ビジネスホワイトペーパー Right Mix: ハイブリッドインフラ ストラクチャへの変革 ITインフラストラクチャの適切なRight Mixを特定、実現、 および最適化する方法 Right Mix: ハイブリッドインフラストラクチャへの変革 目次 3 はじめに 3 4 5 ビジネスが直面する競争面の課題 外的圧力 内的圧力 6 未対策によって生じるビジネス影響 7 8 9 10 現在の課題への対策: オープンなハイブリッドインフラストラクチャ戦略 ニーズに適したRight Mixを特定 ニーズに適したRight Mixを実現 Right Mixを最適化 11 ハイブリッドインフラストラクチャの活用事例 13 結論 Right Mix: ハイブリッドインフラストラクチャへの変革 P3 はじめに 今日の企業を取り巻く環境は、かつてないほど急速に変化しています。市場では、先行 企業よりスピーディーに事業展開できる企業の新規参入が容易となるなか、中大規模の グローバルな企業やサービスプロバイダの直面する課題は増えています。こうした課題 を克服するためには、市場変化への素早いビジネス対応が必要です。しかし、必要な IT サービスにアクセスするまで時間を要することから、画期的な重要アプリケーション の開発およびリリースの遅れを招いています。一般にIT部門は、ビジネス革新を技術面 から主導的にサポートする立場に置かれていません。シャドウITは依然として問題であ り、ITコストはビジネス革新に係る経費と見なされていません。 ハイブリッドインフラストラクチャ 戦略では、クラウド化の各ステップ を確実に成功へ導くために、最先端 インフラストラクチャに対してニー ズに適したRight Mixを特定し、内部 および外部の最良リソースを活用 してニーズに適したRight Mixを実現 し、業界リードの管理ツールを使用 して各企業独自の適切なRight Mixを 最適化する必要があります。 ビジネスを加速するため、各企業は、クラウドと従来型のITインフラストラクチャとの 最善の組み合わせ「Right Mix」の実装方法を模索しており、そこからイノベーションおよ び成長のスピードアップにつなげたいと考えています。多数の中大規模企業にとって、 ハイブリッドインフラストラクチャの設計に特化したソリューションは、最優先の選択 肢です。 ハイブリッドインフラストラクチャソリューションの実装から得られる主な利点は、ア ジリティとスケーラビリティの向上によって、短期間でのインフラストラクチャおよび アプリケーションの配備が可能になることです。また、そこから生まれるメリットとし て、IT生産性の増加やコスト削減などがあり、設備支出から運営支出モデルへの投資シ フトなども挙げられます。 クラウドの利点とメリットは広く知られていますが、これを既存のIT環境に取り入れる ことは必ずしも容易ではありません。クラウドコンピューティングへの移行にあたっ て、その節目ごとに問題が浮上する可能性があり、そのことがクラウドへの移行を複雑 化し、リスク化しています。しかし、踏み込んだ対応を採らない代償は、未対策によっ て生じるリスクとコストを上回ります。 本稿の目的は、クラウドリソースを用いたハイブリッドインフラストラクチャ戦略の主要 ポイント、および市場変化への即応力としてクラウドがどのようにビジネス支援できるか を説明するとともに、クラウド活用によってビジネスがどのように技術面で業界リーダー を維持できるかについて説明することです。最後に、代表的な活用事例を挙げながら、今 日の企業がどのようにハイブリッドインフラストラクチャを用いてビジネスを加速させて いるか、具体的に解説します。 ビジネスが直面する競争面の課題 今日のビジネス環境は、かつでないほど激しい競争にさらされています。製品ライフサ イクルは短くなり、 市場投入までの時間も短縮されています。その一方で、製品設計 は複雑化しています。何十種もの新規マーケットチャネルが乱立するなか、新たな販売 チャネルには高い競合力が求められます。これまでに類を見ない内外からの圧力は、企 業の即応力、順応力、変化力の促進剤にもなれば、意識的あるいは意に反して変化に適 応できずビジネス前線から衰退する要因にもなり得ます。 