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2016 年 4 月 20 日
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CBREが全国13都市のオフィスビル市場動向(2016年第1四半期)を発表
オフィス市場は全国的に引き続き需給タイト
東京オールグレードの空室率は2008年Q3以来、7年半ぶりの3%割れ
CBRE(日本本社:東京都千代田区丸の内)は本日、2016年第1四半期(Q1)の全国13都市オフィス
ビル市場動向を発表しました。
【注目動向】
 東京グレードA空室率は対前期比-0.4ポイントの2.9%と、7年半ぶりに3%割れ

大阪ではグレードA空室率が3年ぶりに上昇するも、業績好調な中堅企業が需要を牽引、オー
ルグレード空室率は引き続き低下

名古屋グレードA空室率は新規供給の影響で上昇した前期から一転、2期ぶりに低下

ほぼ全ての地方都市で賃料は上昇
■東京23区
2016年Q1の東京23区のオールグレード空室率は対前期比-0.3ポイントの2.7%となり、2008年
Q3以来、7年半ぶりに3%を下回りました。事業拡張や集約などのため、年度内に移転先を決める
必要性のある企業が積極的にスペースを消化しました。
年初からの株価下落や円高が、企業収益、ひいては今後のオフィス需要に与える影響が懸念されて
います。直近の市況実績をみる限り、今のところオフィス需要面での影響はみられません。しかし、不
透明な経済情勢が長引けば、企業の移転意欲が減退するリスクが高まることも考えられます。
2016年Q1の東京のグレードA空室率は、対前期比-0.4ポイントの2.9%となり、こちらも7年半ぶり
の3%割れとなりました。昨年竣工して空室を残していた新築ビルでは、資産運用会社の統合に伴う
集約移転で大きくリーシングが進展しました。その結果「丸の内・大手町」エリアの空室率は、対前期
比-1.1ポイントの1.3%と再び低下しました。「新宿」エリアでは、2012年Q2以来、約4年ぶりの新築
ビルとなる「JR新宿ミライナタワー」が竣工しました。一部空室を残しての竣工となったものの、JR新
宿駅に直結した交通利便性の高いビルであることからも、残りの空室消化にそれほど時間はかから
ない見通しです。
グレードAの想定成約賃料は対前期比+1.3%の34,900円/坪となりました。新築ビルによる平均賃
料の押上げ効果に加え、3万円/坪を下回る割安感のあるビルで、オーナーが募集賃料を引き上げ
る事例がみられています。
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CBREビル営業統括部エグゼクティブディレクター統括部長の丸山秀樹は、「今期は外資系と日系企
業とを問わず、幅広い業種で立地改善や拡張移転などの前向きな理由での大型移転があった。一
方、年初の中東の情勢不安を皮切りとした世界経済の悪化に対する不安が、テナントの移転計画に
も影響し始めている。そのため、物件によっては条件面での柔軟性がこれまで以上に必要になる可
能性もある。今年度竣工予定の大型物件の成約状況も注視していきたい」とコメントしています。
■大阪
2016 年 Q1 の大阪のオールグレード空室率は対前期比-0.3 ポイントの 5.3%となりました。12 期
連続の低下となり、連続低下期間は 2004Q3~2007Q2 の 11 期を上回って過去最長を更新しまし
た。今期も前期に引き続きグレード B で強い動きが目立ちました。業績好調な中堅企業の床需要が
旺盛で、立地改善やビルグレード向上を目的とする移転がグレード B ビルに流入しました。今後、まと
まった空室が発生する可能性は低く、新規供給もわずかであるため、需給のタイト化はさらに進む見
通しです。
2016 年 Q1 の大阪のグレード A 空室率は対前期比+0.3 ポイントの 4.8%と、13 期ぶりの上昇とな
りました。グレード A の中でも賃料水準が高いビルの空室消化が進んでいないことに加え、一部で新
たに空室が発生したことが要因です。景気見通しの不透明感の高まりから、大企業がやや慎重に
なっていることが背景と考えられます。一方、グレード A の想定成約賃料は 7 期連続での上昇となり
ました。ただし、対前期比+0.2%の 20,150 円/坪と小幅な上昇にとどまっています。
CBRE 関西支社長の上遠野孝は、「景気見通しの不透明感から一部移転に慎重になる企業がみられ
