受賞者の生産と経営の概要 - 一般社団法人 日本蕎麦協会

受賞者の生産と経営の概要
農林水産大臣賞
氏
所
在
てるお
北海道上川郡新得町
⑧耕種概要(10a当たり)
排水対策、耕起・整地
施肥・播種
防除・収穫
乾燥・調製
⑨費用合計(10a当たり)
⑩経営におけるそばの位置づけ
体
しみず
地
農 家 の 概 要
①経営耕地面積
②農作物別作付面積
そ
ば
作
①品 種
②面 積
③10a当たり収量
④収穫量(出荷量・出荷先)
⑤品 質
⑥機械化の現状
⑦労働時間(10a当たり)
付
のうえん
(農業生産法人)有限会社新得物産サホロ農園 (代表取締役 清水 輝男)
立 地・生 育 条 件 等
作
しんとくぶっさん
名
系
技 術 上 の 工 夫
経 営 の 特 徴 等
1.新得町は北海道の中心に位置し、東大雪の山々と日高山脈に抱かれた地
域となっている。
2.町の 90%を山林が占め、古くから林業が栄えてきた。農地は 4,900ha を
有し、畑地は標高 200~250m、火山性土壌がほとんどで明渠・暗渠基盤整
備も随時実施してきた。栽培ほ場は町の北側、サホロ地区の中心高台が主
である。
3.年平均気温 7.1℃、年間降水量 1,302mm、年間日照時間は 1,693 時間、
昼間は温暖、夜間は冷涼でそば作りには適した気象条件である。
①79.9ha(自作地 34.8ha、借地 45.1ha・畑 79.9ha)
②そば:70.8ha、野菜 9.1ha
〈平成 26 年産〉
①牡丹そば、牡丹そば特別栽培、キタワセソバ、レラノカオリ、ダッタンソバ
②28.4ha、8.0ha、18.0ha、12.2ha、4.2ha
③131kg、103kg、163kg、128kg、120kg(平均 135kg)
④95,528kg(95,528kg:㈲新得物産 100%)
⑤2 等、3 等、2 等、2 等、2 等(水分平均 15.0%、整粒歩合平均 83.4%)
⑥マニュアルスプレッダー、リバーシブルプラウ、ロータリー、プランタ、除草機、コンバイン(法人)
⑦1.43 時間(元肥散布 10 分、耕起 11 分、整地 20 分、播種 15 分、
中耕・除草・培土、収穫 30 分)
⑧
元肥散布(マニュアルスプレッダー)5/1~6/11
耕起(リバーシブルプラウ)5/7~6/20、整地(ロータリー)5/15~6/22
播種(プランタ)4~5.0kg/10aプランタ播,5/22~6/29
中耕・除草・培土 6/22~7/15、収穫(コンバイン)黒化率約 80%,8/26~10/1
JA新得町に委託
⑨31,303 円(労働費 11,271 円(雇用))
⑩玄そば販売(31%、平均 9,500 円/45kg)
畑:そば単作
1.農業体質基盤整備促進事業の活用等により3年にわたり排水対策とし
て暗渠を整備し、地力維持と町内生産堆肥処理問題対策と並行して有機
還元事業に取り組む。鳥獣害対策としては電気柵を設置。そばの作付面積
が多いため、播種時期の分散などにより自然災害等の影響を抑えるなど、
安定収量を確保するための各種技術的対策を行っている。
2.新品種レラノカオリ(多収化)、ダッタンソバ(高付加価値化)、特別栽培
牡丹そば(有機栽培)など品質改善にも取り組んでいる。
3.作付面積の拡大に合わせて機械化による生産コストの削減に取り組む
とともに、グループ会社を通じての生産・加工・販売の一体化、
「新得そ
ば」のブランド化を図りながら、
「新得そばの里まつり」などを通じて地
域振興に貢献している。
4.今後は作付面積 90ha を計画し、より一層の排水対策・地力維持により、
高品質・高収量を両立させ、農地の自己所有率向上、財務体質の強化と自
己資本比率の向上を図りながら、将来の設備投資に向けた大規模経営の
確立を目指している。
受賞者の生産と経営の概要
農林水産省政策統括官賞
氏
所
在
(農業生産法人)株式会社神門
地
北海道紋別郡雄武町
立 地・生 育 条 件 等
農 家 の 概 要
①経営耕地面積
②農作物別作付面積
そ
ば
作
①品 種
②面 積
③10a当たり収量
④収穫量(出荷量・出荷先)
⑤品 質
⑥機械化の現状
⑦労働時間(10a当たり)
⑧耕種概要(10a当たり)
排水対策、耕起・整地
施肥・播種
防除・収穫
乾燥・調製
⑨費用合計(10a当たり)
⑩経営におけるそばの位置づけ
作
付
体
じんもん
名
系
技 術 上 の 工 夫
経 営 の 特 徴 等
いしい
ひろみち
代表取締役 石井 弘道
1.雄武町は夏季はオホーツク海高気圧の影響を受け、気温が上がらず冷害
が発生するなど厳しい気象条件に加え、土壌のほとんどが低位生産性の
重粘土という条件のため酪農経営に特化してきた。近年はダッタンソバ
の作付などでこれらの不利な条件を克服している。
2.4~11 月の平均気温は平年値で 10.8℃、平成 26 年は 11.4℃、年間降水
量は平年値で 689mm、平成 26 年は 896mm で平年に比べてやや暖かく雨量
も多かった。
3.近年は異常気象による集中豪雨と強風により倒伏被害が発生している。
①144.8ha(借地 144.8ha・畑 144.8ha)
②そば:144.8ha
〈平成 26 年産〉
①満点きらり(ダッタンソバ)
②144.8ha
③91kg
④131,985kg(131,985kg:㈲長命庵、㈲カイセイ商事 100%)
⑤3 等(水分 15.0%)
⑥ブロードキャスター、3 連プラウ、デスクハロー、播種機、コンバイン、循環型乾燥機(個人)
⑦1.47 時間(元肥散布 2 分、耕起 7 分、整地 19 分、播種 17 分、
収穫 16 分、乾燥 12 分・調製・袋詰 15 分)
⑧
耕起(3 連プラウ)前年 11 月中旬、元肥散布(ブロードキャスター)5 月下旬~6 月下旬、
整地(デスクハロー)5 月下旬~6 月下旬
播種(播種機)4.5kg/10aドリル播, 5 月下旬~6 月下旬
収穫(大型・汎用コンバイン)黒化率 90%,8 月下旬~9 月下旬
乾燥(循環型乾燥機)8 月下旬~9 月下旬、調製・袋詰(比重選別機・石抜機・
計量機) 8 月下旬~9 月下旬
⑨14,059 円(労働費 2,170 円(自家))
⑩玄そば販売(100%、平均 7,730 円/45kg)
畑:そば単作
1.雄武地区は土壌が粘土質ということもあって、毎年秋に耕起を行い、肥
料には有機肥料(発酵鶏糞ペレット)も散布することで土壌改良を着実に
実施している。
2.ダッタンソバの優良品種である「満点きらり」の栽培促進に努めており、
耕作放棄地の再生・利用に有効活用している。雄武町はダッタンソバの作
付面積が日本一であり、今後は地域特産物の開発による6次産業化を進
めて町の特産品となるようにするとともに、消費者への認知を向上させ
たいと考えている。
3.ダッタンソバを導入したのは、ルチン等の機能性が健康食品として注目
されていることと、栽培条件に合っていたためである。
4.当該地区には耕作放棄地や使われていない農地が多くあるため、町の農
業活性化のためにもそうした農地を有効活用し、基盤整備の実施も含め
て作付面積を 20ha 拡大してゆく計画である。
5.
