戦略的基盤技術高度化支援事業 - 経済産業省北海道経済産業局

サポイン事業(戦略的基盤技術高度化支援事業)について
~中小企業の産学連携等による研究開発プロジェクトを支援します~
北海道経済産業局
平成28年4月
(問い合わせ先)
経済産業省北海道経済産業局
地域経済部 産業技術課
電話:011-709-2311(内線2587)
FAX:011-707-5324
E-mail:[email protected]
ものづくり高度化法の趣旨
※ものづくり高度化法:正式名称 「中小企業のものづくり基盤技術の高度化に関する法律」
川上産業(中小企業者が主体)
特定ものづくり基盤技術(12分野)
需要側の
ニーズ
H27.2.9技術指針改正により追加
デザイン開発技術
情報処理技術
精密加工技術
製造環境技術
接合・実装技術
立体造形技術
川下産業
表面処理技術
機械制御技術
複合・新機能材料技術
国際競争力のある最終製品を製造
材料製造プロセス技術
バイオ技術
測定計測技術
最終製品を企画・設計する川下製造業者等と連携し、特定ものづくり基盤技術を駆使・高度化することで
ものづくりの根幹を支えている。
※12分野の技術:11頁参照
機能・用途
の提供
自動車産業
環境・エネルギー産業
医療・健康産業
航空宇宙産業
“特定ものづくり基盤技術” の高度化に向けた
中小企業者の研究開発・販路開拓を政策的に支援
→「我が国製造業の国際競争力の強化」
及び「新たな産業の創出」を目指す
1
スキーム
【STEP1】 法認定
【STEP2】 施策活用(補助金等)
研究開発のための計画づくり
②外部有識者
による審査会
(必要に応じて)
・共同申請する
中小企業者
・協力者
③認定
)
NEDO
+
北海道
経済産業局
特許料、審査請求料の軽減
(特許庁)
中小企業者
①特定研究開発計画
の作成・申請(※)
委託費(
(申請者)
研究開発
販路開拓
補助金(サポイン事業)
(北海道経済産業局)
<対象経費>
・機器設備費
・労務費
・事業費(展示会出展、市場調査、広報等)
・委託費
・間接経費
(大学・研究機関等)
※「中小企業のものづくり基盤技術の高度化に関する法律」第4条第1項の規定に基づく
特定研究開発等計画に係る認定申請書を作成して申請する必要があります。
低利融資(日本政策金融公庫)
保証限度額の別枠化(信用保証協会)
中小企業投資育成株式会社法の特例
注)上記の施策を活用する場合、各施策の実施機関において審査を受ける必要があり、
【STEP1】の法認定が、直ちに施策活用を約束するものではない。
2
サポイン事業 概要
共同体のイメージ
サポイン事業 概要(平成28年度)
対象事業
対象者
事業期間
補助金額
中小ものづくり高度化法に基づく認定を受けた
「研究開発計画」を基本とする事業
○中小ものづくり高度化法の認定を受けたものづくり
中小企業・小規模事業者、その他ものづくり中小企
業・小規模事業者、大学、公設試験研究機関等、最
認定を受けた中小企業(法認定事業者)と協力者を
含む共同体
終製品を生産する川下製造業者等が共同体を構築
することで、単独では実施困難な研究開発を実施。
2年度又は3年度
○初年度
4,500万円以下
うち、大学・公設試等の初年度合計額
1,500万円以下
○2年度目
初年度の補助金交付決定額の 2/3以下
○3年度目
初年度の補助金交付決定額の 1/2以下
○事業管理機関が国との総合的な窓口となって、研究
開発計画の運営管理、共同体内の調整を行う。
○有識者等研究者、川下製造業者等がアドバイザーと
して、川下ニーズ、研究開発の実効性向上、市場適
合性向上に対して助言。
認定を受けた
中小企業者
※採択件数は、100件程度
補助率
大学、公設試等の補助対象経費 : 定額補助
それ以外の者の補助対象経費 : 2/3以内
公募期間
平成28年4月15(金)~6月9日(木)
中小企業・
小規模事業者
共同体
大学・公設試等
川下製造業者等
注)本事業への応募に際しては、事前に「e-Rad(府省共通研究開発管理システム)」