Right Mix: ハイブリッドインフラストラクチャへの変革 P4 企業および政府機関の変革を促す外的圧力 アイデアエコノミー 新しい革新的なビジネスモデル アイデアを新しい製品やサービスとし て形にするのが、 かつてなく迅速かつ 容易になっている あらゆる企業、業界、政府機関が無関係 ではいられない ビジネスは、価値観が抜本的に変わ るような市場激変の時代にあり、よ りシンプルな手法、優れた手法、聡 明な手法で構想できる企業だけが成 功を収めます。 モノのインターネット （IoT）、 デバイス の急増 クラウドがアプリケーションとデバイスの 開発/展開方法を大きく変えつつある 外的圧力 デバイス接続数の急増は、テクノロジーに対して、購入方法、セキュリティの確保方 法、管理方法に劇的な影響を及ぼしています。このため、アプリケーションの開発方法 とデリバリ速度の見直しが迫られています。従来型のITインフラストラクチャでは、こ のような迅速かつ画期的な製品開発モデルにもはや対応できません。 モノのインターネット（IoT）によって、デバイス利用数は急増しています。ビッグデー タは、新しいビジネスモデルが勃興するなか、顧客の要望とニーズを把握して対応する うえで中枢を担っています。顧客データを収集、編成、活用することは、あらゆる企業 と製品・サービスにとって成功するうえで極めて重要です。 価値観を抜本的に変えるような新たなビジネスモデルの例は、身近ないたるところに存 在します。Uber社の自動車相乗りビジネスは、すぐに運転手と乗客とを繋いで、従来の タクシー業務では両者へもたらすことができなかった、安全乗車と簡潔な運賃体系を提 供しています。Nest社は、室内温度調整器を抜本的に作り替えて、利用者が室温につい て家庭内光熱費を管理・制御できる機能を加えただけでなく、スケジュール機能にイン テリジェンスを組み入れて、機器自体が経験則に沿ってスケジュールを自動作成できる ようにしました。 ここで注目した2 つの例は、主要な競合社の動向を観察して模倣することに目を向けな かった会社です。これらの会社は新規ビジネスモデルを完全に取り入れ、それまで存在 していなかった、まったく新しいサービスと製品を提供しています。これら2 社それぞ れの市場でかつて主要シェアを誇った競合社は、今なお以前のシェア回復に対処中で す。また、タクシー会社は、Uber社と同等のエクスペリエンスおよび価格帯を顧客に提 供しようと苦戦しています。Honeywell社は、業界で最も古い、業界標準の家庭用サーモ スタット機を製造していましたが、たった数年前までほぼ無名だった会社に今では相当 シェアを奪われました。 これらの例では、アイデアエコノミーの特徴が際立っています。アイデアエコノミー は、価値観が抜本的に変わるような苛烈な市場状況のなか、よりシンプルな手法、優れ た手法、聡明な手法で構想できるビジネスだけが成功を収める世界です。各企業は、ア イデアを素早く実現するため、あるいはリスク回避のために、技術面の俊敏性を取り入 れたビジョンを描く必要があり、加えて、最新ITのアイデアおよびツールを採用しなけ ればなりません。あらゆる業界が、価値観を抜本的に変えるような市場激変の影響を受 けています。 Right Mix: ハイブリッドインフラストラクチャへの変革 P5 ITの進化を促す内的圧力 テクノロジーはビジ ネス戦略 DevOpsは文化 的シフトを促進 規制要件の増加、ビジネスの一層の 複雑化、アカウンタビリティ重視の 拡大により、企業はガバナンス、リ スク、コンプライアンスの多様化 に組織全体で取り組む必要があり ます。 開発者は新たな 社内実力者 シャドウITはあら ゆる場所に存在 内的圧力 企業は、特に内的圧力から強い影響を受けます。このような内的圧力として、サイロ化 された複雑な従来システム、部門やマーケット要望を満たすためにシャドウITのリソー スを利用する人員、問題解決に必要なツールを求める開発者などが存在します。設計 者、開発者、運用者の3者による共同管理は、典型的に思慮に欠けています。社内利用者 および外部顧客へのニーズ対応が遅れるだけでなく、時には完全に対応不足に陥るから です。ハッキングやデータの誤使用が増えるなか、データ管理、セキュリティ、ガバナ ンス、コンプライアンスは、すべて一層の強化が必要です。