適切なスケジュール表を提案してください。
以下に発注者が想定している大まかなスケジュールを示すが、時期や内容について、事業者
からの提案を縛るものではない。
想定スケジュールのイメージ
時期
検討内容、実施業務
平成 28 年7月
・業務計画
(第 1 回検討委員会)
・事例調査計画
平成 28 年 9 月
・事例調査結果報告
(第 2 回検討委員会)
・手引書素案の検討
平成 28 年 12 月
・手引書案の検討
(第 3 回検討委員会)
・パンフレット案の検討
・シンポジウム企画案の検討
平成 29 年 2 月
・手引書、パンフレットの印刷、配布
・シンポジウム開催、アンケート実施、集計
平成 29 年 3 月
5
・業務実績報告書の作成
1~4の全般にかかる留意点
4
(1) 印刷物
手引書、パンフレット等の印刷物については、平成 28 年度大阪府グリーン調達方針
(http://www.pref.osaka.lg.jp/attach/1144/00023450/H28tyoutatuhousin.pdf)に適合する
ものであること。
(2) 著作権及び使用料
上記1~3に含まれる企画、画像等の著作権及び使用料等の費用については、すべて委
託金額内に含むものとする。また、契約期間終了後に、大阪府がその保有する広報媒体等
を活用して活動実績の公表などを行うにあたり、著作権使用料等が別途発生しないようにす
ること。
(3) 各種原稿データ
① 事業実施に関して企画提案し、作成する各種印刷物(シンポジウムの案内チラシ
等)の電子データについて、大阪府へ提出すること。
納品形式等については、下記のとおり。
(ア) 納品日:契約時に発注者と調整する。
(イ) 納品場所:大阪府(送付先の住所、内訳等については、契約時に調整)
(ウ) 納品形式
データを CD-R に格納(CD-R の盤面及びケースに、収録データの内容を表示する
こと)。
(エ) 納品数:1枚
② 広報啓発を目的に、原稿データを別の規格形式や圧縮方式等へ変更する場合、法
的または物理的制限がないこと。
③ ホームページその他の媒体に使用するため、必要に応じ発注者が指定するデータ形
式(静止画を含む)に変換を依頼する場合がある。
6
Ⅵ
その他留意点
・上記1~5 については、その最終決定に際し、発注者と協議の上、企画提案内容から
修正できるものとする。
・手引書及びパンフレットの内容は公表を前提とするため、個人情報の保護に十分配慮する
こと。
事業完了までに府へ提出するもの
(1) 実績報告書
印刷物
10 部
検討委員会の開催実績、事例収集結果の詳細な内容、シンポジウム開催状況の写
真、アンケート結果等事業の実施状況が確認できるものとすること。
(2)手引書 印刷物 150 部
(3)パンフレット 印刷物
2,800 部(うち、提出は関係施設及びシンポジウム参加者
への配布済みを除いた残余。
)
(4)手引書及び実績報告書の電子データを収録したCD-R 一式
Ⅶ
その他
(1) 事業の実施に際しては、発注者の指示に従うこと。
(2) あらかじめ発注者と調整したスケジュールで業務を行うこと。
(3) 業務遂行にあたっては、総括責任者を定めること。
(4)
本仕様書に定めのない事項については、発注者と受託者の協議のうえ、定めるも
5
のとする。
(5) 企画提案及び契約の手続きにおいて用いる言語及び通貨は日本語及び日本国の通
貨による。
(6) 受託者(下請け業者等すべての業者を含む。
)は、自動車の使用にあたっては、大
阪府生活環境の保全等に関する条例第 40 条の 15 に規定する車種規制適合車等の使
用義務を遵守すること。また、上記条例第 40 条の 14 第1項に規定する対象自動車
を使用した場合は、当該自動車の写真(車両登録番号(ナンバー)
)及び適合車等標
章(ステッカー)が1枚に写っているもの。
)並びに当該自動車を使用した日付、車
両登録番号及び適合車等標章の通し番号を記録したものを、本業務完了後に提出す
ること。
6