FX Weekly 平成 28(2016)年 4 月 22 日 GLOBAL MARKETS RESEARCH チーフアナリスト 内田 稔 三菱東京 UFJ 銀行 A member of MUFG, a global financial group Table of contents 1 今週のトピックス 2 来週の相場見通し 3 来週の経済指標・イベント 4 マーケットカレンダー 1. 今週のトピックス (1) 4 月 26-27 日の FOMC の行方 シニアマーケットエコノミスト 鈴木 敏之 (2) ECB は引き続き緩和スタンスを示す シニアアナリスト 天達 泰章 2. 来週の相場見通し (1) ドル円:日米の金融政策見極めへ 予想レンジ 107.75 ~ 111.75 (2) ユーロ:ECB 緩和スタンス継続を受けて上値重い 予想レンジ 対ドル: 1.1100 ~ 1.1400 対円: 123.00 ~ 127.00 (3) 豪ドル:来週は消費者物価指数がメインイベント 予想レンジ 4/29、5/6(金)の FX Weekly は 休刊とさせていただきます。 次回は 5/13(金)発行予定です。 対ドル: 0.7500 ~ 0.79 対円: 83.50 ~ 87.50 (4) 人民元:米ドルインデックスに沿った動きが続こう 予想レンジ 対ドル: 6.4500 ~ 6.5200 対円: FX Monthly5 月号は 4/28(木)発行予定です。 1 FX Weekly | 平成 28(2016)年 4 月 22 日 16.70 ~ 17.20 (1) 4 月 26-27 日の FOMC の行方 4 月 26-27 日に米国では連邦公開市場委員会(FOMC)の開催が 予定されている。今回は、FF金利の予測であるドットチャートを含 む経済見通し(SEP:Summary of Economic Projections)の公表、イ エレンFRB議長の記者会見のない会合で、発信はFOMC声明の発表 のみとなる。声明発表は、日本時間 4 月 28 日の午前 3 時の予定で ある。 今回のFOMCでは、政策変更は見込まれていない。翌日の 4 月 28 日に、第 1 四半期のGDPの事前推定値が発表されるが、弱い数字に なりそうで、利上げは難しい。今回のFOMCは、次回の 6 月 14-15 日の会合で利上げに動けるように、FOMC声明の文言の修正で、布 石を打つかどうかが注目される。その点は、利上げをしないという 断定をさせない程度にとどまる調整とみておきたい。 ① 今回の FOMC は政策変更なしの見込み 4 月 26-27 日の FOMC では、政策変更はなさ そう 前回のFOMC会合の議事要旨(Minutes)で、4 月の利上げが議論 されていたことが明らかになったのはサプライズであったが、今回 の 4 月 26-27 日のFOMCで政策変更がなされる可能性は小さい。 (Fed は政策変更の手順を踏んでいない=今回は利上げなさそう) 前回のFOMC声明に、“ (However), global economic and financial developments continue to pose risks.” (国際経済と金融市場の動向が 引き続きリスクをもたらしている)の一文が含まれている。通常で あれば、この警戒を解くことをFOMCで告知してから、利上げに進 むのが手順である。 実際、昨年 9 月 17 日のFOMC声明では、“Recent global economic and financial developments may restrain economic activity somewhat and are likely to put further downward pressure on inflation in the near term.” (最近の世界経済と国際金融市場の動きは経済活動を押し下げよう し、当座のインフレ率の低下圧力を強めるだろう)の一文があった。 そして、次の 10 月 28 日のFOMC声明でこの警戒を解除し、さらに 次回で利上げの検討と言って、実質的に利上げを告知してから、12 月 16 日に利上げを行っている。 こうした手順をFedは大事にする。この 4 月 26-27 日に、これま で、利上げをするための手順は踏まれていない。また、市場は、4 月 27 日に利上げがなされる確率をゼロとみなしている。そうした 状態でサプライズを引き起こすことを、Fedは好まないとされる。 いずれにしても、今回の利上げは難しいだろう。 2 今週のトピックス | 平成 28(2016)年 4 月 22 日 (翌日に第 1 四半期の GDP 事前推定値の発表) FOMC の 翌 日 発 表 の GDP が弱含みと見込 まれる 4 月 27 日のFOMC声明の発表翌日に、第 1 四半期のGDPの事前推 定値が発表される日程である。この事前推定値は、現時点で市場予 想が前期比年率 0.7%、アトランタ連銀の推計のGDP Nowが同 0.3%、 ニューヨーク連銀のNowcastが同 0.8%である。 成長率の数字が低いことが問題であることは無論である。さらに、 GDP Nowでみて、設備投資の寄与がマイナスとみられていること も甚だ厄介である。設備投資がマイナス成長となると、経済に弱い 数字が出ても、外国要因であって、米国の国内経済は強いという話 が通じなくなるからである。ここに着目すると利上げどころではな い。 第 1 図: GDP Now でみると第 1 四半期の設備投資はマイナス寄与 (前期比年率、%) 2.5 GDP Nowの第1四半期成長率が大きく 低下 設備投資はマイナス寄与 2.0 1.5 1.0 0.5 0.0 GDP全体 2016/4/18 2016/4/16 2016/4/14 2016/4/12 2016/4/8 2016/4/10 2016/4/6 2016/4/4 2016/4/2 2016/3/31 2016/3/29 2016/3/27 2016/3/25 2016/3/23 2016/3/21 2016/3/19 2016/3/17 2016/3/15 2016/3/13 2016/3/9 2016/3/11 2016/3/7 2016/3/5 2016/3/3 2016/3/1 2016/2/28 2016/2/26 ‐0.5 設備投資の成長寄与 (資料)アトランタ連銀のデータより、三菱東京 UFJ 銀行グローバルマーケットリサーチ作成 (弱い世界経済) Fedの金融政策を左右するのは、米国の国内経済の数字でみての 任務達成如何であって、外国の経済状況に難があっても、米国に とって必要であれば利上げを躊躇しないというのが、基本姿勢のは ずであった。ところが、上記のグローバル経済、市場からのリスク 警戒の一文の通り、ここへきて、FOMCは外国も勘案する姿勢を見 せるようになっている。 そのグローバル経済であるが、4 月 12 日に発表されたIMFの世界 経済見通し(WEO:The World Economic Outlook)は、2016 年の成 長率を 1 月予測の 3.4%から 3.2%に引き下げている。多くの下降リ スクを上げている。リスクは深まったといえる。グローバル経済発 のリスクについての警戒解除には慎重にならざるをえないであろう。 ② 6 月 14-15 日の利上げに動く可能性を排除しない工夫 次の 6 月の FOMC で 利上げに動ける余地を つくる工夫はしそう 3 米国経済は、Fedのふたつの任務である持続可能な雇用の最大化、 物価の安定ということに関しては、申し分のない状態にある。この 状態で、今の金融緩和を続けることは危険である。金融政策の正常 今週のトピックス | 平成 28(2016)年 4 月 22 日 化のため、利上げに進むということは放棄できない。勢力の数は少 ないが、インフレ抑制を絶対視するいわゆるタカ派のメンバーはい るし、インフレの指標も手放しで楽観はできないからである。実際、 前回のFOMCでは、カンザスシテイ連銀のジョージ総裁が採決で反 対している。 前回のFOMC / SEPでは、FOMCメンバーの 9 人が年 2 回の利上げ を言っている。ここで、6 月の利上げを断念してしまうことを告知 す る と 、 す な わ ち “However, global economic and financial developments continue to pose risks.” の文をそのまま残すと、年内 2 回の利上げが難しいという雰囲気が強まりかねない。 このため、今回のFOMC声明では、経済状態の好転がみえた場合 は、6 月 14-15 日に利上げができるように自由度を確保したいであ ろう。そのための工夫がなされる可能性はみておきたい。ひとつの アイデアは、“However, global economic and financial developments continue to pose risks.” の文を「(株価はしっかりしているので)リ スクはあるが小さくなっている」などに微調整して、次回の行動に 含みを持たせることである。 ③ 6 月の FOMC の直後に英国の EU 離脱を問う国民投票 6 月 FOMC は英国の EU 離脱を問う国民投 票直前であることが、 制約になる可能性 FOMCは、異なる意見を持つメンバーの集合体であり、その意見 の隔たりも小さくない。3 月 29 日のイエレンFRB議長の講演の発言 などからみると、彼女は利上げに消極的な姿勢が強いことがうかが える。仮に、このFOMC声明で 6 月 14-15 日の利上げに含みを持た す微調整がなされても、イエレン議長の姿勢からすると、実際に利 上げの行動を起こすことには、相当に慎重とみられる。 第 2 四半期の経済が相応にしっかりしていることをみる必要があ るだろうが、ニューヨーク連銀のNowcastによると、第 2 四半期の GDP成長率も 1.2%でしかない。 また、厄介なことに、6 月 14-15 日のFOMC直後といえる 6 月 23 日に、英国でEU離脱(Brexit)を問う国民投票の日程がある。仮に 離脱となると、市場が動揺する懸念がある。IMF / WEOのレポート でも、Brexitは、「従来の貿易関係に混乱が生じ、地域や世界全体に 深刻な悪影響を及ぼす」と警告している。 FOMCは、6 月 14-15 日のあと、7 月 26-27 日、9 月 20-21 日、11 月 1-2 日(注:大統領選挙の投票は 11 月 8 日)、12 月 13-14 日と ある。年内 2 回の利上げということであれば、どうしても 6 月 1415 日に利上げしなければならないわけでもない。 4 月 26-27 日は政策変更なし、6 月 14-15 日は可能性を見込ませる が、実際の利上げはなされ難い、年 2 回利上げするという看板はお ろさないというのが、今後の米国の金融政策の見方ということにな る。 4 今週のトピックス | 平成 28(2016)年 4 月 22 日 やがて、2018 年まで 利上げを続けるという 方針の仕切りなおしが 必要となろう その先であるが、米国の景気拡大は成熟しつつあり、自然利子率 の低下も止まらないので、SEPの言う 2018 年まで利上げを続けて 行くというのは現実的ではない。どこかで、今の長期にわたる利上 げ継続の方針の放棄、仕切りなおしがなされるとみておきたい。 第 2 図:米国の景気拡大は成熟局面入り (前年同月比 %) 7 (前年同月比 %) 15 6 12 5 9 4 6 3 3 2 0 1 -3 0 -6 -1 -9 -2 -12 -3 -15 -4 人口一人当たり実質個人消費〈左目盛〉 -18 -5 景気先行指数〈右目盛〉 -21 -6 -24 91 93 95 97 99 01 03 05 07 09 11 13 15 (年) (資料)米商務省、コンファレンスボードのデータより、三菱東京 UFJ 銀行グローバルマーケットリサーチ作成 第 3 図: FOMC メンバーのみる FF 金利~2018 年まで利上げを続けるというのは非現実的 (%) 4.0 3.5 3.0 2.5 2.0 1.5 1.0 0.5 0.0 2015年末 2016年末 2015年9月予測 2017年末 2015年12月予測 2018年末 長期 2016年3月予測 (資料)FRB の HP 掲載のデータより、三菱東京 UFJ 銀行グローバルマーケットリサーチ作成 シニアマーケットエコノミスト 5 今週のトピックス | 平成 28(2016)年 4 月 22 日 鈴木 敏之 (2) ECB は引き続き緩和スタンスを示す ECB は政策金利を据 え置き ECBは、4 月 21 日のECB理事会で、政策金利であるリファイナン ス金利を 0.00%に、短期金融市場の上限金利となる限界ファシリ テ ィ 金 利 を 0.25% 、 下 限 金 利 と な る 預 金 フ ァ シ リ テ ィ 金 利 を ▲0.40%に据え置いた(第 1 図)。 第 1 図: ECB の政策金利の推移 (%) 6 5 4 3 2 1 0 -1 08 09 10 11 預金ファシリティ金利 12 13 政策金利 14 限界貸出金利 15 16 (年) (資料)ECB より三菱東京UFJ銀行グローバルマーケットリサーチ作成 加えて、社債買入プログラムの詳細を発表した。 事前予想通り、3 月ECB理事会で決定された包括的追加緩和の効 果を見極める段階であったことから政策変更はなかった。更に、 ECBによる緩和スタンスにも変化がなかったことから、ユーロドル は概ね横這い推移している。 ① 景気認識と政策スタンス ECB は引き続き金融 緩和スタンス 6 記者会見の冒頭声明では、3 月ECB理事会で決定した(イ)政策 金利引下げ、(ロ)資産買入拡大、(ハ)TLTROⅡ導入などの包 括的追加緩和によって、「ユーロ圏の金融環境は幅広く改善した」、 「ユーロ圏銀行システムを通じた企業と家計に対する金融政策の刺 激効果は強まっている」、「消費や投資の見通しを下支えするだろ う」と評価した。 しかし、「世界的な先行き不透明感は依然として残っている」と 明記し、リスク認識についても「ユーロ圏の成長見通しについて依 然下方に傾いている」とした。 そのため、冒頭声明では、「政策金利を長期間かつ資産買入期間 終了後も、現在の水準もしくは下回る水準に留める」と、状況に よって、マイナス金利幅の拡大による追加緩和を実施することを示 唆した。ドラギECB総裁は記者会見で「望ましくない金融の収縮が 確認されれば、理事会はあらゆる手段を活用し対処する用意が整っ ている」と発言した。 すなわち、ECBは引き続き金融緩和スタンスを示した。 