こういった要因は、製品と ソリューションの迅速な市場投入を目指す会社にさらなるプレッシャーを与えます。 さらに悪いことに、IT予算のほぼ9割が、既存のIT運用に費やされています。競争力のあ るビジネス戦略を発案し、実践するための IT 予算が 1 割しか残っていないなら、製品と サービス提供の最前線に立ち続けることは難しいでしょう。 Right Mix: ハイブリッドインフラストラクチャへの変革 P6 未対策によって生じるビジネス影響 2005年度のFortune 100企業 — 現在の位置付け 68% Fortune 100 企業 32% Fortune 100 企業圏外 10年前のFortune 100企業の3分の1が現在は圏外である 未対策によって生じるビジネス影響 現在市場で入手可能な新しいITツールを採用も活用もしない場合、結果として生じる影 響は莫大です。対策を施さないと選んだ企業は、入手可能な新しいツールの採用を決め た組織にマーケットシェアを奪われることになります。顧客と消費者は、各自のニーズ に対して今以上の素早い対応を望んでいます。製品とサービスの制作サイクルが速く展 開されるほど、より迅速な対応が求められます。 データ制御の脆弱性と欠如もまた、現在の新技術に即応しないビジネスにとってリスク 要因です。従業員は、職場のこうしたデータ環境についてとくに認識することなく、す でにパブリッククラウドのコンピューティングリソースを使用しています。こういった 行為は、社内規定のITプロセスとITコストから許可を得ておらず、ファイルは未承認の人 が安易にアクセスできる場所に保存されており、企業の設備投資をリスクにさらしてい ます。また、こういったファイルは正しいバックアップやセキュアな保護が行われてい ません。 以前は業界を牽引していた会社に とって、技術革新を後発導入した り傍観するだけの立場を取ると、 著しいマイナス結果を招くことに なります。 抜本的な価値観の変化に影響を及ぼす技術を軽視して対応を怠る会社や、コモディティ 化された技術へ切羽詰ってから単純移行する会社は、時代の本流に乗り遅れてしまいま す。会社は差し迫る危機から目をそむけ、内外の圧力を軽視する誘惑にかられます。当 然、こういった会社はマーケットへの適合性を失います。Kodak社は、デジタル写真を軽 視しました。Swiss社はクオーツ時計を軽視しました。DEC社はLinux®と同社サーバーのコ モディティプロセッサを軽視しました。 今や企業にとって、どの業界であれトップに立つには、新しいアイデアとイノベーショ ンの採用によって主導権を握るだけでなく、自社製品とサービスを素早く低コストで市 場投入するための技術支援ツールの早期導入が不可欠です。 Right Mix: ハイブリッドインフラストラクチャへの変革 P7 現在の課題への対策: オープンなハイブリッドインフラストラクチャ戦略 ニーズに適したRight Mixを特定 ニーズに適したRight Mixを実現 Right Mixを最適化 確かな専門知識により、 従来型 のIT、 プライベートクラウド、 およ びパブリッククラウドにまたがる アーキテクチャ構築を支援 クラウドサービスの構築または利用に 必要なエンタープライズレベルのオー プンなテクノロジー、 ソフトウェア、 およ びサービスをエンドツーエンドで提供 マルチクラウド環境のセ キュリティ、 コンプライアン ス、 およびパフォーマンス を効率的に管理 企業は、ニーズに適したRight Mixの 特定、ニーズに適したRight Mixの実 現、各企業独自のRight Mixの最適化 を併用して、オープンなハイブリッ ドインフラストラクチャ戦略の実行 に注力する必要があります。そうす ることで、企業それぞれの課題に最 も適した形で個々のアセットを配備 し、これらアセットの組み合わせか ら最大限のメリットおよび価値を引 き出すことが可能になります。 現在の課題への対策 : オープンなハイブリッドインフラスト ラクチャ戦略 プライベートおよびパブリックのクラウドコンピューティングから得られる利点とメ リットには、説得力があります。適切なクラウド化を行わない場合、その潜在的な影響 は計り知れません。