IBM Power Systems IBM i の特定メッセージをSNMP Trapで送信する IBM i OSは標準でSNMP(Simple Network Management Protocol)をサポートして います。 以下ではSNMPを使用したIBM i 上で実行されるアプリケーションプログラム等の監 視方法の設定サンプルをご紹介します。 シナリオとしてIBM i 上のユーザーアプリケーションが出力する特定のメッセージID をSNMPプロトコルを使ってIBM i の外部にあるSNMPマネージャーに送出する例 をご紹介いたします。 IBM i はCPU使用率をはじめ各種システム資源の状況をSNMPで送出する事も可 能です。また、資料中一部のパラメータについて詳細な説明を割愛しています。そ れぞれの詳細は IBM Knowledge Center(旧インフォメーションセンター) をご参照 ください。 - 1 https://www.ibm.com/support/knowledgecenter/ssw_ibm_i/welcome © Copyright IBM Corporation 2016 IBM Power Systems IBM i SNMP監視全体図(例) 当資料は下記のような環境を想定しています。 192.168.1.10 2 192.168.1.135 © Copyright IBM Corporation 2016 IBM Power Systems 設定概要図 IBM i でSNMPトラップ送出する仕組みと必要な設定項目 IBM i プログラム または システム・ ユーザー メッセージ 出力指示 メッセージファイル メッセージ記述 ①ADDMSGDまたはCHGMSGD ⑧CHGNETA メッセージ出力 メッセージ 待ち行列 QSYSOPR メッセージ 取得 プログラム または システム・ ユーザー ログ出力 QHSTログ 設定項目: ①メッセージ出力時に警報が 発報されるよう、メッセージ記述 のALROPT属性を設定 ②警報フィルターを作成 ③警報フィルターでメッセージ を指定グループに仕分ける ルールを設定 ④グループの処置項目として SNMPトラップ送信されるよう 設定 ⑤SNMP用のコミュニティ作成 ⑥SNMP属性にてSNMPトラッ プ送信先情報を設定 ⑦SNMP設定変更時は反映の ためSNMPサービスを再起動 ⑧ネットワーク属性にて警報時 に使用される警報フィルターと して②で作成したものを指定 警報 ②CRTFTR ④ADDALRACNE ③ADDALRSLTE 警報フィルター (TESTALR) 警報選択項目 グループ TESTGRP 警報処置項目 ⑤ADDCOMSNMP ⑥CHGSNMPA ⑦STRTCPSVR *SNMP 処置 SNMP エージェント SNMPマネージャー SNMP Trap SNMP マネージャー : 一般的に、運用開始後に保守対象となる箇所 3 © Copyright IBM Corporation 2016 IBM Power Systems IBM i の特定のメッセージIDをSNMP Trapで送信する設定手順 1. ⑥SNMP属性の変更 CHGSNMPAコマンドを使用してSNMP属性を変更します。 設定例 システム記述・・・snmp上の当 IBM i システムを特定できる名 称等を指定。 システム場所・・・snmp上で使 用する当IBM i システムの設 置場所等を指定。 自動開始・・・*YES にすると STRTCPコマンドまたは STRTCPSVR SERVER(*AUTOSTART)コ マンドの実行時にSNMPエー ジェントが自動開始される。 © Copyright IBM Corporation 2016 IBM Power Systems 1. ⑥SNMP属性の変更(続き) 設定例 管理機能IPアドレス 管理IPアドレス・マスク・・・ snmpトラップを受信する管理 サーバー(SNMPマネー ジャー)等のアドレスとサブ ネットマスクを指定。 コミュニティー名・・・喪失され るsnmpパケットに記述される コミュニティー名を指定。 コミュニティー名の変換・・・環 境により*YESまたはNOを指 定。 5 © Copyright IBM Corporation 2016 IBM Power Systems 2. ⑤SNMP用のコミュニティーを作成 ADDCOMSNMPコマンドを使用してSNMP用コミュニティーを作成します。 (変更時はCHGCOMSNMPコマンド) 設定例 コミュニティー名・・・送出され るsnmpパケットに記述される コミュニティー名を指定。 コミュニティー名の変換・・・環 境により*YESまたはNOを指 定。 管理機能IPアドレス 管理機能IPアドレス・マス ク・・・SNMPマネージャーのIP アドレス、サブネットマスクを指 定 6 © Copyright IBM Corporation 2016 IBM Power Systems IBM i の特定のメッセージIDをSNMP Trapで送信する設定手順 2. ①SNMP送出するメッセージIDを設定 既存あるいは新規作成するメッセージ記述の警報オプションを有効に設定します。 コマンド: CHGMSGD または ADDMSGD 設定例 メッセージID メッセージ・ファイル・・・SNMP 設定を行うメッセージIDと、そ のメッセージIDが含まれるメッ セージ・ファイル名・ライブラ リー名を指定 © Copyright IBM Corporation 2016 IBM Power Systems IBM i の特定のメッセージIDをSNMP Trapで送信する設定手順 2. ①SNMP送出するメッセージIDを設定(続き) 設定例 警報タイプ・・・*IMMED を指 定すると当メッセージがQHST に送出されるのと同時に SNMPに送出される。 © Copyright IBM Corporation 2016 IBM Power Systems IBM i の特定のメッセージIDをSNMP Trapで送信する設定手順 3. ②警報フィルターの作成 作成コマンド: CRTFTR 設定例 フィルター ライブラリー・・・フィルター名、 ライブラリー名を指定 タイプ・・・*ALR を指定 © Copyright IBM Corporation 2016 IBM Power Systems IBM i の特定のメッセージIDをSNMP Trapで送信する設定手順 4. ③警報フィルターの警報選択項目の設定 設定したメッセージ記述により出力されるメッセージがSNMP Trapで送信されるように、警報フィルターに 選択項目(仕分けルール)を追加します。 コマンド 警報選択項目の新規追加: ADDALRSLTE (変更時は CHGALRSLTE) 設定例 フィルター ライブラリー・・・フィルター名、ライブラ リー名を指定 タイプ・・・*ALR を指定 ※選択データの記述方法について は製品マニュアルの下記のページ を参照してください。 http://www01.ibm.com/support/knowledgec enter/api/content/nl/jajp/ssw_ibm_i_71/cl/addalrslte.ht m#ADDALRSLTE.SELECT © Copyright IBM Corporation 2016 IBM Power Systems IBM i の特定のメッセージIDをSNMP Trapで送信する設定手順 5. ④警報フィルターの警報選択項目の設定グループの処置項目としてSNMPト ラップ送信されるよう設定 フィルターに対して、SNMPアラートを創出するように設定 コマンド: 警報処置の新規追加: ADDALRACNE 設定例 フィルター ライブラリー・・・フィルター名、 ライブラリー名を指定 グループ・・・ © Copyright IBM Corporation 2016 IBM Power Systems 5. ④警報フィルターの警報選択項目の設定グループの処置項目としてSNMPトラッ プ送信されるよう設定(続き) 12 © Copyright IBM Corporation 2016 IBM Power Systems IBM i の特定のメッセージIDをSNMP Trapで送信する設定手順 6. 警報フィルターを参照するようにネットワーク属性を変更 コマンド: ネットワーク属性変更: CHGNETA © Copyright IBM Corporation 2016 IBM Power Systems IBM i の特定のメッセージIDをSNMP Trapで送信する設定手順 7. SNMPエージェントサーバーの開始 コマンド: STRTCPSVR SERVER(*SNMP) © Copyright IBM Corporation 2016 IBM Power Systems IBM i の特定のメッセージをSNMP Trapで送信する テスト用CLプログラムのサンプル テスト用のアラートを送出するためのサンプルプログラムです。 START: PGM SNDPGMMSG MSGID(CPF9898) MSGF(*LIBL/QCPFMSG) + MSGDTA('THIS IS A TEST MESSAGE.') + TOMSGQ(*SYSOPR) END: ENDPGM メッセージIDを指定 メッセージ記述の含まれるライブラリ/メ ッセージファイル名を指定 ※ライブラリが不明な場合は*LIBLを指定 してください メッセージ記述で定義している出力メッセージ内に “&1”が指定されている場合に置換される値を指定 ※置き換え値が不要な場合はこのパラメーターは不 要です © Copyright IBM Corporation 2016 IBM Power Systems 注意事項等 IBM i 7.2, 7.1を含む現時点(2016年4月)のIBM i バージョンではSNMPマネージャ ーに送信されるメッセージがEBCDICの16進数にて生成されます。このため、 SNMPマネージャー側でEBCDICを解釈する等の対応が必要です。 16進数の中身はSNA Alert Formatに則った値となります。 - 16 http://publibfp.boulder.ibm.com/cgi-bin/bookmgr/BOOKS/d50x4002/CCONTENTS © Copyright IBM Corporation 2016 IBM Power Systems 参考:IBM i の監視設計(例) IBM i の監視設計の例を記載します。 下記はあくまで一例です。各設定は個々のシステム要件により異なりますので、最 適な設計は対象システムに応じて設計を行ってください。 監視項目 監視カテゴリ 稼働監視 リソース監視 OSログ監視 17 監視項目 ping応答 インターフェース 障害検知 障害検知 ユーザージョブ 障害検知 TCPポート 障害検知 CPU使用率 パフォーマンス監視 メモリー使用率 パフォーマンス監視 ディスク使用率 パフォーマンス監視 システムジョブがメッ 障害検知 セージキューに出力 するメッセージ 備考 監視項目(方式)[閾値設定] 間隔 ping応答(ICMP)[アップ/ダウン] 5分 ステータスポーリング(SNMP)[アッ 10分 プ/ダウン] SNMPにより特定のメッセージIDを (随時) 監視 特定TCP/IPサーバージョブ(Telnet 5分 等の使用ポート監視)[アップ/ダウ ン] CPU使用率(SNMP)[90%: 重大/60%: 5分(*1) 警告/80%: リアーム] メモリ使用率(SNMP)[閾値は別途 15分 検討*2] ディスク使用率(SNMP)[80%: 重大 /70%: 警告/60%: リアーム] 当資料記載の方式で実施 (*1) 2回以上連続で閾値を 超えた場合アラート送出 (*2)閾値は本稼働後、パ フォーマンスデータを取得・ 評価し検討 60分 SNMPにより特定のメッセージIDを (随時) 当資料記載の方式で実施 監視 © Copyright IBM Corporation 2016
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