SNMP Trap

IBM Power Systems
IBM i の特定メッセージをSNMP Trapで送信する
 IBM i OSは標準でSNMP(Simple Network Management Protocol)をサポートして
います。
 以下ではSNMPを使用したIBM i 上で実行されるアプリケーションプログラム等の監
視方法の設定サンプルをご紹介します。
 シナリオとしてIBM i 上のユーザーアプリケーションが出力する特定のメッセージID
をSNMPプロトコルを使ってIBM i の外部にあるSNMPマネージャーに送出する例
をご紹介いたします。
 IBM i はCPU使用率をはじめ各種システム資源の状況をSNMPで送出する事も可
能です。また、資料中一部のパラメータについて詳細な説明を割愛しています。そ
れぞれの詳細は IBM Knowledge Center(旧インフォメーションセンター) をご参照
ください。
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https://www.ibm.com/support/knowledgecenter/ssw_ibm_i/welcome
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IBM i SNMP監視全体図(例)
 当資料は下記のような環境を想定しています。
192.168.1.10
2
192.168.1.135
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設定概要図
 IBM i でSNMPトラップ送出する仕組みと必要な設定項目
IBM i
プログラム
または
システム・
ユーザー
メッセージ
出力指示
メッセージファイル
メッセージ記述
①ADDMSGDまたはCHGMSGD
⑧CHGNETA
メッセージ出力 メッセージ
待ち行列
QSYSOPR
メッセージ
取得
プログラム
または
システム・
ユーザー
ログ出力
QHSTログ
設定項目:
①メッセージ出力時に警報が
発報されるよう、メッセージ記述
のALROPT属性を設定
②警報フィルターを作成
③警報フィルターでメッセージ
を指定グループに仕分ける
ルールを設定
④グループの処置項目として
SNMPトラップ送信されるよう
設定
⑤SNMP用のコミュニティ作成
⑥SNMP属性にてSNMPトラッ
プ送信先情報を設定
⑦SNMP設定変更時は反映の
ためSNMPサービスを再起動
⑧ネットワーク属性にて警報時
に使用される警報フィルターと
して②で作成したものを指定
警報
②CRTFTR
④ADDALRACNE
③ADDALRSLTE
警報フィルター (TESTALR)
警報選択項目
グループ
TESTGRP
警報処置項目
⑤ADDCOMSNMP
⑥CHGSNMPA
⑦STRTCPSVR *SNMP
処置
SNMP
エージェント
SNMPマネージャー
SNMP
Trap
SNMP
マネージャー
: 一般的に、運用開始後に保守対象となる箇所
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IBM i の特定のメッセージIDをSNMP Trapで送信する設定手順
1. ⑥SNMP属性の変更
CHGSNMPAコマンドを使用してSNMP属性を変更します。
設定例
システム記述・・・snmp上の当
IBM i システムを特定できる名
称等を指定。
システム場所・・・snmp上で使
用する当IBM i システムの設
置場所等を指定。
自動開始・・・*YES にすると
STRTCPコマンドまたは
STRTCPSVR
SERVER(*AUTOSTART)コ
マンドの実行時にSNMPエー
ジェントが自動開始される。
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1. ⑥SNMP属性の変更(続き)
設定例
管理機能IPアドレス
管理IPアドレス・マスク・・・
snmpトラップを受信する管理
サーバー(SNMPマネー
ジャー)等のアドレスとサブ
ネットマスクを指定。
コミュニティー名・・・喪失され
るsnmpパケットに記述される
コミュニティー名を指定。
コミュニティー名の変換・・・環
境により*YESまたはNOを指
定。
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2. ⑤SNMP用のコミュニティーを作成
ADDCOMSNMPコマンドを使用してSNMP用コミュニティーを作成します。
(変更時はCHGCOMSNMPコマンド)
設定例
コミュニティー名・・・送出され
るsnmpパケットに記述される
コミュニティー名を指定。
コミュニティー名の変換・・・環
境により*YESまたはNOを指
定。
管理機能IPアドレス
管理機能IPアドレス・マス
ク・・・SNMPマネージャーのIP
アドレス、サブネットマスクを指
定
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IBM i の特定のメッセージIDをSNMP Trapで送信する設定手順
2. ①SNMP送出するメッセージIDを設定
既存あるいは新規作成するメッセージ記述の警報オプションを有効に設定します。
コマンド: CHGMSGD または ADDMSGD
設定例
メッセージID
メッセージ・ファイル・・・SNMP
設定を行うメッセージIDと、そ
のメッセージIDが含まれるメッ
セージ・ファイル名・ライブラ
リー名を指定
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IBM i の特定のメッセージIDをSNMP Trapで送信する設定手順
2. ①SNMP送出するメッセージIDを設定(続き)
設定例
警報タイプ・・・*IMMED を指
定すると当メッセージがQHST
に送出されるのと同時に
SNMPに送出される。
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IBM i の特定のメッセージIDをSNMP Trapで送信する設定手順
3. ②警報フィルターの作成
作成コマンド: CRTFTR