プライベートおよびパブリッククラウドコンピューティングリソー スを、従来のプロセスおよびシステムと統合しながら適切な場所に配備する、そのため の確かな戦略と計画を立案することが、企業にとって必須です。 Right Mix: ハイブリッドインフラストラクチャへの変革 P8 個々のニーズに適したRight Mixの発見 従来型のIT、 プライベートクラウド、 およびパブリッククラウドのRight Mixを最適化 ハイブリッドITの適切なRight Mixが企業にもたらす メリット： • ITコストの削減、 アジリティの向上 企業におけるパブリッククラウド、 プライベートクラウド、 およびハイブリッドクラウドへの移行割合 26% クラウド未導入 47% プライベートクラウド: • 管理の複雑さを合理化 • シャドウITの削減 オンプレミスおよびホスト型 9% ハイブリッド • 最適な環境へのワークロード配置 • セキュリティ、パフォーマンス、 コストなどを考慮した配置の最適化 19% パブリッククラウド（IaaSおよびSaaS） 451 Research社により実施された調査 ニーズに適したRight Mixを特定 最適なハイブリッドインフラストラクチャを得るための戦略を立案する最初のステップ は、プライベートクラウド、パブリッククラウド、および従来型のITを含む情報テクノ ロジーに対して、個々の顧客ニーズに適した「Right Mix」を特定することです。プライ ベートクラウドは、特定のセキュリティ要件またはコンプライアンス要件が求められる ワークロード、あるいは業績目標を満たす特定ハードウェアが求められるワークロード に適しています。パブリッククラウドは、一時的なワークロードあるいは要望が多岐に わたるワークロードに適します。従来型のITは、クラウドプラットフォームへの移行が 予算的または技術的に不可能なアプリケーション、要望のプロファイルが常に不変なア プリケーション、およびレガシーアプリケーションのサポートに最適です。 ハイブリッドインフラストラクチャ は、従来型の配備をパブリックおよ びプライベートクラウドリソースと 組み合わせものであり、従来型のIT をハイブリッドクラウドと融合させ たものです。 顧客のニーズに適したRight Mixを特定するためには、コスト、パフォーマンス、セキュリ ティ、規定コンプライアンスなどの条件を比較検討して、アプリケーションごとに最適 なプラットフォームを展開する必要があります。インフラストラクチャのRight Mixの特定 をどこから始めるかは、個々の会社によって異なります。ほぼすべての企業が、従来の レガシーハードウェアから着手することになり、一般的にこれらの企業は、数年使用さ れたクラウドベースソリューションを保有しています。 企業は、自社に適したRight Mixを特定するために、社内の製品インベントリを調査し、そ こに記載の各アプリケーションがどこに展開されるべきか、以下の項目別に分析する必 要があります。 •移行コスト •運用コスト •法規制要件 •地理的要件 •性能要件 •セキュリティ、機密性 •可用性と信頼性 •コーポレートIT基準 •契約条件 これらアプリケーション要件への回答を知ることで、 どの場所にどのプラットフォームで 展開し、どのパートナーと連携するかについて、最適な答えを割り出すことができます。 Right Mix: ハイブリッドインフラストラクチャへの変革 P9 ニーズに適したRight Mixを実現 従来型のIT 仮想自動化 プライベー トクラウド オンプレミスで構築 マネージドク ラウド グローバル パブリックク ラウド ハイブリッドイ ンフラストラ クチャ オフプレミスで利用 オープンスタンダードおよびオープンソース上に構築 ニーズに適したRight Mixを実現 ハイブリッドインフラストラクチャ実装戦略における適切なRight Mixを特定した後は、2 番目のステップとして、ニーズに適した「Right Mix」を実現するため、適切なハードウェ ア、サービス、パートナーシップを決定する必要があります。企業はその規模にかかわ らず、複雑なハイブリッドインフラストラクチャ戦略を実施および管理するためのスキ ル、知識、リソースをすべて備えているとは限りません。 