「北海道ダッタンソバ生産者協議会」会員
受賞者の生産と経営の概要
全国農業協同組合中央会会長賞
氏
所
在
名
株式会社ばんば
地
新潟県十日町市
立 地・生 育 条 件 等
集 団 の 概 要
①経 営 耕 地 面 積
②農作物別作付面積
そ
ば
作
①品 種
②面 積
③10a当たり収量
④収穫量(出荷量・出荷先)
⑤品 質
⑥耕種概要(10a当たり)
労働時間
機械化の現状
播種(10a当たり播種量)
収穫
乾燥
調製
⑦費用合計(10a当たり)
作
付
体
系
技 術 上 の 工 夫
経 営 の 特 徴 等
とみい
よしつみ
(代表取締役 富井 吉積)
1.十日町市は新潟県の南部、長野県との県境に位置している。市の東側に
は魚沼丘陵、西側には東頸城丘陵の山々が連なり、中央部には日本一の大
河・信濃川が南北に流れることで、川の浸食による雄大な河岸段丘ととも
に市の中心部をなす十日町盆地が形成されている。
2.ほ場は十日町市馬場地区の標高 180~350m の台地上で、排水条件の良
い畑地を中心とした場所にある。
3.年平均気温 11.7℃、年間降水量は 2,496mm で、年間の 1/3 が降雪期間
であり、年間降水量の約半分が主に雪として 11~2 月に集中するため、
冬季の平均積雪深は 2m を超える全国有数の豪雪地域である。平成 26 年
は 8 月中~下旬の連続降雨が収量低下につながった。
9 戸(専業農家 9 戸)
①23.8ha(借地 23.8ha・水田 5.0ha、畑 18.8ha)
②そば 19.0ha、水稲 4.6ha、大豆 2.8ha
〈平成 26 年産〉
①信濃 1 号
②19.0ha
③82kg
④15,500kg(6,500kg:農協 54%、㈱永江製粉 46%)
⑤3 等(水分 14.8%・千粒重 32.3g)
⑥
3.50 時間(耕起 50 分、播種・元肥散布 55 分、収穫 30 分、乾燥 40 分、
調製・袋詰 30 分)
法人所有
トラクター+播種機、動力散布機(5.0kg/10a 条播、8.0kg/10a 散播)8/1~16
コンバイン(黒化率 80%)10/25~11/7
循環型乾燥機 10/25~11/7
粗選機・唐箕・石抜機 10/25~11/7
⑦35,663 円(労働費 4,200 円(雇用))
水田:そば単作、畑:そば・大豆輪作
1.ほ場は畑地が中心であるが、耕作放棄地を再生させた小区画で条件の不
利なほ場や水田転作で排水性の悪いほ場もあるため、条件に応じた播種
方法を選択している。また、適期播種により単収の向上が見られた。
2.地力維持のための鶏糞堆肥の使用、畑作における大豆との輪作、毎年の
種子更新などにより品質向上を図り、平成 26 年産では 3 等が 99%、平成
27 年産ではほぼ全量が 1 等となっている。また、自社で製粉加工して出
荷するそば粉については、科学的な成分分析の結果に基づいて食味・品質
を向上させる取り組みを行っている。
3.当該地域は「へぎそば」が有名な地域で、古くからそばの文化が根付い
ていた。現在もそばの専門店も多く、今後の需要が見込めることからそば
の栽培を導入した。また、そばの栽培により耕作放棄地の再生や地産地消
にもつながることから、地域振興にも結びつくと考えている。
4.実需・生産者・行政機関で構成される「十日町地域そば生産者・実需者
交流会」に参加するなどして、常に実需が求めるそば生産について研究・
研鑽を重ねている。
受賞者の生産と経営の概要
全国農業協同組合中央会会長賞
氏
名
所
在
地
立 地・生 育 条 件 等
農 家 の 概 要
①経営耕地面積
②農作物別作付面積
そ
ば
作
①品 種
②面 積
③10a当たり収量
④収穫量(出荷量・出荷先)
⑤品 質
⑥機械化の現状
⑦労働時間(10a当たり)
⑧耕種概要(10a当たり)
排水対策、耕起・整地
施肥・播種
防除・収穫
乾燥・調製
⑨費用合計(10a当たり)
⑩経営におけるそばの位置づけ
作
付
体
系
技 術 上 の 工 夫
経 営 の 特 徴 等
まつ
た
松 田
ちょう
長
た
ろう
太 郎
福井県大野市
1.大野市は福井県の東部に位置し、北は石川県、東と南は岐阜県に接して
いる。四方を山に囲まれ、市全体が中山間地域に指定されており、盆地特
有の気候である。
2.栽培ほ場は市内の小山地区・下庄地区である。ほ場整備事業を推進して
きたため、標準区画による整備が進んでおり、生産コストの縮減が図られ
てきた。
3.積雪寒冷で昼夜の日較差が大きい内陸型の気候となっている。平成 27
年は 8 月中旬から 9 月上旬までの日照不足と、8 月後半に比較的気温が低
く推移したことが影響したが、収量は平年並みであった。
①28.5ha(自作地 3.3ha、借地 25.2ha・水田 28.5ha)
②そば:20.7ha、水稲 7.6ha、麦類 18.7ha
〈平成 27 年産〉
①大野在来
②20.7ha
③67kg
④13,975kg(13,660kg:JAテラル越前 100%)
⑤1 等(水分 14.3%・容積重 671g)
⑥トラクター、ディスクロータリー、ロータリーシーダー、リッチャー他(個人)・汎用コンバイン(共同)
⑦2.42 時間(排水・溝掘 20 分、元肥散布 25 分、耕起 25 分、整地 25 分、
播種 25 分、収穫 25 分)
⑧
排水・溝掘(トラクター、ディスクロータリー)7/20~27、元肥散布(トラクター、ロータリーシーダー)8/1
~11、耕起(トラクター、ロータリーシーダー)8/1~11、整地(リッチャー)8/1~11
播種(ロータリーシーダー、リッチャー)5.0kg/10a条播,8/1~11
中耕・除草・培土(草刈機)月 1 回、収穫(汎用コンバイン)黒化率 30~50%(早刈
り)80~100%(通常),10/16~11/7
JAに委託
⑨25,836 円(労働費 1,354 円(自家・雇用))
⑩玄そば販売(31%,平均 20,000 円/45kg(早刈り)18,000 円/45kg(普通))
水田:そば・大麦・水稲輪作、そば単作