今週のトピックス | 平成 28(2016)年 4 月 22 日 ② マイナス金利に対する見解 追加緩和はマイナス金利拡大によるものとなることが予想される。 マイナス金利について、ドラギECB総裁は記者会見で「ECBは影響 が複雑であることを認識している」としつつも、「銀行収益を傷め ていない」、「マイナス金利が金融政策の伝達を阻害している事実 はない」などの認識を示した。加えて、「マイナス金利が預金者や 借入主体に波及していない」とも発言した。 更に、「年金や保険などが低金利の影響を受けているが、(収益 の悪化を)全て低金利のせいにしないよう注意を促したい」とマイ ナス金利への批判に対して釘を刺した。「年金や保険は保有証券を ECBによる資産買入オペで売却して利益を得ている」とも苦言を呈 している。 また、マイナス金利政策によって、銀行の信用基準DIは「緩い超」 に転化し、企業の資金需要DIも「増加超」に転じ、貸出市場の資金 需給は改善している(第 2、3、4 図)。加えて、個人と企業向けの 貸出は増加している。そのため、ドラギECB総裁は「銀行の与信は 2014 年第 2 四半期以降伸びている」とした。 こうしたことから、マイナス金利は「(全体として)ポジティブ な効果を持った」と総括している。次の一手はマイナス金利幅の拡 大になろう。 マイナス金利は「銀行 収益を傷めていな い」、「(全体とし て)ポジティブな効 果」 第 2 図 :ユーロ圏銀行の信用基準 DI 第 3 図:ユーロ圏企業の資金需要 DI 40 80 60 20 増加 40 厳しい 0 20 減少 -20 0 緩い -40 -20 08/1 09/1 10/1 11/1 過去3ヶ月 12/1 13/1 14/1 08/1 15/1 09/1 10/1 11/1 (年/月) 今後3ヶ月 (資料)ECB より三菱東京 UFJ 銀行グローバルマーケットリサーチ作成 12/1 過去3ヶ月 13/1 14/1 15/1 今後3ヶ月 (資料)ECB より三菱東京 UFJ 銀行グローバルマーケットリサーチ作成 第 4 図 :ユーロ圏貸出残高(前年比) (%) 15 10 5 0 -5 -10 08/1 09/1 10/1 11/1 個人向け貸出 12/1 13/1 企業向け貸出 (資料)ECB より三菱東京 UFJ 銀行グローバルマーケットリサーチ作成 7 今週のトピックス | 平成 28(2016)年 4 月 22 日 14/1 15/1 16/1 (年/月) (年/月) ③ 社債買入プログラムの詳細 ドイツ等に配慮して社 債買入プログラムを決 定した可能性 ECBは 6 月から実施する社債買入プログラムの詳細も発表した。 (イ)残存期間を 6 ヶ月から 30 年まで、(ロ)一銘柄当りの買入 可能額を 70%まで、(ハ)買入金利の下限を預金ファイシリティ金 利である▲0.40%としたことで、ECB適格担保かつ投資適格級の社 債のほとんどが買入対象となる。国債買入プログラムにおける一銘 柄当りの買入可能額は 33%であったことを踏まえると、毎月の資産 買入(800 億ユーロ)に占める社債の割合は金融市場が想定したよ りも大きなものとなろう。 これは、ドイツ等の北部勢が「資産買入の拡大による国債買入額 の増加によって財政規律が緩む」との批判に配慮したものと考えら れる。 第 5 表: 社債買入プログラム(CSPP) 購入期間 買入対象 2016 年 6 月~2017 年 3 月 適格条件 ECB適格担保 発行体 ユーロ圏で設立された非金融機関(保険含 む)。親会社が欧州圏外でも可。 買入可能額 格付 最低 1 社から投資適格(BBB-)を取得 通貨 ユーロ建て 残存期間 6 ヶ月から 30 年 流通利回り 預金ファシリティ金利(▲0.4%)以上 一銘柄当り 70%まで 買入市場 発行・流通市場 買入取引先 ECBオペ参加資格金融機関等 買入実施先 6 中央銀行(ドイツ、フランス、イタリア、 スペイン、ベルギー、フィンランド) (資料)ECB より三菱東京 UFJ 銀行グローバルマーケットリサーチ作成 ④ 結語 4 月ECB理事会は、3 月理事会で決定された包括的追加緩和策の 詳細な実施方法の検討や効果の検証のために、政策変更はなく、無 風となった。 ただし、ECBはマイナス金利の効果について、一般的に銀行収益 への影響が懸念されているが、「銀行収益を傷めていない」との認 識を示した。加えて、「マイナス金利が金融政策の伝達を阻害して いる事実はない」、寧ろ、銀行与信の増加等を通じて「(全体とし て)ポジティブ」との見方を示した。こうしたことから、ECBは状 況によってマイナス金利幅の拡大による追加緩和を実施することを 示唆した。 当方は、ECBは当面、様子見姿勢を続けようが、状況によって ▲10bpsのマイナス金利幅の拡大を見ている。ユーロドルの緩やか な下落を見込む。 シニアアナリスト 8 今週のトピックス | 平成 28(2016)年 4 月 22 日 天達 泰章 (1) ドル円:日米の金融政策見極めへ 9 今週のレビュー ドル円、底堅くも 110 円手前で失速。その 後、一部の報道受け、 110 円台回復 4 月 14 日から 15 日にかけて、米ワシントンで開催されたG20 (20 ヶ国・地域)財務相・中央銀行総裁会議では、為替相場に関 する日米の温度差が浮き彫りとなった。麻生財務相は、為替相場の 過度な変動や無秩序な動きは、経済に悪影響を及ぼすとの認識を米 側と共有したと発言。これに対し、米ルー財務長官は翌日、ここま での円高にも触れた上で、為替市場が秩序立っていると発言したた めだ。この結果、市場参加者の一部で燻っていた本邦当局による円 売り為替介入観測がほぼ立ち消えとなり、一段の円高が警戒された。 折しも、カタールで開催されていた産油国会合でも、イランの取り 込みを巡る意見対立から、増産凍結合意が見送られ、リスク回避再 燃も警戒される中、ドル円は週明け 18 日の早朝に 107.75 まで急落 して始まっている。その後も熊本での地震も一因となって、日経平 均株価が前週末の終値比、一時下げ幅が 600 円に迫ったことを横目 に、ドル円はしばらくの間、107 円台後半と直近の安値圏にて推移 した。但し、ドル円は 4/11 に記録した安値 107.63 を前に下げ渋る と、その後は次第に買い戻しが活発化。翌日にかけ、じりじりと上 値を伸ばすと、109 円台を回復した。今週は、米国の主要株価指数 も、年初来高値を更新するなど堅調に推移。原油先物相場も、5 月 に改めて増産凍結合意に至る可能性が意識され、小じっかりと推移 すると、市場の緊張が和らいだ。加えて、翌週に日銀の金融政策決 定会合を控える中、折からの円高定着に、熊本での震災も加わり、 市場では消費増税の延期や日銀の追加緩和といった財政、金融両面 での景気テコ入れを望む声が高まっている。実際、今週も黒田日銀 総裁は、国会答弁や米紙とのインタビューにて、必要な場合に、 「量」、「質」、「金利」の 3 つの次元で追加的な金融緩和措置を 躊躇なく講じる意向を繰り返し示した。こうした中、ドル円は 110 円台を手前に上値が重くなり、22 日には一時 109 円台前半まで軟 化する場面がみられた。