オープンクラウド対応の OS と管理 ツール、 API などの機能で標準化す ることにより、企業はソリューショ ン固有の制限から解放されます。 顧客ニーズに適したRight Mixの実現は、すでに的確なアプリケーションを実行している プライベートクラウドから始めることが適切です。これによって企業は、クラウドのオ ペレーティングシステムに適したOpenStack®の利用など、将来のクラウドサービスに必要 となる標準化を行うことができます。またこれは、改めて適切なRight Mixを特定する際 にも役立ちます。ハイブリッドインフラストラクチャ環境の作成では、IT管理ツールも 含め、従来型の環境とプライベートクラウドを直接統合する必要があります。この手順 は、単なるハイブリッドクラウドソリューションではなく、持続的なハイブリッドIT環 境を作成するうえで極めて重要です。 Right Mixを実現する次のステップは、パブリッククラウドに適したアプリケーション要 件を満たすパブリッククラウドサービスを決定し、運用に組み込むことです。第1の選択 肢として、Microsoft® AzureおよびAmazon AWSが挙げられます。これらは、Hewlett Packard Enterpriseのパートナー製品でもあります。次に、これらサービスの選定にあたり、アプ リケーションの適合性だけでなく、各企業がプライベートクラウドの実装時に設定した 標準化および基準要件についても適合性を考慮します。 適切なパートナーの選定および最良のソリューションの展開が極めて重要です。適切な パートナーとは、ソリューション重視のエンドツーエンド支援を有するエンタープラズ レベルのIT専門知識を備え、その専門知識が、企業ごとに特定したハイブリッドインフ ラストラクチャおよびハイブリッドクラウドの標準化に合致している会社です。インフ ラストラクチャ、サービス、パートナーは、グローバルなサービス、サポート、および パートナーエコシステム体制によって支援強化されている必要があります。オープン ソース技術に関する豊富な専門知識と高度なクラウドスキルを備えた、プロフェッショ ナルサービスを提供できるパートナーが不可欠です。また、この種の総合ソリューショ ンを効率的に実装するためには、パートナーが、セキュリティ、データ管理、およびパ フォーマンスに関する認定を受けている必要があります。 適切なパートナーの支援によって、ハイブリッドインフラストラクチャ環境の全体像 が、IT管理者とエンドユーザーの両観点から把握しやすくなります。ハイブリッドイン フラストラクチャ全体を正しく稼働させるには、膨大な専門知識が必要です。豊富な専 門知識を備えたパートナーを見つけることは、自社のクラウド環境を計画し、実装する うえで優先事項です。また、経験豊富なパートナーから受ける、ビジネスプロセス変更 時の支援も欠かせません。ビジネスプロセスの変更は、テクノロジーの選定よりもはる かに大きな課題であり、早期の段階で対処すべき事項です。 Right Mix: ハイブリッドインフラストラクチャへの変革 P10 最適化: ハイブリッドインフラストラクチャのRight Mix全体にわたり、100%の可視性と 制御性を実現 ハイブリッドクラウドにおける効率的な管理 • パフォーマンス管理によるSLAへの適合 • データ配備の管理によるパフォーマンスおよびデータ保護の効率化 • セキュリティとコンプライアンスによる法規制要件への適合 • サービスコスト管理による効率的な展開 • キャパシティー管理による使用率を最大化 • オープンアーキテクチャによる優れたアジリティと柔軟性 • インフラストラクチャ管理による問題の防止と迅速な解決 企業コンプライアンスでは、データ セキュリティ、機密性、契約基準の 観点から、企業ポリシーを強化する 方法が求められます。 Right Mixを最適化 適切なRight Mixを構築するための最終ステップは、 Right Mixの最適化です。個々の顧客 ニーズに適した「Right Mix」の最適化とは、マルチクラウド環境、ワークロード移行、ア プリケーション、データ、ユーザー、コンプライアンス要件、およびセキュリティに対 して、効率的な管理を可能にすることです。 完成したハイブリッドインフラストラクチャ全体にわたり、ユーザーが、各自のジョブ 要件に必要な特定リソースへ円滑にアクセスできることも大切です。