1.排水対策として、4m 間隔で細かく溝を入れるとともに、大麦後のほ場
を活用して水はけを良くしている。化学肥料・農薬は使用せず、地力と有
機肥料のみで栽培している。受粉には地元養蜂家と協力している。
2.作付の約 1/3 を「早刈りそば」として出荷しており、また、特別栽培に
より実需者からの評価が高く、JAが実需者と直接契約を結んで、他の生
産者のものとは区別して高価格販売を行っている。
3.認定農業者・指導農業士として地域農業の中心的存在であり、地元高校
の家庭科実習へのそば粉提供、県農業試験場と共同で生産技術の改良に
取り組むなど、食育や地域農業へ貢献している。
4.そばの契約販売先を拡大するため、JAと協力しながら、県や地元金融
機関等が開催するマッチング商談会への積極的な参加を検討している。
また、そばのさらなる品質向上に向けた栽培技術の改良や鳥獣害(イノシ
シ)対策にも取り組んでいる。
受賞者の生産と経営の概要
全国農業協同組合中央会会長賞
氏
名
所
在
地
立 地・生 育 条 件 等
集 団 の 概 要
①経 営 耕 地 面 積
②農作物別作付面積
そ
ば
作
①品 種
②面 積
③10a当たり収量
④収穫量(出荷量・出荷先)
⑤品 質
⑥耕種概要(10a当たり)
労働時間
機械化の現状
播種(10a当たり播種量)
収穫
乾燥
調製
⑦費用合計(10a当たり)
作
付
体
系
技 術 上 の 工 夫
経 営 の 特 徴 等
はらさと ち
く すいでんてんさく か ん り くみあい
原里地区水田転作管理組合
かつまた
よしのり
(代表者 勝亦 慶徳)
静岡県御殿場市
1.御殿場市は静岡県東部に位置し、富士山周辺や箱根観光への交通拠点の
高原都市である。高速道路が近く交通条件も良好で、東京・横浜などの経
済圏・通勤圏内となっている。
2富士山・箱根山に囲まれ、標高 250~700m の高冷地で、冷涼な気候を活か
して米・水かけ菜・わさび等の栽培が盛んである。原里地区は基盤整備が
行われているものの小区画のほ場が多い。土壌は黒ボク土で保水性・透水
性にすぐれるが、不透水層のまさ土があるため排水対策が必要となる。
3.年平均気温 12.9℃、年間降水量は 2,819mm、湿度が高く霧が発生するこ
とが多い。平成 26 年は 9 月上旬の多雨で湿害を受けたほ場があった。
17 戸(専業農家 15 戸・兼業農家 2 戸)
①16.5ha(借地 16.5ha・水田 15.5ha、畑 1.0ha)
②そば 16.5ha
〈平成 26 年産〉
①信濃 1 号
②16.5ha
③46kg
④7,567kg(全量製粉後JA御殿場を通じて地元で消費)
⑤規格外(水分 15.0%)
⑥
4.00 時間(排水・溝掘 20 分、元肥散布 25 分、耕起 50 分、整地 25 分、播種
10 分、収穫 25 分、乾燥 5 分、調製・袋詰 80 分)
個人所有・共同利用・JAレンタル
動力散布機(7.0kg/10a 散播)8/15~19
汎用コンバイン(黒化率 90%)10/11~22
循環型乾燥機 10/11~23
選別機、唐箕、石抜機他 10/20~27
⑦22,110 円(労働費 4,590 円(雇用))
水田・畑:そば単作、そば・スイートコーン輪作
1ほ場のほとんどが水田のため、明渠設置・深耕および心土破砕を行い、排
水対策を実施している。適期収穫を心がけるとともに、収穫時の天候や石
混入の防止、低温乾燥など品質を高めるよう努めている。農産物検査では
平成 26 年産は規格外だったが、平成 27 年産は 1 等となった。
2.集落営農組織として地域営農を守ることを使命として、荒廃農地をなく
して地域の自然環境の維持や地域振興につなげるべく、そば栽培に率先
して取り組んできた。結果として平成 26 年には御殿場市のそば生産面積
の半分を占めるに至った。
3.平成 5 年頃までは水田転作作物として、ゴルフ場の野芝の栽培が盛ん
だったが、需要減少にともなって耕作放棄地が増加した。これを解消する
ために古くから地域で栽培されてきたそばに着目し、景観保護の観点か
らもそばの栽培を導入した。今後も作付面積を維持する予定である。
4.収穫したそばは全て製粉まで行い、JAを通じた注文販売をはじめ、直
売所やそば店に出荷し、全量を地産地消している。また、JAが主催する
グリーンツーリズムのイベントにも積極的に関わり、地域の子供たちの
食育や農業体験の場を通じて、地域農業・地域振興の一翼を担っている。
受賞者の生産と経営の概要
全国農業協同組合中央会会長賞
氏
所
在
地
愛媛県西予市
集 団 の 概 要
①経 営 耕 地 面 積
②農作物別作付面積
そ
ば
作
①品 種
②面 積
③10a当たり収量
④収穫量(出荷量・出荷先)
⑤品 質
⑥耕種概要(10a当たり)
労働時間
機械化の現状
播種(10a当たり播種量)
収穫
乾燥
調製
⑦費用合計(10a当たり)
付
体
ば けんきゅうかい
そば 研 究 会
立 地・生 育 条 件 等
作
そ
名
系
技 術 上 の 工 夫
経 営 の 特 徴 等
いのうえ
やすお
(代表者 井上 安男)
1.西予市は四国の南西部に位置し、面積は愛媛県で第 2 位の広さを誇っ
ている。海抜 0~1,400m の恵まれた地形を有しており、農業分野において
も多彩な取り組みが展開されている。
2.宇和地区は標高 200m の盆地となっており、県下においても有数の米ど
ころであり、そばについても産地化を進めている。
3.年平均気温 14.9℃、年間降水量 1,899mm で夏は昼夜の気温差が大きい。
霧が発生しやすいため、秋そばの刈取りをあまり遅くはできないが、気温
の低下があるため収穫のタイミングが難しい。
9 戸(専業農家 8 戸・兼業農家 1 戸)
①20.6ha(借地 20.6ha・水田 20.6ha)
②そば 20.6ha
〈平成 26 年産〉
①在来早生、信州大そば
②17.3h、3.3ha
③46kg、34kg
④9,090kg(8,258kg:㈱愛麺 100%)
⑤規格外、規格外
⑥
9.17 時間(排水・溝掘 30 分、元肥散布 40 分、耕起 40 分、整地 30 分、