ただ、午後に入ると日銀が、翌週の金融政 策決定会合にて、金融機関に対して供給する貸出支援基金への適用 金利を、現在のゼロ%からマイナスに引き下げるとの観測が報じら れ、ドル円は 4/6 以来となる 110 円台を回復している。 勢いを欠く米経済 尚、今週発表された米国の経済指標をみると、新規失業者保険申 請者数が、1973 年以来の低水準となる 247 千人を記録した。一方、 住宅関連の指標は、中古住宅販売件数こそ予想を上回ったものの、 住宅着工件数は予想比、大きく下ブレ(いずれも 3 月分)。フィラ デルフィア連銀景気指数(4 月)がマイナス転した上、景気先行指 数も予想を下回るなど、総じて景気回復の勢いの鈍化を示すものが 目立った。実際、注目度の高いアトランタ連銀によるGDP事前推定 値の推計、「GDP Now」は、第 1 四半期に関して、+0.3%(前期 比年率換算、4/19 時点)という低成長ぶりを示している。 来週の相場見通し | 平成 28(2016)年 4 月 22 日 第 1 図: ドル円相場 (円) 111.0 ↑円安 110.0 109.0 108.0 ↓円高 107.0 4/18 4/19 4/20 4/21 4/22 (月/日) (資料) Bloomberg より、三菱東京 UFJ 銀行グローバルマーケットリサーチ作成 来週の見通し 米 FOMC と日銀政策 会合、「3×2=6 通 り」で見方を整理 来週のドル円相場を展望する上で、変数は米連邦公開市場委員会 (4/26~27 開催、以下FOMC)と日銀金融政策決定会合だ。この内、 FOMCに関して言えば、今回のタイミングでの利上げの可能性は限 りなくゼロに近い。この為、声明文に関し、大まかに言えば、6 月 の利上げに対するスタンスを明確に示し、タカ派寄りと受け取られ る場合、利上げへの慎重姿勢を滲ませ、ハト派寄りと解釈される場 合、両面を併記し、バランスを取る中間の場合という 3 通りとなろ う。一方、マイナス金利付き量的質的金融緩和(以下、マイナス金 利付きQQE)といった異次元の緩和を断行中の日銀については、そ の緩和スタンスは明確。従って、追加緩和の内容は多岐に及ぶもの の、相場を展望する上では、追加緩和の有無という 2 通りを想定。 大まかに言って考えられる組み合わせは全部で 6 通りとなる(第 2 表)。この中で、最もドル円の上昇が見込まれる組み合わせは、タ カ派寄りのFOMCに続く日銀が、追加緩和を講じるケース①だ。逆 に、ドル円の下値不安が最も高まるのは、FOMC声明が予想以上に ハト派に寄る上、日銀も追加緩和を見送るケース⑥となろう。 第 2 表: 6 通りの整理 ~当方メインシナリオは、ケース⑤~ FOMC 声明文の 6 月利上げに対 日銀による追加緩和のあり・なし するスタンス ケース① 積極的(タカ派寄り) あり ケース② 両にらみ(中立) あり ケース③ 慎重姿勢(ハト派寄り) あり ケース④ 積極的(タカ派寄り) なし ケース⑤ 両にらみ(中立) なし ケース⑥ 慎重姿勢(ハトや寄り) なし (資料)三菱東京 UFJ 銀行グローバルマーケットリサーチ作成 メインシナリオは、 ケース⑤ 当方のメインシナリオは、ケース⑤。即ち、米FOMCは金融政策 の自由度を確保するため、タカ派、ハト派両方のテイストを両面併 記するバランスの取れた声明文に仕立てあげるというものだ。一方 の日銀は、事前報道から追加緩和への期待が高まっているが、これ までも指摘してきた通り、追加緩和を見送ると予想する(第 3 表)。 10 来週の相場見通し | 平成 28(2016)年 4 月 22 日 第 3 表:4 月の追加緩和見送りを予想する理由 ① 1 月末のマイナス金利付き QQE 決定後、わずか 3 ヶ月での追加緩和ともなれば、黒 田総裁も嫌う「戦力の逐次投入」と映りかねない。既存の政策効果に対する市場の 疑念を高めるおそれもある。 ② マイナス金利政策の負の副作用を指摘する声も多く、時間をかけて政策の波及経路 や効果を見極めると考えられる。 ③ 補完措置導入(保有国債の平均年限長期化)、マイナス金利付き QQE 導入とも、 結果的に円高を招いた為、次の追加緩和には、「量」、「質」、「金利(適用範囲 拡大も含む)」など少なくとも 3 次元で臨むと見込まれ、政策内容確定まで時間を 要そう。 ④ 国債の大規模な買入れを柱に据える QQE を遂行する上で、日銀にとって政府の財 政健全化は、極めて重要。消費税引き上げ再延期との観測も燻る中、日銀は 5 月の 伊勢志摩サミット前後における政府の動向を見守る。 (資料)三菱東京 UFJ 銀行グローバルマーケットリサーチ作成 円高は追加緩和の誘引 となるか 無論、日銀にとって現下の円高進行は気掛かりなはず。黒田総裁 はかねてより、「金融政策は為替相場をターゲットにしたものでは ない」としつつ、「為替市場の動向は、経済・物価に影響があるた め、物価安定の目標達成に必要であれば躊躇なく追加的な措置を検 討する」と、間接的に円高進行が追加緩和を誘引する要素となり得 る見方を示してきた。しかし、国際通貨基金(IMF)や経済開発協 力機構(OECD)が算出する昨年末時点での購買力平価は概ね 103 円から 106 円。足もとの為替相場水準での追加緩和は、為替相場に 関する国際社会との温度差を広げるおそれもありそうだ。無論、熊 本地震について、金融政策での景気の下支えが必要との視点は必要 だが、被害状況や経済への影響範囲の全貌が見えるまで、しばらく 時間を要そう。昨年 12 月末の補完措置の導入による年限の長期化 (日銀は緩和ではないとしているが、本来は長期金利の押し下げ効 果が期待される追加緩和とも解釈できる政策)、1 月末のマイナス 金利後のいずれも円高を招いただけに、次回の追加緩和策を講じる 場合、政策の小出しでは一段と市場の失望を誘いかねない。低迷す る市場や各経済主体のインフレ期待に働きかけるためには、3 次元 のフル活用はもちろん、さらなる工夫が必要だろう(第 4、5 図)。 第 4 図: ブレークイーブン・インフレ率(10 年) 第 5 図:企業の物価全般の見通し(全規模・全産業) (%) 1.6 1.8 (%) 1.4 1.6 1.2 1.4 1.0 0.8 1.2 0.6 1 0.4 0.8 0.2 1年後 3年後 5年後 0.6 0.0 14/1 14/7 15/1 15/7 16/1 (月) (資料)Bloomberg より三菱東京 UFJ 銀行グローバルマーケットリサーチ作成 11 来週の相場見通し | 平成 28(2016)年 4 月 22 日 14/3 14/6 14/9 14/12 15/3 15/6 15/9 15/12 16/3 (年/月) (資料)日銀より三菱東京 UFJ 銀行グローバルマーケットリサーチ作成 さすがに来週の投入には、準備期間が不十分と考えられる。一部の 報道を受け、追加緩和への期待がドル円を押し上げた後だけに、日 銀の緩和見送りを受けて、ドル円は反落すると予想する。 リスクシナリオは、 ケース①だが、その場 合もドル円の上値は 111~112 円か この予想に対するリスクシナリオは、最もドル円上昇が期待され るケース①となる。但し、この場合も、ドル円は次第に戻り売りに 押されると予想する。何故なら、足もとの堅調な米国の株式相場を 支えているのは、予想比上ブレも目立つ企業決算と、FOMCの正常 化への慎重なスタンスとみられる。このため、タカ派寄りのFOMC を受け、6 月利上げを織り込む必要性が高まれば、株式相場への下 押しとなりやすい。