サービスカタログ は、機能が承認された正しいクラウドおよび従来のITリソースのみを、各対象者（QA、 開発者、テスター）に提示する必要があります。IT組織は、サービスを駆動するAPIも含 め、プライベートおよびパブリックのクラウドサービスが、常に同様に表示されるよう にする必要があります。また、サービスカタログは、オプションと各種サービスの利用 方法をわかりやすく提示する必要があります。 システム管理者は、既存の従来型ITのリソースに加え、プライベートおよびパブリック のクラウドリソースも単一画面で容易に管理できなければなりません。またシステム管 理者には、リソースの解放に伴い、従来環境からプライベートクラウドに実際にアセッ トを移動する手段も必要です。企業内の各部門には、重要なクラウド要件もあります。 企業コンプライアンスでは、データセキュリティ、機密性、契約基準の観点から、企業 ポリシーを強化する方法が求められます。データ支配権に関するHIPAA、PCI、ITARなど の業界規制に加えて、政府による規制への強化と遵守も極めて重要です。 Right Mixの最適化には、アプリケーションと企業に必要なセキュリティ、ガバナンス、 およびコンプライアンスも含まれます。また、ワークロードとユーザーアクセスを規制 するとともに、アプリケーションとワークロードに対してオンデマンドのプロビジョニ ングを提供し、さらには複雑でオープンなハイブリッドインフラストラクチャ全体にわ たってリソースを最適化しなければなりません。Right Mixの最適化には、より優れた効 率性の提供、サービスレベル合意への適合、業界および政府機関のコンプライアンス準 拠、リソース稼働率の向上、セキュリティ攻撃に対するデータ保護の配備など、多数の 利点があります。最適化の結果として得られるメリットは、組織全体に対するコスト低 減、リスク軽減、生産性の向上です。 Right Mix: ハイブリッドインフラストラクチャへの変革 P11 主要な業界における今後2年間の変革投資計画 - プライベートクラウドおよびパブリッククラウドに対する投資の割合 各業界に共通してプライベートクラウドの割合が大きい 23% パブリッククラウド 27% 67% プライベートクラウド パブリッククラウド 77% プライベートクラウド 製造業 33% 28% 小売 72% 医療 29% パブリッククラウド 78% プライベートクラウド プライベートクラウド 政府機関 81% プライベー トクラウド 保険 22% パブリッククラウド パブリック クラウド 73% プライベートクラウド 電気通信 19% パブリッククラウド 23% パブリッククラウド パブリック クラウド 71% 77% プライベートクラウド 金融/銀行業 プライベー トクラウド 教育 ハイブリッドインフラストラクチャの活用事例 組織は、独自の戦略に基づき、ハイ ブリッドインフラストラクチャの適 切なRight Mixを特定する必要があり ます。Hewlett Packard Enterpriseは、451 Research社に依頼して、世界中1,000 以上の顧客を対象に、ハイブリッド インフラストラクチャの投資計画に ついて調査しました。上記の表は、 今後2年間にわたるプライベートク ラウドおよびパブリッククラウドに 対する投資計画を業界別に示してい ます。 適切なRight Mixの特定、実現、最適化の可能性をすべて考慮する場合、最大限可能なメ リットを最短期間で得るためには、オープンハイブリッドインフラストラクチャ戦略の 計画および実施をどこから始めるのがベストでしょうか? インフラストラクチャの迅速なプロビジョニングは、クラウドコンピューティングのメ リットを実証できる最も簡潔な方法です。製品アプリケーションや迅速なウェブサービ ス拡張を展開するためのIaaS（Infrastructure-as-a-Service）、および開発・試用が、この活用 事例にあたります。これは典型的な活用事例であり、イノベーションの向上、市場投入 スピードの短縮、アジリティとスケーラビリティの向上に最も効果的です。 従来アプリケーションをクラウドに展開することが、2番目に多い活用事例です。