播種 50 分、収穫 30 分、乾燥 300 分、調製・袋詰 30 分)
個人所有・共同利用
播種機(4.0kg/10a ドリル播・散播)8/20~9/10
汎用コンバイン(黒化率 80%)11/10~25
乾燥機・自然乾燥 11/15~30
調製機・石抜機・唐箕 11/16~12/1
⑦16,574 円(労働費 3,173 円)
水田・畑:そば・水稲輪作、そば・タバコ輪作
1.収量の安定を図るために毎年、栽培研修会を行っており、適期播種・排
水対策・施肥・適期収穫等について情報提供をしている。
2.種子更新の推進や優良品種の導入、適切な乾燥・調製などを行い、品種
固有の特性が発揮されるよう、実需者が求める優良な玄そばの生産を進
めている。乾燥・調製については施設を共同化しており、水分調整や異物
除去などについて十分に調整している。
3.機械化や契約栽培を進めるとともに、地場加工による付加価値の向上に
も取り組んでいる。宇和地区は米・麦・大豆のブロックローテーションを
基本としているが、そばという新たな作物の導入により水田の高度利用
を目指している。
4.実需者として製麺業者である㈱愛麺と契約栽培をしているため安心し
て栽培を行うことができる。また、収穫祭を実施するなどそばの産地とし
てのPR等も積極的に行っており、地域を巻き込んだ取り組みにも力を
入れている。また、JAと製麺業者や関係機関が連携することで生産から
加工まで一貫した取り組みを行うことができ、新たな商品開発を行うこ
とも可能である。
5.今後は作付面積の増加とともに、単収増加など生産性を向上させたい。
受賞者の生産と経営の概要
一般社団法人 日本麺類業団体連合会会長賞
氏
所
在
福島県喜多方市
⑧耕種概要(10a当たり)
排水対策、耕起・整地
施肥・播種
防除・収穫
乾燥・調製
仁
1.喜多方市は福島県の北西部、会津盆地の北に位置し、北西に飯豊連峰、
東には磐梯山を望む雄国山麓が裾野を広げる豊かな自然に恵まれた地域
で、市域の 67.7%を林野が占めている。
2.ほ場の土壌は灰色低地土で砂礫の下層土の地域や粘質土の地域がある
が肥沃である。基盤整備は昭和 64 年に完了している。
3.年平均気温約 11℃、年間降水量は 1,200mm、夏は高温多湿で 11~2 月は
日照時間が極端に短く、積雪量は 1~1.5m となる。春・秋は日中と夜間の
気温差が大きく、秋には霧も多いので、そばの栽培に適した気候である。
平成 27 年は気象条件が良く、例年(60kg/10a)よりも高単収となった。
①24.3ha(自作地 4.0ha、借地 20.3ha・水田 13.0ha、畑 11.3ha)
②そば:12.9ha、水稲 4.2ha、麦類 9.0ha、大豆 3.4ha
〈平成 27 年産〉
①キタワセソバ、会津のかおり
②4.0ha、8.9ha
③146kg、53kg
④10,575kg(10,549kg:県内そば店 30%、県外製粉会社 30%、県外商社 40%)
⑤1 等(水分 15.1%・千粒重 34.9g)、2 等(水分 16.0%・千粒重 33.1g)
⑥トラクタ、プラソイラ、施肥同時播種機、コンバイン、汎用・循環型乾燥機他(個人)
⑦3.10 時間(排水・溝掘 15 分、耕起 20 分、播種・元肥散布 20 分、
収穫 20 分、乾燥 96 分・調製・袋詰 15 分)
⑧
排水・溝掘(トラクタ-、プラソイラ)4/14~15、耕起(トラクタ-)4/20~5/3
播種・元肥散布(トラクタ-、施肥同時播種機)7.0、5.0kg/10a散播、条播,4/27~5/4
⑨費用合計(10a当たり)
⑩経営におけるそばの位置づけ
体
ひとし
地
農 家 の 概 要
①経営耕地面積
②農作物別作付面積
そ
ば
作
①品 種
②面 積
③10a当たり収量
④収穫量(出荷量・出荷先)
⑤品 質
⑥機械化の現状
⑦労働時間(10a当たり)
付
とう
佐 藤
立 地・生 育 条 件 等
作
さ
名
系
技 術 上 の 工 夫
経 営 の 特 徴 等
収穫(汎用コンバイン)黒化率 70~80%,7/19~25
乾燥(粗選機、汎用・循環型乾燥機)7/19~25、調製・袋詰(選別機・磨き
機)7/20~8/5
⑨29,908 円(労働費 3,983 円(自家)474 円(雇用))
⑩玄そば販売(46%、平均 12,587 円/45kg)
水田・畑:小麦・そば・大豆輪作
1.そばを中心に小麦や大豆を組み合わせ、土地利用型作物の作付を実施し
ている。土壌の種類が幅広いため、排水不良の水田ではプラソイラやサブ
ソイラらにより耕盤破砕・心土破砕を行い、地下排水の促進及び通気性の
確保を図り、明渠は必ず行っている。
2.機械類を自己で装備し、適期作業を行うように余裕を持った管理を行っ
ている。輪作により排水対策や肥培管理は後作では省略でき、雑草の生育
も抑えられるため作業効率が上がっている。
3.種子はそれぞれ単品種しか栽培していない農家から購入し、自家採種は
しない。夏そばは県外業者の要望による「キタワセ」
、秋そばはそば店の
要望による「会津のかおり」を栽培し、適期収穫と乾燥・調製に手間をか
けることで、実需者が積極的に買い入れてくれる品質の良いそばに仕上
げている。
4.実需者の要請に応えるそば作りを目指して、生産に専念するために単独
の6次産業化ではなく、地域内分業による地域6次化を考えている。
受賞者の生産と経営の概要
一般社団法人 日本麺類業団体連合会会長賞
氏
名
所
在
地
立 地・生 育 条 件 等
農 家 の 概 要
①経営耕地面積
②農作物別作付面積
そ
ば
作
①品 種
②面 積
③10a当たり収量
④収穫量(出荷量・出荷先)
⑤品 質
⑥機械化の現状
⑦労働時間(10a当たり)
⑧耕種概要(10a当たり)
排水対策、耕起・整地
施肥・播種
防除・収穫
乾燥・調製
⑨費用合計(10a当たり)
⑩経営におけるそばの位置づけ
作
付
体
系
技 術 上 の 工 夫
経 営 の 特 徴 等
しげ
た
茂 田
まさ
はる
正 治
茨城県結城市
1.結城市は関東平野のほぼ中央、茨城県西北端の県境に位置し、海抜 38.6m
