関税分類について - 税関ホームページ

平成28年4月20日
門司税関 業務部
首席関税鑑査官 金子 聖彦
目
次
1 関税分類とは
2 HS条約について
3 関税率表の概要
4 関税分類の原則
5 文書による事前教示制度
6 その他
1 関税分類とは
輸入貨物を
関税率表の一つの項目に当てはめること。
 関税率表とは、商品をグループ化し、それぞれのグ
ループ(項目)ごとに関税率(無税を含む。)を設定し
た表
 我が国の関税率表は、国際的な商品分類表(HS品
目表)に基づいて作成されている。
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2 HS条約について
商品の名称及び分類についての統一システム
(Harmonized Commodity Description and Coding System)
 発効:1988年(昭和63年)1月1日
 締約国:153か国・地域(平成27年6月現在)
 構成:前文、条約本文20条及び附属書(HS品目表)
 国際貿易の円滑化の観点から各国の関税率表の品
目分類等を統一するため、WCO(世界税関機構)に
おいて協議・採択されたもの。
 HS条約締約国は、自国の関税率表及び統計品目表
をHS品目表に適合させる義務がある。
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2 HS条約について
附属書(HS品目表)の構成
 統一システムの解釈に関する通則
 部注、類注、号注
 品目表
 商取引の実態に合わせ、一般に原料から製品までを、組織
的に、かつ、系統的に分類している。
 品目構成(2012年版)
21 の部(Section)第1部~第21部
96 の類(Chapter:2桁)第01類~第97類(注:第77類は欠番)
1,224 の項(Heading:4桁)第01.01項~第97.06項
5,205 の号(Subheading:6桁)第0101.10号~第9706.00号
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2 HS条約について
附属書(HS品目表)の構成
例:食 品(第1部及び第4部)
生きている鶏 (01.05)
鶏(ガルルス・ドメスティクス)185g以下/羽
【0105.11-000 (基)無税】
申告される物品の加工状態で
分類される。
加工・冷凍
鶏 肉 (02.07)
冷凍鶏肉(分割肉、骨付き)
【0207.14-210 (協)8.5%】
調 製
鶏肉エキス (16.03)
【1603.00-010 (協)12%】
調 製
調 製
鶏のから揚げ (16.02)
コンソメスープの素 (21.04)
その他の調製をした鶏肉
【1602.32-290 (協)6%】
スープ用の調製品
【2104.10-020 (基)8.4%】
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3 関税率表の概要
関税率表の構成
 関税率表の解釈に関する通則
 部注、類注、号注、備考
 品目表
 21の部、96の類、1,223の項、5,204の号
(注)我が国は電気的エネルギーの項(第27.16項、第2716.00号)を不採用
 国内細分
 税表(目)細分:関税率の設定単位となっている細分
 統計細分(9桁):貿易統計を把握する品目について、税表細分又は税表
細分を更に複数に分割して設定されるもの
項
号
税表細分(関税率)
統計細分
(基本)
90.03
フレーム
9003.11
5.6%
9003.11-000
9003.19
9003.90
名
眼鏡のフレーム及びその部分品
(9003.1)
9003.11
品
プラスチック製のもの
その他の材料製のもの
9003.19-1
5.6%
9003.19-010
1 金属製のもの
9003.19-2
3.9%
9003.19-020
2 その他のもの
9003.90
5.6%
9003.90-000
部分品
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3 関税率表の概要
関税率表の構成
関税率表の解釈に関する通則
第1部 動物(生きているものに限る。)及び動物
性生産品
第2部 植物性生産品
第3部 動物性又は植物性の油脂及びその分解生産
物、調製食用脂並びに動物性又は植物性の
ろう
第4部 調製食料品、飲料、アルコール、食酢、た
ばこ及び製造たばこ代用品
第5部 鉱物性生産品
第6部 化学工業(類似の工業を含む。)の生産品
第7部 プラスチック及びゴム並びにこれらの製品
第8部 皮革及び毛皮並びにこれらの製品、動物用
装着具並びに旅行用具、ハンドバックその
他これらに類する容器並びに腸の製品
第9部 木材及びその製品、木炭、コルク及びその
製品並びにわら、エスパルトその他の組物
材料の製品並びにかご細工物及び枝条細工
物