より優 れたスケーラビリティや多様な要望への対応が求められる従来アプリケーション、業績 目標を満たしていない従来アプリケーションは、クラウドへの移行に適した候補です。 アプリケーションは、クラウド環境内で動作するように修正されている場合もあれば、 そうでない場合もあります。この活用事例では、アジリティとスケーラビリティの向上 が望めます。 Right Mix: ハイブリッドインフラストラクチャへの変革 P12 AWSハイブリッドクラウドを展開することが、理想的なハイブリッドインフラストラク チャのもうひとつの活用事例です。多くの企業は、アクセスの容易さと手頃な価格に より、AWSを使用しています。それでもさまざまな技術的あるいは経済的な理由によっ て、一部のアプリケーションはプライベートクラウドに戻されています。プライベート クラウドの理想的なアプリケーション候補としては、業績目標を満たす特定ハードウェ アが必要なアプリケーション、AWSでは適合できないコンプライアンス要件を備えたア プリケーション、プライベートクラウドでより安価に実行できるアプリケーションなど があります。AWS準拠のプライベートクラウドを展開すると、アプリケーションに修正 を加えることなく、AWSとプライベートクラウドとの間でアプリケーションを移動する ことができます。 企業はクラウドテクノロジーの導入を拡大しており、多数の企業がプライベートまたは パブリッククラウド、あるいはその両方を複数管理しています。IT組織が内部サービス の仲介役になれば、外部サービスプロバイダからのサービスを管理し、最適化すること が可能になります。マルチクラウドの仲介および管理を成功させるうえで、広範な統合 キャパシティーを有するクラウド管理プラットフォームの存在が不可欠です。 複雑なクラウドを運用するためのツール実装は、すべての事例において非常に重要です。 企業はハイブリッドクラウドの利用が増えるにつれて、パフォーマンス管理、キャパシ ティー管理、資産管理、ショーバック/チャージバック、セキュリティ強化、財務管理な ど、より拡張された管理機能を希望することが増えます。また、運用を合理化するため に、従来型ITおよびクラウドの両環境に対応した管理ツールも求めるようになります。 別の定評あるハイブリッドインフラストラクチャ事例として、クラウド内にストレージ を実装したものが挙げられます。コンテンツ保存先として企業のファイルと同期・共有 させたり、アーカイブやバックアップに使用したりします。この展開タイプの場合、ス トレージ費用は10分の1に削減され、アジリティ、イノベーション、市場投入スピードが 向上します。 クラウドネイティブなアプリケーションの開発および展開において、IaaS/PaaS上または モバイルアプリ開発向けのものは、アプリケーション発売を 30 倍早めることができま す。新規アプリケーションの開発は、市場投入を大幅短縮するために、DevOps手法とク ラウドネイティブなアーキテクチャを併用して進める場合が多いです。 Right Mix: ハイブリッドインフラストラクチャへの変革 P13 結論 オープンスタンダードなプラット フォームおよびソフトウェアでハイ ブリッドインフラストラクチャ変革 の戦略を立てることにより、将来性 を確保したIT展開を実施することが できます。 クラウドコンピューティング技術をIT戦略に採用し、統合するにあたって、もはや傍観 している猶予はありません。導入の利点は明確であり、そのメリットは今、立証されて います。また、早期導入すれば、後発導入するよりもリスクを低減できます。企業は、 かつてないスピードで自社製品とサービスを市場投入しなければならず、その一方で、 競争に生き残るためには、新製品に競合他社より優れた創造性と革新性を織り込む必要 があります。また、従業員は、潜在的な創造力を発揮できるツールで啓もうされなけれ ばなりません。新しいツールは、予算内でありながら、迅速な導入と扱いやすさを兼ね 備えていなければなりません。 ハイブリッドインフラストラクチャ戦略の採用および加速化とは、ニーズに適したRight Mixを的確に特定し、ニーズに適したRight Mixを実現し、顧客独自のRight Mixを最適化す ることであり、競争力と市場適合性を維持するための答えです。