に立地し、標高 20~45m のゆるやかな台地に広がっている。
2.そばは市の南部に位置する平坦な台地を有する山川地区で栽培され、鬼
怒川の河川敷などでも栽培されている。市域の南部は鬼怒川流域のもっ
とも安定した肥沃な沖積層の水田地帯と、洪積層の畑地に分かれ、古くか
ら農業が盛んで、関東平野でも比較的安定した農業地域である。
3.気候は比較的温暖で、年平均気温 13.2℃、年間降水量は 1,341mm、東京
に比べやや内陸性は帯びているものの、典型的な太平洋岸式気候である。
四季を通じて晴天の日が続くなど気象条件には恵まれている。平成 27 年
は収量・品質ともに良好であったが、9 月に発生した「関東・東北豪雨」
により、鬼怒川河川敷に作付していたそばが被害にあった。
①14.0ha(自作地 1.5ha、借地 12.5ha・水田 10.0ha、畑 3.5ha、その他 0.5ha)
②そば:4.9ha、水稲 10.4ha、野菜 0.2ha
〈平成 27 年〉
①常陸秋そば
②4.9ha
③120kg
④5,868kg(4,600kg:県外そば店他 100%)
⑤1 等(水分 16.0%・千粒重 40g)
⑥ブロードキャスター、ローターリー、プラウ、ロタリーシーダ、汎用コンバイン、乾燥機他(個人)
⑦1.55 時間(元肥散布 10 分、耕起 15 分、整地 40 分、播種 15 分、
収穫 10 分、乾燥 10 分・調製・袋詰 3 分)
⑧
元肥散布(ブロ-ドキャスター)8 月上旬、
耕起(ロータリー)6 月中旬~8 月下旬、整地(プラウ)6 月中旬
播種(ロータリーシーダ)6.5kg/10a条播,8/21~23
収穫(汎用コンバイン)11/7
乾燥(乾燥機)11/7~9、調製・袋詰(籾摺機)11/9
⑨17,905 円(労働費 2,325 円(自家))
⑩玄そば販売(4%、平均 18,000 円/45kg)・そば粉販売(1%、平均 1,000 円/kg)
水田・畑:大麦・トウモロコシ・飼料作物・そば輪作
1.農薬を使用せず、河川の汚染防止や消費者に対する安全安心に努めてい
て、経営の柱である養豚から出る糞尿を有効活用し地力増進を図ってい
る。また、心土破砕を行って排水対策を実施している。
2.種子更新率 70%を順守し、乾燥や調整にも配慮することで、香りや風
味が良い「常陸秋そば」のブランドの特性を活かすようにしている。
3.そば店との播種前契約や地元直売所・庭先販売に加え、20 年前からホ
ームページを作り、いち早くインターネット販売に取り組んできた。
4.そばを導入したのは養豚から出る糞尿の有効活用を図り、田・畑を集約
化するためである。今後は実需者に応える安定収量・品質確保のために同
規模での作付とし、契約数量に対して安定的供給を目指す。
5.(公社)茨城県農林振興公社主催「平成 27 年度第 26 回茨城県そば共進
会」において最優秀賞を受賞。
受賞者の生産と経営の概要
一般社団法人 日本麺類業団体連合会会長賞
氏
名
所
在
地
立 地・生 育 条 件 等
農 家 の 概 要
①経営耕地面積
②農作物別作付面積
そ
ば
作
①品 種
②面 積
③10a当たり収量
④収穫量(出荷量・出荷先)
⑤品 質
⑥機械化の現状
⑦労働時間(10a当たり)
⑧耕種概要(10a当たり)
排水対策、耕起・整地
施肥・播種
防除・収穫
乾燥・調製
⑨費用合計(10a当たり)
⑩経営におけるそばの位置づけ
作
付
体
系
技 術 上 の 工 夫
経 営 の 特 徴 等
やなぎ
柳
だ
田
みさお
操
茨城県土浦市
1.土浦市は東京から約 60km、茨城県南部に位置し、鉄道・道路などの交
通網が整っており、県南部の中核都市となっている。
2.市内新治地区筑波山麓から新治台地(黒ボク土壌で排水良好、標高 30m
前後)を経て桜川下流域の水田地帯に至る生産力の高い地域である。そば
は新治台地の大畑・藤沢地区で主に栽培されている。
3.気候は比較的温暖で年平均気温 14.4℃、年間降水量は 1,187mm、平成 27
年は播種後の日照不足で初期生育が良くなかった。また、収穫期が温暖だ
ったため落葉が進まず、ロスが多くなり収穫歩留りが低下した。
①19.7ha(自作地 1.7ha、借地 18.0ha・水田 7.3ha、畑 12.4ha)
②そば:12.0ha、水稲 7.3ha、大麦 12.0ha、花 0.4ha
〈平成 27 年産〉
①常陸秋そば
②12.0ha
③108kg
④12,960kg(12,510kg:土浦農業公社 44%、そば店 22%、その他 34%)
⑤1~2 等(水分 15.5%)
⑥マニュアルスプレッダー他(共同)・ロータリー、ブロードキャスター、汎用コンバイン他(個人)
⑦3.80 時間(堆肥散布 30 分、排水 12 分、耕起 18 分、元肥散布 30 分、耕起
18 分、播種 24 分、防除 30 分、収穫 18 分、乾燥 30 分・調製・袋詰 18 分)
⑧
堆肥散布(マニュアルスプレッダー)6/10~17 排水(プラソイラ)6/20~27、耕起(ロ
ータリー)7/1~7 基肥散布(ブロードキャスーター)7/7~15、耕起(ロータリー)7/15~31
播種(ロ-タリーシーダー)4.6kg/10aドリル播,8/5~12
防除(ブームスプレーヤー)9/19、収穫(汎用コンバイン)黒化率 80%,10/26~11/7
乾燥(遠赤外線乾燥機)10/26~11/8、調製・袋詰(選別機他)10/27~11/10
⑨25,665 円(労働費 3,800 円(自家))
⑩玄そば販売(26%、平均 14,000 円/45kg)
水田・畑:大麦・そば輪作
1.湿害防止のため作付は全て畑地で実施し、麦・そばの作付前にそれぞれ
プラソイラを使って排水対策を行い、堆肥を散布して地力増進を図ると
ともに石灰の施用で土壌改良を行っている。
2.個人・共同利用により機械化を進めてコスト低減に努めている。省力化
により作業をほぼ1名で行うようにし、地域農家の信頼により自宅作業
場付近にほ場を集約させて移動時間を短縮している。