加えて、それがドル高や原油先物相場の下押し に波及するとリスク回避姿勢も高まろう(ドルと原油先物相場は逆 相関性が強い)。 一方、日銀が、何らかの追加緩和を講じた場合は、投機筋の円買 いの持ち高が高水準であるため、一時的にドル円の買戻しが活発化 する可能性に留意が必要だ。但し、強烈なサプライズとなったマイ ナス金利政策導入決定後でさえ、ドル円の上げ幅は最大で 3 円程度 (118 円台⇒121 円台)であり、持続期間も 2 日足らず。追加緩和 の中身が、一部で報じられた貸出支援基金への適用金利のマイナス 転化といったものにとどまれば、サプライズ度合いは強くない。し かも、企業の資金需要が盛り上がりを欠く中、実体経済への波及度 合いも未知数だ(第 6 表)。既に 1 円以上もドル円が上昇したこと も勘案すれば、マイナス金利政策を決定した 1/29 に比べ、上げ幅、 持続期間ともに、限定的となりかねない。そもそも、日銀の金融緩 和によって期待インフレが上昇し(予想実質金利が低下し)、円安 が進むとの期待感は大幅に後退しており、市場は徐々に日銀のサプ ライズ演出への耐性を強めつつあると考えられる。日銀の金融政策 による円安トレンドへの回帰は容易ではないと考えられ、ケース① の場合も、111 円台が上値目処ではないか。 第 6 表:主要銀行貸出動向アンケート調査の資金需要動向 資金需要判断 D.I. (前回) 企業向け 5 8 地公体等向け 0 3 個人向け 9 ‐1 (資料) 日銀より、三菱東京 UFJ 銀行グローバルマーケットリサーチ作成 (日銀と取引がある国内銀行および信用金庫の 内、貸出残高上位 50 先が回答。資金需要判断 D.I.=(「増加」とした金融機関構成比+0.5×「やや増加」とした金融機関の 構成比ー「減少」とした金融機関の構成比+0.5×「やや減少」とした金融機関の構成比) 予想レンジ ドル円:107.75 ~ 111.75 チーフアナリスト 12 来週の相場見通し | 平成 28(2016)年 4 月 22 日 内田 稔 (2) ユーロ:ECB 緩和スタンス継続を受けて上値重い 今週のレビュー 今週のユーロドル相場は、レンジ内で推移した(第 1 図)。 第 1 図: 今週の為替相場推移 (ドル) 1.150 ↑ユーロ高 1.145 1.140 1.135 1.130 1.125 ↓ユーロ安 1.120 4/18 4/19 4/20 4/21 4/22 (月/日) (資料) Bloomberg より、三菱東京 UFJ 銀行グローバルマーケットリサーチ作成 ユーロドルは、週初に 1.13 ドル付近で寄り付いた後は、産油国 会合での増産凍結見送りを背景とした原油価格下落から、ECBによ る追加緩和が意識される中で、上値の重い展開となった。しかし、 19 日には、米 3 月住宅着工件数や米 3 月建設許可件数が市場予想を 下回ると、対主要通貨でドル売りが活発化し、ユーロドルは 1.1385 まで上昇した。 20 日には、米 3 月中古住宅販売件数が予想を上回ったことや、 イラク副石油相より主要産油国会合開催(5 月)の可能性が報じら れ、原油増産凍結期待の再燃を背景に、原油価格が急伸して米国債 利回りが上昇すると、ドル買いが活発化した。ユーロドルは 1.1290 まで下落した。 21 日の 4 月ECB理事会では、事前予想通り政策金利の据え置きが 発表された。ドラギECB総裁による記者会見では、「必要なあらゆ る手段を活用し行動へ」、「適切な程度の金融緩和を維持すること が必要」等の従来の金融緩和スタンスに変化がないことが確認され た。ユーロドルはポジション調整から一時的に 1.1399 まで上昇し たが 1.1270 まで戻している。 総じてみれば、ユーロドルはレンジ内で推移した。 第 2 表: 相場に影響した主な経済指標 発表日 経済指標名 結果 市場予想 前回 4/19 米 3 月住宅着工件数 108.9 万件 116.6 万件 119.4 万件(上方修正) 4/19 米 3 月建設許可件数 108.6 万件 120.0 万件 117.7 万件(上方修正) 4/20 米 3 月中古住宅販売件数 533 万件 528 万件 507 万件(下方修正) (資料) Bloomberg より、三菱東京 UFJ 銀行グローバルマーケットリサーチ作成 来週の見通し 来週は、独 4 月Ifo景況指数(4/25)、独 3 月小売売上(4/27)、 独 4 月消費者物価指数(4/28)、ユーロ圏 3 月失業率(4/29)等の 経済指標が発表される。ユーロ圏景気指標は原油安や物価下落によ る実質購買力の拡大を受けた個人消費の増加、ユーロ安を受けた輸 13 来週の相場見通し | 平成 28(2016)年 4 月 22 日 出の持ち直しから、引き続き、ユーロ圏景気の着実な持ち直しを示 す良好な結果となろう。 しかし、ユーロ圏景気はデフレギャップ(実際のGDPが潜在GDP を下回る幅)が引き続き大きい上に、消費者物価指数(HICP)は 前年比マイナスで推移することが見込まれる。 4 月ECB理事会は、3 月理事会で決定した包括的追加緩和策の詳 細な実施方法の検討、効果の検証等に留まり、政策変更はなかった。 ただし、ドラギECB総裁はマイナス金利について「銀行収益を傷め ていない」、「マイナス金利が金融政策の伝達を阻害している事実 はない」、寧ろ、銀行与信の増加等を通じて「(全体として)ポジ ティブ」との見方を示した。ECBによるマイナス金利幅拡大を通じ た金融緩和スタンスに変化がないことが示された(詳細は本稿ト ピックス「ECBは引き続き緩和スタンスを示す」を参照)。 来週のユーロドルはECBによる金融緩和スタンスを受けたユーロ 売りと、米 4 月FOMCに絡んだドル買いなどから、上値の重い展開 を予想する。 予想レンジ ユーロドル:1.1100 ~ 1.1400 ユーロ円:123.00 ~ 127.00 シニアアナリスト 14 来週の相場見通し | 平成 28(2016)年 4 月 22 日 天達 泰章 (3) 豪ドル:来週は消費者物価指数がメインイベント 今週の豪ドル相場は、週末に開催された産油国会合(ドーハ開催) での原油増産凍結の見送りを受けて、週明け早々に、安値となる 0.7594 を記録した。しかし、同水準では下値も堅く、その後資源価 格が持ち直すと、豪ドルも反発。豪州株の上昇にも下支えされる中、 週後半にかけては、約 10 ヶ月ぶりとなる高値 0.7836 を記録した。 もっとも、同水準では上値も重く、資源価格の反落に連れて豪ドル も下落。結局、0.77 台半ばで越週しそうだ(第 1 図)。対円相場も 同様に、週初に安値 82.02 を示現するも、資源価格の上昇に連れて 反発。週後半には、4/1 以来となる高値 85.92 まで上昇した。週末 にかけて反落するも底堅く、本稿執筆時点では、85 円台半ばで推 移している。 今週のレビュー 第 1 図: 今週の為替相場推移 (ドル) 0.785 ↑豪ドル高 0.780 0.775 0.770 0.765 0.760 ↓豪ドル安 0.755 4/18 4/19 4/20 4/21 4/22 (月/日) (資料) Bloomberg より、三菱東京 UFJ 銀行グローバルマーケットリサーチ作成 利下げ観測が後退して いる 7 年ぶり安値(0.6827)を付けた 1 月の急落劇から一転し、今週 は 10 ヶ月ぶり高値(0.7836)を記録した。