前 回 の「 s t i l l m o v i n g 」か ら 約 1 年 。プ ロ ジ ェ ク ト メ ン バ ー は 移 転 後 の 本 学 の あ り 方 を 考 え る た め の 学 内 会 議 な ど で も 積 極 的 に 活 動 を 行 う と 同 時 に 、本 企 画「 s t i l l m o v i n g ‒ o n t h e t e r r a c e 」に 向 け て 準 備 を 進 め て き ま し た 。本 企 画 を 崇 仁 地 域 に 移 転 し た 本 学 の 新 た な 姿 を 探 る 実 験 と 位 置 づ け 、前 回 に 引 き 続 き 会 場 構 成 を 担 当 す る 長 坂 常( ス キ ー マ 建 築 計 画 )か ら 各 メ ン バ ー に 割 り 振 ら れ た 京 都 市 立 芸 術 大 学 ギ ャ ラ リ ー @ K C U A 内 の さ ま ざ ま な エ リ ア に て 、そ の 場 を「 誤 用 」し て い き ま す 。こ れ は @ K C U A の 空 間 を 利 用 し た「 実 験 」で あ り 、各 メ ン バ ー の 作 品 を 展 示 す る と い っ た 、い わ ゆ る 普 通 の「 展 覧 会 」で は あ り ま せ ん 。ま た 担 当 箇 所 は あ る も の の 、ミ ー テ ィ ン グ を 重 ね 、意 見 を 交 換 し な が ら 構 想 を 練 っ て き た こ と か ら 、誰 に ど の 場 所 が 割 り 振 ら れ て い る か と い う こ と は 敢 え て 明 示 し ま せ ん で し た 。そ し て 、会 期 中 に は @ K C U A お よ び 崇 仁 地 域 で 数 々 の「 実 験 」を 行 っ て い き ま す 。日 々 そ の 姿 を 変 え て い く 空 間 を 目 に す る こ と も あ れ ば 、時 に は 普 段 は 閉 ざ さ れ た 扉 が 開 き 、作 業 を 進 め る メ ン バ ー の 姿 に 出 会 う こ と も あ る で し ょ う 。数 年 後 に は そ れ が、崇仁地域の「日常」となる。この大きな夢に向けた「実験」をお楽しみいただけましたら幸いです。 プロジェクトメンバー 金氏徹平プロジェクト 金氏徹平 [ 京 都 市 立芸術大学美術学部彫刻専攻講師] 今井菜江 [ 彫 刻・M 2] 河原功也 [ 芸 術 学・M 2] 小松千倫 [ 構 想 設 計・M 2] 許芝瑜 高橋悟 長坂常 [ス キ ー マ 建 築 計 画 ] 坂東幸輔 [ 彫 刻・M 2 ] 平田万葉 [ 陶 磁 器・M 2] 藤田紗衣 [ 版 画・M 2] 松永愛沙 [ デ ザ イ ン・M 2] 本山ゆかり 森美哉子 [ 油 画・M 2] [ 構 想 設 計・M 2] 小山田徹 森野彰人 京 都 市 立 芸 術 大 学 は 数 年 後 に 、J R 京 都 駅 の 東 側 エ リ ア で あ る「 崇 仁 地 域 」へ の 移 転 を 予 定 し て い ま す 。 2 0 1 5 年 3 月 7 日 ー 5 月 1 0 日 に は 、国 内 外 の ア ー テ ィ ス ト が 集 い 、こ の 地 域 へ 移 動 し て い く「 第 一 歩 」と し て 、展 覧 会「 s t i l l m o v i n g 」を 実 施 し ま し た 。そ の 後 も 、こ の 地 域 が 国 際 都 市・京 都 の 文 化 芸 術 の 新 た な 拠 点 と な る こ と を 目 指 し 、交 流 事 業 や 学 生 の 展 示 な ど 、さ ま ざ ま な 移 転 プ レ 事 業 を 継 続 的 に 展 開 し て い ま す 。 そ し て こ の 春 、京 都 市 立 芸 術 大 学 ギ ャ ラ リ ー @ K C U A を メ イ ン 会 場 と し て「 s t i l l m o v i n g ‒ o n t h e t e r r a c e 」を 開 催 致 し ま す 。本 企 画 で は 、本 学 関 係 者 を 中 心 と し た プ ロ ジ ェ ク ト メ ン バ ー が 、移 転 後 の 本 学 が 果 た す 役 割 を 想 定 し な が ら 、ギ ャ ラ リ ー @ K C U A 内 の あ ら ゆ る 場 所 で 、そ し て 時 に は 崇 仁 地 域 に て 、日 々 そ の 形 を 変 化 さ せ つ つ 、新 し い 生 き 方・働 き 方・コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン の 仕 方 を 模 索 し て い き ま す 。