設定例
フィルター
ライブラリー・・・フィルター名、
ライブラリー名を指定
タイプ・・・*ALR を指定
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IBM i の特定のメッセージIDをSNMP Trapで送信する設定手順
4. ③警報フィルターの警報選択項目の設定
設定したメッセージ記述により出力されるメッセージがSNMP Trapで送信されるように、警報フィルターに
選択項目(仕分けルール)を追加します。
コマンド 警報選択項目の新規追加: ADDALRSLTE (変更時は CHGALRSLTE)
設定例
フィルター
ライブラリー・・・フィルター名、ライブラ
リー名を指定
タイプ・・・*ALR を指定
※選択データの記述方法について
は製品マニュアルの下記のページ
を参照してください。
http://www01.ibm.com/support/knowledgec
enter/api/content/nl/jajp/ssw_ibm_i_71/cl/addalrslte.ht
m#ADDALRSLTE.SELECT
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IBM i の特定のメッセージIDをSNMP Trapで送信する設定手順
5. ④警報フィルターの警報選択項目の設定グループの処置項目としてSNMPト
ラップ送信されるよう設定
フィルターに対して、SNMPアラートを創出するように設定
コマンド: 警報処置の新規追加: ADDALRACNE
設定例
フィルター
ライブラリー・・・フィルター名、
ライブラリー名を指定
グループ・・・
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5. ④警報フィルターの警報選択項目の設定グループの処置項目としてSNMPトラッ
プ送信されるよう設定(続き)
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IBM i の特定のメッセージIDをSNMP Trapで送信する設定手順
6. 警報フィルターを参照するようにネットワーク属性を変更
コマンド: ネットワーク属性変更: CHGNETA
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IBM i の特定のメッセージIDをSNMP Trapで送信する設定手順
7. SNMPエージェントサーバーの開始
コマンド: STRTCPSVR SERVER(*SNMP)
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IBM i の特定のメッセージをSNMP Trapで送信する
 テスト用CLプログラムのサンプル
 テスト用のアラートを送出するためのサンプルプログラムです。
START:
PGM
SNDPGMMSG
MSGID(CPF9898) MSGF(*LIBL/QCPFMSG) +
MSGDTA('THIS IS A TEST MESSAGE.') +
TOMSGQ(*SYSOPR)
END:
ENDPGM
メッセージIDを指定
メッセージ記述の含まれるライブラリ/メ
ッセージファイル名を指定
※ライブラリが不明な場合は*LIBLを指定
してください
メッセージ記述で定義している出力メッセージ内に
“&1”が指定されている場合に置換される値を指定
※置き換え値が不要な場合はこのパラメーターは不
要です
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注意事項等
 IBM i 7.2, 7.1を含む現時点(2016年4月)のIBM i バージョンではSNMPマネージャ
ーに送信されるメッセージがEBCDICの16進数にて生成されます。このため、
SNMPマネージャー側でEBCDICを解釈する等の対応が必要です。
 16進数の中身はSNA Alert Formatに則った値となります。
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http://publibfp.boulder.ibm.com/cgi-bin/bookmgr/BOOKS/d50x4002/CCONTENTS
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参考:IBM i の監視設計(例)
 IBM i の監視設計の例を記載します。
 下記はあくまで一例です。各設定は個々のシステム要件により異なりますので、最
適な設計は対象システムに応じて設計を行ってください。
監視項目
監視カテゴリ
稼働監視
リソース監視
OSログ監視
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監視項目
ping応答
インターフェース
障害検知
障害検知
ユーザージョブ
障害検知
TCPポート
障害検知
CPU使用率
パフォーマンス監視
メモリー使用率
パフォーマンス監視
ディスク使用率
パフォーマンス監視
システムジョブがメッ 障害検知
セージキューに出力
するメッセージ
備考
監視項目(方式)[閾値設定]
間隔
ping応答(ICMP)[アップ/ダウン]
5分
ステータスポーリング(SNMP)[アッ 10分
プ/ダウン]
SNMPにより特定のメッセージIDを (随時)
監視
特定TCP/IPサーバージョブ(Telnet 5分
等の使用ポート監視)[アップ/ダウ
ン]
CPU使用率(SNMP)[90%: 重大/60%: 5分(*1)
警告/80%: リアーム]
メモリ使用率(SNMP)[閾値は別途 15分
検討*2]
ディスク使用率(SNMP)[80%: 重大
/70%: 警告/60%: リアーム]
当資料記載の方式で実施
(*1) 2回以上連続で閾値を
超えた場合アラート送出
(*2)閾値は本稼働後、パ
フォーマンスデータを取得・
評価し検討
60分
SNMPにより特定のメッセージIDを (随時) 当資料記載の方式で実施
監視
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