へ研究者等を登録する必要がある。登録には2週間程度を要する。
3
共同体の類型
代表申請型
共同体
補助対象経費
2,250 万円
【 モデルケース① 】
事業管理機関が
大学・公設試等の場合
補助対象経費
6,000 万円
補助金交付額
4,500 万円
国
補助金(2/3、定額)
補助金交付額
1,500 万円
補助金2/3
事業管理機関
( 補助事業者)
大学・公設試
等
補助金交付額
1,500 万円
補助金2/3
補助対象経費
1,000 万円
補助対象経費
500 万円
補助金交付額
500 万円
補助対象経費
2,250 万円
法認定事業者
協力者
補助金交付額
1,000 万円
補助金定額
大学・公設試
等
定額補助
1,500 万円 以内
【 モデルケース② 】
事業管理機関が
民間企業等(※)の場合
共同体
補助対象経費
2,250 万円
補助対象経費
6,750 万円
※大学・公設試等以外
補助金交付額
4,500 万円
国
補助金(2/3)
補助金2/3
事業管理機関
( 補助事業者)
民間企業等
補助対象経費
750 万円
補助金交付額
500 万円
※金額は例示です。
補助金交付額
1,500 万円
補助対象経費
補助金交付額
2,250 万円
1,500 万円
補助金2/3
補助対象経費
補助金交付額
1,500 万円
1,000 万円
補助金2/3
法認定事業者
協力者
大学・公設試
等
4
共同体の類型
連名申請型
【 モデルケース③ 】
事業管理機関が
民間企業等と
大学・公設試等 の場合
共同体
事業管理機関
( 補助事業者)
補助対象経費
共同体
2,250 万円
補助金交付額
1,500 万円
補助金2/3
補助金(2/3)
補助対象経費
4,500 万円
国
補助金交付額
3,000 万円
民間企業等
補助対象経費
750 万円
補助金交付額
500 万円
補助対象経費
750 万円
補助金交付額
500 万円
補助金2/3
補助対象経費
750 万円
補助対象経費
1,500 万円
補助金交付額
1,500 万円
大学・公設試
等
補助対象経費
500 万円
補助金交付額
500 万円
協力者
補助金交付額
500 万円
共同研究契約
補助金(定額)
法認定事業者
補助金2/3
大学・公設試
等
補助金定額
大学・公設試
等
補助対象経費
1,000 万円
補助金交付額
1,000 万円
定額補助
1,500 万円 以内
※金額は例示です。
5
利用実績 応募・採択件数と競争率
予算推移・応募・採択状況
予算額
(億円)
応募
件数
採択
件数
採択
倍率
平成18年度
64.0
323
80
4.0
平成19年度
93.6
218
89
2.4
平成20年度
88.0
134
48
2.8
平成21年度
54.0
200
44
4.5
平成21年度補正
132.5
658
253
2.6
平成22年度
150.1
977
308
3.2
平成22年度予備費
95.0
564
125
4.5
平成23年度
平成23年度
(三次補正)
150.0
732
137
5.3
49.8
263
51
5.2
平成24年度
132.0
639
134
4.8
平成25年度
107.8
652
112
5.8
平成26年度
123.0
387
150
2.6
平成27年度
120.0
326
143
2.2
6
申請の手引き~法認定編~
Step1. ものづくり高度化法の12技術分野を決める
 ものづくり高度化法の12技術分野とは、「中小企業のものづくり基盤技術の高度化に
関する法律」で指定された技術分野のことで、一言でいうと、何かモノ(最終商品)をつく
る時に、そのモノを構成している部品などの機能や精度を高めるために最も鍵となる技
術を定めたもの。
 サポインでは、川下企業(最終商品を製造しているような企業)のニーズに基づいた技
術分野を選択することが重要です。単に「自社でこんなものを作りたいから認定を受け