これらの3 つの原則に 沿って高効率でハイブリッドIT戦略を実施した企業は、成功へのチャンスを増やしてい ます。 「コストの削減と効率性の向上に対するニーズの 高まりを受けて、ITトランスフォーメーションが 進行している」 – 451 Research Right Mix: ハイブリッドインフラストラクチャへの変革 100人 OpenStackおよびCloud Foundry® の高度な専門知識 クラウドインフラスト ラクチャのNo.1プロバイダ 600人以上 マネージドクラウド顧客 Fortune 100企業の40%がHPE Helionを導入 3,000人以上 50 年以上にわたるエンタープライズ実績 プライベートクラウド顧客 クラウドインフラストラクチャ販売実績30億ドル 10,000人 アプリケーショントランスフォーメー ション専門家 Hewlett Packard Enterpriseは、ハイブリッドインフラストラクチャに移行するお客様を支援 してきた実績と定評を有します。HPE Helionでは、オープンアーキテクチャを基盤として おり、企業がハイブリッドインフラストラクチャの適切なRight Mixを特定、実現、および 最適化することが可能になります。HPE Helionの特長は、以下のとおりです。 •オープンアーキテクチャ: サードパーティーのハードウェアに対応、API経由でサード パーティーのソフトウェアと統合、オープンソース: OpenStack、Cloud Foundry、Docker •各種多様な環境をサポート : VMware® 、 MS Hyper-V 、 AWS 、 Azure 、 OpenStack 、 Cloud Foundry、およびDocker •広範なポートフォリオ: 統合システム、クラウド管理ソフトウェア、およびマネージド サービス •複雑なクラウドプロジェクトの計画および実装の専門知識 HPE Helionは、ITサービスの迅速な提供、急速に変化するビジネス環境への対応、アプリ ケーション市場投入の短縮を可能にします。クラウド製品、サービス、およびソリュー ションから構成されるこの総合ポートフォリオは、エンタープライズレベルのセキュリ ティ、スケーラビリティ、およびパフォーマンスを提供します。HPE Helionクラウドソ リューションは、プライベートクラウド、ハイブリッドクラウド、およびマネージド クラウドに対して、合理化、セキュリティ、ガバナンス、迅速化を提供します。Hewlett Packard Enterpriseが、クラウドインフラストラクチャのNo.1プロバイダであることは、こ うした弊社の広範なポートフォリオや実績に裏打ちされたものです。HPE Helionは世界中 3,000以上のお客様にご利用いただいており、Hewlett Packard Enterpriseは、広範なクラウド 支援、業界リードのインフラストラクチャソリューション、および高度なスキルと信頼 性を備えたパートナー数の拡大によって、クラウドインフラストラクチャ業界のトップ シェアを誇っています。 詳細情報 hpe.com/helion メールニュース配信登録 © Copyright 2016 Hewlett Packard Enterprise Development LP. 本書の内容は、将来予告なく変更されることがあります。 Hewlett Packard Enterprise製品およびサービスに対する保証については、当該製品およびサービスの保証規定書に記載 されています。本書のいかなる内容も、新たな保証を追加するものではありません。本書の内容につきましては万 全を期しておりますが、本書中の技術的あるいは校正上の誤り、省略に対しては責任を負いかねますのでご了承く ださい。 Linuxは、米国またはその他の国におけるLinus Torvalds氏の登録商標です。Microsoftは、米国およびその他の国におけ るMicrosoft Corporationの登録商標もしくは商標です。OpenStack Word Markは、米国およびその他の国におけるOpenStack 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