こうした堅調推移の背 景には、①豪州ファンダメンタルズの回復期待や、②主要輸出品で ある鉄鉱石価格の急騰が挙げられる(第 2 図)。RBAによる追加利 下げ観測は一段と後退し、次回 5 月会合での追加利下げの織り込み 度合いは、本稿執筆時点で約 13%まで低下している(第 3 図)。 第 2 図 : 鉄鉱石価格と交易条件 第 3 図 : 追加利下げ(5 月)の織り込み度合い (指数) (米ドル) 200 130 (%) 100 90 120 160 110 120 100 80 80 70 60 50 交易条件 40 30 鉄鉱石価格(右目盛) 40 90 20 10 0 80 10 11 12 13 14 15 16 (年) (資料)豪統計局、Bloomberg より三菱東京 UFJ 銀行グローバルマーケットリサーチ作成 15 来週の相場見通し | 平成 28(2016)年 4 月 22 日 0 16/01 16/02 16/03 16/04 (資料)Bloomberg より三菱東京 UFJ 銀行グローバルマーケットリサーチ作成 (年/月) 通貨高牽制が上値を抑 える もっとも、豪州経済には依然として不透明感も根強い。個人消費 や設備投資が冴えない他、賃金伸び率や物価上昇圧力の弱さも警戒 される。足許では 7 月の解散総選挙が示唆されるなど、ターンブル 政権の先行きに対する不透明感も燻っている。急ピッチで加速する 通貨高も、景気回復への重石となろう。事実、当局は豪ドル高牽制 を足許で再開。今週発表されたRBA議事要旨(4/19)においても、 「低インフレや豪ドル高を踏まえれば、非常に緩和的な金融政策が 適切」と、豪ドル高に対する懸念を滲ませ、「豪ドル安が豪州経済 を支援している」としてきた従来までのスタンスを一変させている。 来週の見通し 以上の通り、足許ではファンダメンタルズの改善が見られるもの の、他方では、当局による通貨高牽制が再開する等、豪ドルの続伸 は容易では無い。加えて、来週は豪州の 1-3 月消費者物価指数に注 目が集まる。コア指数を示すトリム平均値がインフレターゲットの 下限(2%)を下回る結果となれば、追加緩和期待が再燃する恐れ もある為、留意が必要だ。株や資源価格の動向、米FOMCや日銀金 融政策決定会合の結果を睨みつつも、豪ドルの上値余地は限られ、 次第に軟化すると予想する。 予想レンジ 対ドル:0.7500 ~ 0.7900 対円:83.50 ~ 87.50 アナリスト 16 来週の相場見通し | 平成 28(2016)年 4 月 22 日 藤瀬 秀平 (4) 人民元:米ドルインデックスに沿った動きが続こう 今週のレビュー 今週の人民元相場は、先週同様、米ドルインデックスに沿った動 きが継続し、依然として方向感を見出すには至っていない(第 1 図)。週初 6.4772 で寄り付いたオンショア人民元(CNY)は、ド ル売り圧力の高まりを背景に上昇。翌 4/19 には、高値となる 6.4567 を示現した。しかし、予想比良好な米国経済指標を背景にド ル買い圧力が高まると、人民元も反落。軟調な中国の株価指数も重 石となる中、週末には、安値となる 6.4870 を示現し、同水準で越 週しそうだ。オフショア人民元(CNH)も同様に、4/19 に高値とな る 6.4680 を示現するも、その後は米ドルインデックスの上昇に 伴って反落。週末には安値となる 6.4920 を示現する等、方向感に 欠ける値動きが継続している。 第 1 図 :人民元相場と米ドルインデックスの推移 (人民元) (米ドル指数) 100 6.80 (人民元安) (ドル高) 6.75 99 6.70 98 6.65 97 6.60 96 6.55 95 94 6.50 オンショア人民元相場 6.45 93 オフショア人民元相場 6.40 92 米ドルインデックス(右目盛) 91 6.35 (ドル安) (人民元高) 6.30 16/01 90 16/02 16/03 16/04 (年/月) (資料) Bloomberg、中国人民銀行より三菱東京 UFJ 銀行グローバルマーケットリサーチ作成 ファンダメンタルズに 改善の兆し 中国を巡っては、全人代以降、良好な経済指標が続いている。実 質GDP成長率こそ、前年比プラス 6.7%と、緩やかな減速が示され たものの、固定資産投資や鉱工業生産、小売売上高は共に市場予想 を上回る良好な結果となった。輸出が 9 ヶ月ぶりにプラスに転じた 他、生産者物価指数も 2015 年 1 月以来の水準を回復。製造業PMI (国家統計局公表)は 8 ヶ月ぶりに景気判断の節目となる 50 を上 回る等、年初来強まった過度な悲観論は、足許でひとまず後退して いる。 来週の見通し こうした中、国内から国外への資本流出の動きも減退。当局によ る各種資本規制の強化(個人の外貨両替規制の厳格化や、窓口指導 を通じた企業の外貨買い制限、オフショアへの資金移動制限など) もこれを後押ししたと見られる。外貨準備の減少にも歯止めがか かった他(第 2 図)、オンショアとオフショアの価格差にも大きな 乖離は見られない。政府および当局が人民元相場の安定化(CFETS インデックスの安定的推移)を企図する中で、当面は、ドルイン デックスに沿った、主体性に欠ける値動きが想定される。もっとも、 こうした状態(ボラティリティが抑制された状態)が定着するとは 17 来週の相場見通し | 平成 28(2016)年 4 月 22 日 考えにくい。実際、足許では住宅市場にややバブルの懸念が見られ る中(第 3 図)、過剰債務問題が意識され易い。サプライサイドの 構造改革も、景気への下押し圧力となるだろう。また、人民元改革 についても、10 月のSDR(IMFの特別引き出し権)組み入れ開始を 前に、当局は人民元国際化を一段と推進する公算が大きい。実際、 国家外為管理局は 4/21 に行われた記者会見にて、「資本市場にお ける人民元の交換性を推進する」「オンショアとオフショア市場の 人民元レートの一本化を目指す」と発表。人民元国際化に向けた取 り組みが本格化すれば、人民元相場のボラティリティ拡大が見込ま れる為、留意が必要だ。 第 2 図 : 中国の外貨準備高 第 3 図 : 主要 4 大都市の新築住宅価格(前年同月比) (兆ドル) (兆ドル) 4.50 (前年比 %) 0.25 70 0.20 60 3.50 0.15 50 3.00 0.10 40 2.50 0.05 30 2.00 0.00 20 1.50 -0.05 10 1.00 -0.10 0 0.50 -0.15 -10 0.00 -0.20 -20 外貨準備前月比増減(右目盛) 4.00 中国外貨準備高 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16 (年) (資料)中国人民銀行より三菱東京 UFJ 銀行グローバルマーケットリサーチ作成 予想レンジ 北京 11 12 上海 広州 13 深セン 14 ドル人民元:6.4500 ~ 6.5200 16 (年) 人民元円:16.70 ~ 17.20 アナリスト 18 来週の相場見通し | 平成 28(2016)年 4 月 22 日 15 (資料)中国国家統計局より三菱東京 UFJ 