よう。」というものではなく、市場や川下製造業者等からのニーズや要望を捉えたもので
あり、かつ、それがものづくり高度化法の指針で掲げるニーズとも一致したものである
必要があります。
 認定を受ける内容が、夢物語のようなものではなく、実現可能であることが必要です。
技術分野を選択する前に、今一度、実現可能性が高い計画が作成出来そうか、確認し
ましょう。
 まずは、以下から指針をダウンロードし、12技術分野とはどんな技術なのか、雰囲気を
つかみましょう。
「中小企業のものづくり基盤技術の高度化に関する法律」における指定分野
http://www.chusho.meti.go.jp/keiei/sapoin/shishin.html
7
申請の手引き~法認定編~
Step1. ものづくり高度化法の12技術分野を決める
 技術分野がどれに該当しそうかわからない場合は、ターゲットとする川下分野(最終的に販
路先として考えられる分野)から追って考えてみましょう
※以下で示した図は一例です。参考としてお使い下さい。
(参考)川下分野別に探る12技術
環境・エネルギー産業
12技術全てに該当可能性あり
医療・健康産業
12技術全てに該当可能性あり
食品製造産業
デザイン技術、製造環境技術、バイオ技術
産業機械産業
デザイン技術、精密加工技術、接合・
実装技術、表面処理技術、
自動車産業
デザイン技術、情報処理技術、精密加工技
術、製造環境技術、立体造形技術、機械制
御技術、複合・新機能材料技術、材料製造
プロセス技術、測定計測技術
航空・宇宙産業
デザイン技術、精密加工技術、製造環境技
術、接合・実装技術、立体造形技術、表面
処理技術、機械制御技術、複合・新機能材
料技術、材料製造プロセス技術
半導体・液晶製造装置関連産業
デザイン技術、機械制御技術
情報通信産業
デザイン技術、表面処理技術
工作機械産業
デザイン技術、立体造形技術、
機械制御技術
農業機械産業
デザイン技術、精密加工技術
化学品製造産業
デザイン技術、バイオ技術
コンテンツビジネス
デザイン技術、情報処理技術
情報通信機器産業
デザイン技術、精密加工技
術、接合・実装技術
農業
デザイン技術、情報処理技術
印刷・情報記録関連産業
デザイン技術、
複合・新機能材料技術
住宅・構造物関連産業
デザイン技術、接合・実装技術、
表面処理技術
インフラ産業
デザイン技術、測定計測技術
橋道路・資材関連産業
デザイン技術、
接合・表面処理技術
8
申請の手引き~法認定編~
Step2. ものづくり高度化法の12技術分野が決まったら、その指針で示される、「川下製造業者等
の課題、ニーズ」がどれに該当するか選びましょう
以下、ものづくり高度化法の指針の文章構成の例示
(一)○○に係る技術
1.達成すべき高度化目標
(1)当該技術の現状
(2)当該技術の将来の展望
(3)川下分野横断的な共通の事項
①川下製造業者等の共通の課題及びニーズ
ア.~~~
イ.~~~~
②高度化目標
ア.~~~
ⅰ)~~~~
(4)川下分野特有の事項
1)○○に関する事項
①川下製造業者等の特有の課題及びニーズ
ア.~~~
②高度化目標
ア.~~~~
2.○○技術における高度化目標の達成に資する特定研究
開発等の実施方法
(1)○○に対応した技術開発の方向性
①~~~
ものづくり高度化法の文章構成は、
左のようになっています。特に点線で
囲った箇所は、川下製造業者等が抱
える課題やニーズが示された箇所で
す。
申請しようとする内容が、どの課題、
ニーズに該当する案件なのか、選択
し、申請書(別表1)「特定ものづくり
基盤技術の高度化を図るための特定
研究開発等の目標」の中で選択した
部分を指針から抜粋記載して下さい。
そしてその下に、申請しようとする内
容に関して詳しく記載して下さい。
9
申請の手引き~法認定編~
Step3. 川下製造業者等の課題及びニーズについての概要を踏まえ、指針から、「研究開発の高度
化目標」を選びましょう
以下、ものづくり高度化法の指針の文章構成の例示
(一)○○に係る技術
1.達成すべき高度化目標