3.市農業公社および地元そば店との播種前契約により経営の安定を図り、
父親が行っている近隣小中学校の総合学習の協力に対してそば粉やほ場
を提供したり、地産地消・地域振興に貢献している。
4.当初は水田転作作物としてそばを導入したが、湿害等により生育が安定
せず、収量・品質も低かった。その後、作付を見直して畑地で栽培するよ
うになり、様々な対策を行ったことで現在は農業収入の半分を占めるま
でになった。
5.(公社)茨城県農林振興公社主催「平成 27 年度第 26 回茨城県そば共進
会」において優秀賞を受賞。
受賞者の生産と経営の概要
全国蕎麦製粉協同組合理事長賞
氏
所
在
株式会社若宮ばくさく
地
福島県河沼郡会津坂下町
立 地・生 育 条 件 等
集 団 の 概 要
①経 営 耕 地 面 積
②農作物別作付面積
そ
ば
作
①品 種
②面 積
③10a当たり収量
④収穫量(出荷量・出荷先)
⑤品 質
⑥耕種概要(10a当たり)
労働時間
機械化の現状
播種(10a当たり播種量)
収穫
乾燥
調製
⑦費用合計(10a当たり)
作
付
体
わかみや
名
系
技 術 上 の 工 夫
経 営 の 特 徴 等
うちうみ
代表取締役 内海
じゅんいち
淳一
1.会津坂下町は会津盆地の西部に位置し、越後街道の宿場町として発展し
てきた。町の中部から東部は盆地が拡がり比較的平坦で水田が多いが、西
部は山林が多い。
2.当該栽培ほ場が位置する若宮地区は町の南~南西部に位置し、標高は
180~210m の平坦な水田地域である。
昭和 59 年から平成4年にかけて 30a
区画に整備され、灌漑水は容易になり乾田化した。
3.日本海性気候に属し、年平均気温 11.7℃、年間降水量は 1,200mm、夏は
高温多湿、冬は日照時間が少なく、春・秋は気温の日較差が大きく、秋は
霧が発生する日が多い。
8 戸(専業農家 8 戸)
①53.1ha(借地 53.1ha・水田 39.0ha、畑 14.1ha)
②そば 14.3ha、水稲 36.5ha、野菜 0.6ha
〈平成 26 年産〉
①在来種
②14.3ha
③93kg
④13,252kg(12,712kg:JA会津みどり 39%、個人販売 32%、そば店 28%)
⑤規格外(水分 15.5%)
⑥
1.90 時間(元肥散布 20 分、耕起 20 分、播種 20 分、収穫 20 分、乾燥 24 分、調製・袋詰 10 分)
共同利用
トラクター、ブロードキャスター他(7.5kg/10a 散播)8/3~8/7
コンバイン(黒化率 80%)10/26~29
循環型乾燥機 10/26~30
籾摺り機、米選別機、軽量・袋詰機 11/9~12
23,378 円(労働費 1,615 円(自家))
水田・畑:そば単作、そば・小麦二毛作
1.小麦とそばの二毛作を実施し、雑草対策と麦わらのすき込みによる地力
維持、農産物の売上向上を実現している。
2.低温乾燥によるそばの風味維持、地域で好まれる白めのそば粉に仕上げ
るため歩留りを 53%程度に抑えるなど、乾燥・調製・製粉に気を配り、
品質を高める努力をしている。町営温泉施設で使用する玄そばの契約に
よる販売先確保で収益改善も図っている。
3.法人としては機械の共同利用や販売ルートの1本化で農家と連携して
いる他、福島県内の地域おこしや雇用確保に結びつける「プロジェクト
F21」に参画し、福島大学・福島県飲食業生活衛生同業組合・酒造会社が
始めたそば焼酎作りに加わった。そば焼酎「福島の風 出逢い」は平成 15
年に完成、モンドセレクションの金賞を受賞するなどした。当社からは年
1,500kg の玄そばを提供し、年間 7,000 本の焼酎が製造されている。
4.町内・町外のそば刈入れの作業受託を行い、広範囲の地域農業に貢献し
ている。また、会津盆地西端の稲作に適さない場所や遊休農地を活用して
そばの作付を行い、耕作放棄の防止を通じて景観保全に寄与している。
5.
「若宮麦生産組合」からスタートし、平成 19 年に株式会社化した。今後
も作付面積は増加傾向にあるが、単収の向上が課題である。
受賞者の生産と経営の概要
全国蕎麦製粉協同組合理事長賞
氏
所
在
福井県大野市
⑧耕種概要(10a当たり)
排水対策、耕起・整地
施肥・播種
防除・収穫
乾燥・調製
⑨費用合計(10a当たり)
⑩経営におけるそばの位置づけ
体
たつ
地
農 家 の 概 要
①経営耕地面積
②農作物別作付面積
そ
ば
作
①品 種
②面 積
③10a当たり収量
④収穫量(出荷量・出荷先)
⑤品 質
⑥機械化の現状
⑦労働時間(10a当たり)
付
ばた
小 畑
立 地・生 育 条 件 等
作
お
名
系
技 術 上 の 工 夫
経 営 の 特 徴 等
ぞう
龍 三
1.大野市は福井県の東部に位置し、北は石川県、東と南は岐阜県に接して
いる。四方を山に囲まれ、市全体が中山間地域に指定されており、盆地特
有の気候である。
2.栽培ほ場は市内の蕨生地区である。ほ場整備事業を推進してきたため、
標準区画による整備が進んでおり、生産コストの縮減が図られてきた。
3.積雪寒冷で昼夜の日較差が大きい内陸型の気候となっている。平成 27
年は 8 月中旬から 9 月上旬までの日照不足と、8 月後半に比較的気温が低
く推移したことが影響したが、収量は平年並みであった。
60.0ha(自作地 2.8ha、借地 57.2ha・水田 60.0ha)
②そば:22.3ha、水稲 37.6ha、麦類 21.6ha
〈平成 27 年産〉
①大野在来
②22.3ha
③89kg
④19,778kg(18,778kg:JAテラル越前 70%、県外製粉会社 30%)
⑤1 等(水分 14.8%・容積重 662g)
⑥クロラートラクター、畦立機、トラクター、汎用コンバイン、汎用乾燥機(個人)
⑦1.58 時間(排水・溝掘・耕起・元肥散布 40 分、播種 40 分、収穫・乾燥・
調製・袋詰 15 分)
⑧
排水・溝掘・耕起(クローラートラクター、畦立機)8/5~24
播種(クローラートラクター他)4.0kg/10a条播,8/5~24
収穫(汎用コンバイン)黒化率 80%,10 月下旬~11/20