銀行グローバルマーケットリサーチ作成 藤瀬 秀平 来週の主な経済指標 25 日 (月) 26 日 (火) 27 日 (水) 28 日 (木) 17:00 17:00 17:00 23:00 21:30 22:00 23:00 10:30 17:00 17:30 18:00 18:00 18:00 18:00 21:30 21:30 21:30 22:45 独 独 独 米 米 米 米 豪 ユ 英 独 日 日 日 日 日 日 日 日 日 日 ユ 独 米 米 日 ユ ユ ユ ユ 米 米 米 米 10:00 中 8:30 8:30 8:30 8:30 8:30 8:30 8:30 8:30 8:50 14:00 18:00 21:00 21:30 21:30 29 日 (金) 30 日 (土) 1 日 (日) 2 日 (月) 23:00 23:00 3 日 (火) 10:45 18:00 4 日 (水) 18:00 21:15 21:30 21:30 23:00 23:00 5 日 (木) 英 米 米 日 中 ユ 米 日 ユ 米 米 米 米 米 日独 Ifo 景況指数(景気動向、4 月) Ifo 景況指数(現況評価値、4 月) Ifo 景況指数(予想値、4 月) 新築住宅販売件数(3 月・万件) 耐久財受注速報(前月比、3 月速報) ケース・シラー住宅価格指数(2 月) 消費者信頼感指数(4 月) 消費者物価指数(前年比、1Q) マネーサプライ M3(季調済前年比、3 月) GDP(前年比、1Q 速報) 小売売上高(前月比、3 月)* 消費者物価指数(全国、前年比、3 月) 消費者物価指数(全国、除生鮮、前年比、3 月) 消費者物価指数(全国、除食料エネ、前年比、3 月) 消費者物価指数(東京都区部、前年比、4 月) 消費者物価指数(東京都区部、除生鮮、前年比、4 月) 消費者物価指数(東京都区部、除食料エネ、前年比、4 月) 失業率(3 月) 家計調査消費支出(3 月) 鉱工業生産指数(前月比、3 月速報) 住宅着工戸数(3 月・万戸) 欧州委員会景況指数(4 月) 消費者物価指数(CPI、前年比、4 月速報) 新規失業保険申請件数(4/23・万件) GDP(前期比年率、1Q 速報) 市場休場 消費者物価指数(前年比、4 月速報) 消費者物価指数(前年比、4 月速報コア) 失業率(3 月) GDP(前年比、1Q 速報) 個人所得(前月比、3 月) 個人支出(前月比、3 月) PCE デフレータ(前年比、3 月) シカゴ購買部協会景気指数(4 月) 製造業 PMI(4 月) 市場休場 ISM 製造業景気指数(4 月) 建設支出(前月比、3 月) 市場休場 マークイット製造業 PMI(4 月) 生産者物価指数(前年比、3 月) 自動車販売(4 月・万台)* 市場休場 小売売上高(前月比、3 月) ADP 雇用統計(4 月・万人) 貿易収支(3 月・億ドル) 労働生産性(1Q 速報) 製造業受注指数(前月比、3 月) ISM 非製造業景気指数(4 月) 市場休場 19 来週の経済指標・イベント | 平成 28(2016)年 4 月 22 日 予想 107.0 113.8 100.9 52.0 1.9% 95.6 1.7% 2.0% 0.3% 0.0% ▲ 0.2% 0.8% ▲ 0.2% ▲ 0.3% 0.5% 3.3% ▲ 4.1% 2.9% 90.5 0.2% 0.7% 0.1% 1.0% 10.3% 前回 106.7 113.8 100.0 51.2 ▲ 3.0% 182.56 96.2 1.7% 5.0% 2.1% ▲ 0.3% 0.3% 0.0% 0.8% ▲ 0.1% ▲ 0.3% 0.6% 3.3% 1.2% ▲ 5.2% 97.4 0.11 0.3% 24.7 1.4% 0.3% 0.2% 0.8% 53.0 ▲ 0.1% 1.0% 10.3% 1.6% 0.2% 0.1% 1.0% 53.6 50.2 50.2 予想 前回 51.8 ▲ 0.5% 49.8 49.7 ▲ 4.2% 1,646 0.2% 20.0 ▲ 471 ▲ 2.2% ▲ 1.7% 54.5 6 日 (金) 7 日 (土) 8 日 (日) 9 日 (月) 10 日 (火) 11 日 (水) 12 日 (木) 13 日 (金) 14 日 (土) 21:30 21:30 4:00 10:30 10:30 15:00 15:00 23:00 23:00 23:00 14:00 14:00 3:00 8:50 18:00 21:30 15:00 21:30 21:30 23:00 23:00 14:30 14:30 14:30 米 米 米 中 中 中 独 独 米 米 米 中 日 日 米 日 ユ 米 日 日 ユ 米 米 米 米 中 中 中 消費者物価指数(前年比、4 月) 生産者物価指数(前年比、4 月) 鉱工業生産(前月比、3 月) 貿易収支(3 月・億ユーロ) 卸売売上(前月比、3 月) 卸売在庫(前月比、3 月) 求人労働異動調査(3 月・万人) マネーサプライ M2(前年比、4 月)* 景気一致指数(3 月速報) 景気先行指数(3 月速報) 財政収支(4 月・億ドル) 経常収支(3 月・億円) 鉱工業生産(前月比、3 月) 輸入物価指数(前年比、4 月) 景気ウォッチャー調査-現状(4 月) 景気ウォッチャー調査-先行き(4 月) EU 新車登録台数(前年比、4 月) 生産者物価指数(前月比、4 月) 小売売上高(前月比、4 月) 企業在庫(前月比、3 月) ミシガン大消費者信頼感指数(5 月速報) 鉱工業生産(前年比、4 月) 都市部固定資産投資(年初来累計/前年比、4 月) 小売売上高(前年比、4 月) ユ ECB と欧州委員会の合同会議 米 日 日 日 ユ ユ ユ ユ ユ 米 FOMC 金利誘導目標発表 日銀金融政策決定会合(金融政策発表) 経済・物価情勢の展望 黒田・日銀総裁定例会見 ビスコ・イタリア中銀総裁講演 リーカネン・フィンランド中銀総裁講演 ノボトニー・オーストリア中銀総裁講演 コスタ・ポルトガル中銀総裁講演 ヌイ・SSM(欧州単一監督メカニズム)議長討論会参加 カプラン・ダラス連銀総裁講演 中央銀行関連 25 日 26 日 27 日 28 日 (月) (火) (水) (木) 29 日 (金) 3:00 16:30 17:40 18:15 20:30 16:30 19:30 予想 前回 21.5 5.0% 172.17 298.6 予想 前回 非農業部門雇用者数変化(4 月・万人) 失業率(4 月) 消費者信用残高(3 月・億ドル) 貿易収支(4 月・億ドル) 20 来週の経済指標・イベント | 平成 28(2016)年 4 月 22 日 2.3% ▲ 4.3% ▲ 0.5% 203.0 ▲ 0.2% ▲ 0.5% 544.5 13.4% 110.3 99.8 ▲ 1,080 24,349 ▲ 0.8% ▲ 6.2% 45.4 46.7 6.0% ▲ 0.1% ▲ 0.3% ▲ 0.1% 89.7 6.8% 10.7% 10.5% 2 日 (月) 3 日 (火) 4 日 (水) 5 日 (木) 6 日 (金) 9 日 (月) 10 日 (火) 11 日 (水) 12 日 (木) 13 日 (金) 8:15 21:50 6:30 13:30 23:30 8:00 7:30 0:30 8:15 米 米 米 豪 米 米 米 米 米 8:50 18:10 