(1)当該技術の現状
(2)当該技術の将来の展望
(3)川下分野横断的な共通の事項
①川下製造業者等の共通の課題及びニーズ
ア.~~~
イ.~~~~
②高度化目標
ア.~~~
ⅰ)~~~~
(4)川下分野特有の事項
1)○○に関する事項
①川下製造業者等の特有の課題及びニーズ
ア.~~~
②高度化目標
ア.~~~~
2.○○技術における高度化目標の達成に資する特定研究
開発等の実施方法
(1)○○に対応した技術開発の方向性
①~~~
ものづくり高度化法の文章構成は、
左のようになっています。特に点線で
囲った箇所は、Step2で選択した川下
製造業者等が抱える課題やニーズに
対応する高度化目標について示され
た箇所です。
申請しようとする内容が、どの高度化
目標を目指すのか、選択し、申請書
(別表1)「特定ものづくり基盤技術の
高度化を図るための特定研究開発等
の目標」の中で選択した部分を指針
から抜粋記載して下さい。
そしてその下に、申請しようとする内
容の具体的な高度化目標に関して詳
しく記載して下さい。
10
申請の手引き~法認定編~
Step4. 高度化目標として定めたことを達成するために必要な研究開発をどのような方向性で行うの
か、指針の項目から選びましょう。
以下、ものづくり高度化法の指針の文章構成の例示
(一)○○に係る技術
1.達成すべき高度化目標
(1)当該技術の現状
(2)当該技術の将来の展望
(3)川下分野横断的な共通の事項
①川下製造業者等の共通の課題及びニーズ
ア.~~~
イ.~~~~
②高度化目標
ア.~~~
ⅰ)~~~~
(4)川下分野特有の事項
1)○○に関する事項
①川下製造業者等の特有の課題及びニーズ
ア.~~~
②高度化目標
ア.~~~~
2.○○技術における高度化目標の達成に資する特定研究
開発等の実施方法
(1)○○に対応した技術開発の方向性
①~~~
ものづくり高度化法の文章構成は、
左のようになっています。特に点線で
囲った箇所は、Step3で選択した高度
化目標を達成するために必要な研究
開発の実施方法、方向性について示
した箇所です。
申請しようとする内容が、どの実施方
法、方向性に該当する案件なのか、
選択し、申請書(別表1)「当該特定も
のづくり基盤技術における高度化目
標の達成に資する特定研究開発等
の実施方法」の中で選択した部分を
指針から抜粋記載して下さい。
そしてその下に、申請しようとする内
容の具体的な実施方法について詳し
く記載して下さい。
11
申請の手引き~法認定編~
Step5. ここまで揃ったら、いよいよ申請書の作成に入ります。申請書の記載例を参考にしましょう。
法認定申請書の記載ポイント
認定申請書は読む側が理解できるような記述とする必要があります。そのため、次のポイントも非常に重要です。
 市場や社会に与える効果や、社会に役立つ技術であることをアピール
新たな技術により市場や社会に影響を与えること(波及効果)があれば積極的に記述し、申請書の中でアピールしましょう。
 研究開発の内容がイメージできる計画名にしましょう
産業界の課題や開発効果を象徴するキーワードを使い、この特定研究開発等計画の実現により具体的に何ができるよう
になるのかが伝わるような計画名にしましょう。
 誰が読んでもわかるような内容で具体的に記述しましょう
 専門用語は必要最小限に留めましょう
申請書は学術論文ではありません。また、単なる技術紹介にならないように注意が必要です。また、読む側は、申請内容
に関して完璧に精通している人物とは限りません。そのため、読む側が研究開発の内容をイメージできるようにすることを
心がけ、なるべく平易な語句で記述しましょう。
 図解、表、写真、予備実験データ等を積極的に取り入れましょう
 文の量は適切にまとめましょう
文量については、抽象的な記述のみで要点が伝わらないものも問題ですが、文字を長く書き連ねればいいものでもありま
せん。図解や写真を用いて適切な文量で効果的に伝えることを意識しましょう。
12
申請の手引き~法認定編~
