EU Indicators 欧州経済指標コメント:4月ドイツZEW景況感 発表日:2016年4月20日(水) ~4-6月期のスタートはまずまず~ 第一生命経済研究所 経済調査部 主席エコノミスト 田中 理 03-5221-4527 ・ 19日に発表された4月のドイツのZEW景況感指数(市場参加者の6ヶ月先の景況感、ゼロが好不況 の分岐点)は+11.2と前月から6.9ポイント改善。長期平均(+24.5)を引き続き下回っているものの、 マイナス圏への転落間近だった年初の推移から持ち直した。調査票の回答期間は4月4~18日。調査 時期の終盤に向けてDAX株価指数の反発局面と一致。全般的な市況の落ち着きが、市場参加者の景 況改善を後押しした模様。このところのユーロ高基調による輸出企業の採算悪化懸念を、世界経済に 対する過度な悲観論の後退が打ち消した格好。他方、同時に発表された現状判断は+47.7と極めて高 水準ながら、3ヶ月連続で低下。景気の勢いがやや削がれつつあるとの現状認識が広がっている。 ・ 調査項目の詳細をみると、国民投票を控えて不透明感が高まっている英国を除いて、主要先進国の先 行きの景気判断が改善し、長期金利・株価・原油価格の上昇が見込まれている。業種別の業況判断は、 自動車、化学、鉄鋼、電機、機械など輸出セクターの業況が前月対比で軒並み改善した一方、小売、 サービス、通信など内需セクターが高水準ながら前月対比でやや悪化。大手自動車会社の排ガス不正 問題をきっかけに業況低迷が続いていた自動車は、8ヶ月振りにプラス圏に復帰した。大手銀行の業 績不振やマイナス金利の影響が懸念される銀行・保険セクターの業況は、前月対比でやや改善したも のの、引き続き極めて低水準にある。 ■ドイツ:景気の現状・先行き判断 80 100 80 60 60 40 20 20 0 -20 0 -40 -60 -20 -80 -100 -40 ■ドイツ:ZEWの業種別景況感 景気の先行き判断(ZEW景況感) 景気の先行き判断(ZEW景況感) 景気の現状判断 景気の現状判断 07 12 08 13 09 10 14 11 15 12 80 80 60 60 40 40 出所:ZEW 建設 建設 銀行 電機 小売 一般機械 サービス 11 13 16 小売 20 00 -20 -20 -40 -40 -60 -80 -60 -100 -80 07 12 13 16 自動車 自動車 08 13 09 銀行 10 14 12 15 公益 出所:ZEW ■ドイツ企業景況感(季節調整済み) 2015 2Q ZEW景況感(先行き) 42.2 現状指数 66.3 Ifo景況感(総合) 108.3 現状指数 114.1 先行き指数 102.8 PMI製造業指数 51.7 サービス業指数 53.6 3Q 4Q 22.3 9.5 65.7 54.9 108.4 108.6 114.4 113.1 102.7 104.4 52.5 52.7 54.3 55.4 2016 1Q 5.2 54.2 106.6 113.1 100.4 51.2 55.1 2015 7月 29.7 63.9 108.1 114.1 102.5 51.8 53.8 8月 25.0 65.7 108.4 115.0 102.3 53.3 54.9 9月 12.1 67.5 108.6 114.1 103.3 52.3 54.1 10月 1.9 55.2 108.2 112.8 103.9 52.1 54.5 11月 10.4 54.4 109.1 113.5 104.8 52.9 55.6 12月 16.1 55.0 108.6 112.9 104.6 53.2 56.0 2016 1月 2月 3月 4月 10.2 1.0 4.3 11.2 59.7 52.3 50.7 47.7 107.3 105.7 106.7 - 112.5 112.9 113.8 - 102.4 98.9 100.0 - 52.3 50.5 50.7 - 55.0 55.3 55.1 - 出所:ZEW、Ifo、Markit 本資料は情報提供を目的として作成されたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。作成時点で、第一生命経済研究所経済調査部が信ずるに足る と判断した情報に基づき作成していますが、その正確性、完全性に対する責任は負いません。見通しは予告なく変更されることがあります。また、記載された内 容は、第一生命ないしはその関連会社の投資方針と常に整合的であるとは限りません。 1
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