乾燥・調製・袋詰(汎用乾燥機)10 月下旬~11/20
⑨12,415 円
⑩玄そば販売(10%,平均 11,000 円/45kg(JA)、13,000 円/45kg(県外製粉
会社)
水田:そば・大麦・水稲輪作、そば単作
1.排水性に優れる肥沃な土壌を選定し、ほ場内に排水溝を設置して排水対
策を行っている。前作の麦わらのすきこみも行って排水対策と地力向上
につなげており、気象条件に応じた適期播種の徹底により例年安定して
地域平均の約 2 倍の単収を得ている。
2.大麦~そば~水稲の2年3作をほとんどのほ場で行うことにより、連作
障害の回避、大麦栽培の後のほ場の有効活用を行っている。そばを導入し
た経緯もこの理由によるが、大野市は県内でも有数のそばの産地であり、
地域特産物を次世代に継承するという目的もあった。
3.小粒ながら風味の良い「大野在来」を作付し、JAに出荷する他に県外
製粉会社に高値で直接販売を行って所得向上を図るとともに、機械化に
と排水から播種までを同時進行で行うことでコストを削減している。ま
た、乾燥・調製までを自前で行うことで、品質管理にも配慮している。
4.認定農業者・指導農業士であり、現在は奥越農業機械士協議会の副会長
を務めている。
5.今後の課題は鳥獣害対策である。
受賞者の生産と経営の概要
全国蕎麦製粉協同組合理事長賞
氏
名
所
在
地
立 地・生 育 条 件 等
農 家 の 概 要
①経営耕地面積
②農作物別作付面積
そ
ば
作
①品 種
②面 積
③10a当たり収量
④収穫量(出荷量・出荷先)
⑤品 質
⑥機械化の現状
⑦労働時間(10a当たり)
⑧耕種概要(10a当たり)
排水対策、耕起・整地
施肥・播種
防除・収穫
乾燥・調製
⑨費用合計(10a当たり)
⑩経営におけるそばの位置づけ
作
付
体
系
技 術 上 の 工 夫
経 営 の 特 徴 等
いま
むら
今 村
こう
いち
浩 一
鹿児島県霧島市
1.霧島市は鹿児島県のほぼ中央部に位置し、北は国立公園である霧島連山
を有し、南部は豊かで広大な平野部が錦江湾に接し、湾に浮かぶ桜島を望
む場所にある。
2ほ場である国分重久地区は市中心部より標高 200m のところにほ場・作業
場があり、土壌および排水性は良く、良質なそばを作るのに適した環境で
ある。
3.市の年平均気温約 20℃、年間降水量は約 2,000mm、市街地と比べると若
干気温は低い。平成 27 年の春そばは天候不順により収量減となったが、
秋そばは好条件で収量は増加した。
①7.8ha(自作地 3.6ha、借地 4.2ha・水田 0.5ha、畑 7.3ha)
②そば:10.2ha、水稲 0.5ha
〈平成 27 年産〉
①東その山村在来種
②10.2ha
③140kg
④14,287kg(13,050kg:桝田そば製粉㈱90%、JAあいら 10%)
⑤2 等(水分 14.7%(春)14.6%(夏)・容積重 606g(春)674g(夏))
⑥ディスクプラウ、トラクター、散布機、草刈機、コンバイン、乾燥機、籾摺機他(個人)
⑦4.33 時間(排水・溝掘 20 分、元肥散布 30 分、耕起 40 分、整地 20 分、
播種 50 分、除草 60 分、収穫 30 分、乾燥 30 分・調製・袋詰 30 分)
⑧
排水・溝掘(ディスクプラウ)6/25~7/5、元肥散布(トラクター、散布機)7/5~20、
耕起(トラクター)6/25~8/25、整地トラクター)8/25~9/10
播種 5.0kg/10a全面全層播,9/3~10
除草(草刈機)9/10~9/14、収穫(コンバイン)黒化率 90%,11/10~26
乾燥(乾燥機)11/10~26、調製・袋詰(籾摺機、計量機)11/29~12/1
⑨8,458 円
⑩玄そば販売(50%、平均 15,066 円/45kg)・そば粉販売
水田・畑:そば・白ネギ輪作
1.専用棒(直径約 5cm、長さ約 8cm)を使用した自然交雑防止、窒素を控え
た土作り、専用ロータリー(トラクタ)による深耕(天地返し)を年1回実
施するなどしている。また、そば作りの基本は良い種子作りにあるという
ことから、3年に1度新たなほ場選びを実施している。
2.適切な乾燥・調製の徹底と、単収を挙げるための専用棒による交雑防止
などにより品質を維持している。また、白ネギとの輪作体系とすること
で、地力の維持も図っている。
3.耕作放棄地を利用した栽培や地域の物産館「じょうもん市場」への販売
で地域振興にも貢献している。地域が衰退している中で「そばを作ると村
が栄える」という先人の言葉にしたがい、そば作りが地域の元気の源とな
り、景観作物としての役割や耕作放棄地の利用による環境保全などで地
域が活性化するよう努めている。
4.作付面積を拡大するとともに、こだわりを持ったそば作りを目指すこと
や、6次産業化にも力を入れるべく製粉機の導入を予定している。
受賞者の生産と経営の概要
一般社団法人 日本蕎麦協会会長賞
氏
名
所
在
地
立 地・生 育 条 件 等
農 家 の 概 要
①経営耕地面積
②農作物別作付面積
そ
ば
作
①品 種
②面 積
③10a当たり収量
④収穫量(出荷量・出荷先)
⑤品 質
⑥機械化の現状
⑦労働時間(10a当たり)
⑧耕種概要(10a当たり)
排水対策、耕起・整地
施肥・播種
防除・収穫
乾燥・調製
⑨費用合計(10a当たり)
⑩経営におけるそばの位置づけ
作
付
体
系
技 術 上 の 工 夫
経 営 の 特 徴 等
くら
もち
倉 持
せい
いち
ろう
清 一 郎
茨城県猿島郡境町
1.境町は関東平野のほぼ中央にあり、茨城県の南西部、県庁所在地の水戸
から約 70km、東京からは 50km 圏内にあり、農産物の生産・出荷には極め
て有利な条件を有している。
2.ほ場は町の南部で、利根川の近く台地が広がる若林地区を中心に位置し
ている。町の耕地面積は田畑の割合がおおむね半々である。
3.年平均気温 15.1℃、年間降水量は 1,184mm と比較的温暖な地域である。
平成 27 年 9 月に発生した「関東・東北豪雨」により、町内を流れる宮戸