Step5. ここまで揃ったら、いよいよ申請書の作成に入ります。申請書の記載例を参考にしましょう。
○特定研究開発等計画の内容と認定申請書との関係性について
以下の図では、特定研究開発等計画の観点となる部分を認定申請書のどこに記載すべきか示していますので参考にしてください。
研究開発計画の観点
●なぜ研究開発を行う必要があるのか。
→ 川下製造業者等からの具体的なニーズは何か(背景は何か)。
→ ニーズに応えるために何が課題となっているのか。
→ これまで、どのような研究開発を行ってきたのか、また、研究開発動向は
どうなっているのか。
●研究開発の最終目標はなにか。
→ 川下企業からのニーズを踏まえて、どこまでのスペックを求めるのか。
●どのような方法により目標を達成するのか。
→ 技術開発の方向性はなにか。
→ どのような技術的課題をクリアしなければならないのか。
→ 自社技術をどのように生かすのか。
●従来技術とはどこが違うのか。
→ 従来の技術ではなぜニーズに応えられていないのか。
→ 新たな技術は、従来技術と比較しどのような優位性があるのか。
→ 新たな技術は、どのように川下製造業者の課題及びニーズの解決に繋
がるのか。
●新技術を開発するためにどのような技術的課題が存在するのか
→ 基盤技術を高度化するのは、どのような実用化の障壁を乗り越えるためか。
●具体的にどのような手法・体制により研究開発に取り組むのか。
→ どのように新技術を開発し、課題を解決するのか。(別表1)で記載した特
定研究開発等の実施方法の具体化
→ どのような共同研究体制により、研究開発を実施するのか。
法認定申請書の記載箇所
(別表1)
特定ものづくり基盤技術の高度化を図るための特定研究開発等の目標
○当該特定ものづくり基盤技術において達成しようとする高度化の目標(前段部分)
(別表1)
特定ものづくり基盤技術の高度化を図るための特定研究開発等の目標
○当該特定ものづくり基盤技術において達成しようとする高度化の目標(後段部分)
(別表1)
当該特定ものづくり基盤技術における高度化目標の達成に資する特定研究開発等
の実施方法
○技術開発の方向性
(別表2)
特定研究開発等の内容
1.特定研究開発等の具体的な内容
【従来技術との比較】
(別表2)
特定研究開発等の内容
1.特定研究開発等の具体的な内容
【新技術開発における技術的課題について】
(別表2)
特定研究開発等の内容
1.特定研究開発等の具体的な内容
【課題解決のための具体的研究開発内容】
【実施体制】
13
申請の手引き~法認定編~
Step5. ここまで揃ったら、いよいよ申請書の作成に入ります。申請書の記載例を参考にしましょう。
法認定申請書の中で特に間違えやすいポイント
 計画実施期間について
サポインとともに申請をする場合、サポインの事業実施期間が法認定申請書に書かれる実施期間に内包されている必要
があります。サポインの実施期間については、経済産業局までご確認ください。
 主たる研究開発等の実施場所について
本社が道外であっても、主たる研究開発等の実施場所が道内であれば、法認定の申請先は北海道経済産業局になりま
すが、逆に、主たる研究開発等の実施場所が道外であれば、その都府県の管轄経済産業局が申請先となりますので、ご
注意ください。
 共同申請者と協力者の違いについて
(別表1)の中に記載箇所のある、「共同申請者」と、(別表4)の中に記載箇所のある、「協力者」は異なります。法認定を共
同で複数社申請する場合は、その者を前者の「共同申請者」の欄に記入し、法認定は受けないが、共同研究を行う(サポ
インの共同体に参加する)機関は後者の「協力者」の欄に記入することになります。
 以前に認定を受けたことのある申請者について
以前に法認定を受けたことのある申請者であって、その申請内容に大きな変更がない場合は、「変更認定申請」が可能で
す。この場合、「変更認定申請書」の様式に従って、変更となった箇所を記載するのみで、申請が可能となります。
14
申請の手引き~サポイン申請編~
