第3章 各診療科別研修プログラム VII. 精神科(⼼療内科) 管理指導医:梅⽥ 必須研修 幹⼈部⻑ 1. 研修プログラムの基本理念と特徴 精神科では話しやすい雰囲気にし、予⾒や前提なく、まず患者様の話を傾聴し、共感し、ありのま まを把握し、記載する。たとえ病識のない患者様にも、再び受診する意味を⾒つけてもらうよう努 ⼒する。このような⾯接の中で、患者と医師の信頼関係が成⽴するのである。この⾯接の⽅法は、 他の科では⾒られないもので、⾃ら患者様を受け持ち、指導を受けてこの⽅法を習得することは、 精神科研修の最も重要な⽬的の⼀つといえよう。これらは知識としてではなく、態度として⾝につ けていなければならない。 2. 研修内容 2 年次の必修診療科⽬として、1 ケ⽉間研修するほか、選択診療科⽬としてさらに研修を受けるこ とができる。 1) 受容的・⽀持的な精神科診察ができ、適正に記載できる。 2) ⼼理検査、CT検査、MRI検査、核医学(SPECT) 、神経⽣理学的検査(脳波など)を理 解し評価できる。 3) 各種の精神療法・⼼理療法の特性を理解する。適切な精神科薬物療法を理解する。 4) 症状精神病(せん妄を含む)、痴呆性疾患、アルコール依存症、気分障害、統合失調症、不安障 害、⾝体表現性障害、ストレス関連障害などの患者を担当医として経験する。 5) リエゾン精神医療や緩和医療を全⼈的・包括的医療として理解する。 3. 経験⽬標(経験すべき診察法・検査・⼿技) 1) 基本的な⾝体診察法 ① 全⾝の観察(バイタルサインと精神状態の把握、⽪膚や表在リンパ節の診察を含む) ② ができ、記載できる。 ③ 神経学的診察ができ、記載できる。 ④ 精神⾯の診察ができ、記載できる。 2) 基本的な臨床検査 ① 髄液検査 ② 神経⽣理学的検査(脳波、筋電図等) ③ 超⾳波検査(頚部ドップラー検査等) 3) 基本的⼿技 4) 基本的治療法 ① 受容的・⽀持的精神療法ができる。 ② 療養指導ができる。 ③ 薬物の作⽤、副作⽤、相互作⽤について理解し、精神科薬物療法(向精神薬を中⼼)ができ る。 ④ 輸液ができる。 5) 医療記録 ① 診療録(退院時サマリーを含む)をPOSに従って記載し、管理できる。 ② 処⽅箋、指⽰箋を作成し、管理できる ③ 診断書、死亡診断書(死体検案書を含む)、その他の証明書を作成し、管理できる。 ④ 紹介状、紹介状への返信を作成でき、それを管理できる。 4. 経験すべき症状・治療 1
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