川や土地改良区が長期間の間水没するなど、そばの生育や収量に著しく
被害をもたらし、地域の収量は例年よりも大きく落ち込んだ
①21.0ha(自作地 3.5ha、借地 17.5ha・水田 11.3ha、畑 9.7ha)
②そば:7.5ha、水稲 8.3ha、麦類 12.7ha、大豆 5.0ha
〈平成 27 年産〉
①常陸秋そば
②7.5ha
③116kg
④8,663kg(7,875kg:地元製粉会社 100%)
⑤1 等(水分 15.0%・千粒重 38.8g)
⑥ロータリー、ロータリーシーダー、ハイクリブーム、汎用コンバイン、立型汎用乾燥機、籾摺機(個人)
⑦4.18 時間(耕起 30 分、整地 30 分、播種 20 分、防除 15 分、除草 60 分、
収穫 30 分、乾燥 60 分・調製・袋詰 6 分)
⑧
耕起(ロータリー)7/26~、整地(ロータリー)8/19~
播種(ロータリーシーダー)4.0kg/10a条播,8/19~
防除(ハイクリブーム)、除草、収穫(汎用コンバイン)黒化率 70~80%,11/4~
乾燥(立型汎用乾燥機)11/4~、調製・袋詰(籾摺機)11/6~
⑨16,992 円(労働費 6,270 円(自家))
⑩玄そば販売(15%、15,000 円/45kg)
水田・畑:麦・大豆・そば輪作(畑は一部野菜が入る)
1.麦栽培前の土壌診断と麦わらすき込みによる土づくりを行い、野菜跡地
(ネギ・レタス)など地力が高いほ場を有効に活用することで、高収量を確
保しつつ、低コスト化につなげている。また、高台や傾斜ほ場など排水性
の良いほ場に作付することで湿害を回費し、安定収量につなげている。当
地域では「関東・東北豪雨」の影響が大きかったが、当該ほ場では被害を
最小限にとどめることができた。
2.風味の良いそば生産のために丁寧な乾燥・調製を心がけている。可能な
限り種子更新を行い、毎日のほ場の観察により生育や雑草の発生に注意
をはらうとともに、輪作体系による連作障害回避など、高品質のそば生産
に努めている。
3.科学的な品質分析の実施や地域で開催されている「そばサミット」や視
察研修会の参加などを行い、常陸秋そばのPRを行うなど積極的に活動
している。
5.(公社)茨城県農林振興公社主催「平成 27 年度第 26 回茨城県そば共進
会」において優秀賞を受賞。
受賞者の生産と経営の概要
一般社団法人 日本蕎麦協会会長賞
氏
所
在
(農業生産法人)株式会社かまくら屋
地
長野県松本市
立 地・生 育 条 件 等
農 家 の 概 要
①経営耕地面積
②農作物別作付面積
そ
ば
作
①品 種
②面 積
③10a当たり収量
④収穫量(出荷量・出荷先)
⑤品 質
⑥機械化の現状
⑦労働時間(10a当たり)
⑧耕種概要(10a当たり)
排水対策、耕起・整地
施肥・播種
防除・収穫
乾燥・調製
⑨費用合計(10a当たり)
⑩経営におけるそばの位置づけ
作
付
体
や
名
系
技 術 上 の 工 夫
経 営 の 特 徴 等
たなか
こうじ
代表取締役 田中 浩二
1.長野県の中央部に位置する松本市は県庁所在地である長野市から約
75km、松本城を中心とする城下町として発展してきた。西の飛騨山脈から
東の筑摩産地に囲まれた標高 600~700m の複合扇状地で水はけの良い地
域である。
2.そばの栽培ほ場は市内の岡田、四賀、梓川地区、安曇野市の三郷・堀金
地区に位置している。
3.年平均気温 11.7℃、年間降水量は 1,011mm、年間日照時間は 2,059 時間
で典型的な内陸性気候で、日照時間が長く雨が少なく、昼夜の寒暖差が大
きくそばの栽培に適している。
①121.0ha(借地 121.0ha・水田 24.9ha、畑 96.1ha)
②そば:109.6ha、大豆 11.4ha
〈平成 27 年産〉
①キタワセソバ(夏)、〃(秋)、信濃 S8 号、在来種、ダッタンソバ
②40.8ha、40.8ha、16.2ha、1.3ha、7.0ha
③129kg、71kg、10kg、3kg、60kg(平均 82kg)
④87,278kg(57,893kg:農協 10%、製粉業者 60%、製麺業者 20%、そば店 10%)
⑤1・2 等(水分 15.5%)、〃、2 等(水分 15.6%)、未検査、1 等(水分 14.4%)
⑥トラクタ、コンバイン、遠赤外線乾燥機、籾摺り機、石抜機、計量機(法人)
⑦4.60 時間(元肥散布 5 分、耕起 48 分、整地 36 分、播種 75 分、
収穫 75 分、乾燥 25 分・調製・袋詰 12 分)
⑧
元肥散布(トラクタ)4/22~5/5,7/29~8/9
耕起(トラクタ)3/23~4/11、整地(トラクタ)4/13~4/21,7/29~8/9
播種(トラクタ、ロータリシーダー)4.5kg/10a条播,4/26~5/5,7/29~8/9
収穫(コンバイン)黒化率 80%,7/11~26,10/3~11/2
乾燥(遠赤外線乾燥機)7/11~26,10/3~11/2、調製・袋詰(籾摺り機・石抜
き機・計量機)7/12~27,10/3~11/2
⑨39,004 円(労働費 6,900 円(自家))
⑩玄そば販売(35%、平均 14,400 円/45kg)
水田・畑:(キタワセ)そば二期作、(その他)そば単作
1.1作目はロータリー播種、2 作目は残渣をアッパーカットロータリーで
すき込み播種を行い、湿害対策として排水性の悪いほ場ではアッパーカ
ットロータリーを使って畦立て播種を行っている。
2.そばに適した肥料設計、毎年種子更新、大型冷蔵庫での玄そば貯蔵、乾
燥・調製の自家実施などを通じて品質を高めている。
3.大型作業機械の導入により生産性を向上させるとともに、そばの2期
作、契約栽培の実施や、県が登録した品種である信濃 S8 号については種
子栽培にも取り組んでいる。
4.遊休荒廃地の活用や地域のそばイベントへの参加、(一社)全麺協に加盟
してそばの普及を実施したり、障害者の雇用による社会貢献活動も行っ
ている。
5.県産そば粉の安定供給と県産そば粉を使用した信州そばの提供に寄与
すべく、今後も作付面積の拡大と収量増を図りたい。