第57回日本卵子学会 日 時 会 場 ランチョンセミナー5 日 2016年 5月15日 12:10∼13:10 第Ⅲ会場 朱鷺メッセ 新潟コンベンションセンター (3F 中会議室302)〒950-0078 新潟市中央区万代島6-1 座 長 佐藤 芳昭 先生 演 者 小林 淳一 先生 渡邉 英明 先生 ソフィアレディスクリニック 神奈川レディースクリニック 神奈川レディースクリニック ※本セミナーは整理券制です。当日の朝、総合受付周りで配布いたします。 共催 第57回日本卵子学会/フェリング・ファーマ株式会社 第57回日本卵子学会 ランチョンセミナー5 2016年5月15日(日)12:10~13:10 朱鷺メッセ 第Ⅲ会場302 当クリニックにおける培養士の役割 ∼医師の立場から、 培養士の立場から∼ 小林 淳一 先生、渡邉 英明 先生 神奈川レディースクリニック 1978年イギリスにおける世界初の体外受精児の誕生は、産婦人科医であったSteptoeと生殖生物学 者のEdwardsによってもたらされた。このEdwardsこそが胚培養士(エンブリオロジスト)のパイオニ アであり、彼の功績は彼が2010年にノーベル医学生理学賞を受賞したことからも容易に想像できる。 日本においては、生殖補助医療の黎明期には、医師が排卵誘発、採卵から胚移植、培養液の作成に至る までほぼ全ての業務を行っていたが、現在では媒精、受精卵の培養や精子の調整、胚の凍結などは多く の施設で胚培養士が行っている。生殖補助医療では、受精卵・胚の質が妊娠率などの臨床成績に直結し ていることは言うまでもなく、胚培養士自身のスキルや胚培養士が従事する培養室(ラボ)のQuality がクリニック・病院の臨床成績を左右する重要な要因の一つであることは周知の事実である。 しかしながら、この胚培養士の存在は、生殖補助医療の分野が他の医療分野とは一線を画する点で もある。日本における医療の現場では、医師をはじめとし医療に関わるスタッフのほぼ全てが国家資 格を有することで患者様に安心・安全を、言い換えれば一定の医療レベルを担保してきた。しかし、生 殖補助医療の分野において、その治療の中核を担う胚培養士には臨床検査技師の資格を有する者がい るものの、胚培養士としての国家資格が存在せず、その資格は特定の学会認定レベルに留まっている。 そのため、生殖補助医療において医師の指導・管理のもと胚培養士がどこまでの(医療)行為を行うべ きかというルールにも曖昧な部分が存在する。さらには各施設において胚培養士の技術レベルや専門 性にも差があるのが実状であり、このような現状を踏まえると「胚培養士の役割」は、各施設の規模や 専門性、また施設(医師)のスタンスによって大きく異なるであろう。 本ランチョンセミナーでは、神奈川レディースクリニックにおける胚培養士の役割を医師の立場か ら、また胚培養士の立場からお話しする。
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