たが、全体的には企業の拡張や増床意欲の高い状況は続いている。グレード A の空室率は上昇した
が、年内に新規供給はなく、来年もわずかだ。需給がタイト化するトレンドはまだまだ続くだろう」と述
べています。
■名古屋
2016年Q1の名古屋のオールグレード空室率は対前期比-0.1ポイントの4.2%となり、9期連続の
低下となりました。移転事例は前期と比べて少なかったものの、業容拡大に伴う拡張移転によって空
室が消化されました。前期に竣工した大型ビル2棟に移転したテナントの移転元ビルの一部では、二
次空室の発生が懸念されています。しかし、館内増床を含む拡張ニーズや郊外からの移転による引
き合いは多く、実際の空室発生は限定的とみられます。
2016年Q1の名古屋のグレードA空室率は、対前期比-0.6ポイントの3.4%になりました。前期は新
規ビルの竣工により空室率が上昇したものの、今期は再び低下しています。館内増床や「名駅」エリ
アへの立地改善移転により、複数のビルで空室が消化されました。グレードAの想定成約賃料は対
前期比+1.7%の23,650円/坪となりました。「名駅」以外のグレードAビルでも稼働率が向上し、下
限賃料を見直す動きがみられます。
CBRE名古屋支店長の藤本隆博は、「空室が限定的であるタイトなマーケットが続いている。当面、ま
とまった空室の発生も考えられず、この状況は継続するだろう。高グレードビルを中心に賃料にもさら
なる上昇の兆しがみられる」と述べています。
■全国の市況
2016年Q1の全国各都市の空室率は、調査対象13都市中、11都市で前期に比べて低下しました。
大手IT企業による新規開設がみられた「札幌」の空室率は対前期比-0.1ポイントの2.4%、コールセ
ンターの新設や増床が相次いだ「福岡」では、同-0.1ポイントの2.4%と、いずれの都市も過去最低
値を更新しました。首都圏では、「さいたま」の空室率が対前期比-0.8ポイントの2.2%と全国で最も
低い水準となりました。また、「横浜」では、集約移転により大きな二次空室が消化された結果、同1.0
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ポイント低下の4.7%となりました。
想定成約賃料は、3大都市を除く10都市中、「神戸」を除く9都市で上昇しました。空室率の低下とと
もに、賃料の上昇基調は続いています。「さいたま」「福岡」では賃料が2%超の上昇となりました。賃
料の上昇がやや遅れていた「仙台」でも、稼働率の高まったビルを中心に、オーナーが下限賃料を見
直す動きが広がり、1%超の賃料上昇となりました。
■全国の空室率・想定成約賃料
グレードA
空室率
想定成約賃料
Q4 2015
Q1 2016
前期比
Q4 2015
Q1 2016
前期比
東京
3.3%
2.9%
-0.4pts
34,450
34,900
+1.3%
大阪
4.5%
4.8%
+0.3pts
20,100
20,150
+0.2%
名古屋
4.0%
3.4%
-0.6pts
23,250
23,650
+1.7%
Q4 2015
Q1 2016
前期比
Q4 2015
Q1 2016
前期比
2.6%
2.3%
-0.3pts
23,800
24,150
+1.5%
Q4 2015
Q1 2016
前期比
Q4 2015
Q1 2016
前期比
東京
3.2%
3.2%
±0.0pts
20,300
20,550
+1.2%
大阪
4.8%
4.4%
-0.4pts
11,150
11,250
+0.9%
名古屋
3.5%
3.6%
+0.1pts
12,050
12,050
±0.0%
Q4 2015
Q1 2016
前期比
Q4 2015
Q1 2016
前期比
東京
3.0%
2.7%
-0.3pts
大阪
5.6%
5.3%
-0.3pts
名古屋
4.3%
4.2%
-0.1pts
横浜
5.7%
4.7%
-1.0pts
13,780
13,830
+0.4%
さいたま
3.0%
2.2%
-0.8pts
14,930
15,510
+3.9%
札幌
3.3%
2.3%
-1.0pts
11,000
11,080
+0.7%
仙台
7.5%
7.2%
-0.3pts
9,380
9,510
+1.4%
金沢
11.2%
11.2%
±0.0pts
9,520
9,580
+0.6%
京都
4.2%
3.2%
-1.0pts
11,490
11,500
+0.1%
神戸
6.6%
6.2%
-0.4pts
10,660
10,650
-0.1%
広島
3.9%
3.2%
-0.7pts
