稲作情報No.2

2016(H28).4.25
秋田地域振興局 農林部 農業振興普及課
稲作情報
No.2
Tel. 018-860-3410
Fax. 018-860-3834
適期田植えで、初期生育の確保を!
1.苗を老化させない育苗管理
【温度管理の留意点】
苗の生 育が進 み次第、 徐々に 管理温度を 低くします。温度管理の目安は下の図 を参考
にしてください。
また、被害の多いリゾープス菌(白い綿毛状のカビが種籾層に生える)は、発病後の防
除薬剤はありませんので、過度の乾湿や高温にならないよう注意し予防します。
田 植え 一週間 前頃からは、霜や 極端な低温の 心配がない 限り、夜間もハウスを解放し
て外気温に馴れさせます。
【育苗期の追肥】
育苗ロング肥料を使用しなかった場合は、追肥が必要です。稚苗は1.5葉期、中苗では
2葉期と3葉期に、窒素成分で箱あたり1gを目安とします。葉の肥料ヤケを防ぐため、
追肥後はかん水して洗い流します。
2.湖沼や河川の水環境に配慮した農作業を
水 田か ら排出 される濁水(泥水)は、湖沼や 河川の水質 を低下させる一要因として懸
念されていますので、代かき後や田植え前の濁水は流さないようにします。
ま た、 除草剤 散布や殺虫・殺菌剤の水面施用後7日間は 、落水・かけ流しを しないこ
とによって、薬剤の効果がきちんと確保されます。
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3.田植えは急がず、温暖な日を選んで
田 植え の適温は、日平均気温が稚苗で13℃以上、中苗が14℃以上です。でき れば最高
気温が20℃以上の日に行い、最高気温が15℃以下の日や強風の日は作業を見合わせます。
4月の気象経過と4~5月の平年気温
アメダス:秋田
(気象庁H.P.資料より作成)
ま た、 田植え 作業時に苗の取り 違え(品種の 間違い)や 、箱施用剤と除草剤の間違い
等が報告されています。特に使用薬剤は十分に確認をしてください。
4.田植え後は、水管理で生育促進
田植え後~活着までは、保温効果を高めるため水深を4cm程度とします。
活着が確認されたら、日照の多い日や温暖な日は浅水で水温・地温を高めます。
分 げつ の発生 は、日中と夜間の 温度差(日較差)が大きい環境で促進されます。この
ため 、か ん水は 水温の低い早朝に 短時間で行いましょう。 また、水温が低い地域では、
ポリチューブを用いるなど水温を上昇させるための工夫が必要です。
5.除草剤の適正使用で雑草対策は万全に
使用方法をよく読んで散布時期と散布量を守り、散布ムラがないようにしてください。
雑 草は 代かき 後から発生します 。代かきから田植えまでの日数が長くなると、散布適
期が短くなるので、特に注意が必要です。
除 草剤 の効果 を十分に発揮させるため、漏水対策をしっかり 行い、水深は5~7㎝を
確保 する よう水 管理の徹底を心がけましょう。 また、散布後一週間は、除草剤を効かせ
るため湛水状態を保ちましょう。
6.病害虫防除は適切に
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① いもち病
補植が終了したら、余り苗は直ちに水田内の泥に埋めてください。
畦畔や農道に裏返しても、発生源となる場合があります。
※耐性いもち病菌
昨年、QoI剤(ストロビルリン系剤)耐性いもち病菌が県内でも確認されました。苗いもちの
他、本田期のいもち防除でも、これらを含む薬剤(下表参照)は使用しないようにします。
表 主なQoI剤(ストロビルリン系剤)
種
類
箱施用剤
成
分
名
オリサストロビン
農
薬
名
嵐スタークル箱粒剤、嵐ダントツ箱粒剤、嵐プリンス箱粒剤6、
嵐プリンススピノ箱粒剤6、Dr.オリゼプリンスエース粒剤
オリサストロビン
水面施用剤 メトミノストロビン
嵐キラップ粒剤、嵐スタークル粒剤
イモチエース粒剤、イモチエースキラップ粒剤、
イモチエーススタークル粒剤、イモチミン粒剤、オリブライト1キロ粒剤
茎葉散布剤 アゾキシストロビン アミスターアクタラSC、アミスターエイト、アミスタートレボンSE
② ばか苗病
育苗中に、抜き取り除去して下さい。
③ 斑点米カメムシ(アカスジカスミカメ)
斑点米被害の原因となるアカスジカスミカメは、ノビエやホタルイ類の穂に産卵しま
す。このため、これらの雑草が水田内に繁茂すると多発し、被害が増加します。除草剤
を適切に使用して、水田内雑草の防除を徹底してください。
アカスジカスミカメの密度を低下させるには、田植え後からの水田周辺の雑草管理が
重要です。計画的に畦畔や農道、休耕田の草刈りを実施しましょう。
7.農作業事故を防ごう
農繁期の4/20~5/31は「春の農作業安全運動月間」です。
こ の時 期は、 耕起・代かき・田植作業などが続くため、 計画 的な作業に努め、健康管
理や農業機械の操作には十分注意し、農作業事故の発生を防ぎましょう。
次号は、6月13日頃に発行予定→ 「秋田
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