第10部 木材パルプ、繊維素繊維を原料とするその
他のパルプ、古紙並びに紙及び板紙並びに
これらの製品
第11部 紡織用繊維及びその製品
第12部 履物、帽子、傘、つえ、シートステッキ及
びむち並びにこれらの部分品、調製羽毛、
羽毛製品、造花並びに人髪製品
第13部 石、プラスター、セメント、石綿、雲母そ
の他これらに類する材料の製品、陶磁製品
並びにガラス及びその製品
第14部 天然又は養殖の真珠、貴石、半貴石、貴金
属及び貴金属を張った金属並びにこれらの
製品、身辺用模造細貨類並びに貨幣
第15部 卑金属及びその製品
第16部 機械類及び電気機器並びにこれらの部分品
並びに録音機、音声再生機並びにテレビ
ジョンの映像及び音声の記録用又は再生機
の機器並びにこれらの部分品及び附属品
第17部 車両、航空機、船舶及び輸送機器関連品
第18部 光学機器、写真用機器、映画用機器、測定
機器、検査機器、精密機器、医療用機器、
時計及び楽器並びにこれらの部分品及び附
属品
第19部 武器及び銃砲弾並びにこれらの部分品及び
附属品
第20部 雑品
第21部 美術品、収集品及びこっとう
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4 関税分類の原則
関税率表の解釈に関する通則
 関税率表の適用について、統一的な運用を確保する
ために、表のいずれの項又は号に所属するかを決定
する原則を定めたもの。
 通則は、6つのルール(原則)から成っている。
 通則1~5は、輸入申告された物品がどの項(4桁の番号)に所
属するかを決定するための方法を定めたもの。
 通則6は、通則1~5により項を決定した後、項の中のどの号(6
桁の番号)に所属するかを決定するための方法を定めたもの。
 通則を補うため、我が国独自の「備考」が規定されて
いる。
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4 関税分類の原則
関税率表の解釈に関する通則
 通則1:関税分類の基本原則
 通則2:項の範囲を拡大する規定
 通則3:二以上の項に属するとみられる場合の物品の
分類の決定方法
 通則4:関税率表中に属するとみられる項がない場合
の分類の決定方法
 通則5:収納容器、包装材料及び包装容器の分類
 通則6:号の分類の決定方法
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5 文書による事前教示制度
文書による事前教示とは、輸入予定貨物の関税率(関税分類)に
ついて、輸入申告より前に文書で照会し、文書により回答を受ける
ことができる制度です。
 文書による事前教示のメリット
 文書の回答結果は、3年間、輸入(納税)申告の審査の際に尊
重されます。 (法律改正等により取扱いが変わった場合を除きます。)
 確実な原価計算の一助となり、適正かつ迅速な通関が可能とな
ります。
※ 電話や口頭による照会は、輸入申告の審査の際に尊重される取扱いは行
われません。
 具体的な手続
「事前教示に関する照会書」(税関様式)に必要事項を記入し、
見本、見本に代わる写真、図面等の資料等とともに関税分類担
当部門(11頁参照)に提出します。
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6 その他
税関ホームページで検索できる参考情報
実行関税率表
http://www.customs.go.jp/tariff/index.htm
関税率表解説/分類例規
http://www.customs.go.jp/tariff/kaisetu/index.htm
事前教示回答(品目分類)
【有効な事前教示回答書の検索が可能】
http://www.customs.go.jp/tetsuzuki/bunrui/index.htm
輸入貨物の品目分類事例 【主要な分類事例を掲載】
http://www.customs.go.jp/tetsuzuki/bunruijirei/bunruijirei_index.htm
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6 その他
各税関の関税分類担当部門
 函館税関業務部関税鑑査官
0138-40-4716
 東京税関業務部首席関税鑑査官
03-3529-0700
 横浜税関業務部首席関税鑑査官
045-212-6156
 名古屋税関業務部首席関税鑑査官 052-654-4139
06-6576-3371
 大阪税関業務部首席関税鑑査官
078-333-3118
 神戸税関業務部首席関税鑑査官
050-3530-8373
 門司税関業務部首席関税鑑査官
095-828-8669
 長崎税関業務部関税鑑査官
098-862-8692
 沖縄地区税関 関税鑑査官
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