Step1. 共同体のフォーメーションを決めましょう
 特事業管理機関はどの機関が担うのか、早めに目星を付けておく必要があります。
特に共同体のうち、間接補助事業者に大学が含まれる場合は、管理法人が、大学、公設試等でないと、定額補助に
なりませんので、ご注意ください。
 サポインは、川下ニーズを捉えた内容であることが重要です。積極的に川下企業をアドバイザーなどに含め、共同体に
加えるようにしましょう。(ただし、事業期間中、共同体内間で取引が発生させる場合は、制限がかかることがあります
のでご注意ください。)
Step2. プロジェクトの総括研究代表者(PL)を決め、事前にe-Radへ登録しておきましょう
 研究開発の中心となり、事業全体の総括を行える研究代表者を決める必要があります。サポインは、基本的には、2
年または3年で行う事業ですので、総括研究代表者は少なくともその期間中は研究開発に従事出来るような心構えを
する必要があります。
 総括研究代表者は、e-Rad(府省共通研究開発管理システム)へ「研究機関の登録」及び「研究者の登録」が必要とな
ります。登録手続きに相当の日数を要する場合がありますので、できる限り早い段階で余裕をもって登録手続きを行っ
てください。
e-Rad(府省共通研究開発管理システム)の登録
http://www.e-rad.go.jp/
Step3. ものづくり高度化法の認定申請書と同様の観点で、申請書の素案を作成しましょう
Step4. 素案が出来上がったら、経済産業局へ相談されることをお勧めします
 研究開発内容の書き方に対するアドバイスはもちろんのこと、要件不備や加点の申請漏れがないように、提出の前に
は出来るだけ、経済産業局へ相談されることをお勧めします。
 サポインでは、提出しなければならない書類が複数あります。〆切りぎりぎりではなく、余裕をもって提出するように心
がけましょう。
15
北海道管内の活用事例
【事例1】漁船搭載用シャーベット状海水氷製氷機の開発
【事業期間:H22-24年度】
~魚体を傷つけない急速冷却により漁船上から鮮度を維持し、商品価値を向上!~
プロジェクト名:データトラッキング制御による漁獲物高鮮度保持用オンサイト型海水製氷機の開発
事業管理者: (株)ニッコー
研究実施者: (株)ニッコー、(独)産業技術総合研究所、(公財)函館地域産業振興財団
①研究開発のポイント
連続式シルクアイスシステム「海氷」
(株)ニッコー(釧路市)は、水産分野を主体とする食品加工
メーカ-。同社は、水産物の更なる高鮮度化を実現するため、
漁獲時から最適な低温管理を行う漁船設置型シャーベット状海
水氷(シルクアイス)製氷機を開発。
海水氷は、従来、温度や塩分濃度等が変化するため生成に
長時間を要していたが、同社は海水の性状変化をリアルタイム
に追従し、瞬時かつ断続的にシルクアイスを生成するデータト
ラッキング制御ソフトを組み込んだ小型・高性能の「製氷機」の
商品化に成功。漁船に氷の積載が不要となったほか、水産物
の鮮度保持期間を延ばしブランド化に貢献している。
シルクアイスの効果
②事業化・進捗状況
平成25年10月の製品化後、北海道を中心に全国の漁協等に
導入され、平成26年度の売上実績は約1.1億円、平成27年度
の売上見込みも約3億円と順調に伸ばしている。
漁船用だけでなく、陸上設置型やレストラン向けなど新たな
ユーザー開拓に努め、市場拡大を図っている。
シルクアイス
獲れたての
鮮度を維持し、
商品価値を向上
魚体を傷つけず
に急速冷却
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北海道管内の活用事例
【事例2】情報家電の大容量化等に対応した部品製造のための金型製造技術の開発
~ミクロの精度で部品金型の小型化に挑戦~ 【事業期間:H19~H21年度】
プロジェクト名:加工条件の最適化による高機能かつ微細な多極を有する狭ピッチコネクター用成形金型の開発
事業管理者: (財)室蘭テクノセンター