10,010
10,060
+0.5%
高松
10.4%
11.4%
+1.0pts
8,650
8,720
+0.8%
福岡
2.5%
2.4%
-0.1pts
11,020
11,250
+2.1%
グレード A マイナス
東京
グレードB
オールグレード
空室率
想定成約賃料
空室率
想定成約賃料
空室率
想定成約賃料
出所: CBRE, Q1 2016
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■東京
(円/坪)
35,000
5.5%
34,900
34,000
5.0%
4.5%
33,000
4.0%
32,000
3.5%
3.2%
2.9% 3.0%
2.7% 2.5%
2.3%
2.0%
Q1 2016
31,000
30,000
Q1 2015
Q2 2015
Q3 2015
グレードA 想定成約賃料
グレードAマイナス 空室率
オールグレード(23区) 空室率
Q4 2015
グレードA 空室率
グレードB 空室率
出所: CBRE, Q1 2016
■大阪
(円/坪)
20,500
20,000
19,500
19,000
18,500
Q1 2015
Q2 2015
Q3 2015
Q4 2015
7.5%
7.0%
6.5%
20,150
6.0%
5.3% 5.5%
5.0%
4.8%
4.4% 4.5%
4.0%
3.5%
3.0%
Q1 2016
グレードA 想定成約賃料
グレードA 空室率
グレードB 空室率
オールグレード 空室率
出所: CBRE, Q1 2016
■名古屋
(円/坪)
24,000
23,500
23,000
22,500
22,000
21,500
21,000
20,500
20,000
6.0%
5.0%
23,650
4.2% 4.0%
3.6%
3.4% 3.0%
2.0%
1.0%
0.0%
Q1 2015
Q2 2015
グレードA 想定成約賃料
グレードB 空室率
Q3 2015
Q4 2015
Q1 2016
グレードA 空室率
オールグレード 空室率
出所: CBRE, Q1 2016
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■全国10都市空室率
16.0%
14.0%
12.0%
11.4%
11.2%
10.0%
8.0%
7.2%
6.2%
6.0%
4.7%
3.2%
3.2%
2.4%
2.3%
2.2%
Q1 2016
4.0%
2.0%
Q1 2015
Q2 2015
Q3 2015
Q4 2015
横浜
さいたま
札幌
仙台
金沢
京都
神戸
広島
高松
福岡
出所: CBRE, Q1 2016
■全国10都市想定成約賃料
(坪 / 円)
16,000
15,510
15,000
14,000
13,830
13,000
12,000
11,550
11,250
11,080
10,650
10,060
9,580
9,510
8,720
11,000
10,000
9,000
8,000
Q1 2015
Q2 2015
Q3 2015
Q4 2015
Q1 2016
横浜
さいたま
札幌
仙台
金沢
京都
神戸
広島
高松
福岡
出所: CBRE, Q1 2016
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各都市のマーケットデータおよび市況の解説詳細は、4月27日発刊の「ジャパンオフィスマーケット
ビューQ1 2016」または弊社ホームページ上でもご覧頂けます。 www.cbre.com.
CBRE について
CBRE グループ(NYSE:CBG)は、「フォーチュン 500」や「S&P 500」にランクされ、ロサンゼルスを本拠とする世界最大
の事業用不動産サービスおよび投資顧問会社です(2014 年の売上ベース)。全世界で 70,000 人を超える従業員、
400 カ所以上の拠点(系列会社および提携先は除く)を有し、不動産オーナー、投資家、オキュパイアーに対し、幅
広いサービスを提供しています。不動産売買・賃貸借の戦略的アドバイスおよび取引業務、コーポレートサービス、プ
ロパティマネジメント、ファシリティマネジメント、プロジェクトマネジメント、事業用不動産ローン、不動産鑑定評価、不
動産開発サービス、不動産投資マネジメント、リサーチ・コンサルティングを主要業務としています。詳細につきまして
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