2:00 日 米 米 日銀金融政策決定会合議事要旨(3/14, 15 分) エバンス・シカゴ連銀総裁講演 カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁講演 8:50 20:00 日 英 英 英 日 日銀金融政策決定会合主な意見(4/27, 28 分) MPC(BOE 金融政策委員会、政策金利発表) MPC 議事要旨 インフレーションレポート 黒田・日銀総裁講演(内外情勢調査会) 18:35 米 米 日 ユ ユ 2 年債入札 5 年債入札 2 年債入札 欧州議会本会議(~28 日) 30 年債入札(ドイツ) 2:00 米 7 年債入札 17:50 18:35 ユ ユ 国債入札(フランス) 5 年債入札(ドイツ) 12:45 2:00 18:45 2:00 12:45 2:00 ユ 日 米 ユ 米 日 米 欧州議会本会議(~12 日) 10 年債入札 3 年債入札 2 年債入札(ドイツ) 10 年債入札 30 年債入札 30 年債入札 20:00 12:30 ダドリー・ニューヨーク連銀総裁講演 ロックハート・アトランタ連銀総裁挨拶 ウィリアムズ・サンフランシスコ連銀総裁講演 RBA 理事会(政策金利発表) メスター・クリーブランド連銀総裁討論会 ロックハート・アトランタ連銀総裁講演 カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁討論会 ブラード・セントルイス連銀総裁講演 ブラード・セントルイス連銀総裁 / カプラン・ダラス連銀総裁 / ロックハート・アトランタ連銀総裁 / ウィリアムズ・サンフランシスコ連銀総裁討論会 その他 25 日(月) 26 日(火) 27 日(水) 28 日(木) 29 日(金) 2 日(月) 3 日(火) 4 日(水) 2:00 2:00 12:45 5 日(木) 6 日(金) 9 日(月) 10 日(火) 11 日(水) 12 日(木) 13 日(金) ※市場予想は Bloomberg 調査中央値 時刻は日本時間 *印は作成日(4/22)現在で未確定のもの 21 来週の経済指標・イベント | 平成 28(2016)年 4 月 22 日 マーケットカレンダー 月 火 2016/4/25 米/新築住宅販売(3 月) 独/Ifo 景況指数(4 月) 水 26 米/FOMC(~27 日) 耐久財受注速報(3 月) 木 金 27 米/FOMC ユーロ圏/マネーサプライ M3 28 29 米/GDP 速報(1Q) ユーロ圏/欧州委員会景況指数 米/個人所得・消費支出(3 月) シカゴ PM 景況指数(4 月) (4 月) ユーロ圏/失業率(3 月) ケース・シラー住宅価格指数 (3 月) 独/消費者物価指数速報 (2 月) 独/小売売上(3 月)* 消費者物価指数速報(4 月) GDP 速報(1Q) CB 消費者信頼感指数(4 月) 英/GDP 速報(1Q) (CPI、4 月) 日/日銀金融政策決定会合 日/日銀金融政策決定会合 中/製造業 PMI(4 月、1 日) 経済・物価情勢の展望 (~28 日) 豪/消費者物価指数(1Q) 日銀総裁定例会見 消費者物価指数 (都区部 4 月、全国 3 月) 完全失業率(3 月) 家計調査(3 月) 鉱工業生産速報(3 月) 住宅着工件数(3 月) 米・2 年債入札 米・5 年債入札 欧州議会本会議(~28 日) 5/2 米・ダラス連銀総裁講演 米・ニューヨーク連銀総裁講演 (1 日) 日市場休場 米・7 年債入札 3 4 5 米/ISM 製造業景況指数(4 月) 米/自動車販売(4 月)* 米/ADP 雇用統計(4 月) 建設支出(3 月) ユーロ圏/生産者物価指数(3 月) 貿易収支(3 月) 豪/RBA 理事会 労働生産性速報(1Q) 製造業受注指数(3 月) 6 米/雇用統計(4 月) 消費者信用残高(3 月) 中/貿易収支(4 月、8 日) ISM 非製造業景況指数(4 月) ユーロ圏/小売売上(3 月) 米・アトランタ連銀総裁挨拶 米・クリーブランド連銀総裁討論会 米・サンフランシスコ連銀総裁講演 米・アトランタ連銀総裁講演 米・ミネアポリス連銀総裁討論会 英市場休場 日市場休場 日市場休場 9 10 日/日銀金融政策決定会合 米/卸売在庫・売上(3 月) 求人労働異動調査(3 月) 議事要旨(3/14, 15 分) 独/鉱工業生産(3 月) 貿易収支(3 月) 中/消費者物価指数(4 月) 生産者物価指数(4 月) マネーサプライ M2(4 月)* 米・セントルイス 連銀総裁講演 米・セントルイス / ダラス / アトランタ / サンフランシスコ 連銀総裁討論会 日・独市場休場 11 12 主な意見(4/27, 28 分) 国際収支速報(3 月) 景気ウォッチャー調査(4 月) 対外対内証券売買契約等 の状況(4 月) 米・シカゴ連銀総裁講演 米・ミネアポリス連銀総裁講演 欧州議会本会議(~12 日) 米・3 年債入札 16 米/NY 連銀景況指数(5 月) 証券投資収支(3 月) 米/住宅着工件数(4 月) 建設許可件数(4 月) 消費者物価指数(4 月) 鉱工業生産(4 月) 設備稼働率(4 月) ユーロ圏/貿易収支(3 月) 豪/RBA 議事要旨(5/3 分) 独市場休場 *印は作成日(4/22)現在で日程が未確定のもの 22 マーケットカレンダー | 平成 28(2016)年 4 月 22 日 米・30 年債入札 米・10 年債入札 17 13 米/財政収支(4 月) 米/輸出入物価指数(4 月) 米/小売売上(4 月) 英/MPC(BOE 金融政策委員会、 ユーロ圏/鉱工業生産(3 月) 生産者物価指数(4 月) 企業在庫(3 月) ~12 日) 英/MPC(BOE 金融政策委員会) 日/景気動向指数速報(3 月) MPC 議事録 ミシガン大消費者信頼感指数 インフレーションレポート 速報(5 月) 日/日銀金融政策決定会合 ユーロ圏/EU 新車登録台数 18 (4 月) 中/鉱工業生産(4 月、14 日) 小売売上(4 月、14 日) 固定資産投資 (都市部 4 月、14 日) 日・黒田日銀総裁講演 19 20 米/FOMC 議事要旨(4/26,27 分) 米/フィラデルフィア連銀景況 米/中古住宅販売(4 月) ユーロ圏/消費者物価指数 指数(5 月) 景気先行指数(4 月) 確報(4 月) 日/GDP 速報(1Q) ユーロ圏/ECB 理事会議事録 経常収支(3 月) 日/機械受注(3 月) 豪/雇用統計(4 月) 米・10 年 TIPS 債入札 G7 財務相・中央銀行総裁会議 (~21 日) 照会先:三菱東京UFJ銀行 グローバルマーケットリサーチ チーフアナリスト 内田 稔 当資料は一般的な情報提供のみを目的として作成されたものであり、特定のお客様のニーズ、財務状況又は投資対象に対応することを意図しておりませ ん。また、当資料は、適用法令上許容される範囲内でのみ利用可能であり、当資料の頒布を制約する法令が存在する地域の方によって利用されることを意 図しておりません。当資料内のいかなる情報又は意見も、預金、有価証券、デリバティブ取引その他の金融商品の売買、投資、保有などを勧誘又は推奨す るものではありません。 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