研究実施者:(株)キメラ、三菱電機(株)名古屋製作所、(財)室蘭テクノセンター
①研究開発のポイント
(株)キメラ(室蘭市)は、IT活用や最新設備導入等により、製品の
低コスト・短納期を誇る金型等製造メーカ-。
PC、スマートフォンなどの情報家電の高機能化・大容量化の進展に
伴い、外部接続のための情報出力コネクターの小型化、高機能化が
求められており、こうした部品の技術開発が課題になっている。
そのため、熟練技術者の暗黙知の技術を形式知化し、最適化自動
加工システムを構築し、研削、切削加工技術の高精度・微細化を実
現。これまでになかった微細な0.1mmピッチコネクター用金型の開
発に成功した。
携帯電話充電器の
狭ピッチコネクター
溝と溝の間隔が
0.1mm。(髪の毛の
太さは0.2mm)
②事業化・進捗状況
本事業で培った技術が認識されるに従い、コネクター用金型の依頼
が年々増加し、売上げ累計は6億円を超えている。
事業後も継続した研究開発を重ね、現在は0.05mmピッチの加工
が可能なまでになっており、また、本事業技術の成果が他製品の高
精度化にもつながり売上に寄与するなど、同社の高度な精密金型技
術が家電、医療機器をはじめとした様々な川下産業のものづくりに活
かされている。
狭ピッチコネクター用金型
狭ピッチコネクターハウジング成形品
17
北海道管内の活用事例
【事例3】動く測定対象も撮影可能な低コスト3Dスキャニング技術の開発
~手軽な3Dスキャニングで応用分野が拡大~ 【事業期間:H22~H23年度】
プロジェクト名:ユーザビリティ向上、低コスト化を実現するための革新的な3Dスキャニング技術の開発
事業管理者:(株)ノア
研究実施者:(株)ノア、鹿児島大学、(地独)北海道立総合研究機構(工業試験場)
①研究開発のポイント
(株)ノアは、茨城県つくば市に本社を置く組み込みソフトウェアの設計等
を行う会社。平成22年に札幌市内に開発拠点を設け、3Dスキャナーの
技術開発を行っている。
3Dスキャナー「hapimo3D」
同社は、従来の3Dスキャナは操作が手軽でない、また、測定対象
が動くモノは撮影が困難という課題に対し、一瞬の撮影で3D情報を
取得する技術(ワンショットスキャン)を開発し、操作性の向上や利用
領域の拡大に貢献した。
②事業化・進捗状況
平成26年6月からデジカメ感覚の低価格な「ハンディ3Dデータス
キャナ」を販売。価格が30万円を切り、ワンショット撮影が可能なもの
としては、世界に先駆けた製品。3Dデータ解析により容易に物体の
表面積や体積などの計測ができるため、医療(義肢装具のデータ生
成等)・農畜産関係(動物の非接触測定等)等での販売促進を図って
いる。 また、本事業をベースに、工場現場等の事故防止・検知シス
テムの研究開発を行うなど、応用分野の拡大を進めている。
デジカメ感覚で
3Dスキャンが可能
※(株)ノアのHP(Hapimo:3Dとは?動画でご紹介)
https://www.youtube.com/watch?v=_gD1x_gkG_g
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お問合せ・申請先窓口等
北海道経済産業局 地域経済部 産業技術課
〒060-0808
札幌市北区北8条西2丁目 札幌第一合同庁舎 5階
電話:【代表】011-709-2311 内線2587、【直通】011-709-5441
FAX:011-707-5324
★参考WEBサイト
中小企業のものづくり基盤技術の高度化支援
http://www.hkd.meti.go.jp/hokis/mono/sapoin.htm
本資料でご紹介している
ものづくり高度化法やサポイン事業に関して、
制度活用の流れ、事業概要・活用事例、
認定実績、補助金・委託費の概要、申請様式
などについては、
全て上記WEBサイトに掲載しています。
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