そ れ は 、一 般 社 会 で は リ ス ク が あ る と 思 わ れ る こ と で も 、失 敗 を 怖 れ ず に 取 り 組 む こ と が で き る 大 学 だ か ら こ そ 可 能 な 、 プ ロ ジ ェ ク ト・コ ー デ ィ ネ ー ト 藤田瑞穂 [京都市立芸術大学ギャラリー@KCUA 学芸員] 日常的な価値観の外側に軸足を置いた創造的実験になることでしょう。 「 s t i l l m o v i n g 」は 、未 来 の 芸 術 大 学 の 姿 を 思 い 描 き な が ら 、オ ル タ ナ テ ィ ブ の 新 し い か た ち を 求 め 、挑 戦 を 続 け て い る の で す 。 設営スタッフ 池田亜耶子 池田精堂 大西治 岸野史義 岸本光大 熊谷卓哉 熊野陽平 倉智敬子 鈴木理咲子 田川莉那 寺嶋剣吾 Gゼミ 西 原 将 [スキーマ建築計画] 二 瓶 晃 人 長 果 月 松 宮 恵 子 安 田 知 司 井上明彦 [ 京 都 市 立芸術大学美術学部教授(造形計画)] 亀井寿美 [ V D・卒 業生] 熊田悠夢 [ 漆 工・M 2] 田中美帆 [ 彫 刻・M 2] 出口義子 [ 日 本 画・M 2] 前田菜月 [ 漆 工・修 了生] 協力 藤本真理 安田渓 京 都 芸 大 の 移 転 の コ ン セ プ ト で も あ る On the terrace 的 活 動 の 精 神 を 見 て い た だこうと考えた。その結果、会場である@KCUA というギャラリー内の施設を誤用 しもう一つの@KCUA を感じとってもらおうと考え各所に新たな用途を振り分けま 杉山雅之 Studio INAMATT した。どんな誤用かは見てのお楽しみ。 長坂 常 [ 本展会場構成 ] 1F 2F フローとストック ホテル養生 1. 吉岡俊直《Cubic-Ectype(empty)》 大学院美術研究科絵画専攻修了作品(版画) 材質:ゴム / インク 技法:セリグラフ 制作年:平成9年(1997) 110.5×110.5×7.2 代表的日本人 美術学部美術科油画専攻卒業作品 材質:板・麻布 / 油絵具 技法:油彩 制作年:平成4年(1992) 316.0×210.0 3. 長谷川直人《在(界)Ⅰ》 美術学部工芸コース陶磁器専攻卒業作品 材質:陶土 技法:焼成 制作年:昭和58年(1983) 53.0×53.0 8 3 4. 永楽保全《染付雲堂文火入》 9 10 ニューギニア民族資料 材質:木 技法:彫刻 制作年:20世紀 71.5×17.0 Stock @KCUA コウテイのイシ 9 . 土井隆雄《宇宙絵画》 4 2 5 6 7 材質:画用紙 / 色鉛筆 技法:宇宙船内にて描画(実験) 制作年:平成12年(2000) 18.0×26.0 食堂 10. 小林和作《山水図(文嘉)》 Office 1 モリノホテル 写真:濱田英明 8 . 作者不詳《仮面》 2. 岡村寛生《ジャーマン・スープレックス・ホールド》 HAPPY WEEDS 材質:和紙 / 墨・顔料 技法:墨画・部分膠彩 制作年:明治44年(1911) 97.3×30.5 大学移転会議室 作業室(公開日あり) 材質:陶土 / 釉 技法:焼成 制作年:江戸時代後期 7.9×11.0×11.0 WC 5. 作者不詳《ヤシ殻笛》 材質:ヤシ殻 / 顔料 技法:彫刻・著彩 制作年:20世紀 6. 富本憲吉《色絵優子用湯呑》 材質:陶土 / 釉薬 技法:焼成 制作年:昭和時代 6.2×8.2×8.2 EV × 学長室 × 工具箱 unber the table / 広場 新キャンパスを、 「京都の市民文化の新たな火床」 (床=テラス)として位置づける。 《 t e r r a c e 》と は 、複 数 の 世 代 、異 な る 関 心 を も つ 人 び と が 、地 面 か ら 少 し 浮 い た 板 敷 き の 場 所 で( つ ま り 、目 下 の 利 害 関 心 か ら 自 分 を 7. 作者不詳《一休和尚像(没倫紹等)》 《 t e r r a c e 》と は 、内 か ら 外 に 張 り だ し て 、人 と 人 び と 、人 と 自 然 と を 触 れ あ わ せ る 共 有 空 間 で あ る 。崇 仁 地 域 で の 京 都 市 立 芸 術 大 学 外し)、自分たちの現在と子どもたちの未来を語りあう場所である。 (東京:東京国立博物館/原本) 材質:和紙/墨・顔料 技法:墨画・部分膠彩 制作年:昭和時代(20th century) 16.0 × 25.6 terrace[英]、terrase[仏] テラス構造 古フランス語では 「盛り土」 を意味する。< terra[ラ]土、大地、地球 ・建築におけるテラス:建物本体からの突き出し部分、屋根の上の面 ・地形におけるテラス:高低差のある平坦な面 →五感を刺激する共有空間 ※ 1 − 1 0 は 全 て 京 都 市 立 芸 術 大 学 芸 術 資 料館収蔵品 →懐かしい驚きで、うきうきと心踊る場所 河岸段丘 (river terrace)
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